並木たより

写真付き日記

残照

2008-05-08 01:38:31 | 日記・エッセイ・コラム

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NTTの横通(旧称横須賀電気通信研究所)は1972年の設立。今年で36年になる。光・ディジタル・LSIという(戦後の)3大技術とその集大成となる総合ディジタルサービスの開発に(文字通り)日夜邁進して、1984年には(衛星と飛行機・ロケットとソフトを除く)ほとんどすべての先端技術分野で米国を追い抜き、「世界一」の座を占めるに至ったのであった。

当時全日本で年間2,700億円といわれた先端技術研究開発費の実に9割が、ここをはじめとする4つの通研(武蔵野、茨城、厚木)の研究費に注ぎ込まれた。いわゆる「日本株式会社」の総領息子。

端末開放・回線開放などビジネス自由化の要求、「調達問題」を中心とする日米貿易摩擦、米下院におけるNTT総裁問責決議などの政治的外交的圧力に屈して、1985年の民営化・分社化、DoCoMo研究所を中心とするYRP研究所群の創設と研究移籍などなど。

そのYRP(横須賀リサーチパーク)からふり仰ぐと、日没を背に横通のシルエットが西空に浮かびあがる。(失われた20年以前の)20世紀後半・戦後日本の高度成長時代の奮闘と栄光とを記念する遺跡のように。

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