山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

そしてハジマル。

2016-05-24 10:48:10 | 九州「劇」派2016
■ことのはじまり(3)

初めて紅テントをこの目で見た時は巨大な子宮だと思った。
1978年「ユニコン物語」、熊本市子飼橋河川敷にぶっ建てられた子宮は橋や道路、仕出し屋の建物や川向こうの商店街を見上げる。下から目線で夕闇に包まれていく巨大な子宮も夜になると小さく感じる。巨大な夜空に包まれた子宮だ。
子宮が風景に溶けるとは?川の流れる音が体内の音のように聞こえる。どっくん、どっくん。海に向かって落ちる音か。
ポスターには「子飼橋」の名称を「子買橋」と書かれていた。子どもを売り買いする橋。一気に虚構へ想像力が掻き立てられた。

拝啓 唐十郎様。
あれから幾年、流れたでありましょうか。
生まれる前に見た夢からでしょうか。指折り数えて百年、千年、何万年?
私たちが生きているこの宇宙は気が遠くなるような大子宮でしょうか。
わからん!わからんことの魅力は永遠に広がります。
しかーし、これは神秘主義ではありません。紛れもない、もう1つの現実に出くわしてしまったのです。
これから行く未来は?
不安があります。人は子宮からハズレっぱなしになるのではないかという不安がのしかかってくるのです。
命はガラスの中から生まれることが現実味を帯びてきました。何故に虚構が現実に襲いかかってくるのでしょう。いや、現実主義が想像力を萎えさせてしまうのか?
夢の暴力。
裏返せば、夢の暴力は演劇のやさしさだと思います。意図せず、狂った現実へ仕返しを!ここには薄っぺらな愛や恋はなく、あるのは暴力的なやさしさ。演劇があります。
いつまでも生きて下さい。お体、大切にして下さい。

(注)ユニット 九州「劇」派
「拝啓 唐十郎さま『少女都市からの呼び声』より」
space早稲田演劇フェスティバル参加上演致します。
時)10月21日(金)~23日(日)
乞うご期待!
※尚、熊本公演は12月、会場は地震のため当初予定していた会場が取り壊されることになり、只今、公演会場を探しております。近日中に発表致します。