オレ流で世界3連覇だ! 来年3月開催予定の「第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の日本代表監督に、前中日監督の落合博満氏(58)が浮上したことが19日、分かった。過去2大会はいずれも現役監督が率いて優勝。今回も現役待望論は根強い。だが侍ジャパンは11月にキューバ、豪州と親善試合を行う予定で、現場を離れている落合氏は適任。既に監督人事は加藤良三コミッショナー(70)に一任されており、10月中の正式決定を目指す。
3連覇がかかるだけでなく、野球人気再興の切り札「侍ジャパン」の常設後最大のイベントとなる第3回WBC。かつてない重責を担う代表監督に、選手で3度の三冠王に輝き、監督としてもリーグ優勝4度、日本一1度の実績を持つ落合氏の名前が浮上した。
過去2回のWBC監督人事は、会議を開いての“合議制”だった。しかし今回は「各球団の代表らが協議するのではなく、加藤コミッショナーが一手に引き受けている」と機構関係者。その加藤コミッショナーは「日本人メジャーリーガーをまとめ上げられ、直情型ではなく理詰め、そしてもちろん勝てる人」の3条件を挙げている。
具体的にはWBC優勝監督のソフトバンク・王球団会長と巨人・原監督。このほか3月10日に台湾と行った復興支援試合で代表監督を務めたソフトバンク・秋山監督らの名前が挙がった。その中で「加藤コミッショナーが、落合氏の野球に対する姿勢や指導者としての素養を高く評価している」(別の機構関係者)というのだ。
さらに、日本野球機構(NPB)は侍ジャパンの商品価値向上を目指している。中日監督退任後、著書がベストセラーになるなど、落合氏は監督としての実力だけでなく、好感度も上昇中。その点でも支持が高まりつつある。
加えて、侍ジャパンは11月に豪州、キューバを招いての親善試合を計画中。過去2大会と同様、現役監督を待望する声は根強いが、時間が足りない。今すぐにでも始めたい冠スポンサー交渉などで「代表監督は日本シリーズ後に」などと説明していては不利だからだ。
しかし、落合氏は中日監督時代の第2回WBCで選手派遣に消極的だったことなどから、球界内に批判的な声も少なくない。ただでさえOB監督の場合、各球団への協力を要請しづらいもの。開幕直前の3月に大会があることで、各選手の仕上がりを熟知した現役監督が“落としどころ”となるケースもありそうだ。
加藤コミッショナーは、正式発表を10月に見据えて人選する考えだという。エリート外交官として国際舞台で発揮してきた交渉力で、3連覇へ最高の布陣を用意する。
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