お手前をしていると、「拝見」というのがある。
薄茶なら「お棗・お茶杓」濃茶なら「お茶入れ・お茶杓・お仕覆」を拝見(お客様に見て頂く)に出す。
拝見の後の問答で、そのお茶道具の謂れを説明する必要がある。
ーーーーーで。
お棗・お茶入れ・お仕覆はそのものを答えるんだけど
お茶杓、これがまた難問で「お作・御銘」を答えないといけない。
以前は訳もわからず「お作」に歴代のお家元の名前を出していたが、普通に考えて変なので、
自作だったり(嘘)、父・祖父が作ったり(大嘘)自分ちの蔵から出てきたり(嘘にも程がある)などという
架空の謂れを考え、薄茶なら時候柄の銘、濃茶なら禅語由来の銘をつける。
今回、私は濃茶をしたので、「父が定年後の楽しみで作った初作」で「無一物」
もし薄茶なら、桜も満開だったので「初桜」といったところ。
ただ、今回のお菓子が「初桜」だったので、「春疾風」「みよしの」「桜かさね」など春や桜にちなんだ銘がいい。
あ、「みよしの」は吉野棚と被るので違う方がいいかな。
などと、全体の取り合わせを考える必要があって、これがまた、めんど、、、いや面白い
お濃茶だとお手前の途中客との問答で、お茶の御銘とお詰め・お菓子も御銘と御製を答える。
全て架空でいいけど、いや、いいからこそ、どんな銘のどこのお茶・お菓子があるかを調べておかないといけない。
そして問答があるので、客もぼんやりお茶を飲んでられない
取り合わせや茶道具をさりげなく褒める技量が必要で、むしろ客の方が難しいという、、、、、
てな事を久しぶりにお濃茶をして思い出した。
家に帰って、「かんたんな禅語」みたいな本を引っ張り出し、次回の銘を考える。
総飾りだと濃茶だろうな、と思うから。
奥が深いわ、、、、、