導入部分から怖い展開。
しかも今やありえないことでは無い名無しさんの思いがけない行動から恐怖に陥れられる出来事が続くというのは読んでいても気持ちの良いものではありませんでした。
仕事上の問題も並行しておき、会社と家庭両方のトラブルに振り回され、気の弱い庶民の立ち位置というものがどれだけ通用するものか、実生活となると絶望的にも思えます。
ストーリーは誠実な一人のサラリーマンが仕事先では信頼できる部下や同僚に恵まれ、家庭では家族が一つになって一つずつ対処していく過程にはホッとさせられます。
その中で心打たれたのはこの部分。
「それから四十年以上も経って、いまふたたび倉田は思う。人間はだれだってひとりなのだと。そして、それぞれの人生を生きている。さまざまな困難に耐えながら。正しいことさえしていればいつかは報われるーそんな価値観はとっくの昔に時代のハイウェイから放り出され、粉々になってしまったということも。今倉田がすべきことは、自分の尊厳を取り戻すことかも知れない。ひとりの人間として、相手に毅然と接することかも知れない。すべては、自分らしく生きるために。」
自分らしく生きているかなぁ・・自分。。
しかも今やありえないことでは無い名無しさんの思いがけない行動から恐怖に陥れられる出来事が続くというのは読んでいても気持ちの良いものではありませんでした。
仕事上の問題も並行しておき、会社と家庭両方のトラブルに振り回され、気の弱い庶民の立ち位置というものがどれだけ通用するものか、実生活となると絶望的にも思えます。
ストーリーは誠実な一人のサラリーマンが仕事先では信頼できる部下や同僚に恵まれ、家庭では家族が一つになって一つずつ対処していく過程にはホッとさせられます。
その中で心打たれたのはこの部分。
「それから四十年以上も経って、いまふたたび倉田は思う。人間はだれだってひとりなのだと。そして、それぞれの人生を生きている。さまざまな困難に耐えながら。正しいことさえしていればいつかは報われるーそんな価値観はとっくの昔に時代のハイウェイから放り出され、粉々になってしまったということも。今倉田がすべきことは、自分の尊厳を取り戻すことかも知れない。ひとりの人間として、相手に毅然と接することかも知れない。すべては、自分らしく生きるために。」
自分らしく生きているかなぁ・・自分。。
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