ウィステリア家具工房 ブログ

東京都あきる野市にて無垢材で家具を作っているウィステリア家具工房。仕事や趣味、日常の事を写真を添えて書き綴っています。

持ち込み材の加工

2016-09-18 12:55:21 | 木工
先日完成しお納めした仕事の紹介です。

ウィステリア家具工房のホームページの『修理・リフォーム』のページにも書き加えましたので、そちらも併せてご覧ください。

だいぶ以前に買った座卓があるので、それを再利用して置物や壷の置台(飾り台)を作って欲しいとご依頼がありました。

まず、材料となる座卓と飾る品をお持ち頂き、お客様とご相談の上でサイズを決めてお見積もりを致します。






ポリエステル塗装の座卓ですが、たぶん未乾燥の生材を慌てて加工したものと思われます。かなり豪快に反ってます。
ここまでくると座卓としての使用は無理でしょう。

材は、芳香から楠かなにかの瘤です。これだけ大きな材はあまり見られず貴重な材と言えます。再利用するに値すると感じました。


クリスタルの龍?シーサーの様な物、ライオン、磁器・陶器の壷 の計4個の敷台・置台を作ります。

 

採寸してサイズを考えます。


加工は、なるべく綺麗な木目の部分で、欠損の少ないところを選び木取りする訳ですが、切ってしまったら後戻りできないので慎重に墨を入れ切断します。

私はこんな作業の時は一度墨入れし、数日放置して、もう1度最初に戻り再度の墨入れをしてから切断加工に入ります。
最初のイメージって大事ですが、なにか見落としがないか熟慮すると、よい案が浮かぶ事もあるので・・・。

お客様のご要望、「シンプルで板のボリュームを見せて、ナチュラルな感じ」を頭に置き、主役を活かすデザインを考えます。スケッチのあとに簡単な図面を書き作業開始。

加工中は咽返る様な芳香が工房中に充満しました。以前ほんの欠片を切った事があるのですが楠(樟脳臭)に近い臭いがしましたが、なんの木なのか? 楠に瘤が出ることが多いと聞いたことがあるので近い種類なのかも?です。

塗装はオイルフィニッシュで下塗り1回 その後1週間程度乾燥固化させ2回目の仕上げオイル+ワックスの塗装をします。




完成後、お客様に取りに来て頂きました。

今回は材木も運んで頂き、置物・壷もご持参してもらったので製作費以外一切の費用が掛かりませんでした。
打ち合わせや引取り配送って当方で引き受けるとかなりの金額になってしまいます。小品なら加工費以上になる事もありますので、この様なご依頼時はお客様自ら工房にお持ちして頂ければコストを下げられます。

納品後、お客様が設置した写真を送ってくれました。

バランスも悪くないし杢板の存在感も発揮し“悪くない”って思いましたが、どうでしょうか?





  

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