とこのへや

とこの雑貨と、とこのお洒落着。とこは樺太に住んでいたことがあります。とこの嫁の体験談、日記、備忘など。

痩せてしまった手を

2022-07-31 19:22:59 | 丘の上(認知症・入院)
特養に居る姑 とこ。
7月に入って、面会予定日の前日に、新型コロナウイルス感染者が同室で出てしまい、とこは「濃厚接触者となった」ため面会は延期となった。

目薬持ってくるね、と言ってからかなり日にちが経ってしまった。

今日は果たして、どうかしら。
時間通りに施設へ到着、受付で体温計測、手指消毒、入室カードなど記入し、別棟へ設置された面会室へ通される。
車いすのとこ、緊張している様子である。
介助してくださるスタッフは始めてお見かけする方。

とこは面会開始となってすぐ、指をはじく仕草が見られた。
夫は『私のこと判る?』と話しかける。
判る、と頷くが、発声しない。
『ご飯食べられてる?』と尋ねると、ものすごく細い声で、ようやっと
「食べてない」「おなかが痛いの」
という。

私たちの息子について、忙しくて来られなくて(ごめんね)ということを夫が伝えた。
『元気なんだけどね、土曜日は必ず大学に行ってるみたいだし』
前の面会から時間が空いちゃったね、ごめんね、というと、
今度ははっきりとした発声で、
「元気ならいい」
と返してくれた。このあたりから指をはじく仕草は見られなくなった。

料理番組見ていると特養からのお知らせにあったので、そのことを尋ねてみても、さぁねといった顔つきで、あまり興味関心のなさそうな反応。
食べたいものある?と尋ねてみるも、何もないという。

持参した、とらやの羊羹にも関心が薄そうな様子。
以前届けた「アスタリ●ト」について、夫が『使ってないんでしょ』と尋ねると、少し不安そうな顔をした。
鏡を見ていないと話してくれたが、髪もきちんとしているし、肌はつややかでいい色だし、健康状態はさほど問題ないようにも見える。

面会の15分なんてあっという間だ。
目薬のこと、ペースメーカーの入れ替え手術に必要な紹介状、差し入れの羊羹を渡す。渡すのは介助してくれるスタッフの女性へ、だ。
さて、面会は透明パネル越しだが、そのお別れの時に、車いすに乗った姑とこがすぐ目の前に居る場面があった。
差し入れなどを車いすを押すスタッフさんへ手渡すと、姑とこがこちらへふと手を伸ばした。
私は迷わずその手を両手で包み込むように握った。

寂しかったんだと思われた。

スタッフさんへお腹が痛いってさっき言ってましたので、とお伝えする。
すると、迷っていたのかもしれないが、
一旦エレベーターホールへ差し掛かったスタッフさんが私たちの前へと戻って来て、本人には聞こえないよう声を落とし、最近の状況を少し伝えてくれた。

「最近、抗鬱の薬を減らして、状況を見ているということもあるのですが、ベッドから降りようとしたり、こう、手を合わせて拝んでいらして、もう私はダメだから、お世話になりましたっておっしゃることもあったり」

減らした薬の影響もあるのかもしれない。

近く精神科医にも診察していただけるとのこと。
以前は人の名前をよく覚えているとこだったが、先ほどの面会の会話では、もうそういうことも頓着しないような印象を受けた。
諦め、そういう境地なのかも。

面会の部屋に、胡蝶蘭があり、これを「きれいね」と言っていた。
花を見てそう言えるのならまだ大丈夫だと思うのだけれど。
手を握った時、やはり家族と過ごしたい、甘えられるのはごく限られた人だけ、というように見えた。
出来る限りのことをしてあげたい。



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