アルビン・トフラー研究会(勉強会)  

アルビン・トフラー、ハイジ夫妻の
著作物を勉強、講義、討議する会です。

事の始まり

2024年06月11日 03時47分44秒 | トフラー論より

事の始まり(ブログ投稿再開)
トフラー三部作「(未来の衝撃)を外した第三の波・
パワーシフト・富の未来」を基本にした勉強会を、
地区センター・地域センターで2012年代から
読書会のように延々と少人数で開催して、その後
はgooブログのお世話になって、永らく続いてい
ます。LINEやらメールのやり取りが主流となって
21レッスンズを読み終えて今日迄至ったところ、
昨年10月孫正義氏の特別講演の内容でハレーショ
ンが起きて、こりゃオカシナ方向に世の中が向かう
のではないか???と議論紛々でアルビントフラー
の「読み直し」と「整理」立てをした方がいい?と言
う事で再びgooブログ投稿を少しずつ整理立てて展
開します。

「SoftBank World 2023 孫 正義 特別講演
2023年10月4日」参照
金魚にabcが分かるか?LMM、MMM、AGI等、分
かりやすく説明していますが、単なるARMの売り
込みだろう、それ理想論?ニューロンとシナプスの
違いが分からないのか?なんでハードウェアの人工
知能が人間の記憶容量を超えるから、凄い事になる
って何???等々、昔からアルゴリズムでシステム
組んできた老害(私含む)経験者は、絵空事のよう
しか思えないのですが、人間無視してない???
理論物理学解いてみろよ!?と散々の意見でした!

と言う事で、もう少し目次も分かりやすくして、
少しずつ整理展開していきます。

第三の波目次とサピエンス全史目次

2024年06月10日 15時45分47秒 | トフラー論より
ここで、再び「第三の波」の目次に目を通して
いただきたい。それは、これから解説するユヴ
ァル氏の「サピエンス全史」~「21LESS
ONS」に連なる目次と大変似通っているから
である。

====================
第三の波
<目次>
序章  ぶつかり合う波
第一章 明日への大闘争
革命的前提/波の方向/未来の波/金
ブームに踊る投機狂から暗殺まで

第二の波
第二章 文明の構造
暴力的な解決/肉体的労働に頼ってい
た動力/子宮の役割まで果たす科学技
術/深紅の仏塔/流線型家族/かくさ
れたカリキュラム/法人という名の不
死鳥/音楽の製作工場/紙吹雪 
第三章 見えない楔
市場の意味/男女の役割の分離 
第四章 暗号の解読
規格化/分業化/同時化/集中化/極
大化/中央集権化 
第五章 権力の技術者
統合する人びと/統合の原動力/権力
構造のピラミッド/スーパー・エリー

第六章 隠された青写真
機械信仰/議員代表制の標準モデル・
全世界にひろがった法律製造工場/ 
    選挙は確認の儀式 
第七章 国家に対する熱狂
馬を乗り代える/黄金の多釘
第八章 帝国主義への道
庭のガスポンプ/マーガリンのための
ヤシ農園/アメリカ人による統合/
    社会主義国の帝国主義 
第九章 産業的現実像
進歩の法則/空間の組み変え/現実像
の本質/究極の“なぜ”
第十章 鉄砲水

第三の波
第十一章 新しい統合

第十二章 変貌する主要産業
     太陽エネルギー、そのほかの代替エ
ネルギー/明日の道具/宇宙の富の
利用/海底への進出/遺伝子産業/
技術に対する反逆者たち 
第十三章 脱画一化へ向かうメディア
     イメージの貯蔵庫/脱画一化へ向か
うメディア/「瞬間情報文化」
第十四章 知的情報に満ちた環境
     脳の働きの強化/社会的な記憶 
第十五章 大量生産のあとにくるもの
     ねずみのミルクにTシャツ/「スピ
ード」効果/秘書不要の時代 
第十六章 「エレクトロニック住宅」
     家内労働/通勤の代用としての労働
/家庭中心の社会 
第十七章 未来の家族
     核家族を守るキャンペーン/非核家
族の生活様式/こどものいない生活
/ホットな関係/愛プラスアルファ
ー/働くこどもたち/エレクトロニ
ック大家族/両親を訴える/新しい
時代の家族 
第十八章 企業存立の危機
     踊り狂う通貨/加速化ぎみの経済/
企業の見なおし/五つの圧力/多目
的企業/多様化する「純益」の内容
第十九章 新しい規約の発見
     九時~五時労働の終焉/眠らざる魔
女ゴルゴン/友人別のスケジュール
/コンピューターとマリファナ/
「脱規格化」人間/新しい配列/小
さいものは素晴らしい/未来の組織
第二十章 生産=消費者の出現
     目に見えない経済活動/大食漢と未
亡人/D・I・Y/アウトサイダー
とインサイダー/生産=消費者の生
活様式/第三の波の経済/市場拡大
の終焉 
第二十一章 知性の混乱
     自然の新しいイメージ/進化をデザ
インする/進歩の樹/時間の未来/
宇宙旅行者/全体論と半分論/宇宙
の遊戯室/シロアリの教訓 
第二十二章 国家の崩壊
     アブハジャ人とテクシコ人/上から
の圧力/グローバルな企業/“T字
ネット”の出現/「地球意識」/神
話と創作 
第二十三章 衛星を持ったガンジー
     第二の波の戦略/こわれた成功のお
手本/第一の波の戦略/第三の波の
問題/太陽とえびとシリコンの小片
/最初の生産=消費者/スタートラ
イン
第二十四章 大合流
     明日の基盤/プラクトピアの概念/
間違った設問 


結論
第ニ十五章 新しい精神体系
     孤独への挑戦/情報化時代の共同体
/ヘロインによって与えられる生き
がい/新興宗教の秘密/人生相談と
結社の効用 
第二十六章 人間性の未来
     今までとはちがった成長/新しい労
働者/生産=消費者の倫理/絶対的
な私
第二十七章 時代おくれになった政治体制
     ブラック・ホール/私的軍隊/英雄
待望論の誤り/網の目を張りめぐら
した世界/多部門にまたがる問題/
決定のスピードアップ/コンセンサ
スの崩壊/決定の内部崩壊 
第二十八章 二十一世紀の民主主義
     建国の父母へ/マイノリティー・パ
ワー/半直接民主主義/決定権の分
散/エリート層の拡大/来たるべき
大闘争/創造者の運命

あとがき 訳者あとがき
昭和55年(1980)10月1日発行(和訳)

====================
 
非常にテンポの良い論説で、数時間で一気読み
も可能であり、読み直しでも、各章各項目が分
かりやすく何度でも確認が出来る。


では、サピエンス全史はどうか?
===================
サピエンス全史
- 文明の構造と人類の幸福 -

<目次>
歴史年表

第一部 認知革命

第一章 唯一生き延びた人類種
     不面目な秘密/思考力の代償/調理
する動物/兄弟たちはどうなった
か?
第二章 虚構が協力を可能にした
     プジョー伝説/ゲノムを迂回する/
歴史と生物学
第三章 狩猟採集民の豊かな暮らし
     原初の豊かな社会/口を利く死者の
霊/平和か戦争か?/沈黙の帳
第四章 史上最も危険な種
     告発のとおり有罪/オオナマケモノ
の最期/ノアの箱舟

第二部 農業革命

第五章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
     贅沢の罠/聖なる介入/革命の犠牲
者たち
第六章 神話による社会の拡大
     未来に関する懸念/想像上の秩序/
真の信奉者たち/脱出不能の監獄
第七章 書記体系の発明
     「クシム」という署名/官僚制の驚
異/数の言語
第八章 想像上のヒエラルキーと差別
     悪循環/アメリカ大陸における清浄
/男女間の格差/生物学的な性別と
社会的・文化的性別/男性のどこが
それほど優れているのか?/筋力/
攻撃性/家父長制の遺伝子

第三部 人類の統一

第九章 統一へ向かう世界
     歴史は統一に向かって進み続ける/
グローバルなビジョン
第十章 最強の征服者、貨幣
     物々交換の限界/貝殻とタバコ/貨
幣はどのように機能するのか?/金
の福音/貨幣の代償
第十一章 グローバル化を進める帝国のビジョン
     帝国とは何か?/悪の帝国?/これ
はお前たちのためなのだ/「彼ら」
が「私たち」になるとき/歴史の中
の善人と悪人/新しいグローバル帝

第十二章  宗教という超人間的秩序
     神々の台頭と人類の地位/偶像崇拝
の恩恵/神は一つ/善と悪の戦い/
自然の法則/人間の崇拝
第十三章  歴史の必然と謎めいた選択
     1後知恵の誤謬/2盲目のクレイオ

第四部 科学革命

  第十四章 無知の発見と近代科学の成立
     無知な人/科学界の教義/知は力/
進歩の理想/ギルガメシュ・プロジ
ェクト/科学を気前良く援助する人
びと
  第十五章 科学と帝国の融合
     なぜヨーロッパなのか?/征服の精
神構造/空白のある地図/宇宙から
の侵略/帝国が支援した近代科学
  第十六章 拡大するパイという資本主義の
マジック
     拡大するパイ/コロンブス、投資家
を探す/資本の名の下に/自由市場
というカルト/資本主義の地獄
  第十七章 産業の推進力
     熱を運動に変換する/エネルギーの
大洋/ベルトコンベヤー上の命/
     ショッピングの時代
  第十八章 国家と市場経済がもたらした世
界平和
     近代の時間/家族とコミュニティの
崩壊/変化し続ける近代社会/現代
の平和/帝国の撤退/原子の平和
  第十九章 文明は人間を幸福にしたのか
     幸福度を測る/化学から見た幸福/
人生の意義/汝自身を知れ
  第二十章 超ホモ・サピエンスの時代へ
     マウスとヒトの合成/ネアンデルタ
ール人の復活/バイオニック生命体
/別の生命/特異点/フランケンシ
ュタインの予言

謝辞 訳者あとがき 原注 索引


「第三の波」同様に、各章各項目とも、分
かりやすい展開で、あっと言う間に読了で
きる。サピエンス全史は2016年に日本語
訳が発行されてベストセラーになったが、
古本屋さんや、ブックオフさんの在庫を見
ると、サピエンス全史(上)※第11章まで
は重版を重ねているが、サピエンス全史
(下巻)、ホモ・デウス(上下巻)、21L
ESSSONSは、ほぼ初版本となってい
る。単なるブームで、サピエンス全史上巻
だけを持っている?のであれば、これから
の議論には役立たない。
出来れば、ユヴァル氏の三部作「サピエン
ス全史(上下巻)」・「ホモ・デウス(上下
巻)」・「21LESSONS」を古本でも
良いので購読していただきたい。
また、トフラーの三部作は、著者が「未来の
衝撃」・「第三の波」・「パワーシフト」として
いるが、1970年の「未来の衝撃」は内容的に
古く、当方の勉強会では「第三の波」・「パワ
ーシフト」・「富の未来」を三部作として展開
する。新刊としては稀少本で、既に販売も終
了されているようなので、著作権侵害に抵触
しないよう、このブログで必要箇所だけの引
用とする。全編読了されたい方は、古本屋さ
んかブック・オフ登録で探してみてください。


未来学と楽観主義 訂正

2024年06月10日 15時16分29秒 | トフラー論より
20240607投稿で、スマートホン対応でお
願いしますとのご要望があったので、今後の書式
を以下に統一します。(22P)再投稿○

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

未来学と楽観主義
アルビン・トフラーとユヴァル・ノア・ハラリの
共通点は、楽観主義を基本として未来を語って
いるところである。未来を語る上で、悲観主義的
な事柄を述べていては未来が無い。
知的な楽観主義で未来を思考することが最も重要
だと私は主張したい。
双方著者の著書物発行は、40代からのもので共
通点がある。
更には、アルビン・トフラー逝去の年に、ユヴァ
ル・ノア・ハラリは、サピエンス全史を世に問う
わけである。彼の著書が数年単位で発行されてい
る点で、21LESSONSまでの構想があったもの
だと思われる。
それは、「未来の衝撃」刊行40周年を迎え2010
年、トフラー夫妻が発表した「40 FOR THE
NEXT40」(今後の40年を左右する40の変化)
である。
____________________________________________

○アルビン・トフラー著作年代

1928年10月4日生まれ
2016年6月27日逝去88歳
  著  書    年代(和訳)発行 年齢
未来の衝撃     1970年(S45)  42y
第三の波      1980年(S55)  52y
未来適応企業    1985年(S60) 57y
パワーシフト    1991年(H 3) 63y
戦争と平和     1993年(H 5) 65y
第三の波の政治   1995年 (H 7) 67y
富の未来      2006年(H18) 78y
生産消費者の時代  2007年(H19) 79y

○ユヴァル・ノア・ハラリ著作年代

1976年 2月24日生まれ
2024年   現在48歳
   著  書    年代(和訳)発行 年齢
サピエンス全史    2016年(H28) 40y
ホモ・デウス     2018年(H30) 42y
21LESSOONS    2019年(R 1) 43y
緊急提言パンデミック 2020年(R 2) 44y

__________________________________________
「40FOR THE NEXT40」(今後の40年を左右
する40の変化)は、書物としては発刊されず、
ネット上でしか読むことができなかったが、
World Voice プレミアムでは、「世界各地で政治、
経済、社会、テクノロジーなど分野ごとに行なっ
た分析調査をベースに導き出された予測であり、
国家や企業そして個人が未来を左右する原動力を
知り、いかに生きるべきかを考察するための道
しるべともなるものだ。~」と解説している。
政治分野、社会分野ごとにまとめていたが、急速
な世界状況、社会状況の変化は、これらの議論を
はるかに超えた大きな第三の波がAIの登場で一
変するわけである。LLM(ラージ・ランゲージ・
モデル)からMMM(マルチ・モーダル・モデル
)へと進化を続けているAIはわれわれの日々の生
活に衝撃を与えている。言葉を理解して話すだけ
ではなく、目を持ち、物事をアルゴリズムで理解
するようになってきたのだ。臭覚や知覚をセンサ
ーで感ずるようになれば、より人間に近い情感を
持つ事が出来る???ユヴァル氏は、これを根本
的に否定している(ホモ・デウス)。この件は、
かなり後からの議論としたい。

「汝自身を知れ」から始まるユヴァル氏のサピエ
ンス全史の論説は、「国家や企業そして個人が未来
を左右する原動力を知り、いかに生きるべきかを
考察するための道しるべ」となる意味合いを深く
掘り下げている。
ところで、ユヴァル・ノア・ハラリ氏について、
『あいつはゲイである』『変態だ!』などと人格
否定から著書までを貶めて不評を語る者も多い。
本も読まずに気分だけで他者を否定する無知蒙
昧な男性至上主義の輩は、どんな国・地域にもい
るものだ。第二の波の底で、沈殿し続けるヘド
ロのような存在であり、未来を語るに値しない。
LGBTIQの権利を著しく毀損しているのだ。

参考資料として、exaBase コミュニティ AI新
聞の公開資料を参照されたい。

ユヴァル・オードリー対談(2020.07.12)
「民主主義と社会の未来」全和訳
ユヴァル氏はゲイ、オードリー氏はトランスジェ
ンダーという性的マイノリティーの話題から対談
は始まっている。AIメンターによるサポート、そ
してユヴァル氏は未来を見つめる中世の歴史家、
オードリー氏は現在をハッキングする技術者とし
て地球規模の問題を解決するために、ユニークで
個性的な特性や違いを消し去ることなく、未来に
向けて新しい共有の「物語(価値観)」を思考して
いる。
更にはユヴァル氏はイスラエル人、オードリー氏
は台湾人として双方共に政治体制、紛争当事国の
環境下にある。
二十一世紀の共通の価値観、古い物語の奴隷にな
るなとユヴァル氏は述べ、オードリー氏は
Internet of things(物のインターネット)を見たら
、Internet of being(人間のためのインターネット)
を考えよう。バーチャルリアリティを見たら、リ
アリティの共有を考えよう。機械学習を見たら、
コラボ学習を考えよう。ユーザー体験を見たら、
人間体験を考えよう。特異点が近いと聞いたら、
多元性がここにあることを忘れないようにしよう
- と文章をまとめている。

○「新しい人間」の登場○
 この流れは、「第三の波」に描かれている。
『-第三の波- 結論 
第26章 人間性の未来 543ページ~
新しい文明が日常正確に急速に入り込んでくるに
つれて、われわれは、自分自身がすでに時代お
くれの存在になっているのではないか、と自問せ
ざるをえない状況におかれている。生活習慣、物
事の価値、日常の生活態度までが問いなおされる
ようになると、時として、われわれ自身が第二の
波の文明の遺物ではないのか、過去の存在になっ
てしまったのではないかと考えたくなるのも、無
理からぬところがある。しかし、アナクロニズム
としか言いようのない人びとがいるのも事実だと
して、一方には、来るべき第三の波の文明を待望
している「未来を予見する市民」もいるはずであ
る。われわれの身のまわりに起こった過去の退廃
や崩壊を振り返って見れば、期待される未来の人
間像の輪郭がみえてくるのではなかろうか。言っ
てみれば「新しい人間」の登場である。
~第三の波の文明が成熟するとともに、われわれ
がつくり出すのは過去の人間を見いだすユートピ
ア的な男女でもないし、ゲーテやアリストテレス
のような(ジンギス汗やヒトラーと言ってもよい)
スーパーマンでもない。ただ人間と呼ばれるにふ
さわしい人類を希求し、人間的な文明を願望して
いるにすぎない。しかし同時にそうした人間らし
さを、誇りをもって追求していくわけである。
では、こうしたのぞましい変革の結果を期待でき
るのだろうか。すぐれた、新しい文明への移行は
可能なのだろうか。これは、政治変革の必要性と
言う、決定的な命題をどう解決するかにかかって
いる。われわれは最後に、この、一面では恐ろし
く、また一面では期待に満ちた展望について触れ
ることとしよう。未来の人間性は、未来の政治と
ともに考えざるをえないのである。』
この視点から、「第27章 時代おくれになった政
治体制」「第28章 二十一世紀の民主主義」へと
すすみ、結ばれている。
後年、トフラーは「第三の波の政治」1995年 (H 7)
6月27日を発刊したのは、「二十一世紀の民主主
義」の内容を改訂増補したものである。
この箇所も、「民主主義と社会の未来」の基盤とな
っているところで、この課題をどう乗り越えてい
くのかがわれわれの鍵となるのだ。

ただし、「新しい人間」とは、今、日本国内で企業
献金等で物議をかもし出している政治屋(金満政
治家)の事ではない。
かれらは、「古い人間」であり、法の支配に基づか
ない、スピード感の無い、分かりずらい、有権者
に寄り添わない、歳費という名の税金を消費する
「無生産大消費者」なのである。トフラーが生き
ていたら激怒しただろう。


未来学と楽観主義

2024年06月07日 04時31分24秒 | 第三の波

アルビン・トフラーとユヴァル・ノア・ハラリの
共通点は、楽観主義を基本として未来を語ってい
るところである。未来を語る上で、悲観主義的な
事柄を述べていては未来が無い。知的な楽観主義
で未来を思考することが最も重要だと私は主張し
たい。
双方著者の著書物発行は、40代からのもので
共通点がある。
更には、アルビン・トフラー逝去の年に、ユ
ヴァル・ノア・ハラリは、サピエンス全史を世に
問うわけである。彼の著書が数年単位で発行され
ている点で、21LESSONSまでの構想があっ
たものだと思われる。
それは、「未来の衝撃」刊行40周年を迎え2010
年、トフラー夫妻が発表した「40 FOR THE
 NEXT40」(今後の40年を左右する40の変化)
である。
_____________________________________
○アルビン・トフラー著作年代

1928年10月4日生まれ
2016年6月27日逝去88歳にて
  著  書     年   代(和訳)発行         年 齢
未来の衝撃     1970年(S45) ?             42y
第三の波      1980年(S55)10月 1日           52y
未来適応企業    1985年(S60) 3月 7日           57y
パワーシフト    1991年(H 3) 10月18日          63y
戦争と平和     1993年(H 5) 1月23日          65y
第三の波の政治   1995年 (H 7) 6月27日          67y
富の未来      2006年(H18) 6月 7日          78y
生産消費者の時代  2007年(H19) 7月25日          79y

○ユヴァル・ノア・ハラリ著作年代

1976年 2月24日生まれ
2024年   現在48歳
   著  書     年   代(和訳)発行        年 齢
サピエンス全史   2016年(H28) 9月30日         40y
ホモ・デウス    2018年(H30) 9月30日         42y
21LESSOONS  2019年(R 1) 11月30日         43y
緊急提言パンデミック2020年(R 2) 10月30日        44y

_______________________________________
「40FOR THE NEXT40」(今後の40年を左右
する40の変化)は、書物としては発刊されず、
ネット上でしか読むことができなかったが、World
Voice プレミアムでは、「世界各地で政治、経済、
社会、テクノロジーなど分野ごとに行なった分析
調査をベースに導き出された予測であり、
国家や企業そして個人が未来を左右する原動力を
知り、いかに生きるべきかを考察するための道
しるべともなるものだ。~」と解説している。
政治分野、社会分野ごとにまとめていたが、急速
な世界状況、社会状況の変化は、これらの議論を
はるかに超えた大きな第三の波がAIの登場で
一変するわけである。
日本にあっては、20110311の東日本大震災で
ある。

「汝自身を知れ」から始まるユヴァル氏のサピエンス全史の論説は、「国家や企業そして個人が
未来を左右する原動力を知り、いかに生きるべきかを考察するための道しるべ」となる意味合い
を深く掘り下げている。
ところで、ユヴァル・ノア・ハラリ氏について、『あいつはゲイである』『変態だ!』などと人格
否定から著書までを貶めて不評を語る者も多い。本も読まずに気分だけで他者を否定する無知蒙
昧な男性至上主義の輩は、どんな国・地域にもいるものだ。第二の波の底で、沈殿し続けるヘド
ロのような存在であり、未来を語るに値しない。LGBTIQの権利を著しく毀損しているのだ。

参考資料として、exaBase コミュニティ AI新聞の公開資料を参照されたい。
http://cyber-price.com/buddha/2020/12/06/yuval-noah-harari/
ユヴァル・オードリー対談(2020.07.12)「民主主義と社会の未来」全和訳
ユヴァル氏はゲイ、オードリー氏はトランスジェンダーという性的マイノリティーの話題から対
談は始まっている。AIメンターによるサポート、そしてユヴァル氏は未来を見つめる中世の歴史
家、オードリー氏は現在をハッキングする技術者として地球規模の問題を解決するために、ユニ
ークで個性的な特性や違いを消し去ることなく、未来に向けて新しい共有の「物語(価値観)」
を思考している。更にはユヴァル氏はイスラエル人、オードリー氏は台湾人として双方共に政治
体制、紛争当事国の環境下にある。二十一世紀の共通の価値観、古い物語の奴隷になるなとユヴ
ァル氏は述べ、オードリー氏はInternet of things(物のインターネット)を見たら、Internet of
being(人間のためのインターネット)を考えよう。バーチャルリアリティを見たら、リアリティの
共有を考えよう。機械学習を見たら、コラボ学習を考えよう。ユーザー体験を見たら、人間体験
を考えよう。特異点が近いと聞いたら、多元性がここにあることを忘れないようにしよう-
と文章をまとめている。


 この流れは、「第三の波」に描かれている。  -新しい人間の登場-
『-第三の波- 結論 第26章 人間性の未来 543ページ~
新しい文明が日常正確に急速に入り込んでくるにつれて、われわれは、自分自身がすでに時代お
くれの存在になっているのではないか、と自問せざるをえない状況におかれている。生活習慣、
物事の価値、日常の生活態度までが問いなおされるようになると、時として、われわれ自身が第
二の波の文明の遺物ではないのか、過去の存在になってしまったのではないかと考えたくなるの
も、無理からぬところがある。しかし、アナクロニズムとしか言いようのない人びとがいるのも
事実だとして、一方には、来るべき第三の波の文明を待望している「未来を予見する市民」もい
るはずである。われわれの身のまわりに起こった過去の退廃や崩壊を振り返って見れば、期待さ
れる未来の人間像の輪郭がみえてくるのではなかろうか。言ってみれば「新しい人間」の登場で
ある。~第三の波の文明が成熟するとともに、われわれがつくり出すのは過去の人間を見いだす
ユートピア的な男女でもないし、ゲーテやアリストテレスのような(ジンギス汗やヒトラーと言
ってもよい)スーパーマンでもない。ただ人間と呼ばれるにふさわしい人類を希求し、人間的な
文明を願望しているにすぎない。しかし同時にそうした人間らしさを、誇りをもって追求してい
くわけである。
では、こうしたのぞましい変革の結果を期待できるのだろうか。すぐれた、新しい文明への移行
は可能なのだろうか。これは、政治変革の必要性と言う、決定的な命題をどう解決するかにかか
っている。われわれは最後に、この、一面では恐ろしく、また一面では期待に満ちた展望につい
て触れることとしよう。未来の人間性は、未来の政治とともに考えざるをえないのである。』
この視点から、「第27章 時代おくれになった政治体制」「第28章 二十一世紀の民主主義」
へとすすみ、結ばれている。
後年、トフラーが「第三の波の政治」1995年 (H 7) 6月27日を発刊したのは、「二十一世紀の
民主主義」の内容を改訂増補したものである。
この箇所も、「民主主義と社会の未来」の基盤となっているところで、この課題を-新しい人間-
が、どう乗り越えていくのかがわれわれのテーマとなる。

第十四章 知的情報に満ちた環境

2021年07月01日 16時32分13秒 | 第三の波

永らく多忙な出張が続きましたが、これからはYouTube動画も駆使しながら、富の未来まで
読み込んでいきましょう。コロナ禍で外出もできない昨今、知的好奇心と未来志向を醸成で
きるよう、内容を充実させていきます。


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March,1980
Alvin Toffler, The Third Wave, William Morrow, New York, 1980
第三の波 昭和55年10月1日 第1刷発行 アルビン・トフラー著 徳山二郎 監修
鈴木建次 菅間 昭 桜井元雄 小林千鶴子 小林昭美 上田千秋 野水瑞穂 安藤都紫雄 訳

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第14章 知的情報に満ちた環境

自然界実在する物体の陰に霊魂が存在し、一見、生命がないように見えるものにも生命力がひそんで
いる、とかつて世界中のさまざまな民族が信じていた。現在でもそういう民族が、多少は残っている。
マナと言われたものがそれである。アメリカインディアンのスー族は、その力をワカンと呼び、アル
ゴンキオン族はマニートウと、またイロクォイ族はオレンダと名づけた。インディアンたちは、周囲
の環境にはすべて生命があると考えたのである。

今日、われわれは第三の波の文明にふさわしい新しい情報体系をつくりつつある。それに伴って、
われわれは、自分たちの周囲に「生命を持たない環境」に、生命に代わって、知的情報を付与するよ
うになった。
この飛躍的な進歩の鍵を握ったのは、言うまでもなくコンピューターであった。電子的な記憶を組み
合わせてプログラムをつくり、インプットされた情報を処理するコンピューターは、1950年代の
初期には、科学が生んだ物珍しい機械にすぎなかった。