こんにちは!WEcafeの村田倫子です
WEcafeブログでは、国立科学博物館の地球館リニューアル直前・見納めレポートが盛り上がりましたね
今回のレポートでは、同じ国立科学博物館でも、期間限定の特別展「太古の哺乳類展-日本の化石でたどる進化と絶滅-」を紹介します。
太古の哺乳類展では、1億2000万年前~1万年前に日本に生息していた哺乳類の化石が展示されています。
ところで皆さん、「タイプ標本」ってご存知ですか?
タイプ標本とは、新種と認定の根拠となった標本のことで、以後、その種であると特定する際の基準となるものです。
そのためタイプ標本は替えが効かずとても貴重なため、通常標本庫で大切に保管され、一般に公開される機会は少ないとか。
しかし、今回の特別展では、このタイプ標本が惜しげもなく展示されているんです!
これは要チェックですよ
こちらは恐竜が繁栄していた中生代(約1億2000万年前~6600万年前)の哺乳類、テドリバーターのタイプ標本(下アゴ)です!
ほんの数センチ程のサイズです。
えっ、こんなに小さくても新種だってわかるのとびっくり
日本の中生代哺乳類の化石は少なく、熊本県や石川県から6種類しか見つかっていないそうです。
そして約2800万~1200万年前に生息していた、日本を代表する化石哺乳類「デスモスチルス類(束柱類)」にも注目です
デスモスチルスとは、「円柱(スチルス)を束ねた(デスモス)」という意味。その名のとおりの形の臼歯を持つ、現在は絶滅した哺乳類です。
こちらがデスモスチルス・ジャポニクスの下アゴの歯です。
確かに円柱を束ねたような歯ですね
さらにデスモスチルス類(束柱類)の仲間、パレドパラドキシアの全身骨格は世界で初めて岐阜県で発見されました。
こちらがパレドパラドキシアの実物化石を使って復元された骨格と復元模型です。
水辺に生息していたと考えられています。
6/7に開催したWEcafe vol.43「ペンギンモドキカフェ」のゲスト安藤達郎さんが勤務している足寄(あしょろ)動物化石博物館からやってきた標本もありました
それがこちら
原始的なデスモスチルス類(束柱類)、アショロアです。アショロアは日本でしか見つかっていないそう
(足寄で発見されたからアショロア…)
哺乳類の化石だけでなく、各時代の植物の化石も展示してありました。
当時の植生を知ることで、哺乳類たちが生きていた環境もわかります。
これらの化石から、例えば、約4000万年前の北海道は温暖で、平均気温が17度前後だったと推定されているそうです。
日本からはあまり化石が出土しないイメージを持っていましたが、中には東京都中央区から見つかったナウマンゾウや、埼玉県で見つかったデスモスチルス類なんかも
哺乳類の化石がこんなにも日本から発見されているとは知りませんでした。
哺乳類の化石の魅力も、恐竜に引けを取りませんよ
太古の哺乳類展は夏休みが終わってもやっています。10月5日(日)まで!
太古の哺乳類展-日本の化石でたどる進化と絶滅-
【会期】平成26年7月12日(土)~10月5日(日)
【会場】国立科学博物館 東京都台東区上野公園 7-20
【交通】
・JR「上野」駅(公園口)から徒歩5分
・東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅(7番出口)から徒歩10分
・京成線「京成上野」駅(正面口)から徒歩10分
【特別展入館料】一般・大学生 1600円、小・中・高校生600円、未就学児は無料
※特別展チケットで常設展も見ることができます。
【開館時間】9:00 ~17:00 (入館は16:30 まで)
*金曜日のみ9:00 ~20:00 (入館は19:30 まで)
【休館日】9月8日(月)・16日(火)・29日(月)