噂話は厳禁です

私は「町の電気屋さん」です。

「町の電気屋さん」には、お客様の基本情報を初め家の間取りから、家族構成まで
いわゆる「個人情報」がたくさんあります。
それ以上にいろいろな「情報」が次々と入ってきます。

たとえば、

「斉藤さんの家は来月から、ご主人が単身赴任するそうで、だいぶ奥さんともめたらしい」とか、

「3丁目の田中さんのおばあちゃんは、買い物の帰りに転んで骨折してしまった」
とか

「佐藤さんは福引で3万円の商品券を当てた」とか

「小林さんご夫婦は退職祝いに、来月から世界一周旅行に出かけるらしい」
など、井戸端会議の議事録のような物が次々と入ってきます。

昔のように魚屋さんや、八百屋さんが「御用聞き」で一軒一軒まわることはほとんど無くなって
「こんにちわぁ」と言ってお家に上がって、居間や台所、風呂場や寝室などへ入っていける仕事は、
今や「町の電気屋さん」くらいでしょうか。

だから先日のように、おばあちゃんの一人住まいの家に、セールスを装って上がりこみ、
財布を持っていった悪党の事件が発生したとき、おまわりさんが真っ先に私のところへ来て、
日ごろのおばあちゃんの様子や近所の様子を聞きに来る事などはあまり珍しくありません。

町の中で近所付き合いが疎遠になってきているので、そういった情報を持っているところはなかなか無いのでしょうか。

でも情報を持っているほうもその「管理」にはとても気を使います。
噂話は厳禁です。

「町の電気屋さん」に気を許してはいけません。