ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンス (WEcafe)

国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータによるサイエンスカフェWEcafe公式ブログ

【WEcafe vol.2】 珪藻(けいそう)カフェ 開催しました!

2009年12月28日 | WEcafeイベント

こんにちは、サイエンスコミュニケーターの熊谷です。
早いもので、珪藻(けいそう)カフェからもう一ヶ月も経ってしまいました。
カフェにお越しくださった皆様、展示をご覧になってくださった皆様、どうもありがとうございました!


現在珪藻カフェの当日レポートをまとめているところですが、こちらでは一足先に、
当日の様子をかいつまんでご紹介したいと思います!


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今回のゲストは、国立科学博物館の齋藤めぐみさん
珪藻の化石を観察し、当時生きていた珪藻の種の決定や、昔の環境についての情報を得るために
研究をされています。
開口一番、「先生と言われると恥ずかしいので『齋藤さん』でお願いします…」とおっしゃるような、
とても気さくな方です。


サイエンスカフェは、まず「そもそも珪藻って何?」という話題からスタートしました。
「珪藻は透明なガラス質の殻に包まれている植物プランクトンの一種」ということや、
「珪藻にはさまざまな形の種類があり、大まかには円盤型と船型の2タイプに分けられる」
ということをご紹介していただきました。
珪藻の大きさは、大きいもので直径約100ミクロン(1ミクロン=1/1000ミリ)弱、
人間の髪の毛の直径より少し小さい程度です。


(この写真の珪藻化石はもっと小さく、直径が10ミクロン程度ですね)


また、珪藻のガラス質の殻には細かい孔がありますが、これは水中から栄養分を取り込むために
存在しているそうです。
他にも様々な模様がありますが、それらの模様の機能はまだ完全には明らかにされていないとのこと!
小さい生き物なだけに、観察や研究も一筋縄ではいかないようです


そんな珪藻の「化石」を研究されているのが、齋藤さんです。
珪藻のガラス質の殻は、条件がよければ、数千万年以上ものあいだ地層中で保存されます。
齋藤さんは、そのような昔の珪藻の殻を取ってきて顕微鏡で観察しているそうです。
七輪や壁材の原料になっている「珪藻土」の主成分は珪藻化石なので、
珪藻土の採掘現場へおじゃましてサンプルをもらう時もある
とのこと。
他には、崖から土を削り取ったり、湖の底にたまった泥を柱状に取り出してくるなどして
珪藻化石を採取しているそうです。


珪藻化石はとても小さく、かつ恐竜などの化石と違って残りやすいため、条件が良ければ
少量のサンプルから大量の珪藻化石が見つかるそうです。
そのため研究者同士でサンプルを分け合うこともしばしば、ということで、
観察対象の数に困るという心配は無さそうです。


また、この「大量に化石が採れる」という特徴は、進化の研究に
非常に役立つんだそうです!


(つづく)