小林容疑者の逃走劇と逮捕までの不手際を地検が謝罪した、とニュースにあった。これが「公務員の一連の失態」と考えると、恥もここに極まれり、である。人の失敗を笑っているばかりでは国会で野次を飛ばしている低俗議員と変らないので、このような不祥事の原因解明と再発防止策について、私の考えを書いてみたい。
1、GPS
先ずは、保釈する場合にはGPS装着を義務付けることが必要だろう。ゴーン被告の場合にもニュースになったからご存知の方も多いと思うが、所在を常にモニターしておくのは有効だと思う。被告の人権が不当に当局によって制限されるという問題については、あくまで逃亡を抑止するためだけに使用することと限定すれば、必要最小限の措置として容認される範囲と言えそうだ。
2、罪を追加
今回のように、罪刑が確定し地検から出頭命令が出たのにも関わらず正当な事由なく応じない場合は、罰則を大幅に強化しておくのも有効である。例えば本来の刑が3年とすれば、10倍の30年の刑期延長に処するのである。これなら逃げようとする者はいないと思う。刑期が長すぎるとの批判が出るかと思うが、逃げなきゃいいので問題はない。第一、逃げるようであれば、最初から保釈などしなければいいのではないか、とも言える。
3、保釈が何故必要なのか
保釈とは、今回の場合は「実刑確定前の容疑者」が裁判の結審を待つ間の一定期間にある程度の自由を与えられる制度である(裁判前の場合もある)。容疑者が事情聴取を受け「これ以上の聴取は必要ない」と認められて、逃亡の恐れがないなどの一定の要件が満たされていれば保釈となる。最近は保釈を認められる事例が多くなってきたらしい。このように、保釈が最近多く認められている傾向にあるのは1つには、「被告の人権」を守る観点から裁判所が認める方向にあると言われている。そもそも、日本の刑事事件において自白が重要視され、被告にそれを強要する取り調べ体質が人質裁判などと揶揄されて、世界から批判を受けていることが大きな要因だ。日本の司法もそろそろ旧刑法からの完全脱却を図っても良い頃で、取り調べの可視化とか弁護士の同席義務とか、色々やることはあると思うが一番の改革は、「有罪判決における自白の有効性を無くす」ことではないだろうか。容疑者が自白をしようとしまいとに関わらず、罪を裁くには「合理的疑いを超えて被告が犯人だと指し示す確かな証拠」が必要である。「自白したから犯人だ」というのは過去に数々の「冤罪」を生んで来た手法であり、捜査員の「思い込み逮捕」を助長する悪弊でしかない。それに比べて「証拠がなければ被告を有罪とすることは出来ない」というのが、正しい司法の鉄則ではないだろうか。今まで余りにも「被告が私がやりましたと言って罪を悔い改める」という裁判シーンを裁判の理想とし過ぎた、というのが間違いだったのである。日本もこれからは裁判の原点に立ち返って、「証拠がなければ無罪」ということを徹底して、有罪率99%なんて数字にとらわれず精進してもらいたいものである。それが徹底されれば、「自白して罪を認めているから保釈してあげる」という、変な温情も必要なくなってくる。そういう意味では、逮捕してから起訴・公判までの期間を「短くする」ことも保釈を減らす1つの方法である。
4、法整備を怠るというよりも、そもそもの考え方が変
今の刑法では、保釈された人間が出頭に応じないケースは想定していないという。これは「そういう真面目に約束を守る人間だから、保釈が認められている」とも考えられるわけである。ならば、そういう真面目な約束を守る人が、どうして「犯罪を犯したりする」のか、説明がつかないではないか。逆に言えば、麻薬常習者ですぐカッとなるような小林容疑者を、保釈するべきでは「なかった」のである。彼の保釈を認めた裁判官が深〜く猛省すべきなのは間違いない。しかし今後このようなことが出てくると、保釈をためらう裁判官も多くなりそうである。どちらにしても保釈中の行動についての法整備が整ってない、ということは即刻是正されるべきであろう。3日もあれば出来ることなので、即刻立法すべきと思う。
5、何が起きているかをデータベース化
警察や検察の部署間で連携が出来ていなかった、というのも問題を拡げてしまった原因の1つだ。それを防止するために、YOU-TUBE式の映像と音声で「事件No.ごとに、全ての行動・処置をデータベースにする」方法が有効だ。データベース化することは可能でも、アップするのに時間がかかっていては意味がない。人に報告したり電話で連絡したりの「署内の仕事」をそのままデータベースにアップすれば、何かあっても「今何がおきているか」を直ぐに確認することが出来るので「連絡ミス」ということが起きなくなる。だからYOU-TUBEなのである。そのためには、「AIの活用」こそが重要である。AIであれば、何百という事件の個別処理で「どこが未処理なのか」を瞬時に判断して指示を出すことが可能である。例えば「緊急配備をしてくれ」と連絡をお願いしても、実際に配備できたかどうかのチェックは人間では難しい。そこでAIの登場である。将来はAI裁判官なんていうのも出てくる可能性が無いとも言えない。なぜなら六法全書の丸暗記から過去の判例の参照まで、今の裁判官に必要な能力の「大半」は、AIの方が断然優秀である。昔、ロボコップという映画があったが、いずれ現実のものになる時代がやってくる「かも」知れない。AIは人間の思惑など「一切斟酌しない」だろうから、法の適用などには「うってつけ」に違いない。
と、ここまでは現在の保釈制度の改善策である。罪を犯したと信ずるに足る証拠が揃ったのであれば速やかに起訴し、一定期間内に証拠が揃わなければ、開放する。単純明快、捜査は事務的にすすめるべきである。それを無闇に勾留し引き伸ばしをして肉体的心理的に追い詰めるようなやり方を警察検察が取り続ければ、司法の公平さは失われるであろう。別件逮捕などは警察の横暴の最たるものであるから、「正々堂々」真正面から戦って悪を退治してこそ、初めて市民のための正義の味方と言えるのである。人のお手本となるべき警察官が、実は「出世の亡者」だったという公務員の悪しき習性が、「モロに出ちゃった」というのが今回の事件の顛末ではないだろうか。そこで蛇足ながら不祥事・不手際の原因を考えてみたい。
6、地検の謝罪
今回は、横浜地検のトップである検事正が謝罪したことで、「異例中の異例」とワイドショーは報じていた。それほどの大失態だと彼等は考えている、と言いたかったのであろう。事実は、自分たちの失敗を「何とか公に知られずに処理したい」という公務員の隠蔽体質が諸悪の根源にある。だいたい追尾している筈の小林容疑者の車を「高速道路で見失った」というのだから「前代未聞の椿事」ではないか。これは自分達の間だけで何とか黙って処理しようとした事無かれ根性が冒してしまった「珍プレー」である。処罰するのも躊躇われるような「小学生のような判断力の無さ」であるが、小学校まで休校させられた周辺住人の恐怖を思えば、単純な笑い事では済まされない。ニュースによれば、実刑確定後に行方がわからなくなった「とん刑者」は、実に全国で「26人」もいるというから驚くではないか。これはもう法整備が遅れているどころの話では無い、法の怠慢である。これは犯人が犯罪を犯していながら、全く反省していないという「明らかな証拠」ではないだろうか。このような犯罪者には「累積刑」を設定するのが適当である。つまり実刑を逃れようと一度でも逃亡したものは、逃亡罪の適用はもちろん、次の事件での刑期を倍々にするのである。犯罪に対する刑は、私は事務的に処理すべきだと思う。罰を与えるという考えもあるだろうが、私は「病院で病気を治す」と捉えたい。そういう意味では、カッとなる体質とか、自分を常に正しいと思う間違いとか、人を恨む考え方であるとか、犯罪者の根本には「何か共通の反社会的な特徴」があると思われて仕方がない。自分を抑えられずに暴力を振るう人というのは、どこか「共通のもの」があるのである。私の考えは、刑務所では「受刑者教育」こそが一番大切なのではないか、ということなのだ。だから刑期を勤めれば出所するという考えには、いつも疑問を持ってしまう。受刑者の心の病気を治すためには、個人個人のカルテに合った更生プログラムが必要である。そして「心理カウンセラーの活用」が、もっと求められてもいいと思うのだが。つまり、罪を憎んで人を憎まず、である。この犯罪者病気論、実は最も重い刑でもある。
今回の小林容疑者についてはさらに言うならば、逮捕する時に「どの程度の抵抗をしたかどうか」で保釈が可能かどうかを決める、という考え方もある。最初に逮捕された時に、あまり抵抗せずに「お縄頂戴」しているのであれば、今回の逃亡劇は些か不審とも言える。小林被告が言ったとワイドショーで報道された「おまえら、騙したな!」という言葉が、何を意味しているのか。私には何かもっと裏がありそうな気がしてならないのだが、皆さんはどう思われるか。つまり、彼が二審で無罪か何かになるとでも思い込んでいたのかどうか。一審で有罪確定しているから「それはない」とも思うのだが、保釈時に何か期待を抱かせるようなことを検察が言ったのかどうか、この辺の小林被告の「心理の解明」が待たれるところではある。
1、GPS
先ずは、保釈する場合にはGPS装着を義務付けることが必要だろう。ゴーン被告の場合にもニュースになったからご存知の方も多いと思うが、所在を常にモニターしておくのは有効だと思う。被告の人権が不当に当局によって制限されるという問題については、あくまで逃亡を抑止するためだけに使用することと限定すれば、必要最小限の措置として容認される範囲と言えそうだ。
2、罪を追加
今回のように、罪刑が確定し地検から出頭命令が出たのにも関わらず正当な事由なく応じない場合は、罰則を大幅に強化しておくのも有効である。例えば本来の刑が3年とすれば、10倍の30年の刑期延長に処するのである。これなら逃げようとする者はいないと思う。刑期が長すぎるとの批判が出るかと思うが、逃げなきゃいいので問題はない。第一、逃げるようであれば、最初から保釈などしなければいいのではないか、とも言える。
3、保釈が何故必要なのか
保釈とは、今回の場合は「実刑確定前の容疑者」が裁判の結審を待つ間の一定期間にある程度の自由を与えられる制度である(裁判前の場合もある)。容疑者が事情聴取を受け「これ以上の聴取は必要ない」と認められて、逃亡の恐れがないなどの一定の要件が満たされていれば保釈となる。最近は保釈を認められる事例が多くなってきたらしい。このように、保釈が最近多く認められている傾向にあるのは1つには、「被告の人権」を守る観点から裁判所が認める方向にあると言われている。そもそも、日本の刑事事件において自白が重要視され、被告にそれを強要する取り調べ体質が人質裁判などと揶揄されて、世界から批判を受けていることが大きな要因だ。日本の司法もそろそろ旧刑法からの完全脱却を図っても良い頃で、取り調べの可視化とか弁護士の同席義務とか、色々やることはあると思うが一番の改革は、「有罪判決における自白の有効性を無くす」ことではないだろうか。容疑者が自白をしようとしまいとに関わらず、罪を裁くには「合理的疑いを超えて被告が犯人だと指し示す確かな証拠」が必要である。「自白したから犯人だ」というのは過去に数々の「冤罪」を生んで来た手法であり、捜査員の「思い込み逮捕」を助長する悪弊でしかない。それに比べて「証拠がなければ被告を有罪とすることは出来ない」というのが、正しい司法の鉄則ではないだろうか。今まで余りにも「被告が私がやりましたと言って罪を悔い改める」という裁判シーンを裁判の理想とし過ぎた、というのが間違いだったのである。日本もこれからは裁判の原点に立ち返って、「証拠がなければ無罪」ということを徹底して、有罪率99%なんて数字にとらわれず精進してもらいたいものである。それが徹底されれば、「自白して罪を認めているから保釈してあげる」という、変な温情も必要なくなってくる。そういう意味では、逮捕してから起訴・公判までの期間を「短くする」ことも保釈を減らす1つの方法である。
4、法整備を怠るというよりも、そもそもの考え方が変
今の刑法では、保釈された人間が出頭に応じないケースは想定していないという。これは「そういう真面目に約束を守る人間だから、保釈が認められている」とも考えられるわけである。ならば、そういう真面目な約束を守る人が、どうして「犯罪を犯したりする」のか、説明がつかないではないか。逆に言えば、麻薬常習者ですぐカッとなるような小林容疑者を、保釈するべきでは「なかった」のである。彼の保釈を認めた裁判官が深〜く猛省すべきなのは間違いない。しかし今後このようなことが出てくると、保釈をためらう裁判官も多くなりそうである。どちらにしても保釈中の行動についての法整備が整ってない、ということは即刻是正されるべきであろう。3日もあれば出来ることなので、即刻立法すべきと思う。
5、何が起きているかをデータベース化
警察や検察の部署間で連携が出来ていなかった、というのも問題を拡げてしまった原因の1つだ。それを防止するために、YOU-TUBE式の映像と音声で「事件No.ごとに、全ての行動・処置をデータベースにする」方法が有効だ。データベース化することは可能でも、アップするのに時間がかかっていては意味がない。人に報告したり電話で連絡したりの「署内の仕事」をそのままデータベースにアップすれば、何かあっても「今何がおきているか」を直ぐに確認することが出来るので「連絡ミス」ということが起きなくなる。だからYOU-TUBEなのである。そのためには、「AIの活用」こそが重要である。AIであれば、何百という事件の個別処理で「どこが未処理なのか」を瞬時に判断して指示を出すことが可能である。例えば「緊急配備をしてくれ」と連絡をお願いしても、実際に配備できたかどうかのチェックは人間では難しい。そこでAIの登場である。将来はAI裁判官なんていうのも出てくる可能性が無いとも言えない。なぜなら六法全書の丸暗記から過去の判例の参照まで、今の裁判官に必要な能力の「大半」は、AIの方が断然優秀である。昔、ロボコップという映画があったが、いずれ現実のものになる時代がやってくる「かも」知れない。AIは人間の思惑など「一切斟酌しない」だろうから、法の適用などには「うってつけ」に違いない。
と、ここまでは現在の保釈制度の改善策である。罪を犯したと信ずるに足る証拠が揃ったのであれば速やかに起訴し、一定期間内に証拠が揃わなければ、開放する。単純明快、捜査は事務的にすすめるべきである。それを無闇に勾留し引き伸ばしをして肉体的心理的に追い詰めるようなやり方を警察検察が取り続ければ、司法の公平さは失われるであろう。別件逮捕などは警察の横暴の最たるものであるから、「正々堂々」真正面から戦って悪を退治してこそ、初めて市民のための正義の味方と言えるのである。人のお手本となるべき警察官が、実は「出世の亡者」だったという公務員の悪しき習性が、「モロに出ちゃった」というのが今回の事件の顛末ではないだろうか。そこで蛇足ながら不祥事・不手際の原因を考えてみたい。
6、地検の謝罪
今回は、横浜地検のトップである検事正が謝罪したことで、「異例中の異例」とワイドショーは報じていた。それほどの大失態だと彼等は考えている、と言いたかったのであろう。事実は、自分たちの失敗を「何とか公に知られずに処理したい」という公務員の隠蔽体質が諸悪の根源にある。だいたい追尾している筈の小林容疑者の車を「高速道路で見失った」というのだから「前代未聞の椿事」ではないか。これは自分達の間だけで何とか黙って処理しようとした事無かれ根性が冒してしまった「珍プレー」である。処罰するのも躊躇われるような「小学生のような判断力の無さ」であるが、小学校まで休校させられた周辺住人の恐怖を思えば、単純な笑い事では済まされない。ニュースによれば、実刑確定後に行方がわからなくなった「とん刑者」は、実に全国で「26人」もいるというから驚くではないか。これはもう法整備が遅れているどころの話では無い、法の怠慢である。これは犯人が犯罪を犯していながら、全く反省していないという「明らかな証拠」ではないだろうか。このような犯罪者には「累積刑」を設定するのが適当である。つまり実刑を逃れようと一度でも逃亡したものは、逃亡罪の適用はもちろん、次の事件での刑期を倍々にするのである。犯罪に対する刑は、私は事務的に処理すべきだと思う。罰を与えるという考えもあるだろうが、私は「病院で病気を治す」と捉えたい。そういう意味では、カッとなる体質とか、自分を常に正しいと思う間違いとか、人を恨む考え方であるとか、犯罪者の根本には「何か共通の反社会的な特徴」があると思われて仕方がない。自分を抑えられずに暴力を振るう人というのは、どこか「共通のもの」があるのである。私の考えは、刑務所では「受刑者教育」こそが一番大切なのではないか、ということなのだ。だから刑期を勤めれば出所するという考えには、いつも疑問を持ってしまう。受刑者の心の病気を治すためには、個人個人のカルテに合った更生プログラムが必要である。そして「心理カウンセラーの活用」が、もっと求められてもいいと思うのだが。つまり、罪を憎んで人を憎まず、である。この犯罪者病気論、実は最も重い刑でもある。
今回の小林容疑者についてはさらに言うならば、逮捕する時に「どの程度の抵抗をしたかどうか」で保釈が可能かどうかを決める、という考え方もある。最初に逮捕された時に、あまり抵抗せずに「お縄頂戴」しているのであれば、今回の逃亡劇は些か不審とも言える。小林被告が言ったとワイドショーで報道された「おまえら、騙したな!」という言葉が、何を意味しているのか。私には何かもっと裏がありそうな気がしてならないのだが、皆さんはどう思われるか。つまり、彼が二審で無罪か何かになるとでも思い込んでいたのかどうか。一審で有罪確定しているから「それはない」とも思うのだが、保釈時に何か期待を抱かせるようなことを検察が言ったのかどうか、この辺の小林被告の「心理の解明」が待たれるところではある。
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