こんにちは、WEcafeスタッフの宮崎です。
春が近づいているのを感じますね。
今回は、2月29日開催の「ブラックホールカフェ」の様子を紹介します!
2月29日は朝から雪が積もるような寒さ。そんな中、11人の方がcafe&barさんさき坂に集まりました。
天文学ファン、近所に住む親子、酒屋さん、理科の先生などなど・・・
バックグラウンドは様々だけれど、宇宙に興味があるというのは共通している様子。
ゲストは宇宙物理学者の川勝望さん(中央右)です。
ファシリテータはWEcafeスタッフの鈴木佑(中央左)が務めました。
この日のカフェは、川勝さんの「ブラックホールとは何か」という簡単なレクチャーからスタートです。
ブラックホールとは、太陽の十倍以上の質量を持った星が、死んだ後に自分自身の重力に絶えきれなくなり、どんどん圧縮されてできた、超高密度の天体のこと。重力がとても強く、光ですら一度吸い込まれたら外に出られないんだそうです。地球ももし仮に角砂糖サイズにまで縮めることができたら、理論上はブラックホールになってしまうんですって!
「ブラックホールって、宇宙にぽっかり空いている、何でも吸い込む穴なんでしょ?」なんて知識レベルの私にとっては、この時点で驚きの連続です。
「中心に近づくほど時間の流れる速度が遅くなるってホント?」
「ブラックホール同士が出会ったらどうなるの?」
参加者の皆さんからも、次々と質問が飛び出します。
カフェでは、ブラックホール研究の歴史も話題になりました。
ブラックホールは、なんと、望遠鏡による観測(※注)で発見される1世紀近くも前に、理論的に存在が予言されていたんだそうです。
計算によって理論的に予測された現象が、実際に観測されて裏付けられる。
また、今まで知られていなかった現象が観測されることによって、それを説明する新しい理論が構築される。
ブラックホール研究に限らず、このような流れで、宇宙研究は進んでいくんだそうです。
カフェの後半では、川勝さんのご専門の話に。
川勝さんは、ブラックホールに飲み込まれていく物質の動きを、コンピュータシミュレーションで予測している理論屋さん。
計算して予測する研究者(理論屋さん)と、観測する研究者(観測屋さん)が協力して、最近もブラックホールついて新発見が相次いでいるんです。
最近では、銀河の中心に、超巨大ブラックホールが存在するのでは?という発見がされたそうです。
なんとそのブラックホール、銀河の形成とブラックホールの形成に密接な関係があるかも!?という話もあるんだとか。
何だかワクワクしますよね。
という話をしている間に、あっという間に終了の時刻。
休憩時間もゲストを休ませない参加者と、川勝さんのブラックホールへの情熱とで、最後まで笑顔の絶えないカフェとなりました。
(サイエンスカフェの様子は、当日のtwitterによる中継でもご覧いただけます→ http://togetter.com/li/265792)
最後には、みんなの熱気で窓がくもってしまいました・・・(笑)
それにしても、宇宙は謎に満ちているなぁと、しみじみ思った夜でした。
今後もWEcafeのイベントを予定しております。ブログのチェックをお忘れなく!
※注:正確には、観測されたのは「ブラックホールに吸い込まれている物質が、摩擦による熱で燃えているところ」です。ブラックホールを直接、望遠鏡で見つけることはできません。
文・宮崎寧子
ツイッター中継・蓑田裕美
写真撮影・杉原奈央子、蓑田裕美