とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

草いきれ道中(北海道旅行記)後編。

2024-09-16 19:13:29 | 旅行
(前編に続き)
羽幌では、蒸し暑さで寝苦しかったものの、興奮からかあまり気にならず。
敷布団が薄かったので、暑くはなかったのかもしれないが、
朝起きると、身体が痛かった。
朝食後、荷物をまとめ、レンタカーに乗り込む。

さぁ、フェリー(高速船)に乗るぞ、と気合十分、
ナビに行先を入力しようとして、はて、、
施設名がよくわからない。
地図上からフェリー乗場など検索して指定したら、
フェリー乗り場のとなりの桟橋へ案内されていて、
右手にフェリー乗り場を見つつ、
ふ頭を前に行き止まった。

あそこに見えているのに!

特段一方通行などもなく、少し戻ったらイケたのだが、
フェリー乗り場が見える曲がり角で
「関係者外立ち入り禁止」の札があった。

(どういうこと???)

出航の時間が迫るし、不安になったものの、
フェリー乗り場手前のかどの倉庫前で
仕事中の漁師さんらしき人たちが、
行って大丈夫!と言ってくれたので何ともなかった。

高速船やフェリーの切符購入時には交通系ICや
クレジット決済などではなく、昔ながらの窓口での現金精算。
乗る人数が把握できていればいいんだろう。
降りる際に、半券を回収するところを見るに、
船内に降りそびれた人が居ないことの確認なのかな。

朝一番の出航は高速船で、波を蹴立てて飛ぶように進む。

行先は天売島(てうりとう)。
海鳥の繁殖地として世界的に有名だそうな。
とりわけ「ウトウ」という海鳥は印象的だ。
従妹氏はウトウツアーを申し込んでくれた。
夕食後に民宿へお迎えの車が来てくれるらしい。

天売島の手前には、焼尻島(やぎしりとう)がある。
ここはサフォーク羊の牧場があり、
おいしいラム肉が食べられる。
天売島2泊の後、戻りがてら焼尻島で1拍の予定。

天売島に到着するとすぐ宿泊予定の民宿の方のお迎えあり、
車で5分ほどで宿に到着。
まだ日が高いので、
ギア付き電動補助付きレンタサイクルを借り、
島をひとめぐりする。
天売島は一周12Km。
車輪がさほど大きくない自転車で、この数年のテレワークで
週の半分ほどしか出社しない運動不足なtoko嫁。
小さな島とはいえ、アップダウンのある島内を周ると
足がガクガクになった。
従妹氏は普段からアクティブなので、わりと平然としていた!
(すごい)

島の宿を営む多くが漁師とのこと、夜は海鮮バーベキューだ。
バーベキューセット以外につくご飯は海鮮丼だというので、
ご飯の量を少量にしていただいたが、
まったく食べきれなかった。

殻を割られたウニがこんもり盛られ、
細いけど透き通って新鮮なイカ、殻付きのホタテに甘エビ、、
暑い中、炭火に煽られてより暑いが、
全く暑さなど吹き飛ぶような旨さ。
夕方から雨も降りだしてしまったけど、
ウトウツアーは行ってよかった。
これはまた別途お伝えしよう。

天売島2日目は雨も上がり、
洗濯機を借りていくつか服を洗濯・干した後、
島の真ん中の水源となっている森林散策。
雨上がりのため、むわっとしているが、雨後の竹の子ならぬ、山菜がにょきにょきと伸びていて、
昔の山菜取りを思い起こさせた。。

森の中の小道はウッドチップが敷き詰められており、昨晩のたっぷり降った雨を吸っていた。(転んだら、、濡れるが、足を捻る心配はない汗)
一度枯れ、水源確保のため人工的に再生したという、
綺麗な森だった。
水源だから大切にされているらしく、
定期伐採工期中で、チェンソーの音が聞こえた。

昼食は民宿の近くの喫茶店で「うにのパスタ」をいただく。
地元の方が数人、ランチのため訪れている。
新鮮な生うにが乗ったパスタ、生うには格段に美味しかったが、
ひょっとしたら、従妹氏が頼んだザンギ定食のほうが美味しかったかも。
民宿の近くに小さなパークゴルフ場があり、二人で楽しんだ。
小さな小屋から道具を借りて勝手に回る形式で(一人100円を箱に納めた)、
コースのうちの半分くらいを散々なスコアで回った。

時間を持て余しているのでは?と
心配した民宿のおかみさんが、「カニつりでもする?」と
言ってくれたが、ぶらぶらします~と辞退する。
フェリー乗り場でオオセグロカモメの親子が居て、
まだ灰色の羽毛の雛鳥は、身体こそ一人前の大きさだが、
従妹氏が近づくと警戒してか甘えた声で母鳥を呼ぶ。
そんな港の風景を見たり、
到着した際には閉まっていた土産店を覗いたり。

2泊した後、天売島を出て、焼尻島(やぎしりとう)へ渡る。
歩き回ってみて分かったのが、
近くにある島なのに、雰囲気が少し違う。
フェリー・高速船の着く港はよく似ているが、
人口規模も天売島に比べれば三分の一ほど、
こちらはやや活気がないように感じた。
聞けば、サフォーク羊が一番の売りだけれども、
昨年、民営化されたとのこと。いろいろあるようで。
島民も天売島に比べて老人が目立つ。

唯一の公共トイレがフェリー乗り場の近くにあったが、
さほど汚れてはいないものの、タンク式の水洗トイレで、
タンクの中の溜められた水が淀んでいた。
誰も使わないのだろう。

宿を切り盛りするご夫婦は離島好きだそうで、
宿泊の方々もかなりの旅行オタク。
リビングで互いの協力のもと食事をいただく。
食事後の皿洗いはゲスト各自やるルール。
持参したメロンがタイミングよく熟したので「お土産」として提供できた。
ちょうどよく冷えて甘く美味しいメロンをみんなで食べられて嬉しかった。
お土産を持参したゲストには特別な梅酒が提供されるそうで、
美味しくいただく。甘すぎない、自家製。
お酒を飲みつつ、旅自慢というか、レアな旅ばなしを伺う。
翌日の予定もめいめい話していたのだが、
なんと、次の日は高速船・フェリーとも、全便欠航。
私たちも翌日泊まるはずの宿をキャンセル。

焼尻島ではコンビニはなく、
菓子パンやインスタントラーメンなどは
倍くらいの値段感。
酒のつまみは「セコマ」で購入してあったが、
お昼はどこか他所で調達が必要だ。
スーツケースに余裕があれば
カップ麺を購入しておいたらいいかも。
いつもcloseとなっているという島で唯一のcafeで
カレー(1名分)かパスタをいただけると
あらかじめ電話で約束を取り付け、
美味しい紅茶と、お菓子もいただき、まったりした。
建築もデザインもお詳しい、cafeの女性店主のお話も
とても興味深かった。

ドキドキしたが、翌日は昼のフェリーが出航となって、
無事に羽幌へ戻れた。
従妹氏は羽幌のフェリー乗り場内にある食堂で、
予定のうに丼を食べたが、私はニシンそばにした。

tokoが用意してくれたお蕎麦の味を思い出させてくれて、
心にもお腹にも染み渡るニシンそばだった。

その後は、増毛町へ。増毛町はフルーツ王国だった!
あちこちにサクランボや梨など、果樹園がある。
映画の舞台となったそうで(高倉健さんの「駅 STATION」)
映画撮影時の外観を残した建物がある。
お宿はゲストハウスで、なんと、
ご主人に『個人カルテ』を作成いただく。
面談をしながら宿泊費を払うのだ。
新品のバイクで来られた男性、
面談の様子はまるで師匠とお弟子さんのよう。
ご主人にそういう古き良き先生のような人間力がある、ということかも。
toko嫁が洗濯ものの相談をした時も、ご主人は
「このタオルの厚さだと、時間は15分くらい」など、
真剣に考えてくださる。
なんか、ほっこりした。
toko嫁はすぐ自分を粗末にする。
それを窘(たしな)められたということと思っている。

夕食もとても家族的だった。
なんせ、ご主人が部屋の隅に座って
会話を盛り上げてくれ、なおかつ
ビールを完璧な状態で提供してくれる。
体調が万全だったら、、
従妹氏が飲んだあのGUINNESS、飲みたかったな。。

その夜は激しい雨で、クーラーのない部屋では、
やや心もとなかったが、ふかふかの布団にうまく
包まって、湿気も暑さも感じずまぁまぁよく寝られた。

最終日は、支笏湖へ向かった。
苔の回廊が見たかったけれど、
安全のため、現在は見られないとのこと。
残念。

前日夜の激しい雨は、増毛町から
車で3時間ほど南下したここでも影響した。
予約しそこねた「クリアSUP」
(スタンドアップパドルボード)は、
水上で透明なボードに乗るアクティビティ。
けっこう人気らしいが、雨の影響でクリアだけでなく
普通のSUPもすべて中止となっていた。

生活水の汚染もないのか、支笏湖は雨でも水質クリアで、
カヌーだけは中止にならず、大人に混じって子供も
カヌーで川の河口から湖へ漕ぎ出しているのが見えた。

クリアSUPを体験できたら、
千歳梅花藻(ちとせばいかも)という水中花が
見られるのでは?という従妹氏の希望だったのだが、
橋の上から遠く離れた川底の緑の藻のところどころに
小さく揺れる白い点を見たのがせいぜい。。
これも残念。

売店は外国人観光客でいっぱい。
折り畳み傘を出すのが面倒なので、小雨の中、
軽食を買うのに並んだら、
傘をさしかけてくださる優しい女性。
(台湾の方なのかな?おっとりとした品の良い感じだった)
こうした外国人観光客を団体でおもてなしするのだろう、
高級そうなホテルがあり、そこのスイーツをいただいた。
東京でもなかなか出会えないハイレベル。
願わくば紅茶もいいものにしてほしい。。

飛行機に間に合うよう、来た道を戻り、
支笏湖から新千歳空港周辺を目指す。

レンタカーは、ガソリン満タンにして返却するルールだ。
借り受ける際に、この辺りにはガソリンスタンドありませんと
きっぱり言われたっけ。。
この点はとても緊張したが、そこは従妹氏がしっかりと、
早めとダメ押しの給油でクリアできた。

すごくホッとした。

6泊7日の北海道。なかなか体験できない旅だった。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 草いきれ道中(北海道旅行記... | トップ | 草いきれ道中 番外編。ウト... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旅行」カテゴリの最新記事