「あの時 レンタルウィッグを止めて 良かったですね」
メンテナンスをしながら
急に3年以上前のことを思い出して
Tさまに言ってしまいました
卵巣がんの再発で治療の続くTさまは
一度は自毛デビューをされましたが
脱毛の伴う治療が始まり
再びエピテーゼをお使いになっています
Tさまのことは
何度かブログでご紹介させて頂いています
転移が進み 緩和ケアのある病院も
既にご予約をされています
初めてお会いした時は
レンタルウィッグを被っていらっしゃいました
そのウィッグが痛くて痛くてたまらず
別のウィッグをお探しでした
「あのままだったら また今回ウィッグを
探さなくてはいけなかったです」と笑顔のTさまです
脱毛を伴う治療が いつ始まってもいいように
いつもウィッグの長さにご自髪をお切りしていました
お会いする度 転移しているところが増えている気がしますが
週二日 お仕事もなさっています
「8時間は少しきつくなってきました…」
そんなことも笑顔でお話されるTさま
Tさまはいつも笑顔でお話をして下さるのですが
一度だけとても辛そうな時がありました
今回の脱毛を伴うタキソールの治療前は
いつも熱が下がらず 表情もお辛そうでした
そのまま無治療になるか
タキソールの治療を始めるか
と医師に問われて
Tさまはタキソールの治療を選びました
自分だったら どうするかな…
そのころ 考えてしまいました
また脱毛の治療は気持ちがついていけるのか…
でも その当時よりもお元気なTさまに
治療を決められて 良かったのだと思いました
「コンタクトをしていたのですが
仕事の終わりは疲れてしまって 眼鏡にするようになりました
左側だけ眼鏡が浮くように感じます」
様子を見ながら 耳回りを縫いました
ちょっとしてことも ご相談して頂けて
安心してウィッグの生活を送って頂ければ
緩和ケアのご予約には ドキッとしてしまいましたが
Tさまにとっては とても安心なのだそうです
病院よりはじっくりお話を聞いてくれて
質問のできる環境に満足なご様子です
病院で聞きそびれてしまったことも
ゆっくり説明してもらえるそうです
「急にうちでは もうすることが無いって言われるより
早めに緩和ケアに紹介してもらって良かったんです」
そうなんだ……
いろいろ考えました
厳しい状況の中も
治療をされながら お仕事もなさって
そして
いつも穏やかな笑顔のTさまを
ご紹介したかったのです
「来週は家族で軽井沢に行きます」とTさま
ウィッグもきれいになりましたし
良い旅行になりますよね