ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンス (WEcafe)

国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータによるサイエンスカフェWEcafe公式ブログ

東京モーターショー2013をレポート!

2013年11月26日 | 展示レポート

こんにちは、WEcafeの蓑田裕美です
東京ビッグサイトで開催されている東京モーターショー2013に行ってきました。   

 
朝日に輝くビッグサイト・・・!あれ?今年はいつもよりお客さんが多い!?
一瞬心配になりましたが、見た目の混雑ぶりとは裏腹に、ほとんど待たされることもなくスムーズに入れました。

車やバイクの免許を一切持っていないわたくしは、
オモシロ展示重視です。



トークイベント「ねじカフェ」を2回も開催したWEcafeとしては、
巨大「ナット」があるという、噂のホンダのブースへまっしぐら!

創業者の本田宗一郎スピリッツを振り返る展示からは、
モノづくりのワクワク感」が伝わってきます・・・♪

 
人の背丈ほどの巨大「ナット」オブジェ。
巨大ナットの真ん中から顔を出してニッコリ記念撮影がおすすめ。
お隣は、日本初のF1マシン、ホンダRA271(1964年製)。
歴史ある技術の数々と、キャッチコピーの「枠にはまるな」にしびれます。

私の心をガッチリ掴んだのは、生活を支える「エンジン」シリーズです。
耕うん機、船外機、除雪機、芝刈機・・・ どれも素敵!

  

1966年製の耕うん機(左)と、カセットガスで駆動する最新の小型耕うん機(右)
2007年に放送されていた素敵なCM「Honda耕うん機~第二の人生篇を思い出しました。
家庭菜園ユーザー向けですね。農業したくなります!

続いて除雪機!
雪の多い地域では除雪機CMも流しているそう。
完全予約生産ですので購入のご検討はお早目に。


ヨーロッパで売れ行き好調なのは、この自動運転芝刈り機「ミーモ」。
毎日少しずつ芝を刈り、自分でお宿(充電ピット)に戻るのだそうです。カワイイ!



外国車の中には、ときどき凄い車を見かけます。
わ!日本のナンバープレートが付いてる!
これで公道を走れるのか・・・(ビックリ)


今年は「突飛なコンセプトカー」が少ない印象でしたが、
三菱自動車社員アイデアのミニチュアモデル「苔カー:MOSCA」に惚れました!
 
全身、苔むしてる!動物っぽい表情もカワイイ!!
2011年の社員アイデアコンテスト グランプリ作品だそうですが、
ぜひこの苔カーを実物車で展示してほしいな♪

思えば私は、今年6月にWEcafe村田と訪問した
こけティッシュ苔ワールド展」がきっか
けで、こんなにも苔好きに…!


この他にも、メキシコ大使館ブースでメキシコ人スタッフさんと仲良くなったり、
橋のボルトを締めるための世界最大級トルクレンチ(大人ひとりでは持てない
ほどのトルクレンチ)と一緒に記念撮影をしたり。

免許をお持ちでない方でも、充分に楽しめます


次の週末はぜひ東京モーターショー2013へ!

 

 


NHKサイエンススタジアム2013をレポート!

2013年10月10日 | 展示レポート

こんにちは、WEcafeの村田倫子です

9月28~29日に日本科学未来館で開催された「NHKサイエンススタジアム2013」へ、WEcafe運営メンバーみんなで遊びに行ってきました

今回はその特設展示の様子をレポートします!

 

真っ先に私たちのハートをがっちりつかんだのが、NHKのサイエンス番組で使用されている美術セットの展示です!

ためしてガッテンの悪玉コレステロールくん。観たことあるある!テンションあがります。

 

 

こちらはガッテン台。立川志の輔さんの「ガッテンしていただけたでしょうか?」というフレーズにあわせて、ボタンを押して「ガッテンガッテン!」できます。

 

楽しくなってきたWEcafeメンバー。お次は大科学実験の実験レンジャーの衣装を着てノリノリ

他にも見たことのある番組のセットや裏側がたくさんあり、改めてNHKのサイエンス番組を観たくなりました!

 

サイエンス番組で使われる撮影や放送技術の紹介もありました。

中でも面白かったのが、「紫外線カラー化カメラ ビーカム」です。

ビーカムのビーは蜂のBee。昆虫の視界を再現するこのカメラを通すと、紫外線が赤く映しだされます。

こちらの蝶は、肉眼では両方とも白く見えるのですが、オスのみが紫外線を吸収しているため、

ビーカムを通してみると、オスが水色、メスが赤色に見えます。

(オスからカメラに向かってくる光には紫外線が含まれていないので、白い光から赤色の成分を抜いた色、つまり水色となるそうです)

 

ふむふむ、なるほど!と、感心しただけでは終わらないのがWEcafeメンバー。

おもむろに日焼け止めを取り出しました!

「日焼け止めを腕に塗って、ビーカムに映してみていいですか?」

「おもしろそうですね!いいですよ!」

なんと即興実験をさせてもらえることに!

気になる結果は…

日焼け止めを塗った部分は見事に水色に映りました。

この日焼け止めが紫外線を吸収していることが証明されました!

盛り上がるメンバーを横目に、日焼け止めをあまり使わない私は「日焼け止めって効果あるんだ!ちゃんと塗らなきゃな~!」と反省したのでした…

 

今回私たちは、同会場で開催されていた、サイエンスゼロの公開収録にも参加してきました。

『サイエンスコミュニケーション最前線』と題し、6人の“科学の語り部”たちが熱~いプレゼンバトルを繰り広げていましたよ。

 

公開収録が行われたサイエンスゼロは、今週末から2週連続で放送されます!!

 

Eテレ「サイエンスゼロ」

~科学の未来へレッツゴー!サイエンスコミュニケーション最前線~

【前編】 10/13(日)Eテレ23:30~

【後編】 10/21(日)Eテレ23:50~

 

みなさんもぜひご覧ください!

 

 


特別展 マンモス YUKA をレポート!

2013年09月14日 | 展示レポート

こんにちは、WEcafeの村田倫子です

 

今回は9月16日までパシフィコ横浜で開催されている特別展マンモスYUKAをレポートします!

 

この特別展の目玉は、「YUKA」という10歳の子供マンモスの標本です。

シベリアの永久凍土から、毛や皮や肉など柔らかい部分までが残った状態で発掘されました。

ガラス張りの冷凍室に横たわる「YUKA」の標本は、マンモスに特徴的な鼻先も、毛の1本1本まではっきりと残っていました。

とてもリアルなので、ロシアの広大な大地に立つマンモスが空想できそうでした!

 

WEcafeレポートでは、もちろんYUKA以外の見所もご紹介します

 

さぁ早速マンモスワールドへ!

 

前半の展示では、絶滅してしまったマンモスをより理解するために、現代に生きているゾウとの比較をしています。

比較しているのはこちらの4種類。

氷河時代、主にシベリアで生息していた絶滅種「ケマンモス」。その名の通り、体中が毛で覆われています。「YUKA」もケマンモスです。

日本各地で化石が見つかっている絶滅種「ナウマンゾウ」。マンモスとは異なります。

現在も生きている陸上動物のうち、最も大きな「アフリカゾウ」。

日本の動物園でおなじみな「アジアゾウ」です。

かつては世界中に150種類程いたゾウの仲間も現在では「アフリカゾウ」と「アジアゾウ」の2種類しか残っていません。

 

上から順にケマンモス(背景が青色)、ナウマンゾウ(緑色)、アフリカゾウ(赤色)、アジアゾウ(黄色)

写真ではよくわかりにくいかもしれませんが、骨格標本の後ろには生体の絵が描かれているんです。

生きている姿をイメージしやすいですね。

解説版の文章もとてもわかりやすいので、読んでみて欲しいです!

 

実際にマンモスに触れるコーナーも充実!

写真はマンモスの歯。他に大腿骨や牙、毛にも触ることができます。

“触る”という展示はインパクト大!

そしてもう少し詳しく知りたくなったら…

触れる展示の対面にある詳しい解説コーナーをご覧ください!

大人の知的欲求も満たしてくれると思います。

旧石器時代にケマンモスが生きていた頃、人間はマンモスをうまく利用して生活していました。

そうしたマンモスと人との関わりといった文化を紹介する展示もあり、ボリューム満点!

ケマンモスの骨や様々な動物の毛皮で作られたマンモスハウスは必見です。

 

そして後半は冷凍マンモス「YUKA」の展示が待っています!

広い会場なので、混んでいてもゆっくり見ることができましたよ。

「YUKA」は撮影禁止のため、ブログには載せることができませんが、

みなさんも是非会場へ足を運んで、「YUKA」に会いに行ってみては如何でしょうか。

 

 

<今回ご紹介した特別展>

特別展 マンモス YUKA

【会期】

2013年7月13日(土)~9月16日(月・祝) 会期中無休

【会場】

パシフィコ横浜 展示ホールA (横浜市西区みなとみらい)

【入場料】

一般(高校生以上)当日2,200円

小中学生 当日1,200円

【開館時間】

9:00~17:00 (水・金曜日は19:30まで)

※入館は閉館の30分前まで

 


ミュージアムパーク茨城県自然博物館企画展「こけティッシュ 苔ワールド!」をレポート!

2013年06月13日 | 展示レポート

こんにちは、WEcafeの村田です

 

真夏のようなカラっとしたお天気に恵まれた6月8日、ミュージアムパーク茨城県自然博物館で開催されている企画展「こけティッシュ 苔ワールド!~ミクロの森に魅せられて~」に行ってきました。

この企画展の開催期間は6月16日までと残りわずかですが、展示の評判を聞きつけてWEcafeメンバーが突撃して参りました!

 

まずは苔ワールド展のマスコットキャラクター にご注目!

コケ植物を模したこのマスコットキャラクター、実はコケの代表的な3タイプである蘚類(せんるい)、苔類(たいるい)、ツノゴケ類の特徴をよく表わしています。なんと職員さん自らがデザインされたそう。

かわいいマスコットキャラクターがあちこちで解説してくれるので、私のような初心者の来館者でも親しみを感じられますね!

 

苔類の1種であるゼニゴケの50倍拡大模型を発見!

細部にまでこだわって作られています。

 

こちらはボランティアさん手作りの、コケの葉の模型です。

フェルトを使って立体的に作られており、触ることもできます。

 

このような「拡大模型」や、「触る模型」の他にも「実際にのぞきこめる顕微鏡」を用いた展示もありました。

コケの種類は日本だけで1700種ありますが、どうしてもサイズが小さいので、肉眼で見ただけでは種類ごとの違いを実感しにくいのが難点。様々な展示の工夫のおかげで、コケの特徴をより理解しやすいですね!

 

さらに、映像を使った展示にも注目!

こちらは定点カメラを使ってコケの受精や成長を撮影した貴重な映像です。

実はこの映像は、博物館の駐車場で撮影したとのことです。

駐車場の片隅で、時に雨が降ったり、霜が降りたりする中、コケがぐんぐん成長して行く様子はドラマチックでした!健気なコケたちを応援したくなります。

 

子供達に人気の動画展示を見つけました。2ヶ月間のゼニゴケの成長を23秒の早送り動画にして、床に投影したものです。

私もこの展示が大好きです!コケが地上に広がっていく様子を、うまく映像を使って表現しています。

まるでアート作品のようで、ボーっと見ているだけで癒されますよ~

 

さらに、直径6 mの巨大な室内苔庭「フレッシュこけガーデン」では生きているコケも見ることができます!

 

子供から大人まで、コケを体感できる工夫があふれています。

皆さんも魅惑の苔ワールドを体感してみませんか?

 

<今回ご紹介した博物館>

ミュージアムパーク茨城県自然博物館

 

【アクセス】

茨城県坂東市大崎700

常磐自動車道谷和原ICから 車で約20分

つくばエクスプレス守谷駅から関東鉄道バス約20分、徒歩約5分

東武野田線愛宕駅から茨城急行バス約15分、徒歩約10分

 

【入館料】

企画展開催期

大人 720円

高校・大学生 440円

小・中学生 140円

※小・中高生は毎週土曜日入館無料です(長期休み期間を除く)

 

【開館時間】

9:30 ~ 17:00(入館は16:30 まで)

※展示最終日も入館は16:30 までとなります

 

【休館日】

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

 


国立科学博物館企画展「江戸人展」をレポート!

2013年06月05日 | 展示レポート

こんにちは!WEcafeの村田です

今回はWEcafeお勧めの博物館展示をレポートいたします!

 

第一弾は、国立科学博物館企画展「江戸人展」!

東京藝術大学在学中に「江戸人展」の展示作成に携わった、戸坂明日香さんに案内して頂きました。

 

江戸人展では、大江戸エリアから出土した江戸の人々の「骨」の標本を中心に、幅広く江戸中期以降の文化が紹介されています。

大江戸とは、現在の山手線内に隅田川東岸を合わせた地域を指しています。

 

展示室入口は武家屋敷風の門構え、足元には当時の大江戸の拡大地図が。

あ、気になる地名発見!いつもサイエンスカフェをしている千駄木はこの辺?などなど…

 

さぁいよいよ中へ!

 

まずは入口にある案内図をご覧ください。

ほっこりする手描きイラストが描かれた案内図、これ、実は戸坂さんのデザイン!

 

戸坂さんは、頭骨(とうこつ)から生前の顔を再現する“復顔”を担当していました。

こちらが復元された江戸人のお顔です!!

江戸時代後期にもなると、武家と町人とでは顔つきが異なっており、その違いが対比しやすいように展示されています。

武家は面長、町人は四角顔です。

 

戸坂さん(写真中央)によると、食生活や、日常の歯の食いしばる頻度・強度の違いによって顎(あご)の形が変わっていったそう。

 

左側が武家女性、右側が町人女性です。違いがわかりますか?

中には武家のような頭骨を持つ町人もいたので、はっきりと二分される訳ではないですが、大まかな違いはよくわかります。

当時の時代背景を考えると、骨を前にして想像が膨らみます。

 

最後に戸坂さんに、「復顔」の難しさを伺いました。

 

「復顔では、骨の形から科学的に顔を再現していきます。

ただ、耳の形、唇の厚さ、まぶたなど、骨からは推定しにくい部分は、

骨の形からインスピレーションを膨らませてつくるんです。

特に、眼球の位置(=目の出っ張り具合)を決めるのが大変でした」

 

なるほど、科学者と芸術家が細部にまでこだわってはじめて、江戸人の顔が蘇ってくるんですね。

骨だけで、こんなに色々なことが分かってしまうとは驚きでした!

 

骨以外にも、江戸の人々の服装、髪型、化粧といった文化も紹介されています。お歯黒のにおいを嗅ぐことのできる体験コーナーも!

どれも、江戸特有の文化がリアルに感じられるものばかりです。

 

「江戸人展」は6月16日まで。

この機会に、江戸人たちの雰囲気を感じてみてはいかがですか?

 

<今回ご紹介した博物館>

国立科学博物館 (http://www.kahaku.go.jp/)

企画展「江戸人展」 (http://www.kahaku.go.jp/event/2013/04edo/event.html)

【アクセス】

東京都台東区上野公園 7-20

JR「上野」駅公園口から徒歩5分

【入館料】

一般・大学生:600円

高校生以下:無料

【開館時間】

9:00 ~17:00 (入館は16:30 まで)

※金曜日のみ9:00 ~20:00

【休館日】

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

 

※企画展「江戸人展」は入館料のみで見学可能