浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

習近平は焦っている

2015-11-10 20:38:42 | 資料

これが世界の現実だ~日本の安保法制に真正面から反対する国は1つもない

2015.10.27 筆坂 秀世 JB PRESS

安全保障関連法案が成立した日の国会議事堂周辺の様子(2015年9月19日撮影、資料写真)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News〕

 先の通常国会は、安保法制を巡って、とにもかくにも大いに盛り上がった。国会外では、60年安保以来とも言えるほど、安保法制に反対する人々が集結した。民主党の岡田代表や共産党の志位委員長、生活の党の小沢代表、社民党の吉田党首らが、国会前の集会で声をからして、「戦争法を廃案に」と訴えた。共産党や社民党は、その後も「戦争法を廃止」とこぶしを振り上げ続けている。だが国会前に集結した人々の熱は早くも冷め始めているようだ。

 ネット上で見た、北海道のある組織によるデモ行進は、8月には500人参加していたが10月には7人ほどしか参加者がいなかったという。「ふるえて眠れ、自民党」という横断幕を掲げているが、参加者が寒くて震えていたのではないかと心配になる。

 共産党の「国民連合政府」の提案を、朝日新聞や毎日新聞は大きく報道したが、予想通り、遅々として進んでいない。本来なら、あれだけの運動があったのだから、国会内の力関係で法案は成立したとはいえ野党がもっと元気になってもよさそうなものだが、そうはなっていない。

安倍首相、5カ国訪問で成果着々

 その一方で安倍首相は、10月22日から28日までの日程でモンゴルやトルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンの中央アジア5カ国訪問を行っている。

 トルクメニスタンでは、産業高度化のための日本企業への期待が表明され、事業規模総額2兆2000億円に上る案件に合意がなされた。タジキスタンでは、給水の改善のため2億6500万円の無償資金協力に合意し、大いに歓迎された。ウズベキスタンでは、医療施設の改善のため6億8600万円の無償資金協力に合意した。

 中央アジアは、天然資源を豊富に産出し、ユーラシアの中心に位置する重要な地域である。これらの国々との協調関係を強化したことの意義は大きい。

 安倍首相は、これらの国々で安保法制や積極的平和主義について説明を行ったそうだ。反対の声などは、もちろんどこからも聞かれなかった。

安保法制に反対する国は1つもない

 そもそもアジアでも安保法制に反対する国など1つもない。

 まず東南アジア諸国はどうか。

 フィリピンのアキノ大統領は9月22日、ABS-CBNテレビとのインタビューで、日本で安全保障関連法が成立したことについて、「平和維持活動などさまざまな活動で(日本は)より優れたパートナーになった」と歓迎した。さらに、「ある時点で非常に攻撃的だったからといって、権利を抑制されるべきだろうか」と述べ、日本の安保法制を擁護している。

 ベトナムのズン首相も「高く評価する」と述べた。マレーシアのナジブ首相は、「日本の積極的平和主義の下での貢献への歓迎」を表明している。ラオスのトンシン首相は、「日本が地域と国際社会の平和の促進に多大な貢献をしていることを賞賛する」と述べている。どの国も安保法制を高く評価しているのが現実である。

 アメリカ政府が歓迎していることは言うまでもない。国務省報道官は、「地域および国際社会の安全保障に係る活動につき、積極的な役割を果たそうとする日本の継続した努力をもちろん歓迎する」と述べている。

 またドイツのメルケル首相は今年6月の日独首脳会談で、安倍首相の安保法制の説明に対して「日本が国際社会の平和に積極的に貢献していこうとする姿勢を100%支持する」と述べている。

中国や韓国はどうか。

 中国は、5月14日の中国外交部定例記者会見で、報道官が質問に答えて、「歴史の教訓をきちんと汲み取り、平和発展の道を堅持し、我々が共に暮らしているこのアジア地域の平和と安定、そして行動発展のため、多くの積極的かつ有益なことを成し、多くの積極的かつ建設的な役割を果たしていくことを希望する」と述べているだけで、こぶしを振り上げて反対するような態度はとっていない。

 韓国も、朝鮮半島有事の際に韓国政府の承認なしに日本が集団的自衛権を行使することがなければ、おおむね反対はしないという姿勢を示している。

 つまり、正面から反対し、批判している国はないのである。安保法制反対派は驚くかもしれないがこれが世界の現実というわけだ。

共産党が絶対に損しない「国民連合政府」構想

 野党の中で、野党らしく頑張っているのは共産党だけだ。上手くいくとは到底思わないが、「戦争法廃止、立憲主義を取り戻す」の1点で結束する「野党連合政府」構想は、それなりに考え抜かれたものだと思う。

 まずタイミングがよかった。一強多弱の政党構図の下で、野党の中で相対的に共産党の比重が高まっており、民主党などもまったく無視するわけにはいかない状況にあるからだ。これまで何度も暫定政権構想を発表してきたが、まったく無視されてきた過去とは、この点が大きく違っている。

 この提案の最大の特徴は、どう転んでも共産党は絶対に損をしないということにある。共産党は、自衛隊活用、日米安保凍結という方針も打ち出した。別段、特別のことではない。これまでも言ってきたことである。大方針転換のように言われているが、実はそんなこともない。

 共産党は、自衛隊についても、日米安保についても、「国民の合意があれば、自衛隊を解消し、日米安保を廃棄する」と言ってきた。しかし、こんな国民合意など、まずほとんど考えられない。このことは共産党も百も承知のことである。つまり、自衛隊活用、日米安保凍結という方針にならざるを得ないのである。ただそれだけのことだ。

 安保法制反対派からは、当然のように共産党の方針に歓迎が表明されている。決断を迫られるのは他の野党である。民主党内には、共産党との選挙協力に、選挙に強い議員を中心に否定的な声があるようだ。だが共産党との選挙協力なしに、今の民主党が自民党と対抗できるのか。無理であることが目に見えている。それどころか、協力しなければ安保法制反対派からの批判を受けることになるだろう。

 だが共産党は、「自らの主張をいったんは棚に上げても、安保法制廃止のために頑張った」という評価を受けるのである。選挙協力が実現しなくとも、おそらく共産党は次の国政選挙でも票を伸ばすことになるだろう。実に賢明な提案なのである。

あきれるしかない維新の党の分裂劇

 維新の党の分裂劇には、あきれる他はない。この党の離合集散は珍しくない。2014年6月には、石原慎太郎氏らの次世代の党と日本維新の会に分党している。同年9月には、江田憲司氏率いる結の党と合併し、維新の党となった。そして今回の分裂劇である。

 この人の発言を信じたことはないが、「政界を引退する」と明言した橋下徹大阪市長が今回も指揮をとって「おおさか維新の党」を作った。新代表は、馬場伸幸前国対委員長である。橋下氏の場合、何を言ってもどんでん返しがある。要するになんでもありなのだ。東京組と大阪組が互いに批判し合っているが、結局、中身は政党交付金の奪い合いなのだから程度の低い喧嘩である。

 橋下市長は、「永田町組の子ネズミ連中がまた飲み食いに使うから」と言って、政党交付金の振り込まれた銀行口座の預金と印鑑を持っている。しかし、「大阪組で前国対委員長の馬場伸幸衆院議員の金遣いの荒さが大問題になっているのだ。なんと毎月300万円もの党のカネを使って、連日連夜、飲めや歌えやのドンチャン騒ぎをしていたという」(10月3日付「日刊ゲンダイ」)との報道もある。こんな人物が代表なのだから、「おおさか維新の党」も人材がいないということだ。そう言えば、上西小百合という人騒がせな議員もいた。

 橋下氏が言うことにただただ従う議員だけを集めると、こういうレベルの低い人材しか集まらないということであろう。こんな党がいつまで存在し続けるのだろうか。そう長くはないような気がしてならない。

 それにしても安倍首相はついている。こんな野党ばかりなのだから。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45086

 ◆日中韓首脳会談、終わってみれば日本の圧勝だった!~中韓の焦りは想像以上。安倍首相はどっしり構えていればいい

2015年11月06日 長谷川 幸洋  現代ビジネス

具体的な成果よりも、なぜ開かれたのかが重要だ【PHOTO】gettyimages

習近平は焦っている

日本と中国、韓国の首脳会談が10月31日から11月2日にかけてソウルで開かれた。日中韓の首脳がそろって会談するのは3年半ぶりだ。時間の空白はなぜ生まれたのか。そして、なぜいま首脳会談だったのか。

会談を避けてきたのも再開に動いたのも、鍵を握っていたのは中国の習近平政権である。

マスコミは首脳会談について連日、大報道を繰り広げた。日中韓については「自由貿易協定(FTA)の交渉加速や首脳会談の定例化で合意」、日中は「東シナ海のガス田共同開発協議の再開を目指す」、日韓は「慰安婦問題で交渉加速」といった具合だ。

それぞれの合意内容や首脳たちの表情はそれなりに詳しく報じられた。だが、そもそも今回、会談がなぜ開かれたのか、逆にこれまでなぜ長い間、開かれなかったのかについての分析はまったく不十分だったと言わざるをえない。

それだけ長い間、開かれなかったのは、もちろん理由がある。その理由を探っていけば、これから3国の関係がどうなるか、日本はどうすべきかもおのずと見えてくるはずなのに、そんな問題意識はまるでないかのようだ。

私に言わせれば、3国が交渉加速で合意した日中韓FTAや韓国の朴槿恵大統領がこだわった慰安婦問題などはサイドストーリーにすぎない。そんなことより、ずっと3国首脳会談を避けてきた習政権が一転して再開・定例化に動いた意味のほうがはるかに重要である。

なぜ習政権が鍵を握っていたと言えるのか。中国に開く気がなければ、日中韓首脳会談は開けなかったからだ。よく知られているように、安倍政権は中国にも韓国に対しても、一貫して「日本はいつでも会談の門戸を開いている」という姿勢だった。日本が会談を避けた事実はない。

韓国はどうかといえば、朴大統領はここ数年、異常なほど中国にすり寄ってきた。これまで朴大統領は習主席と実に6回も首脳会談を開いている。直近は2015年9月に北京で開かれた対日戦争勝利70周年記念の軍事パレードを参観した際の会談である。

韓国が日本と緊張関係にあったのは事実だ。だからといって、中国が3国会談を開こうといえば、韓国は断れない。韓国は歴史的にも地理的にも、日中両国の狭間で生きてきた国だ。まして中国と異常接近している現状では、3国関係にかかわる主導権は中国が握っている。

つまり、3年半にわたって3ヵ国会談を開けなかった最大の理由は、中国が拒否してきたから、というシンプルなものなのだ。

中国はあまりに日本をナメすぎた

なぜ中国が拒否し続けたか。習政権は2012年11月の発足以来、米国との関係を最重視する一方、安倍政権については敵視あるいは軽視していたからである。

時系列でみると、事態が一層はっきりする。前回の日中韓首脳会談が開かれたのは、中国が胡錦濤政権だった2012年5月だ。その後、同年11月に習近平が中国共産党中央委員会総書記と党軍事委員会主席に就任して実権を握った。

習政権は発足すると直ちに「軍事闘争の準備を進めよう」と陸海軍に大号令を発した。実際、12月には初めて尖閣諸島付近で中国のプロペラ機が領空侵犯した。翌13年1月には中国海軍の艦艇が海上自衛隊のヘリコプターと護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射する事件が相次いで発生した。

これはほとんど交戦一歩手前の事態だった。交戦に至らなかったのは、日本の自衛隊側がぎりぎりの極限まで自制したからだ。

同6月になると習主席は訪米してオバマ大統領と会談した。このときの大テーマは米国との縄張り分割論である。習主席は「太平洋は米中両国を受け入れるのに十分広い」という有名な台詞を吐いて、オバマ大統領に太平洋の縄張り分割を提案した。

「ハワイを分岐点に東は米国、西は中国の縄張りにして互いに尊重しよう」ともちかけたのだ(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/36121)。

ところが、オバマ大統領は「日本が米国の同盟国であることを忘れるな」と釘を刺した。つまり縄張り分割案を拒否した。これは習主席にとって大きな挫折である。この後に起きたのが、同年11月の中国による防空識別圏の設定だった。

これは主として日本を標的にした仕掛けだったが、米国を強く刺激した。米国は直ちに大型爆撃機2機を「識別圏内」に飛ばして、中国の一方的な設定を無視する行動に出た。このあたりから米中関係はぎくしゃくしていく。

米国は当初、中国が提起した「新型大国関係」論にのりかかったフシがあったが、太平洋の縄張り分割論と防空識別圏設定をみて、警戒感を強めていった。ここまでの展開をみれば、当時の習政権の思惑ははっきりしている。

中国にとって肝心なのは、あくまで米国との関係だったのだ。縄張り分割論で米国を抱き込むことさえできれば、日本も、ましてや韓国など取るに足らない。米国が「ハワイから西は中国の縄張り」と認めてしまえば、自動的に日本も韓国も中国の縄張り内に入る。あとは煮て食おうと焼いて食おうと中国の勝手になる。そういう思惑である。

だからこそ、日中韓首脳会談など眼中になかった。「いずれ子分になる国との話し合いなど、する必要はまったくない」という話である。

付け加えれば、2012年11月の政権発足前後は、中国国内で反日運動が最高潮に達していた時期だった。9月11日に当時の野田佳彦政権が尖閣諸島の国有化を決めたからだ。

日本が尖閣諸島を国有化したのは間違っていないし、そもそも日本の領土の話だから、中国がいかに憤激しようと筋違いである。そうであったとしても、中国は「尖閣は中国のもの」と言い続けてきたから、国内で反日運動が予想以上に盛り上がってしまった。それもあって日本と首脳会談を開くわけにはいかなかったのだ。

本筋に話を戻すと、習主席が提案した縄張り分割論はオバマ大統領に拒絶されてしまった。防空識別圏の設定をきっかけに米中関係は冷ややかになっていく。そこで習政権としては対日戦略も練り直さざるをえなくなった。

その結果、どうなったか。それが14年11月の安倍首相との例の「仏頂面会談」である。

世界中に失笑された中国

アジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせて開かれた初の安倍・習首脳会談は習主席にとってみじめな会談になった。ホスト国でありながら、ろくに言葉も交わさず礼を失した態度で安倍首相を出迎え、世界で失笑を買った。

なぜ、そんな無礼な態度で接したかといえば、中国が根本的な戦略練り直しを迫られたからだ。

自分が「日本などモノの数ではない」という態度をとり続け、とりわけ軍部に対しては政権発足直後から戦争準備をあおりたててきた手前、いまさらみっともなくて笑顔で首相を出迎えるわけにはいかなかったのである。

それが証拠に、それから5カ月経った15年4月の日中首脳会談では、習主席はうってかわって愛想笑いをふりまいた。「会うのも2度目なら、みっともなさも少しは薄まるだろう」という話である。肝心の米国が思うようにならない以上、なんとか日中関係を打開しないことには東アジア外交の主導権を握れないと悟ったのだろう。

それから何が起きたか。

まず日米両国は日本の安保関連法成立を先取りした形で防衛協力の指針(ガイドライン)を見直した。これは日米による南シナ海の警戒監視を視野に入れている(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/43504)。そのうえで15年4月の日米首脳会談では、日米が中国の脅威に共同で対処する方針を確認した。

南シナ海における中国の人工島埋め立て・軍事基地化を念頭にオバマ大統領は「中国は間違っている」と国を名指しして批判し、安倍首相も「力による現状変更を許さない」と呼応した。その後、日本では安保関連法が成立した。これは中国の脅威に対抗するために日米同盟を強化するのが最大の目的である。

続く10月には懸案だった環太平洋連携協定(TPP)も大筋合意にこぎつけた。TPPは単なる貿易自由化協定ではない。中国によるアジア太平洋の主導権構築を許さないという、すぐれて安全保障上の戦略に基づく枠組みである。日米ガイドラインと日本の安全保障法制見直し、それにTPP合意が続き、アジア太平洋の国際秩序は大きく変わった。

日米を軸にした中国包囲網の完成である。今回の日中韓首脳会談は、こうした文脈の中で開かれたイベントなのだ。

向うから必ず歩み寄ってくる【PHOTO】gettyimages

実に単純な韓国の思考法

もうあきらかだろう。反日運動とともにスタートした習政権は「日本など取るに足らない、オレたちは米国と縄張りを仕切るんだ」と大風呂敷を広げてみたものの、米国の反撃に遭って自らつまづいてしまった。その挙げ句、面子を取り繕うために応じざるを得なくなったのが、今回の日中韓首脳会談なのだ。

南シナ海をめぐる米中間の緊張も、この延長線上にある。

かつてはアジア太平洋全域の縄張り分割という妄想にとりつかれていたが、いまは「南シナ海の支配」という少し縮小した妄想にとりつかれているのだ。だが、実態は先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/46130)で指摘したように、中国は米国の駆逐艦派遣に事実上、手も足も出ない状況に追い込まれている。

この核心部分を見過ごしてしまえば、首脳会談の意義は分からない。単に「3年半ぶりか、ようやく会ったのか」程度で終わってしまう。日本のマスコミ報道は大局観がまったく欠けている。

以上を踏まえたうえで、韓国に触れよう。韓国は情けない国だが、現実的な計算もできる国だ。解決済みの慰安婦問題をいつまでもぐだぐだと持ち出すのは情けない。だが自分を取り巻く大国である日米中の風向きを読んで、さっと軌道修正するあたりは現実的なのだ。

貿易で中国に依存する韓国は、中国が沈めば韓国経済も沈む関係にある。中国がバブル崩壊で沈んだ以上、自分たちが生き残るには日米重視に舵を切り替えざるを得ない。だからこそ環太平洋連携協定(TPP)にも入りたい。

もちろん、北朝鮮に対峙する韓国は安全保障面で日米に依存しているという根本的な事情もある。そんな実利的背景の下で慰安婦問題とは対日交渉で値段をつりあげる材料にすぎない。だから、安倍政権はじっと様子をみていればいい。黙っていて、焦るのは韓国である。

安倍政権は「TPPに入りたいなら慰安婦問題と水産品の対日輸入規制問題にケリをつけなさいよ」と言えばいいのだ。さらに言えば、韓国が「慰安婦問題を未来志向で最終的に解決したい」というなら、安倍政権は「世界中に作った慰安婦像を韓国政府の責任で撤去せよ」と要求すればいい。

韓国が慰安婦像撤去に応じないなら、韓国は口ではともかく、本音は慰安婦問題を終わりにする意図がないという話になる。慰安婦像撤去に応じるかどうか、少なくともその努力を約束するかどうかが、韓国政府の本気度を測るリトマス試験紙になるだろう。

この隙に日本は足場を固めればいい

中国も焦っている。足元の経済が崩壊寸前であるのに加えて、権力闘争は激化する一方だ。加えて南シナ海の人工島周辺に米国のイージス駆逐艦が進入してきた。それでも護衛艦を追尾するくらいしかできず、一歩間違えれば、国内のタカ派から政権批判が飛び出しかねない状況だ。

日中韓FTAの交渉促進を言い出してはみたものの、TPPが大筋合意した以上、FTA交渉が大きく前進する見通しは暗い。なぜかといえば、日本は当然、TPPを貿易自由化の基盤に据える一方、FTA交渉でもTPP合意の内容が事実上の基準になるからだ。

中国とFTAを結ぶとなれば当然、知的所有権保護や投資保護が重要テーマになる。パクリが横行している中国はTPP水準で知的所有権を保護できないし、投資保護はもっと難しい。

日本企業は対中投資促進どころか、バブル崩壊を目の当たりにして静かに中国からの撤退が始まっている。中国側は「逃げるなら事務所や工場はぜんぶ捨てていけ。撤退に伴う損害賠償も払え」と要求するケースまであるようだ。まさに「泥棒に追い銭」である。

そんな国とまともな投資保護交渉をするのは、どだい無理な話ではないか。そうであるとすれば、中国についても日本はじっと様子を見ていればいい。

いま喫緊の課題は南シナ海情勢である。日本は自分の足元を固めつつ、米国や東アジア諸国、オーストラリアなどと連携を強めていくべき局面だ。中韓と無理に歩調をそろえていく必要はさらさらない。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46233

◆賄賂と宴会を禁じられて転げ落ちる中国経済
「反腐敗運動」のさらなる強化で金融危機が勃発か?

2015.11.6 藤 和彦 JB PRESS

中国の反腐敗運動はいつまで続くのだろうか。北京市内にはためく中国国旗(2015年7月9日撮影)。(c)AFP/GREG BAKER〔AFPBB News〕

 10月28日付のブルームバーグが、中国の反腐敗運動が金融界を狙い撃ちしていることを伝えている。

 中国の反腐敗運動を主導する共産党中央規律検査委員会は、10月23日に発表した声明で、中国人民銀行や中国工商銀行をはじめとする中国5大銀行、政府系ファンドの中国投資(CIC)、国家開発銀行、上海・深セン両証券取引所、中国銀行業監督管理委員会、中国証券監督管理委員会(証監会)、中国保険監督管理委員会など31機関を、不正行為または汚職の可能性をめぐる検証の対象として挙げたという。

 2012年11月の習近平総書記就任直後から、党内の「腐敗分子」をあぶり出す反腐敗運動が開始された。「ハエ(小物)もトラ(大物)も叩く」との宣言どおり、元政治局常務委員の周永康や人民解放軍の最高幹部だった徐才厚らが摘発された。

 これまで「石油閥」や「電力閥」などにメスが入れられてきたが、金融業界が公式にターゲットになるのは初めてである。

 中央規律検査委員会は、第13次5カ年計画(2016~20年)について討議する第18期中央委員会第5回総会(5中総会)の開催直前という微妙な時期に、あえて声明を出した。国家行政学院の竹立家教授はそのことについて、「中国経済に対する下振れ圧力が強まる中、腐敗した金融システムは中国の経済的な安全保障を脅かす恐れがある」からだとしている。

反腐敗運動が中国経済の減速をもたらした

 中国政府は6月中旬からの株価暴落以降、その犯人捜しに躍起になっていた。8月末には、中国最大の証券会社である中信証券や証監会の幹部が株価暴落を招く不正行為を自供したとして拘束された。また、中央規律検査委員会が声明を発表した10月23日には、大手証券会社である国信証券総裁が自殺し、翌27日には証監会上海先物取引所の元理事長が職務怠慢などを理由に解任された(10月29日付「大紀元」)。

 江沢民一派の追い落としのための権力闘争との見方もあるが、金融業界にまで本格的な反腐敗運動を展開することになれば、中国の金融危機勃発のリスクがますます高くなってしまうのではないかと筆者は危惧している。

 そもそも中国経済が減速し始めた原因の一端は、反腐敗運動にある。

 習近平指導部がスタートして最初に迎えた春節期(1年を通して最も消費が活発になる期間)の飲食業界の売り上げは前年比8.4%増と過去10年で最も低い伸び率となった。高級ブランド品の買い控えはそれ以上であったと言われている。バブル経済を支えている共産党幹部が財布のひもを締めた結果である。その後、不動産投資などにも波及し、広範な経済活動に悪影響を及ぼした。

 中国政府は輸出主導型からサービス・消費主導型経済への構造転換を図ろうとしているが、専門家の間では「政府は国内に潤沢にある貯蓄(GDPの約5割を占める貯蓄率)を活用して必要なインフラ投資を進めないと、中国経済は失速しかねない」との懸念が高まっている(10月26日付ブルームバーグ)。公共事業など投資活動が低調だからだ。

 反腐敗運動の総元締めは王岐山 政治局常務委員である。王氏の下で、何万もの捜査官が役人や経営者を取り調べ、1日500人以上が処分される状況が続いている。その恐怖が官僚機構や国有企業の経営陣全体に広まり、多くの幹部たちは目立つことを恐れて重要な決定を下すことを避けてしまうようになってしまった。

 中国メディアによれば、「役人らは面従腹背で、裏で仕事をさぼっている。賄賂も宴会もダメなら仕事もしない。執務時間中は政治学習と称して小説を読んでいるため、公共事業の許認可の遅れや手続きの停滞を招いている」という。

世界最大の鉄鋼業界が深刻な危機に

 10月29日、中国銀行は「第3四半期決算はリーマン・ショック後初めての減益となった」と発表した。その要因は、中国の景気低迷と過去最大規模となる貸倒引当金の計上である。

 中国の銀行から欧米勢の出資引き揚げの動きが相次いでいる。著名な投資家であるマーク・ファーバー氏は「債務で警戒を要する中国の上場企業数が昨年の115から今年は200に急増している」ことに警告を発している(10月27日付ブルームバーグ)。上場企業数の債務総額は前年比で約23%増加しているが、この増加のペースはGDP成長率の3倍である。

 業種別に見ると石油・石炭などのコモデイテイ分野(92社)と鉄鋼などの工業分野(43社)がおおかたを占める。中国鋼鉄工業協会は10月28日の定例記者会見で、「業界では値崩れととともに需要が急落し、銀行が貸し渋り姿勢を強め、損失が積み上がっている」と、世界最大の鉄鋼業界が深刻な危機に見舞われていることを明らかにした。

 前述の5中総会は、内部意見の対立により例年より遅れて10月26日に北京で開かれたが、難産の末出てきたのが1979年以来続いてきた「一人っ子政策」の廃止である。

 2016年3月に開催される全国人民代表大会における法律承認の手続きを経ずして共産党が早急な政策変更を望んだのは、経済成長を支える生産年齢人口(15~59歳)の減少が危機的な状況にあることを示している。

 中国経済に見切りをつけた投資家たちが、当局の規制をかいくぐる形でいわゆる地下銀行を通じて海外へ資本を流出させるという動きも活発化している(10月29日付ウォール・ストリート・ジャーナル)。前述のファーバー氏も、「私も中国国民が記録的なペースで国内から資金を移しつつあるとの見方に賭けたい」としている。人民銀行は11月2日に人民元の大幅引き上げを行ったが、資本流出がますます深刻化しているのではないだろうか。

中国経済が世界2位の座から陥落?

 旧ソ連が崩壊した一因として「クレムリンの役人たちが相互に連帯することなくサボタージュが同時多発的に発生した」ことを指摘する専門家がいる。中国が未曾有の金融危機勃発のとば口に来ている最中に、反腐敗運動の矛先を向けられ恐れをなした金融業界の役人や経営者達の間で大規模なサボタージュが起きたらどうなるのだろうか。

 ソ連崩壊後に7年間GDPが減少し続けたため、GDPは旧ソ連時代より44%減少したと言われている。現在の中国は資本主義国の体裁を擁しているが、その実態は共産党一党支配の計画経済国または計画型疑似資本主義国である。そのため、中国政府が発表するGDPは実績値ではなく計画値に過ぎない。本当のGDPの数字が分かるのは、中国で大規模な金融危機が発生し、旧ソ連の場合と同様に経済システム全体の見直しを余儀なくされる事態を経てからだろう。

 著書『やがて中国の崩壊がはじまる』で知られるゴードン・チャン氏は、「日本が成長しなくても中国が落ちるため、中国はいずれ世界経済第2位の座を日本に明け渡すだろう」としている(10月22日付大紀元)。今の中国は、それが「全くの空想話」として一笑に付せる状況ではなくなってきている。

在庫が積み上がる中国、米国の石油業界

 中国の石油業界は、鉄鋼業界と同様に過剰な債務に苦しんでいる。

 中国最大手の石油・天然ガス企業であるペトロチャイナ(中国石油)の第3四半期の純利益は、原油安が売り上げに悪影響を及ぼしたため、前年比81%減と予想以上に悪化した。アジア最大の石油精製企業であるシノペック(中国石油化工集団)の1月から9月までの純利益も、前年比48%の大幅減であった。

 10月23日に発表された統計によれば、9月末の中国の原油在庫は前月比2.4%増の3358トンとなり、景気減速の影響で国内のガソリン消費が低迷していることが明らかになった。10月30日付ウォール・ストリート・ジャーナルが「原油相場の反発、中国には期待するな」と報じているように、中国の原油輸入量の減少はいよいよ本格化するだろう。

 米国でも在庫の積み上がりの状況は深刻である。過去4週間に2260万バレル増加したため、原油在庫は10月としては1930年以来の高水準に達した。

 供給過剰に加え、この時期にしては比較的温暖な気候が原油・ガス需要を抑えている。米国の天然ガス価格は2012年4月以来の100万BTU当たり2ドル割れを記録し、原油価格にも下押し圧力となっている。

 アラブ首長国連邦(UAE)経済相は10月25日、「原油価格は1バレル=45ドルで底打ちした後、来年は60ドルまで上昇する公算が大きい」と予想した。だが、「大手石油会社にとって、原油価格1バレル=60ドルは魔法の数字になりつつある(10月28日付ブルームバーグ)。「原油価格は1バレル=36ドルに向かいつつある」とするのが市場関係者のコンセンサスだからだ。

 8月以来の原油価格1バレル=40ドル割れは、シェール企業のみならず大手石油会社にとっても打撃は大きい。このため米国の大手石油会社は、コストとリスクの高い超大型プロジェクトから撤退し、不安を抱える投資家らを納得させるためにより安全なシェール層掘削事業に軸足を移している。

 格付けの悪化を懸念するエクソン・モービルとシェブロンはシェールオイル事業により米国の原油生産を大幅に増やす計画を発表した(10月30日付ブルームバーグ)。

 石油稼動リグ数が578基にまで減少し、大手石油会社のシェール企業買収が本格化する兆しが見えてきているが、これによる金融市場に与える負のインパクト(ジャンク債市場の崩壊等)が心配である。

ますます苦境に陥るサウジアラビア

 前回のレポート(「原油価格下落で袋小路のサウジアラビア」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45069)でサウジアラビアの苦境を説明したが、イランメデイアによれば、10月26日、サウジアラビアの軍艦がイエメン南西部沿岸でイエメン側からのミサイル攻撃を受けて沈没するなど苦戦を強いられているため、サウジアラビア政府は米国の民間軍事会社であるブラックウオーターの支援を要請したという(イエメンで化学兵器を既に使用したとの噂もある)。

 また10月26日、サウジアラビアの王子がレバノン空港で過激派組織イスラム国との関係が疑われる薬物の密輸容疑で拘束されるというスキャンダルが発生した。さらに翌27日にはサウジアラビア主導の連合軍がイエメン北部にある「国境なき医師団」の病院を空爆し、国連の事務総長がこれを非難する声明を発表している。

 欧州議会は10月29日、優れた人権活動をたたえるサハロフ賞を、保守的なイスラム教国のサウジアラビアで言論の自由を訴える人権活動家であるバタウィー氏(現在服役中)に授与すると発表した(2011年には「アラブの春」に寄与した活動家達が受賞した)。

 こうした状況のなか、国際社会におけるサウジアラビアの立場が急速に悪化し始めている。

 中東原油の最大需要国である中国への原油輸出が減少するなど、サウジアラビア政府を支える原油収入の見通しも明るくない(米格付け会社S&Pは10月30日、原油安による財政悪化を理由にサウジアラビアの格付けを引き下げた)。

 9月に、中国のロシアからの原油輸入量は前年比42%増の404万トンだったのに対し、サウジアラビアからの輸入量は前年比17%減の395万トンだった。ルーブル安による生産コスト低下により、ロシアの10月の原油生産は日量1078万バレルと過去最高水準を再び更新した。ロシアの原油が中国市場におけるサウジアラビア原油のシェアをさらに奪う可能性が高い。

 最後に南シナ海だが、「米国と中国の『熱い平和(ホットピース)』時代に入った」と分析する専門家が出てきている。「ホットピース」とは「冷戦(コールドウオー)」の相対概念だ。地域的には直接衝突するが、その衝突は世界的には広がらない、とするものである。

 だが、南シナ海は年間約4万隻の船が通過する世界第2位の貿易航路である(貿易額は年間約5兆ドル)。この地域における米中の軍事衝突は、たとえ小規模であっても日本経済にとって致命的な打撃となる。サウジアラビアとともに今後の推移に要注意である。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45144


イラン核合意はオバマの敗北

2015-11-07 08:19:26 | 資料

中東の核拡散を助長しかねないイラン核協議最終合意
米国の歴史的誤算か?

2015.7.16 宮家 邦彦 JB PRESS

 イラン核協議をめぐり長らく懸念されていたことが現実となった。7月14日、イランと国連安保理常任理事国など6カ国が最終合意に達したからだ。

 早速、日本の一部メディアは「原油安定調達拡大」「エネルギー価格下落」や「日本企業進出」に期待が高まるなどと浮かれている。

 一体どこからそのような楽観論が生まれるのだろう。というわけで、久し振りの「一神教世界の研究」はイラン核開発問題を取り上げる。

「合意されたこと」と「されなかったこと」

 最終合意が発表された直後、米国のバラク・オバマ大統領は「核兵器へのすべての道は絶たれた(Every pathway to a nuclear weapon is cut off.)」と述べた。相変わらずのナイーブ発言だ。

 これに対し、イランのハサン・ロウハニ大統領も「イランが核兵器を作ることは決してない」と述べたそうだ。

 しかし、待てよ。もしかしたら、両大統領の発言は厳密には正確なのかもしれない。筆者の見立ては以下の通りだ。

 誤解のないよう申し上げる。外交で最も重要なことは最終合意文書に「書いてあること」では必ずしもない。むしろ「書かれていないこと」、すなわち「合意されなかったこと」こそが本質であることも少なくないのだ。

 ここからは内外メディアが報じる合意内容の概要とそれに対する筆者の独断と偏見をまとめてみた。これをお読みいただければ、筆者が悲観する理由をご理解いただけるだろう。

合意(1)イランの核開発は今後8~15年間、大幅に制限される

 イランは既存の遠心分離機を今後10年間、現在の約1万9000基を約6100基に減らす。新型遠心分離機の研究・開発は一定の制限下において継続が認められる。

 今後15年間、イランは濃縮度3.67%を超えるウランを製造しない。現在保有する10トンの低濃縮ウランは300キロにまで減らす。今後15年間、ウラン濃縮活動はナタンズ核施設に限定される。

 中部フォルドゥの地下核施設での濃縮ウラン製造は停止され、同施設は研究関連用に転換される。アラクの重水炉は兵器級プルトニウムが生産できないよう設計を変更し、同重水炉の使用済み核燃料は国外に搬出される。

筆者の見立て(1)

 ケリー米国務長官は、これまで「2~3カ月以内」に可能だったイランの核兵器レベルウラン濃縮が、最終合意により「1年以上」に伸びたと胸を張った。しかし、最終合意文書をいくら読んでも、イランは核兵器製造「能力」と「施設」までは放棄していない。

 言い換えれば、最終合意でも、イランは核兵器製造「能力獲得」を断念せず、米国は真実の時(moment of truth)を8~15年先延ばしただけなのだ。

 米国・イラン両大統領の言う通り、イランが「核兵器」そのものを獲得することは当面ないだろう。今イランが望んでいるのは核兵器の「製造」ではなく、いつでも、恐らくは(イスラエルのように)ごく短期間で、核兵器を製造・配備できる技術的・物理的能力を獲得・維持することだ。

 その意味で両大統領の発言に嘘はない。真の問題は米国がそのようなイランの「能力獲得」をもは阻止できないと事実上認めたことだろう。

合意(2)イランはNPT(核不拡散防止条約)に残り、かつIAEA(国際原子力機関)の厳しい査察を受け入れた

 確かに、IAEAの権限は拡大された。イランはIAEAの「追加議定書」を批准し、未申告核関連施設の調査や抜き打ちの査察を受け入れる。

 具体的には、IAEAは未申告核物質の存在など疑惑のある施設に検証のため立ち入りを求めることができる。さらに、査察につき意見が対立する場合、関係当事国からなる仲裁委員会が助言のうえ、イランは3日以内に必要な手段を取るという。

筆者の見立て(2)

 最終合意にはIAEAによる査察につきあれこれ書いてあるが、どうやら核開発疑惑のあるパルチン軍事施設など特定施設の査察にはイラン側の事前承認が必要らしい。されば、イランが軍関係施設へのIAEAの無条件査察を事実上認めない可能性もあるということだ。

 この点で我々には似たような経験がある。イランがイラクや北朝鮮と同じインチキ行為を繰り返さないという保証はない。 

合意(3)イランに対する経済制裁を段階的に解除する

 イランに対する経済制裁はIAEAがイラン側の核開発制限を確認した段階で一括して解除される。万一、イランが合意内容に違反すれば、65日以内に制裁を元に戻す。対イラン武器禁輸は、防衛目的武器の輸出入制裁措置が緩和され、5年後に完全に解除される。

筆者の見立て(3)

 これ自体曖昧な内容だが、より重大なことは、最終合意が現在中東各地でイランが行っている諸紛争への政治・軍事的介入につき何も触れていないことだ。当然だろう、今回の合意はイランの「核開発」を「阻止」すべく結ばれたものだからだ。

 逆に言えば、このまま経済制裁が解除されれば、イランの財政は大幅に改善し、米国が「国際テロ支援」と呼ぶイランの対外干渉は止むどころか、むしろ一層拡大するということ。

 イスラエルやサウジアラビアなど湾岸・アラブ諸国が最も懸念するのがこの点である。

的外れの各社社説

 以上を踏まえ、7月15~16日の主要日刊紙各社の社説をもう一度お読みいただきたい。紙面の都合もあり筆者の責任で要約させてもらった。詳細は全文を参照願いたい。

【朝日】イラン核合意―流れを確かなものに

○(イランの)核武装の悪夢は遠のいた。国際的な結束が欠かせない。
○隔たりを克服して合意にこぎ着けたのは、双方の理性の勝利と言えるだろう。
○エネルギー市場でのイランへの期待はかねて大きい。
○安倍首相はこの湾岸での機雷掃海を挙げるが、もはやそんな想定は難しい。
○発想の転換は、日本にも求められる。

【毎日】イラン核合意 中東安定への転機に

○難産の末に生まれた歴史的合意を大事にしたい。イランの誠実かつ厳密な履行が不可欠である。
○キューバとの関係正常化に続く外交得点。イランと米国の歩み寄りは確かに画期的である。
○核協議を足場に米・イランが協力関係を築ければ中東安定にはプラスになろう。
○イランと欧米が関係正常化へ向かうなら、日本は経済も含めてイランとの緊密化に努めたい。
○中東情勢を好ましい方向へ導く日本の役割を考えることも大切だ。

【日経】イラン核合意を中東地域の安定にいかせ

○イランに核兵器を持たせないようにする歴史的な合意である。
○合意を確実に履行し、中東地域の安定実現にいかすことを望みたい。
○粘り強く交渉を続けた双方の努力を評価したい。
○核合意を中東が混迷から脱する足がかりにしていきたい。
○イランの国際社会復帰を後押しすることは日本のエネルギーの安定調達にも寄与する。

【産経】イラン核合意 着実な履行で不信克服を

○イランの核武装阻止に道筋を付け、同時に国際社会への復帰を促す歴史的合意。
○軍事施設を例外としなかったのは評価できる。
○イランの歩み寄りは経済制裁の効果である。
○もろさを抱えた合意であることを認識すべきだ。
○イランが国際社会に復帰し、責任ある地域大国として中東の安定に役割を果たすことを期待したい。

 以上の通り、7月15日の各社社説は似たり寄ったりだ。各社とも申し合わせたかのように、「歴史的合意を評価」し、「イランの合意履行が必要」としつつ、「中東地域安定」と「エネルギー安定調達」への期待をにじませている。

 「コップは半分満たされている」と見るこれらの社説がいかに当たり障りのない、付け焼刃の論説に過ぎないかは繰り返すまでもないだろう。これに対し、7月16日の以下の社説は実に的を射ており、他社との違いは歴然だ。

【読売】イラン核合意 中東安定への転換点になるか

○イランは本当に合意を守るのか。楽観はできない。
○合意文書では、イランの核開発の能力や核施設は温存される。
○合意期限が切れる15年後以降は、何の制約も設けていない。
○イランへの経済制裁が解除されれば、原油の増産と輸出増が期待できる。
○日本も調達先の多角化を図るため、情報収集を強化したい。

合意は中東湾岸核拡散の始まり

 読売の社説は「コップは半分空だ」と指摘している。その通りだ。今回の最終合意の本質は、

(1)イランが核兵器開発能力獲得の意図を放棄せず
(2)イランが合意を完全に履行するかにつき懸念が残るにもかかわらず
(3)米国はそのようなイランを受け入れた

 すなわち、武力などによってイランのイスラム共和制の体制変更は行わないと事実上認めた、ということに尽きる。これは米国の歴史的誤算かもしれない。

 残念ながら、始まったのはイランの「非核化」ではなく、中東湾岸地域での「核兵器拡散」だ。これのどこが「米国とイランが歩み寄った結果」なのか。

 一部分析は、米国が中東安定化のためにイランを必要としており、米国とイランはIS(イスラム国)との戦いで「共闘」する可能性があるとまで書いている。これらが中東における戦略的問題と戦術的問題を混同した俗論であることは言うまでもないだろう。

 今回イランは最も守りたかったこと(核兵器開発技術獲得)を皮「一枚」どころか「何枚」も残して守る一方、最も取りたかったもの(政治体制維持と経済制裁解除)をほぼ手に入れた。

 今回はイランの粘り勝ちであり、オバマ政権は米国が「実力以下の外交」しかできないことを再び天下に晒したのだ。これ以外の解決方法はなかったとの反論は理解するが、それを言っても現実は何一つ変らない。

 頼みはイラン一般国民だが、今のところ彼らは沈黙を守ったままだ。テヘランとコムにいるイラン保守強硬派の高笑いが聞こえてくる。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44319?utm_source=rss&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=link

◆イラン核合意、共和党が国務長官を痛烈批判 米上院公聴会

2015年07月24日  AFP

【7月24日 AFP】ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は23日、上院外交委員会の公聴会に出席し、困難な協議を経てまとまったイラン核協議の最終合意を擁護した。ケリー氏がこの合意について議会で公式に発言したのはこれが初めてで、議員らからは同氏がイランに「言いくるめられた」「けむに巻かれた」と痛烈な批判が相次いだ。

 ケリー氏は懐疑的な姿勢を示す議員らを前に、「世界にとって良い合意」だと訴え、承認を要請した。

 前週オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で結ばれたこの合意についてケリー氏は、「実際のところこのウィーン合意はイランの核計画を制限していく上で、これまで俎上(そじょう)に載せられた他のどんな選択肢よりも強力で包括的、持続的な措置となる」と述べた。

 さらに、履行されればイランを「永遠に厳しい監視」下に置くことができ、同国の核活動が「全面的に平和的なものであり続ける」よう国際社会も結束していけると付け足し、「これは世界にとって良い合意、米国にとって良い合意、地域における米国の同盟国と友好国にとって良い合意だとわれわれは信じており、議会からの支持に値するものだと考えている」と話した。

 しかし共和党議員らからは懐疑的な意見が相次ぎ、公聴会は4時間半に及んだ。ケリー氏は細い銀縁眼鏡の後ろに疲れたような目を見せていた。

 議会はこの合意を承認するかどうか、60日間の審査期間に入っているが、上下両院で特に共和党議員らから強い抵抗を受けている。

 議会は不承認の動議を可決することができるが、これに対しバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は拒否権を発動することができる。この拒否権を覆すには、上下両院のそれぞれで3分の2の票が必要となる。(c)AFP/Robert MACPHERSON

http://www.afpbb.com/articles/-/3055365?ctm_campaign=pcpopin

◆力の均衡が決定的に変化した

2015年10月20日 マスコミに載らない海外記事

Paul Craig Roberts
2015年10月10日

9月28日、ロシアのプーチン大統領が国連演説で、ロシアはもはや耐えることができないと述べて世界情勢の大転換が起きたことを世界は認識し始めている ワシントンの卑劣で愚劣で破綻した政策が解き放った混乱は、中東、そして今やヨーロッパを席巻している。二日後、ロシアはシリアの軍事情勢を支配して「イスラム国」勢力の破壊を開始した。

おそらくオバマ顧問の中にも、傲慢さに溺れておらず、この大転換を理解できるごく少数の人々はいる。スプートニック・ニュースは、オバマの安全保障担当幹部顧問の何人かが、アメリカ軍勢力をシリアから撤退させ、アサド打倒計画をあきらめるよう助言したと報道した。彼らは、ワシントン傀儡のヨーロッパ諸国を圧倒している難民の波を止めるため、ロシアと協力するようオバマに助言した。望んではいなかった人々の殺到で、アメリカの外交政策を可能にしておくことによる大きな犠牲に、ヨーロッパ人は気がつきつつある。顧問たちは、ネオコンの愚かな政策がワシントンのヨーロッパの帝国を脅かしているとオバマに言ったのだ。

マイク・ホィットニーや、スティーヴン・レンドマンなど、何人かの評論家たちが、「イスラム国」に対するロシアの行動について、ワシントンができることは何もないと正しく結論している。ロシアを追い出すための、ネオコンによるシリア上空の国連飛行禁止空域計画は夢物語だ。そのような決議が国連で行われるはずがない。実際、ロシアが既に事実上の飛行禁止空域を設定してしまったのだ。

プーチンは、言葉で脅したり、中傷したり一切することなく、力の均衡を決定的に変え、世界はそれを理解している。

ワシントンの対応は、罵倒、大言壮語や、更なるウソしかなく、しかもその一部を、更にいかがわしいワシントン傀儡がおうむ返しする。唯一の効果は、ワシントンの無能さの実証だ。

もしオバマに、多少の思慮分別があれば、政権からワシントンの力を浪費したネオコンの能なし連中を追放し、ヨーロッパやロシアと協力して、ヨーロッパを難民で困らせている、中東におけるテロの支援ではなく、破壊に注力するはずだ。

もしオバマが過ちを認めることができなければ、アメリカ合州国は、世界中で信頼性と威信を失い続けるだろう。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/10/10/decisive-shift-power-balance-occurred-paul-craig-roberts/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-9154.html

◆<イラン>核合意が発効 制裁解除は年末から16年1月か

毎日新聞 2015年10月18日

 【テヘラン田中龍士】イラン核問題を巡り、同国と国連安全保障理事会常任理事国(米英仏中露)にドイツを加えた6カ国が7月にウィーンで最終合意した「包括的共同行動計画」が18日、発効日を迎えた。米国と欧州連合(EU)は核関連制裁の解除に向けた準備に着手し、イランは核活動の抑制措置を始める。制裁解除は年末から来年1月とみられている。

 最終合意は7月14日に発表され、同20日に国連安保理で承認決議が採択された。採択から90日後の18日が「合意採択の日」として発効日となっていた。

 イランは18日、国際原子力機関(IAEA)に査察頻度の増加や抜き打ち的な査察が可能になる「追加議定書」の暫定適用を通告した。

 イランメディアによると、イランは合意前に保有していた遠心分離機約1万9000基を5060基の稼働に限定し、西部アラクの重水炉では兵器級プルトニウムが抽出できないよう改修に着手する。

 その後、IAEAがイランの措置の進捗(しんちょく)を確認した上で「合意履行の日」が設定され、制裁が解除される。また、IAEAはイランに関する過去の核兵器開発の可能性に関する調査を進め、天野之弥事務局長が12月15日までに最終報告する。

 イラン学生通信によると、イランのサレヒ原子力庁長官は18日、「履行の日は、おそらく2カ月ほど後になるだろう」と述べた。一方、ロイター通信によると、ドイツのシュタインマイヤー外相は同日、制裁は少なくとも来年1月まで続くとした上で「イランが合意事項を履行できることを示せるかが重要だ」と語った。

 イランの国会(定数290)は今月13日、最終合意を賛成161、反対59、棄権13で承認。米議会では野党共和党が最終合意に反対したが、オバマ政権は議会が不承認とする事態を9月に回避した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151018-00000058-mai-m_est

◆日本政府、イランへの経済制裁を解除へ

2015-08-11  企業法務ナビ

1 日本による経済制裁の概要
 イランは核開発を進めたことが原因で、2006年12月に国連安保理決議がなされて以降、国際社会による経済制裁が課されてきた。日本も、国連安保理決議を受けて、『外国為替及び外国貿易法(外為法)』に基づき、イランに対して経済制裁を課してきた。具体的には、日本企業によるイランのエネルギー分野への投資を禁止したり、核開発計画に関係する個人や会社の資産を凍結したりした。
 なお、外為法は、①国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき、②国際平和のための国際的努力に日本として寄与する必要があると認めるとき等に、経済制裁を課すことができると規定する。国連安保理決議がなされた場合、上記①と②に該当する。
2 なぜ日本は経済制裁を解除するのか
今年の7月14日に、イラン核開発問題について協議をしていたアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・ロシア・中国の6か国とイランが、最終合意に達した。その内容は、イランが核開発能力の制限と国際原子力機関(IAEA)による査察を受け入れる代わりに、国際社会が経済制裁を解除するというものである。これによって、外為法における①国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき、②国際平和のための国際的努力に日本として寄与する必要があると認めるとき、という要件には該当しなくなったため、日本も経済制裁を解除することとしたのである。

3 イランの大きな可能性
 イランは、世界第4位の原油埋蔵量及び世界第1位の天然ガス埋蔵量を有する有数の産油国であり、経済制裁前には日本の主要原油輸入先であった。経済制裁の解除によって、日本はイランからの原油輸入を拡大することができ、原油調達先の多様化を実現することができる。これは日本のエネルギー安全保障上、非常に有益である。
 また、イランは人口が7740万人と多く、今後も増加が予測されている上に、経済制裁の解除によって経済が成長すれば、購買力も増す。そのため、イランは、市場としても魅力的なのである。

4 コメント
欧州諸国は、官民一体の訪問団を派遣し、イランとの関係強化の動きを強めている。これに対して、日本は出遅れ感が否めないという。
本件からいえることは、日本企業としては、経済制裁のようなある種の「法規制」の解除に対して、それを見据えた動きが鈍かったために、ビジネスチャンスを逃してしまうリスクに見舞われていることは否定できない。日本国内においても、規制緩和など「法規制」の解除が多方面で検討されているのであるから、情報感度を上げ、それを見据えた動きの迅速化が求められているといえる。

http://www.corporate-legal.jp/houmu_news1903/

◆日本企業の市場復帰歓迎 イラン石油相、経産副大臣と会談 

2015/8/9   日本経済新聞

 【テヘラン=共同】イラン訪問中の経済産業省の山際大志郎副大臣が9日、首都テヘランでザンギャネ石油相と会談した。石油省によると、ザンギャネ氏はイラン産原油や天然ガスの対日輸出に関し「日本がイランのエネルギー市場で制裁強化前のシェアを回復することは可能だ」と述べ、日本企業のイラン市場への復帰を歓迎する考えを表明した。

 石油省高官は、欧米など6カ国とイランの核協議が最終合意した後の7月20日、米国の制裁強化による影響で日本が2010年に撤退した南西部アザデガン油田の開発について「日本が復帰することは可能だ」との考えを示している。

 ザンギャネ氏は具体的なプロジェクトには言及しなかったが、油田の開発、生産の分野で「日本企業と話す準備がある」と述べ、日本からの技術移転に期待を示した。

 日本はかつて原油輸入量の約3割をイランに依存。だが1979年のイラン革命後の米国との関係悪化や、核問題による欧米の制裁に伴って輸入量を次第に減らし、近年は約5%にまで低下している。核問題の最終合意を受け、制裁解除後を見据えた関係強化のため、山際氏が企業関係者らと共に8日からテヘランを訪問した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM09H3W_Z00C15A8000000/

◆イランは莫大な軍事地下基地を明らかにした

2015-10-16  世界のメディア・ニュース

イギリスの新聞「ガーディアン(The Guardian)」は2015年10月15日に、イランの国テレビは、ミサイルおよびカタパルトユニット役員が言ったことについて、より一杯にされた地下のトンネルを2015年10月14日水曜日に、前例がない映像を放送した。

これが使われえたなら、「敵は誤りを犯す」ことになると言った。

イランが、新しい長期のミサイルtは、米国言われる国連安全保障理事会決議を破ったかもしれないテストをしたちょうど3日後に、写真はリリースされた。

イランの議会が6つの世界能力と、2015年07月14日の核取引を承認した1日後に、映像はまた来た。

イランの役員は、核の協定が特にその弾道ミサイルプログラムというその軍隊の力に影響しないと言った。

ミサイル発射および地下の映像は、軍隊が取引により弱められなかったことを証明するために、議員からのプレッシャーに続いていた。

トンネル、長さ数百mおよび高さ約10mのであることは、ミサイルとハードウェアによって満たされた。

イスラム共和国の革命家国防の航空宇宙部門の司令官アミール・アリ・ハジザデー准将(Brigadier General Amir Ali Hajizadeh, commander of the Islamic Republic’s Revolutionary Guards)が多く言ったそのようなトンネルは深さ500メートルで、全国いたるところで存在した。

それはまるで1970年代の映画に出てくる地下基地で、スタートレックの世界であった。

http://blog.goo.ne.jp/jiten4u/e/70fbbca2c3a58c5afd56669ca4181178

◆イランから戦闘部隊が大挙シリアへ向かっている~ロシアの制空権の保護の下、シリア政権を擁護する目的か

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月16日(金曜日)
       通算第4685号   <前日発行>

 トルコの『ヒュリエット・ディリー』(10月15日)が伝えた。
 ヒズボラなど既存の戦闘集団にくわえて、イランからシリア支援に向かう戦闘員およそ数百がロシアの制空権確保という新状況下に、シリアの空港に到着し始めた。大挙しての戦闘部隊の移動は初めてである。

 シリアの反政府軍スポークスマンによれば、ヒズボラなど地上軍の存在は珍しいことではないが、ロシアの参戦以降、イランからつぎつぎと戦闘員が空路シリア入りし、アレッポなどの戦闘現場へ移動していることはこれまでに無かったという。

 いま、なぜこのタイミングでロシアが本格介入したかについてはウクライナ問題を反らず為、中東で主導権を握るためとか、様々な解釈があるが、ワシントンタイムズは、[ITIS OIL,STUPID]と論じた。
 ロシアの石油戦略は、原油値上げによる景気回復である。だからプーチンの戦略は、石油に立脚しているとの指摘である。

 ロシアはイランのガスパイプラインがシリアを経由しているルートの安全を確保し、さらにトルコ経由のガスパイプラインの欧州向け拠点つくりを本格化させる。露西亜空軍が空爆している地域はガスパイプラインの通り道でもあるという。

http://melma.com/backnumber_45206_6273001/

◆「ロスオボロンエクスポルト」:ロシアとイランはS300の契約作業を順調に進めている

2015年11月03日 Sputnik 日本

ロシアの国営兵器輸出企業「ロスオボロンエクスポルト」のアナトリー・イサイキン社長は、テレビ局「ロシア24」の番組で、地対空ミサイルシステム「S300」の供給に関するイランとの契約締結に関する作業は順調に進んでいると発表した。

イサイキン社長は、「我々は、この契約に関する作業を順調に進めている。私は、締結に向けて障害は一切生じないと思っている」と述べた。リア・ノーヴォスチ通信が伝えた。

「イラン・プレス」紙のエマド・アブシェナス編集長は、通信社「スプートニク」のインタビューで、新契約の交渉状況について、次のように語った―

「イランによるロシア製の地対空ミサイルシステム『S300』の購入は、2007年に締結された契約条件に基づいて行われている。しかしロシアには今、さらに近代化された地対空ミサイルシステムがあり、イランはその所有を望んでいる。そのため、契約には供給の特質に関する変更が加えられた。

双方は、イランがS300の他に、ロシアの他の地対空ミサイルシステムも購入することで合意した。これらはイランのMD(ミサイル防衛)システムの基盤になるばずだ。契約の微妙なニュアンスについての交渉プロセスは事実上終了し、技術的な実行段階に入った。私は、1-2か月後にも納入が始まるのではないかと思っている」。

http://jp.sputniknews.com/politics/20151103/1116920.html#ixzz3qULj8YQM

かって2006年にオバマ政府により日本のイラン石油開発をつぶされた

 内外のエネルギー資源開発をすすめる国策企業である国際石油開発帝石(筆頭株主・経産相)は、イランのアザデガン油田開発から撤退することをきめた。これはオバマ政府による圧力によるものである。アメリカ帝国主義は、イラン経済制裁を口実に、日本の独自の石油開発の芽をつぶしたのである。日本のアメリカからの経済的自立はいっさいゆるさないということである。

イランのアザデガン油田 経済制裁の対象に
 国際石油開発帝石は、国際石油開発(インペックス)と帝国石油が統合してできた一部上場の民間企業であるが、政府が指揮権をもっている国策会社である。同社は、主として海外のエネルギー資源の確保を目的に活動してきた。

 日本資本主義は全エネルギーの47%を石油に依存している。50%をわったとはいえ、石油は依然として利用エネルギーのなかで最大のものである。その石油の大半は中東の石油であり、石油輸入の87%をしめている。日本は大量の石油を中東から輸入しているにもかかわらず、主な油田の権益は米欧の石油メジャーに独占されている。日本は2000年にサウジアラビアのカフジ油田の権益をなくしていらい、イランのアザデガン油田が将来に期待のもてる唯一の油田であった。アザデカン油田はイラン南西部にあり、原油埋蔵量260億バレルといわれる世界有数の油田である。

 2000年にイランのハタミ大統領が来日し、日本政府と共同でアザデガン油田の開発をすすめることで合意した。この油田開発は日本にとっては希望であったが、アメリカにとっては当初から容認できないものであった。

 イランと日本の国家関係にはなんの障害もなかったが、アメリカはそうではなかった。アメリカは戦後、石油を国有化するモサデク政府を転覆し、親米パーレビ王制をつかってイラン人民を抑圧してきた。そのため、1979年にパーレビ王制を打倒したイラン人民と政府は反米斗争を堅持している。そこでアメリカ政府は、反米姿勢をくずさないイランにたいし、「核開発」を理由に経済制裁政策をとるなど露骨な敵視政策をとってきた。日本にたいしてもこれに同調するようせまり、イランの石油開発を中止するよう再三要求していた。

 こうしたなかイラン政府の対米姿勢がわずかにやわらいだところをねらって、2004年に国際石油開発を中心にした日本側の企業体はイランの国営企業とのあいだで油田開発の契約をかわし、75%の権益を得た。このときの計画では、日産26万の石油を生産することを目標にした。

 しかし、2005年に反米姿勢がより強固なアフマディネジャド大統領が就任すると、アメリカはふたたび開発中止を要請してきた。やむなく06年10月には、国際石油開発は権益を10%に縮小して開発を継続することにした。07年には同油田で生産が開始され、現在まで日産2万の石油を生産している。日本の投資額は100億円をこえている。

日本の重要な石油の供給国 イ ラ ン 

 日本とイランとの関係はアザデガン油田開発だけでなく、なによりもイランは原油の大口輸入先である。2009年の実績では、イランから日本への原油輸出量は日本の原油全輸入量の11.2%をしめ第四位(第三位のカタールとはわずかの差)である。また、イランにとっては日本が最大の輸出先である。イランからの原油輸入を維持するためにも、アザデガン油田開発はなんとかして継続したいというのが日本の政府・独占資本の願望であった。

 しかし、オバマ政府はそれをゆるさず、より強硬なイラン制裁法を成立させ、国際石油開発帝石を経済制裁対象の企業にリストアップすると最後通牒をつきつけてきた。こうして日本政府、国際石油開発帝石は、イラン油田開発からの撤退を余儀なくされたのである。

 オバマ政府の、イランの核開発(原発やウラン濃縮など)禁止要求は、まったくダブルスタンダードである。原発どころか核兵器開発をおこなったイスラエル、インド、パキスタンなどにたいしては「核開発」をもって経済制裁をするなどのことはしていない。ことの中心問題は、反米か親米かであって、アメリカのいうことを聞くなら核兵器開発だって目をつぶるというものである。同時に、日本の中東原油権益の拡張のように、アメリカ覇権に脅威をもたらすようなことについては同盟国であろうと絶対にみとめないということである。
 オバマが署名したイラン制裁法案は、2006年の「イラン・リビア制裁法」を改定したもので、①イランにガソリンや石油精製品を輸出する企業の米国での取引制限、②革命防衛隊などと取引する金融機関にたいする米銀行との取引制限、③通信監視技術をはじめイランの人権侵害に利用される技術などを供給した企業を米政府調達から排除――などが柱となっている。

 イラン制裁法はイランに投資する外国企業への制裁をおこなうもので、2006年改定法をいっそう強化するものであり、特徴は金融的な制裁もくわえる点にある。日本の国際石油開発帝石はほそぼそと権益だけは維持するかたちでアザデカン油田開発の事業をつづけてきたが、ここにきて新法を成立させたオバマ政府から制裁対象企業のリストにはいることを告げられ、ついに事業中止をしいられた。アメリカに頭のあがらぬ民主党政府は、抗議することもなくイランの油田開発からの撤退をきめたのである。

 イラン制裁法は、反米的姿勢をとっているイラン政府に経済的打撃をあたえるために、外国企業による石油などの取引を禁止した法律である。同法は、アメリカの国内法にすぎないが、したがわなければ金融的な報復制裁措置をとるというもので、事実上、イランに投資しているすべての外国企業を同法の制裁にしたがわせるものであり、ヒットラー以上のファッショ的な手口である。

 オバマ政府は、平和的な互恵貿易の発展を破壊し、世界各地で対立をあおり、戦争の危機をひきよせている。とりわけ日本にたいしては資源エネルギーや食料などで自立・自給はゆるさず永遠にアメリカの奴隷になるよう強制している。

                  



欧州の難民問題はシリア強奪を欧米が諦めれば解決出来る

2015-11-04 13:12:18 | 資料

ヨーロッパはなぜロシアのシリア政策を支持する必要があるのか

2015年11月 4日 マスコミに載らない海外記事

Finian CUNNINGHAM
2015年11月1日 | 00:00
Strategic Cultural Foundation

ロシアは単純かつ簡潔に述べた。もし難民危機を解決したいのであれば、ヨーロッパはシリア紛争を終わらせる必要があると。統合的な解決は、外国に支援された政権転覆を狙う秘密戦争を打ち負かす、主権を有するシリア政府を尊重することを意味している。

これは、自らの政治的将来を決定するシリア国民の権利を尊重することを意味する。そして、またシリアのバッシャール・アル・アサド大統領を打倒するというワシントン、ロンドンとパリの違法な狙いを、ヨーロッパが拒否することを意味する。要するに、ヨーロッパが、シリアに対する政策で、ロシアと組むことを意味している。

ウラジーミル・プーチン大統領は、モスクワに、ドイツのジグマール・ガブリエル副首相を迎え入れた際、シリアに対するロシアの立場を繰り返した。まるでモスクワ発言の重要性を強調するかのように、今週、欧州連合諸国間の関係で縫い目がほつれるような新たな展開をみせた。

未曾有の難民の人数を巡るEUバルカン諸国間の緊張は、緊密な文化的結びつきがある二大筋金入りEU加盟国であるドイツとオーストリアを反目させるほどにまで悪化した。国境を越えて流入する難民を規制するため、国境沿いに塀を作ることを予定している二番目のEU加盟国となったことを、オーストリアが発表した後に最近の口論がおきた。

ドイツのトーマス・デメジエール内相は、オーストリアの最近の動きを、“常軌を逸した行動”だと呼んで激しく攻撃した。ベルリンは、ドイツが引き受けるよう、オーストリアは、国境で“夕暮れの難民投棄”をしているとまで非難した。一方、ウィーンは、メルケル首相が、“門戸開放政策”で移民の流れを奨励しているとかみついた。

これは、主な根源がシリアにおける四年間の戦争に由来する移民である難民危機に起因するEU内部における関係悪化のもう一つの兆候だ。フランスの新聞ル・フィガロは、国境に塀を設置するというオーストリアの決定を、EU圏内での人々の自由な移動を保障する根本的な協定“シェンゲン協定を脅かす”ものだとして、強烈に非難した。

オーストリアの動きは、国境の塀を構築し、機動隊や軍の要員を配備するというハンガリー、スロベニア、クロアチアとブルガリアの決定に続くものだ。難民に対する高圧的な警備戦術の報道は、ブリュッセルで大きなろうばいを引き起こした。ドイツのドイチェ・ヴェレ新聞は今月始め、彼の反移民政策と受け取られるものに対して“忍び寄る独裁制”を監督していると、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相を非難する記事を載せた。

欧州委員会大統領ジャン=クロード・ユンケルは、そのような手段はEUの精神に反すると言って、難民を締め出す劇的な傾向を非難した。ヨーロッパの縫い目はほころびつつあるというのが、暗黙の了解だ。

一方ドイツ国内で、メルケルの与党キリスト教民主同盟は、有権者が余りに緩い難民受け入れ政策と認識するものを巡り、圧力を受けている。バイエルン、ハンブルクとドレスデンで反移民抗議行動が行われた。しかも激怒しているのは極右ペギーダだけではない。

世論調査では、中道派のドイツ人の間でさえ、ドイツにやってくる外国人の急増を巡り、不安が増大していることが分かっている。ある世論調査では、ドイツ人のわずか三分の一しかメルケルの亡命希望者への“門戸開放”政策を支持していないことが判明した。今年ドイツは、800,000人の新たな亡命希望者を処理すると報じられている。数値は150万人にのぼる可能性がある。一方イギリスとフランスは、それぞれ20,000人、30,000人という比較的取るに足りない人数を受け入れると発表した。しかも、こうした僅かな人数でさえ、UKIPと国民戦線のような反EU政党に選挙上の弾薬をたっぷり与えることになっている。

この観点から見れば、ヨーロッパは、シリア危機に対する解決を見いだす必要があるというロシアの忠告は極めて重要だ。もしシリア紛争が荒れ狂い続ければ、ヨーロッパを圧迫している難民の人数は増大し続け、それはやがてEU加盟国内の、実にとげとげしいいさかいや分裂を確実に招く。シリア紛争と、付随する難民危機が、文字通り、ヨーロッパを引き裂き、EU圏の存在そのものを危うくするという警告は誇張ではない。

難民に対する高圧的な警備や官僚の敵意は確かに遺憾ではあるが、同時に、未曾有の難民流入に直面する“最前線”のEU諸国における不満にも理由はある。比較的少ない人口と弱体な経済からして、スロベニアのように、わずか200万人しか国民がいない国々が、戸口に絶望的な人々が突然急増したのを、歓迎されざる難題と思うのは無理もない。

ハンガリーのオルバン首相も、トルコは安全な国なのに、一体なぜそれほど多数の難民が、領土を通過してヨーロッパに向かうのを、アンカラ政府によって許されるのだろうかという妥当な指摘をした。

しかも、歴史的人数の難民の源泉であるシリア紛争で、大半のヨーロッパ諸国は、その発生に全く関与していない。

イギリスとフランスは、十分な証拠によって、アサド大統領を打倒するためのシリアでの紛争を醸成し、油を注いでいると非難されている。ロンドンもパリも、中東における根気強い覇権の野望のため、ワシントンが率いる政権転覆計画を追求する上で。2013年に、元フランス外務大臣ローラン・デュマが、2009年、イギリス当局から秘密裏に、アサド政権打倒の秘密計画を持ちかけられたことを明らかにしたことを想起されたい。それは、欧米マスコミが組織的にウソをついてきた“民主主義志向の反乱”という装いの下、シリアで外国が支援する反乱が勃発する、少なくとも二年前のことだ。

過激派傭兵によって遂行されている欧米、アラブ諸国と、トルコが支援するシリアにおける秘密戦争の残忍な現実が、覆い隠すには余りにはっきりしてしまったため、“民主主義志向の抗議行動”という説明は雲散霧消した。

ワシントン、ロンドン、パリや地域同盟諸国が今週ウィーンでのシリア“和平交渉”で、ロシアやイランと共に集まったが、欧米諸国が政権転覆の狙いを放棄した兆しはない。

アメリカのジョン・ケリー国務長官と、イギリスの相手方フィリップ・ハモンドは、アサドは“退任すべきだ”という傲慢な要求から、放棄される権力の移行過程へと軟化したように見える。しかし狙いは依然として政権転覆だ。一方、フランスは、アサドの即時退任を要求し続けている。フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ウィーンでの交渉前に“アサド退陣の明確な線表”を要求した。

だから、ワシントンとそのヨーロッパの同盟諸国がシリア危機の“解決”について語る際、彼らが意図しているのは、彼らが長年抱き続けてきたシリア政権打倒計画という最終結果を実現させることだ。これでは紛争の平和的解決を見いだす確約にはならない。更なる政治的手段による紛争の追求だ。しかも、これはシリアの国権に対する言語道断の侵害であることを指摘しなければならない。

アメリカが率いる狙いで確実なのは、シリアにおける紛争を荒れ狂い続け、難民の人数は増大し続けるだろうことだ。今週国連は人道支援が緊急に必要なシリア人の人数を1350万人に改めた。全国民の半分をはるかに上回る。更に一体何百万人が悲惨な人々に仲間入りするのだろう? 更に一体どれほど多くの人々が最終的にヨーロッパに向かうだろう?

ヨーロッパの運命は、その手が既にシリア人の血にまみれている二つのアメリカ追従国家、イギリスとフランスにまかせるべきではない。ヨーロッパの国々にとって、自らが招いたわけではない難民危機という結果を背負い込まされるのは受け入れ難い。

シリア紛争の解決には、ワシントンと同盟国が国際法を順守し、即座に彼らの不法な政権転覆計画と、シリア国内で、彼らの戦争の犬たちの吠え声を止める必要がある。それは難民危機に対する全体的解決でもある。国際法の順守。実に単純ではないか?

ロシアとイランは、シリアの国権は尊重されるべきだと主張して、この解決を明確かつ説得力をもって述べている。この政策で、ロシアとイランを支援し、ワシントン、ロンドンとパリという犯罪的政権転覆枢軸と縁を切って指導力を示すのは、ドイツや他の好戦的でないEU諸国次第だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/11/01/why-europe-needs-back-russia-syria-policy.html

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-2965.html

サウジアラビア、カタール、クウェートやアラブ首長国連邦等の湾岸アラブ諸国のシリア難民受け入れはゼロだ。

4年前、シリアの経済改革を要求して行われた“数百人”の抗議行動が、一体なぜ、恐ろしい宗派内戦へと悪化し、過激主義を煽り立て、現在、世界を悩ませ、世界で二番目に大きな難民危機を生み出しているのだろう?

マスコミは、シリアのバシャール・アサド大統領の樽爆弾を非難し、政治評論家達は更なる対ISIS空爆と、より厳しい対シリア経済制裁を呼びかけ、危機が始まって4年目なのに、大半の人々は、この戦争が、一体どのようにして始まったのか全く知らない。

この“内戦”は、宗教を巡るものではない

シリアへの外国の介入は、シリアでの反乱開始の数年前に始まった。ウイキリークスは、内戦を引き起こして、シリア政府を打倒するというアメリカの計画と、こうした命令を、テル・アビブから直接受けていることを明らかにするアメリカ国務省の2006年の漏洩電報を公表した。この漏洩は、サウジアラビア、トルコや、カタールや、エジプトの様な国々とのアメリカの協力関係同盟が、スンニ派と、シーア派の分裂を利用して、シリアを分割し、イランとヒズボラを弱体化する為、シリアを不安定化させるのに、宗派心を利用するためであることを暴露している。イスラエルも、ゴラン高原占領を拡張する石油採掘を増加する為、この危機を利用しようとしていることが明らかにされた。

BBCや、AP通信等の主要マスコミによれば、シリアで行われたとされる抗議行動は、わずか数百人の人々によるものだったが、更なるウイキリークスが公開した電報が、2011年3月という早い時期に、こうした抗議行動そのものを引き起こす為の、シリア国内でのCIAの関与を明らかにした。

抗議行動は、わずか数カ月後に、CIAとつながる何百もの武装抗議行動参加者と化し、デモが拡大し、シリア人でない武装反政府集団がシリアに押し寄せ、シリア全土を政府の厳しい弾圧が覆う中、アメリカ合州国、イギリス、フランス、カタール、サウジアラビアやトルコが、反政府派を組織し、武器を与え、資金供給して、自由シリア軍を形成する好機に飛びついたことが明らかになった。(わずか数カ月前、ウイキリークスが、サウジアラビアの諜報情報を公開し、2012年以来、トルコ、カタールとサウジアラビアが、シリア政府を打ち倒すべく、反政府派に武器を与え、資金を提供するのに協力して動いていたことをあきらかにした。)

“ヨーロッパに向けて、パイプラインを、東から西へ、イランとイラクから、シリアの地中海沿岸で通すか、あるいは、 カタールと、サウジアラビアから、シリアとトルコ経由という、より北回り経路にするかを巡って、戦いがおこなわれている。こう着状態のナブッコ・パイプライン、実際、南ガス回廊丸ごとが、アゼルバイジャンの埋蔵量しか裏付けがないため、ヨーロッパへのロシアの供給には決して拮抗できないことを悟り、サウス・ストリーム建設を阻止する為、欧米はペルシャ湾からの資源で置き換える必要にせまられていた。シリアはこの連鎖における主要リンクであり、イランとロシア寄りの傾向がある。そこで、欧米の首都で、シリア政権は倒して変える必要があると決定されたのだ。

石油、ガスと、パイプラインが問題なのだ!

実際、ヨーロッパのガス市場が、ロシアの巨大ガス企業、ガスプロムの人質に取られてしまうのではという懸念の中、ロシア、アメリカと欧州連合の間の緊張が高まった。ロシアから離れ、ヨーロッパのエネルギー供給を多様化するには、提案された、イラン-イラク-シリア ガス・パイプラインは、不可欠なのだ。

トルコは、ガスプロムの二番目に大きな顧客だ。トルコのエネルギー安全保障構造丸ごと、ロシアとイランからのガスに依存しているのだ。更に、トルコは、ロシア、カスピ海-中央アジア、イラクや、イランの石油、さらにはガスの、ヨーロッパへの輸出における戦略的分岐点になるという、オスマン帝国風な野望を抱いている。

2013年8月、ガーディアンは、こう報じた。

“アサドは、ヨーロッパ市場への供給目的で、重要なことに、ロシアを回避しながら、イランのサウスパース・ガス田と隣接しているカタールのノース・フィールドから、サウジアラビア、ヨルダン、シリアを経由し、トルコへ向かう、カタールと、トルコが提案したパイプラインの協定に署名することを拒否した。アサドの論理は、‘ヨーロッパへの天然ガスの最大供給国である [彼の同盟]ロシアの権益を守るため’だった”。

http://www.theguardian.com/environment/earth-insight/2013/aug/30/syria-chemical-attack-war-intervention-oil-gas-energy-pipelines

シリアが、自国のエネルギー戦略において極めて重要な部分であるのを理解しているトルコは、このイラン・パイプライン案は改め、 究極的に、トルコや湾岸アラブ諸国のガス供給支配の追求を満足させる、カタール-トルコ・パイプライン提案に協力するよう、シリアのバッシャール・アサド大統領説得を試みた。しかし、アサドが、トルコの提案を拒否した後、トルコと同盟諸国は、シリア“内戦”の主要計画立案者となった。

https://www.youtube.com/watch?v=G1p_tFnKqMA

現在進行中の戦略の多くは、さかのぼって、アメリカ軍が資金を提供している2008年のRAND報告書“長い戦争という未来を明らかにする”の中で記述されていた。

http://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/monographs/2008/RAND_MG738.pdf

アメリカ、フランス、イギリス、カタール、サウジアラビアと、トルコ - 別名、新“シリアの友人”連合が、公式に、ガス・パイプラインへの署名をアサドが拒否した後、2011年から2012年の間、シリアのバッシャール・アサド大統領打倒を、公式に呼びかけ、シリアを、人道的危機に押しやるいわゆる“穏健”反政府派に与えるべく資金と武器が、シリアに流入した。反政府集団は、あれやこれやの連中を組織したもので、その多くは外人戦士で、多くがアルカイダと同盟していた。

シリアは宗教的に多様なので、いわゆる“シリアの友”は、アサド打倒の為の“分割して統治”戦略の公式として宗派心を煽った。アメリカが支援する“穏健”反政府派による、アラウィー派が、スンニ派が多数派の国家を支配しているという主張が、スンニ派解放の主張となった。

この戦争は、大衆には、スンニ派-シーア派紛争として売り込まれているが、ISISや、 シリアのアルカイダ分派、アル・ヌスラ戦線等のいわゆるスンニ派集団や、“穏健派” 自由シリア軍までもが、無差別に、シリアのスンニ派、シーア派、キリスト教徒やユダヤ人を標的にしている。同時に、正に同じ諸外国が、国中をおおっている多数派のシーア派による民主主義推進抗議行動に対する暴力的弾圧で、スンニ派だと主張しているバハレーン政府を支援し、武器まで与えている。

シリア政府軍自身、80パーセント以上がスンニ派で、本当の狙いの動機は、政治的なものであって、宗教的なものではないことを示している。

これに加え、アサド一家は、大半のシーア派が、この二つは無関係であることに同意しているのに、マスコミが、シーア派とひとまとめにしているイスラム教の宗派、アラウィー派だ。更に、アサド一家は、非宗教的で、非宗教国家を支配しているとされている。アラウィー派を、シーア派として見なすのは、紛争の為に宗派的枠組みを押しつける一つの方法に過ぎない。それが、シリア-イラン同盟が実際は経済関係なのに、宗教に基づくものだという前提を許容してしまう。

この枠組みは,イランが、イラク、シリアとレバノンに広げているとされるシーア派の影響力から自らを解放する為のスンニ派革命として、入念に仕立てられたシリア紛争だ。

だが、真実は、シリアのスンニ派社会は分裂しており、多くの人々が、自由シリア軍、ISISやアルカイダ等の集団に加わる為にくらがえした。また先に述べた通り、80パーセント以上のアサド軍兵士はスンニ派である。

◆米露、シリア空爆の衝突回避策で合意

2015年10月21日 BBC News

ロシアがシリアに投入した戦力

ロシアと米国は20日、シリアで過激派勢力「イスラム国」(IS)に対して行う空爆で、両国軍機の衝突を回避する措置に合意した。

米国防総省のピーター・クック報道官は、ロシアの要請で合意文書は公表しないとしたが、両国の連絡方法や、地上にホットラインを設置することが決まったと述べた。ただし、空爆対象に関する情報は交換しないという。

クック報道官はさらに、今回の合意で両国軍機が「安全な」距離を保つことが保障されるとしたが、具体的な距離が設定されたかどうかは明らかにしなかった。

ロシア国防省のアナトリー・アントノフ次官は、合意文書には「米国とロシアの軍機の事故を防ぐための、多くのルールや規制が含まれる」と述べた。

ロシアは先月30日からシリアでの空爆を開始している。米国は先週、両国の軍機が目視できる距離(15~30キロメートル)まで接近したことがあったと発表した。

合意をまとめるまでに3週間かかっており、内容も限定的だ。空爆そのものや空爆対象について調整はせず、軍事情報も交換しない。ただ単に軍機が接近しすぎないようにするのを目指している。

発表文書では、合意には操縦士としてのプロフェッショナルな行動の要請や、交信につかう具体的な無線周波数、地上での通信線が盛り込まれた。地上での連絡はバックアップとして想定されている。

合意はシリア領空内のみを対象としており、トルコが懸念するロシア軍機によるトルコ領空の侵犯については触れていない。しかし、米国主導の有志連合とロシアの軍機が衝突するリスクを軽減している。双方が合意を守ればの話だが。

(英語記事:US and Russia sign deal to avoid Syria air incidents)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151021-34589879-bbc-int

◆唯我独尊の米国には見えないロシアの乾坤一擲
シリア空爆と国連演説、プーチン大統領のしたたかな戦略

2015.10.22(木) W.C. JB PRESS

ニューヨークの国連本部で開かれた潘基文事務総長主催の昼食会合で、乾杯するウラジーミル・プーチン露大統領(右)とバラク・オバマ米大統領(左、2015年9月28日撮影)〔AFPBB News〕

 シリアの反政府勢力に対して、ロシアが空からの攻撃を始めてから3週間が経った。

 この攻撃開始に当たって米国へ仁義を切るために9月28日にニューヨークで行われた米露首脳会談の終了後、わずか一昼夜余の間に憲法に従う上院の対外軍事行動承認と、それに続くウラジーミル・プーチン大統領の爆撃指令を完了させ、9月30日には作戦が開始されている。

 ロシアはシリアへ、それまでに攻撃機50機以上、要員2000人前後をシリア政府の要請に基づく形で送り込んでいたとされる。

 この陣容による攻撃開始後の成果について、ロシア国防省は10月16日までの1週間だけで、攻撃機が394回出撃し、IS(イスラム国家)を称する占領者たちの通信・野戦施設ほか350カ所近くを破壊した、と発表している。

周到な準備を進めていたロシア

 カーネギー国際平和財団モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長によれば、ロシアがシリアへの直接介入に向かって舵を切ったのは、9カ月前の今年の始めだった。

 その時点ではまだ方向性の決定であり、実際にやるか否かはその条件が整い次第、であったのだろう。その方針の下で、米国も含めた対IS国際統一戦線結成が第1案、これが達成されない場合に第2案のロシア単独での攻撃開始、という筋書きが組まれていったものと思われる。

 どちらの案でもロシアの空爆実施が含まれ、これには大統領府長官のセルゲイ・イワノフ氏と国家安全保障会議のニコライ・パトルシェフ議長が関わった、と別のロシアの事情通は述べている。

 以下、諸報道によりその後の経緯を見ると、米国をはじめとする国々のバッシャール・アル=アサド大統領即時退陣の主張を何とか押しとどめ(見返りにロシアとイランも、彼の再選は認めないという点で譲歩)、その一方で軍事行動への準備も進めていった。

 アサド政権の命脈が尽きたのではないか、との見方が広まりつつあった6月に、イランの革命防衛隊とレバノンのヒズボラがシリアでの戦力を増強し、その後これに呼応するかのようにシリアのラタキアでロシアの空軍基地増強も進められたようだ。

 7月末にはプーチン大統領の10年ぶりとなる国連総会出席が関係先に通告され(その時点で多くの外交筋は、ウクライナ問題で精々いつもの対米批判をやるだけなのでは、と予想したのみ)、外交専門誌編集長のフョードル・ルキヤノフ氏は、遅くとも8月までには空爆実施具体案が準備され、それに対して米国がどう出るかをロシアは窺い、その結果、互いに干渉しない、という合意がなされたのだろう、とメディアに述べている。

 確かに、9月28日のバラク・オバマ大統領の対プーチン会談までには、米国も徐々にではあるがロシアの対IS攻撃開始を容認する方向に傾いていたようだ。

 ジョン・ケリー国務長官はアサド退陣時期については交渉の余地ありと発言し始め、アシュトン・カーター国防長官も3月の就任以来、初めてロシアのセルゲイ・ショイグ国防相とシリア問題での電話会談を行っている。

 ロシアの描く筋書きは、遅くとも来年3月までにアサド政権の勢力を回復させ(人口が集中する地域と重要都市のアレッポを確保すれば十分で、国土の大部分を占める過疎地は当座の目標外)、反政府側(少なくともISは除く)との和平交渉に持ち込ませることに置かれている。

 その成否は、地上軍投入は行わないという前提のロシア軍の援助の下で、どこまでシリア政府軍が自力で失地回復を行うかにかかる、とされる。

米国の主張

 だが、9月28日の首脳会談を経て上述のようにロシアが即座に行動を起こし始めると、ロシアの攻撃対象がISではなく、米国やトルコ、湾岸諸国などが支援する「自由シリア軍」他の反政府勢力になっている、と米国は強く批判し始め、これに英仏独とサウジアラビア、カタール、トルコも同調する(ロシアはこれを否定したが、この点ではどうも分がよくない)。

 首脳会談へオバマ大統領がどのような姿勢で臨み、爆撃開始を通告するプーチン大統領に対して何と答えたのかは定かではないが、IS殲滅では合意できても、アサド政権をどれだけ延命させるかでは見解が一致していなかったのかもしれない。

 あるいは、米国側内部でプーチン大統領の動きに我慢ならんという面々が後になって突き上げたのだろうか。その真相がどうであれ、表に出ている動きだけで見れば、米露間の対立は深刻化の様相を呈し始めた。

 米側は次のように主張している。

●これまでに20万人以上の国民を殺戮したアサドを、欧米のみならずシリア国民の大多数や周辺国ももはや支持しておらず、彼に今後も国をまとめることなどできるはずがない。

●IS以外の反政府派の勢力を削いだりすれば、それだけISを拡大させ、ISへの転向者や結果として難民の数をさらに増やすだけとなる。

●アサド政権を助けようとするロシアの介入は、これまでの米国とその仲間による対ISへの攻撃とは趣旨が異なり、従ってシリア問題の政治決着と早期終結を困難なものにしてしまう。

 オバマ大統領は例によって、プーチン大統領への個人攻撃の形で、ロシアはこれまでの自分の戦略ではシリアを維持できないという、しょせんは弱い立場から首を突っ込んできたに過ぎず、こうした動きは必ず失敗する、とこき下ろす。

 米国は、ロシアに対抗する形でシリア内のクルド人勢力2万人ほかの反アサド派への武器供与を開始する。そして、ロシアが提案した反IS統一戦線結成への協力を拒み、この問題を協議しようとロシアが持ちかけたドミトリー・メドベージェフ首相を団長とする訪米団の受け入れも拒絶する。

 だがプーチン大統領は怯む気配を見せない。彼の基本的な立場は、日本で大して注目されなかったものの、9月28日の国連総会で行われたその演説に示されている。

 この演説については、すでに何人かの識者が触れておられるので(1、2)、本稿では詳細を避けるが、総会の演壇から、「アフガニスタン、イラク、リビア、そしてシリア、といった具合に、どれ一つまともな結果が出せていないではないか、『民主主義』革命の輸出でどれだけ多くの国を悲惨な状態に追いやったのかを、君たちはまだ分かっていないのか」と彼は欧米に詰め寄っている。2007年来の彼の持論となる、米国の一極支配思想への痛烈な批判である。

プーチンに差をつけられたオバマ

 そのうえでシリア問題を解決する道筋として、難民問題も発生地での正統政権の支配力を確立せねば止められるべくもない、として、これまでのアサド政権を相手にしないという欧米の手法が大きな誤りであったと指摘、そして今必要なのは、シリア内で正統政権を維持しつつ、ISなどのテロ集団へ国際的な統一戦線結成で対抗することである、と提言する。

 この演説の内容は、かなりメリハリが効いたものになっている。それを、プーチン演説に先立って行われたオバマ演説と比較すれば、シリアをはじめとする中東で現実に何が起こっているのかという認識力の面で、オバマ大統領はプーチン大統領に少なからず差をつけられてしまっているようでもある(プーチンはこの演説が行われている時に漸くニューヨークに到着したばかりで、直接これを聞いていない)。

 傍若無人に独り善がりの思想を力ずくで振り撒き、その結果の始末も自分でできていない――。

 なるほど、これまでイラクでもシリアでも米国は支持する側の軍の養成に失敗し、最近はアフガニスタンからの撤退政策も失敗に終わっている。どれもこれも、オバマ政権が結末をつけられずにいる課題として残ってしまった。

 そうなった理由を、オバマ大統領の中途半端な政策が中東での米国の存在感低下を生んだ結果に求める声もあるが、さらにその政策の根底まで突き詰めてみれば、欧米流の民主主義が世界の地域・民族を超えての至高の価値観とならねばならないと信じ込む米国の普遍主義思考に行き着く。

 その政策は、いわば信仰に発しているようなもので、これに敵への恐怖感(ヒラリー・クリントン氏は、恐怖ではなく事実に基づき議論をしよう、と論じる)が加わると歯止めも効かなくなる。

 しかし、それは世界各地域での特殊性への知見や注意をかき消すことで、現実にそぐわない発想や政策を結果として生んでしまう。

 例えば、シリアには過激な反体制派のISと穏健な反体制派とがあり、後者を援護してアサド政権を打倒すべきと米国は主張するが、そもそも反体制派(クルド、アルカイダ系組織、元シリア軍兵士等の「自由シリア軍」、IS、など)を綺麗に過激と穏健に分けることなど不可能以外の何物でもない、とロシアは指摘する(中東の専門家にも同様の見解が多い)。

 であれば、穏健派に供与したはずの武器が、いつ過激派の手に移ってもおかしくはない。○○派と称される面々が存在していても、次の瞬間に彼らは××派に衣替えしているかもしれない。それが現実であり、そもそも米が主張する「自由シリア軍」なるものすらが本当に存在するのかも疑わしい、と露側は論じる。

 こうした点について、米側も西側のメディアもこれまでまともな反論なり説明なりを行ってきているようには見えない。正邪の二元論では解きようもない連立方程式だからだろう。ISと戦っている限り、タリバンや9.11の犯人とされるアルカイダは米国の味方になるのか?

ソ連の失敗になぜ学ばないのか?

 かつてソ連はアフガニスタンで失敗したが、相手を共産主義と言うプリズムを通してしか見ずに舐め切ったことがその敗因だったとすれば、米国は今、民主主義という容器に相手の身体的特徴などお構いなしに無理矢理にでも押し込めようとして同類の過ちを犯している――。 プーチンにはそう見えるのだろう。

 総会の演説で彼は欧米に向かって、「なぜソ連が犯した誤りを学ぼうとしないのか」とすら言ってのけている。

 旧ソ連圏に「民主主義」革命の輸出を持ち込んでくることは、ロシアにとっても迷惑極まりない。しかし、プーチン大統領の対応を見ると、米国のやり方のナイーブさや無知に呆れて愛想を尽かしていることからの嫌悪感(あるいは侮蔑感)の方がむしろ強いのでは、とすら思える。

 対する米国は、ロシアの空爆開始直後の一斉批判に続く二の矢が継げていないようだ。それまでロシアを俎上に載せて批判した問題点の事実関係も、何やら曖昧になってきてしまっている。

 メドベージェフ首相の訪米団受け入れ拒否も、そのまともな理由が説明されていない。ロシアのメディアが評するように、今どうロシアに(ひいては中東問題に)対応すればよいのかが即座には分からずにいるようでもある。

 加えて、ロシアがイラン、イラク、シリアとの対IS共同戦線を結成したこと、特にイラクがこれに加わったことが米国には大きな衝撃だっただろう。これまで投入してきた膨大な人的・金銭的資源はいったいどこへ消えてしまったのか。

 イラクは米国の支援不足に十分過ぎるほど失望していたと言われる。その理由は西側のメディアが書くような強腰の軍事介入へのオバマの不作為だけではなく、中東情勢をどう扱ったらいいのかという点でのあまりに大きな米国の知見不足だったのではないだろうか。

 プーチン大統領の対米批判はそれとして、ロシアが今回の空爆参入に踏み切った直接的な動機や理由について、西側でも露側でも様々な解釈がメディアに登場する。

●アサド政権の救済と中東でわずかに残された自国の勢力圏・軍事基地の確保
●ウクライナ問題から関係者の目を自国のイメージアップによって逸らすこと
●国内の政権支持つなぎ止め
●CIS諸国・ロシアへのIS浸透阻止
●シリアをリビアの二の舞にしないことでロシアの世界での存在感を誇示

ロシアを見誤る米国

 米国では、これらのどの要素が主役なのか、そして、プーチン大統領が勝負に勝っているのかで、外交分析評価が分裂しているらしいが、実際にはどれも間違いではあるまい。

 これらのどれ一つをとってもロシアが考えていないはずはないし、そのいくつかが直接介入を現実的な検討課題に押し上げていったということなのだろう。

 そして、これらを満たしながらさらに先をプーチン大統領は見ているのではなかろうか。彼が狙うのは、ここで対米攻勢をかけて米の譲歩を引き出し、ウクライナ問題で始まった対ロシア経済制裁の解除や来るべき時代の露米関係への道筋確保、それにロシアの安全保障に関わる米国との合意(MD配置阻止や中東政策での共同歩調)といった大きな目標にあるように思える。

 皮肉なことに、オバマ大統領が弱腰で米外交を駄目にした、といった論が米国内で強まれば、それだけ余計にそれを打ち消すべく、次期米政権は恐らく対露強硬策を志向せざるを得なくなる。ネオコンの理論家たちも、再度表舞台に出るべく蠢動し始めたようだ。

 米国の新政権とさらに8年間も対立を余儀なくされるような状況を避けるためにも、強硬策には出て来ないと見られるオバマ政権を相手に一刻も早く話をつけてしまわねばならない。

 その米国と対ロシア、対中東政策で必ずしも歩調が揃っているわけでもない欧州は、ギリシャ問題の小康状態で一息つけるかと思いきや、怒涛の如き難民問題、さらにはVW(フォルクスワーゲン)の不祥事というオマケまでついてしまい、その体力も意思統一もヨレヨレの状態に瀕している。

 今なら、欧州を自分のペースに巻き込む可能性あり、とロシアは踏むだろう。

 急がねばならない理由はそれだけではない。空爆開始はロシアにとって相応のリスクも伴っている。

 まずは先立つもので、巡航ミサイルの投入は米国に戦闘能力で負けてはいないということを示す点で見栄えは良いものの、大変にお金がかかる。政府予算の緊縮に狂奔する財務省を押し倒して、2016年度政府予算で軍事費は唯一増額(Rb.1650億)項目となった。第一副首相のイーゴリ・シュヴァロフ氏は、これはシリア問題への介入とは関係ない、などと述べるが、それを信じる向きはいないだろう。

 IEA(国際エネルギー機関)や世銀は原油価格が2016年も低調に推移するだろうと予測しており、ロシア政府の台所は火の車に近づいている。どう転んでも長期戦に対応できる余力があるようには見えない。 

国内にスンニ派を多く抱えるロシアの事情

 戦闘が想定外に長引けば、国内での厭戦気分も高まるかもしれない。空爆に今は国民の7割近くが賛成していても、万一地上軍の派兵などに至れば、アフガン出兵の苦い記憶が呼び起されて、国民は簡単にはついて来なくなるだろう。

 特に2000万人とも言われるロシア内のイスラム(ほとんどがスンニ派)がこれからどう反応して動くのかも要警戒事項となる。露紙によれば、彼らはアサドがISよりマシなどとは全く見ていない。

 そのアサドを援護するということは、基本的には世のスンニ派を敵に回すことになるのだから、そのスンニの中のISという不良分子退治、という筋書きで辻褄合わせができる時間内で物事を処理しなければならない。

 クルドが絡んで複雑化するトルコとの関係をはじめとして、イスラエルやサウジアラビア、湾岸諸国と同時に関係を維持・強化するには、ビスマルクなみの業が必要とされるだろう。

 そして、最も重要なのは、米国をともかくはロシアとの協議のテーブルに着かせるという目的達成のために、間違ってもシリアを舞台とする米国との代理戦争にのめり込まないことである。

 こうした制約条件の中での作戦遂行である。

 オバマ氏のプーチン批判に同調する西側メディアの論調は、効果を得るためにロシアは長期戦に突入せざるを得なくなる、 結局は地上戦にも踏み切ることになる、それは米国と同じ誤りを犯すことでありソ連のアフガンの二の舞にもなる、どうせ失敗するに決まっている――とこぞって冷ややかである。

 だが、ブルッキングス研究所のリリア・シェフツォヴァ氏は、ソ連崩壊時も、エリツイン政権の結果についても、そしてリセットの行方についても、20年にわたって西側はロシアを理解し損ねてきた、と指摘する。今度も多くの論者の見解がその憂き目に遭うのかもしれない。

 ロシアは、米軍が2万人殺しても同じ数の兵士が流入してくるというISを独力で根絶するといった目標は、初めから持ってはいないだろう。中東を舞台に自ら軍事・政治の大冒険をやれるほどその中東を知り尽くしているとは思っていないし、イラクのISにまで攻撃を加える体制にもないはずである。

 何とか体裁の整ったシリア政府の再興(その結果でアサド大統領が退陣してもやむなし)と関係者の和平交渉に持ち込めれば(そして米国のこれまでの政策が誤っていたことを満天下に晒せれば)、それでことは成就するのである。

 換言すれば、民主主義の実現という米国の目標を批判はしても、それに代わる、来るべき中東社会のあるべき姿のロシア独自の像を持ち合わせているのかといえば、恐らくノーだろう。彼らにそれを求めても、返ってくる答えは「Inshallah(インシャ・アラー=すべてアラーの思し召し)」だけかもしれない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45051



シリア強奪に失敗したオバマの企てた謀略が次々と暴露される

2015-11-03 10:12:06 | 資料

アメリカは、シリアに侵略の損害賠償をするべきではないだろうか

2015年11月 2日  マスコミに載らない海外記事

Eric Zuesse
Global Research
2015年10月31日

10月30日、金曜日、アメリカのバラク・オバマ大統領は、シリアはアメリカの国家安全保障に対するいかなる脅威でもなく、いかなる国も侵略していないのに、アメリカ特殊部隊兵士50人を、シリア領土に派兵するつもりだと発表した。実際、シリアは、アメリカ合州国やヨーロッパにも脅威となっているイスラム聖戦士に対して戦っているのだ。

アメリカは、シリアの選挙で選ばれた、欧米同盟国の世論調査でさえ、いまでも大多数のシリア国民に支持されていることを示している大統領を打倒するため、シリア(最初は爆撃で、そして現在は、最初の軍隊によって)を侵略している。 2012年、アル-ヌスラ(シリアのアルカイダ)に資金提供しているアメリカ同盟国のカタール政権が、シリアを調査すべく、世論調査会社を雇った際に判明したのは、55%のシリア国民が、アサドにそのまま大統領でいて欲しいと考えていることだった。更に、2015年9月18日に私が報じた通り、“世論調査では、シリア人は圧倒的にISISはアメリカのせいだと考えていることを示しており”こうした最近の世論調査はギャラップとつながっているイギリス企業によるものだ。

ロシアは、アメリカと対照的に、シリアを全く侵略してはおらず、選挙で選ばれた政権から、侵略をしているイスラム聖戦士や、アメリカ爆撃機に対する防衛戦争を、支援するよう要請されたのだ。そして、ロシアは現在要求された支援を行っている。

シリアを侵略し、世論調査では、いまだ大多数のシリア・スンナ派にさえ支持されているシリアのシーア派大統領を打倒しようとしているスンナ派勢力を支援する、一体どのような権利をアメリカは持っているのだろう? 私は皆無だと思う。結果的に、シリア政府は、アメリカ合州国から損害賠償を要求すべきではあるまいか? そういう要求は一体いつ出されるのだろう? そういう要求は一体どのような出されるのだろう? アメリカ爆撃による、シリア・インフラの損害は既に莫大だ。

アメリカは‘民主主義’を支持していると主張するが、実際は、全体主義でも、神権政治でも、王政でさえない、アサド政権を打倒しようとしている、二つの独裁的な全体主義神権王政と同盟している。もっとも、もし彼の父親が作った政党が、シリアの指導者になるよう彼を選ばなかったら、現在の指導者(バッシャール・アル・アサド)は権力の座についていなかっただろう。しかし、それは、絶対君主制で、支配権が、もっぱら聖職者に依存している、サウジアラビアやカタールとは、決して同じものではない。ところがアメリカは、反アサドで、この両国と同盟しているのだ。

アメリカは、もちろん、サウジアラビアのサウド王家、カタールのサーニー王家というスンナ派の諸王家が、シリアにもスンナ派政権を据えつけ、シリアをカタール(あるいはサーニー家)のガスと、サウジアラビア(具体的には、サルマン王)の石油がEUへ流れるパイプライン経路にするのを支援している。アメリカ合州国がこれを望んでいるのは、アメリカ政府が、ロシアの(非常に人気のある)ウラジーミル・プーチン大統領を大統領の座から無理やり追い出そうとしているからで、それを実現するため、ロシア経済の息の根を止めようとしているのだ。ロシアのヨーロッパへの石油とガス輸出を止めるのは、この戦略の重要な一環だ。

アメリカの狙いは、ロシアがそれで同盟国を失うことになる、破綻したシリア国家だ。そこで、10月13日、ブランドン・ターバヴィルは、“ロシアがISISを爆撃するなか、アメリカはシリアの民間発電所を爆撃”という見出しの記事を書いた。アメリカは、シリアを破壊しようとしている。ロシアはシリアを救おうとしている。そこで、ロシアはISISや他の聖戦士を爆撃しているが、アメリカはシリアのインフラを爆撃している。国を一つにまとめるためのインフラがなければ、破綻国家だが、それが、アメリカの目標だ。

アメリカは、これが狙いだとは発表していない。そうではなく、アメリカは単に、バッシャール・アル“アサド・シリア大統領は辞任すべきだ”あるいは“バッシャール・アサド抜きの新政府”を作るべく“アサド大統領が辞任すべき時は来た”と言うばかりだ。これは、ジョージ・W・ブッシュの“イラクでの政権転覆”というしつこい要求と同じだ。様々な国の指導者を置き換え、こういうことをしていると主張しても、ナチスがニュルンベルクで絞首刑になった戦争犯罪、侵略戦争ではないにせよ、武力侵略という国際犯罪にならない権利を、一体誰がアメリカに与えたのだろう?

一体どういう権限で、アメリカはこうしたことを行っているのだろう? 国際刑事裁判所は、一体なぜ公式に(大いに公式に)これを調査しようとしないのだろう?

掲載するようお送りしたのに、そのどれも掲載されなかった、私のニュース報道や解説を受け取ったアメリカのニュース編集者(100人以上だ)の一人でも、是非とも、各自のニュース報道で、公にこの疑問に答えていただけないだろうか? 私はここで各編集者の方々に問いたい。もしもアメリカが、こういうことをする権利を有しているとお考えであれば、公開で、一体なぜなのかをご説明いただけるだろうか?

あるいは、もし説明頂けないのであれは、読者なり視聴者なりの方々に、この疑問をお考え頂けるよう、この疑問を呈しているこの記事を是非掲載してもらえるだろうか?

この記事は、事実上、全てのアメリカ報道機関に送付されている。いずれかが掲載してくれるか、あるいは、彼らが一体なぜアメリカのシリア侵略を支持するのかを説明してくれるかどうか、見ようではないか。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは、新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者

本記事の最初の発表元はGlobal Research

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/shouldnt-the-u-s-compensate-syria-for-invading/5485716

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-1a3c.html

◆オバマのシリア強奪が生み出す難民たち

http://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/47fc645e7f170eee472e254093ce97bc

シリアの内戦は宗教を巡る戦いではない。

シリアへの外国の介入は、シリアでの反乱開始の数年前に始まった。ウイキリークスは、内戦を引き起こして、シリア政府を打倒するというアメリカの計画と、こうした命令を、テル・アビブから直接受けていることを明らかにするアメリカ国務省の2006年の漏洩電報を公表した。この漏洩は、サウジアラビア、トルコや、カタールや、エジプトの様な国々とのアメリカの協力関係同盟が、スンニ派と、シーア派の分裂を利用して、シリアを分割し、イランとヒズボラを弱体化する為、シリアを不安定化させるのに、宗派心を利用するためであることを暴露している。イスラエルも、ゴラン高原占領を拡張する石油採掘を増加する為、この危機を利用しようとしていることが明らかにされた。

2012年シリア人でないCIAとつながる何百もの武装反政府集団がシリアに押し寄せ、シリア全土を、アメリカ合州国、イギリス、フランス、カタール、サウジアラビアやトルコが、反政府派を組織し、武器を与え、資金供給して、自由シリア軍を形成する好機に飛びついたことが明らかになった。(わずか数カ月前、ウイキリークスが、サウジアラビアの諜報情報を公開し、2012年以来、トルコ、カタールとサウジアラビアが、シリア政府を打ち倒すべく、反政府派に武器を与え、資金を提供するのに協力して動いていたことをあきらかにした。)

◆深刻化する米欧の亀裂

2015年10月14日  岡崎研究所 WEDGE Infinity

9月8日付の米フォーリン・アフェアーズ誌のサイトで、米サウス・カロライナ大学のKonrad H. Jarausch教授が、近年の米欧間には齟齬が累積しているので、関係緊密化への努力が必要である、と説いています。

 すなわち、米欧間は一見、うまくいっているように見える。相互の観光客、留学生は多いし、貿易額も伸びている。しかしその陰で、米欧は相互に欲求不満を感じている。西欧はオバマ政権のパフォーマンスに不満であり、米国は西欧諸国の動きの鈍さに苛立っている。これらの不満は、この数十年にわたって累積されてきたものである。

 現下の摩擦要因としては、TTIP交渉が停滞していること、米諜報機関が西欧諸国指導者を盗聴していたこと、他方米国には西欧諸国がギリシャ救済に吝嗇すぎるように見えることなど、そしてより基本的には、オバマ政権がアジア、アフリカの方を重視する姿勢を示したこと、米国社会の多民族化が進行して西欧に祖先を持つ者の比率が減少したこと、一方西欧の方では保護者面をする米国を煙たがっていることがある。

 西欧諸国がシリアやウクライナについて、軍事介入より政治的な解決を好むことも、米欧間の齟齬の一因である。また移民社会の米国は個人主義を前面に出すのに対して、西欧は社会保障を重視することも、齟齬の一因である。米国での銃砲の横溢や囚人の数の多さ、そして格差の大きさも西欧人の反感を買う。

 米国は「9.11」のテロ事件以降、PATRIOT法を採択して個人の権利を一部制限する動きに出ているが、西欧ではナチズムや共産主義の悪夢から生じたプライバシーを守ろうとする意識が強く、インターネットでの「忘れられる権利」を提唱したりしている。

 しかし、米欧は世界最大の経済関係を有する他、双方とも勤勉さや所有権保護という価値観を共有する。米欧の協力は、ウクライナ問題、プーチンの攻勢への対処、地球温暖化問題、イランの核兵器開発防止、そして移民問題の解決などにおいて、重要な意味を持っている。

 今や米欧間対話を活発化させるべき時である。双方の有識者は、21世紀の人権とはどのようなものであるべきか、自国民の人権だけでなく他国の人間の人権まで気にかけなければいけないのか等、議論すべきである。また、米国における欧州研究、欧州における米国研究は促進されなければならない。

 米欧は利害と価値観を共有している。双方は、協力して、世界の諸問題を解決しなければならない。双方の未来はその努力にかかっている、と述べています。

出 典:Konrad H. Jarausch ‘The Divisions that Damage the U.S.–EU Relationship’(Foreign Affairs, September 8, 2015)
https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2015-09-08/continental-drift

* * *

 普段、日本人はあまり意識しませんが、緊密な米欧関係は、世界の安全、繁栄、そして近代的価値観の維持のために最も重要な要素です。来年のG7首脳会議の議長国として、日本は、理念を固めておく必要があり、この論文は頭の整理に有用です。

 米欧同盟(NATO)は、欧州における米軍のプレゼンスを通じて、欧州の安全保障を担ってきました。米欧同盟はまた、産業革命後の近代文明・価値観を体現するものでもあります。そして、米欧同盟が瓦解すれば、米国の超大国としての立場は失われ、世界の政治・経済体制は戦前と同様の流動的状態に陥るでしょう。

 冷戦が終結し、ソ連が崩壊し、ドイツが再統一したことで、欧州の「へそ」とも称し得るドイツには、選択の余地が出てきました。在独米軍に撤退を求め、ロシア、中国と関係を深めて地域覇権を確立することも可能になってきたからです。メルケル政権は「NATO、EUの一員としてのドイツ」という立場を堅持していますが。

 他方、米国もNATOの決定はコンセンサスを要することに業を煮やし、アジアと同様、二国間ベースの安保取決めをバルト諸国、中東欧諸国と結び始めています。これら諸国にとっては、ロシアが未だ安全保障上の脅威だからです。

 日本にとっては、米欧関係が瓦解して米国が孤立し、世界の体制が流動化するより、米欧結束が維持され、グローバルなルールが保持されている方が利益にかないます。自由、民主主義、市場経済などの近代の価値観も、日本の社会に適合したものだと思います。

 米欧関係はすぐどうこうという状態にはありませんが、来年のG7首脳会議では先進国経済の底堅さを確認するとともに、この論文の言う「21世紀の人権」について意識の摺り合わせを行い、それによって日米欧の結束を固めることができれば、日本外交にとって得点となるでしょう。途上国の人権向上については、「民主派」に資金援助をするよりも、経済開発を助けることでその国の中産階級の比率を増加させるのが王道でしょう。日本のこれまでのODA・直接投資は、いくつかの国でまさにそのような効果を生んできました。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5447

◆Times:シリアを救えるチャンスは米国よりロシアに大きい

2015年10月19日  Sputnik 日本

ロシアはシリアのアサド大統領を支援することにより、シリア紛争に終止符を打ち、難民の流れを止めることが出来るかもしれない。ワシントンタイムズの社説にそう記された。

同紙には次のようにある。
オバマ大統領が欧州諸国首脳とともに手をこまねいて、緊張した眼差しで状況を注視している一方、プーチン大統領は、アサド大統領支援を通じて、状況を変え、紛争に終止符を打ち、シリア人も自国にとどまるようになるかも知れない。
ロシアはシリア作戦を開始し、米国の不決断によって形成された中東における政治的空白を補填する固い決意を示した。ロシアの行動は、多数のシリア難民に過激派が紛れているかもしれない、との恐れに基づくものだ。シリアとロシアの距離はシリアとドイツの距離の半分だ。

なぜ米国はロシアと協力してテロと戦わないのか
© SPUTNIK/ ALEXEY NIKOLSKY

なぜ米国はロシアと協力してテロと戦わないのか
自国の国益に対する冷たい打算を根拠に行動するプーチン氏がシリア紛争に終止符を打つというのは現代のパラドックスである。これは、局外にとどまったままロシアが中東の尻拭いを買って出たことを不承不承首肯するだけの米国の「平和な大統領」の理解を超えることだ。
米紙は以上のように記した。

http://jp.sputniknews.com/politics/20151019/1049496.html

◆アフガニスタンの泥沼にはまり込んだオバマ大統領
出口の見えない辛い旅路

2015.10.20  Financial Times   JB PRESS
(2015年10月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

アフガニスタンの首都カブールで撮影された治安部隊〔AFPBB News〕

 故リチャード・ホルブルック氏によると、バラク・オバマ大統領はアフガニスタンについて議論する際にベトナム戦争に言及することを一切禁じた。オバマ氏の「アフパック*1」特別代表として2010年に仕事中に倒れて死去したホルブルック氏は、米HBOの感動的なドキュメンタリー番組「ザ・ディプロマット」で墓場から戻ってくる。

 来月の初公開は、時折あるタイミングの皮肉だ。ホルブルック氏は、オバマ氏が決めたアフガニスタンへの期限付き米軍増派はうまくいかないと明言していた。

 国を安定させるには、米軍駐留の期間が短すぎ、部隊が手を広げすぎることになる、というのがその理由だった。ホワイトハウスはホルブルック氏を排斥した。

 ところが先週、オバマ氏は暗黙のうちにホルブルック氏の主張を認めた。米軍はオバマ氏の大統領の任期が終わった後もアフガニスタンに残ることになった。これがどこで終わるのかは誰にも分からない。

ベトナム戦争との類似点

 ベトナム戦争との対比は大げさかもしれない。1968年のベトナム戦争のピーク時には、米国は50万人以上の兵士をベトナムに配備していた。一方、アフガニスタンには現在9万8000人の米兵が駐留しており、オバマ氏はほぼ来年いっぱい、この水準を維持する構えだ。ベトナムで6万人近い米兵が命を落としたのに対し、アフガニスタンでの死者数はこれまでで2500人足らずだ。

 だが、厄介な類似点もある。サイゴンでは、カブールと同様、米国はゲリラ戦を繰り広げる一途な敵を相手に、成果を出せない文民政権を支えるのに苦労した。アシュラフ・ガニ大統領率いるアフガニスタン政府は、前任のハーミド・カルザイ氏の政府ほど腐敗していないかもしれないし、腐敗の度合いでは、サイゴンで米国が支援した歴代指導者よりはるかにましかもしれない。

 だが、いまだに、言及に値するようなアフガニスタン空軍は存在しない。一方、米国が訓練を施したアフガニスタン軍では、相変わらず任務放棄が多発している。誰もタリバンを訓練していないのに、タリバンはアフガン全土で領土を奪還し続けている。

*1=AfPakはアフガニスタンとパキスタンを合わせた造語。米国の外交政策関係者の間で使われ、両国を1つの作戦区域として指す言葉

 それ以上に重要なのは、オバマ氏の新計画に確かな終盤戦のプランがないことだ。この頭痛の種は、オバマ氏の後継者に受け継がれることになる。ベトナムとの類似点が最も著しいのは、ここだ。

 ホルブルック氏がキャリアのスタートを切ったのは、南ベトナムだった。

 押しの強い若手外交官だった同氏が上司らに言い続けたように、米国は、何千人もの人命喪失は国益によって正当化されないということを理解するのを拒んだ。

 外国勢力、特にソ連と中国がベトコンの反乱を煽るのを食い止めない限り、米国は負ける、と同氏は主張した。

 同じことがアフガニスタンにも当てはまる。パキスタンを正真正銘のパートナーに変える計画がなければ、それが書かれた紙より価値のあるアフガン戦略は存在しない。ホルブルック氏は、自分の仕事は両国を含んでおり、アフパックには均等に重点が置かれなければならないと主張した。オバマ氏は15日の演説で、アフガニスタンを28回引き合いに出した。これに対し、パキスタンに言及したのは2度だった。

アフガニスタンは新たなシリアと化すのか

 では、この最新のアフガン計画はなぜ、過去の計画より大きなインパクトを与えるのか。与えない、というのがその答えだ。最新の計画はそもそも、そのように意図されていない。オバマ氏の部分的な方針転換は、14年間の米軍駐留のひどく脆い成果を支えることを目指している。大統領の決断は、米軍の司令官、特にアフガニスタン駐留米軍トップのジョン・キャンベル司令官の圧力を受けたものだった。

 キャンベル司令官は今月米議会で、タリバンが支配領土を拡張していると述べた。

 また、アフガニスタンで急速にフランチャイズ組織を広めている「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」を撃退するために、イランが今、タリバンに資金を供給していることを示す証拠もある。そうなると、イランは味方なのか、敵なのか。これは答えるのが難しい問題だ。

 それが何であれ、アフガニスタンは新たなシリアと化す恐れがある。ただし、1つ異なる点は、ここに地上部隊を派遣しているのが、ウラジーミル・プーチン大統領のロシアではなく米国だということだ。

3つの教訓

 アフガニスタンはオバマ大統領に厳しい教訓をいくつか与えた。1つ目は、アフガニスタンは米国の政治的な思惑に一切配慮しないということだ。オバマ氏は、アフガニスタンとイラクでの戦争を終わらせるという公約に基づいて政権の座を手に入れた。米軍の兵士は全員帰国すると約束していた。先週、大統領はこの公約を撤回し、勇気を見せた。オバマ氏が退任する時、アフガン、イラク両国に数千人の米兵がいることになる。

 イラク、アフガン両政府の脆さ、および双方を脅かすイスラム過激派の強さを考えると、次期大統領もオバマ氏の約束を果たすことはないだろう。

 オバマ氏の大統領在任期間はむしろ、イスラム主義との世代的闘争における――善意から出たとはいえ――混乱した小休止として記憶される可能性が高い。

 第2に、アフガニスタンは大部分において、問題の症状にすぎない。パキスタンは、それよりはるかに大きな問題だ。オバマ氏は今週、パキスタンのナワズ・シャリフ首相と会談する。パキスタンは相変わらず複雑怪奇だ。一方では、パキスタンは自らが生み出したタリバンというフランケンシュタインの犠牲者と化した。昨年のペシャワルの軍営学校に対する野蛮な襲撃事件が1つの転換点となった。

 その一方で、シャリフ氏の率いる文民政権は依然、パキスタン軍の掌中にあり、その軍部はシャリフ氏の場当たり的な実績に苛立ちを募らせている。パキスタン軍はまだ国家内国家だ。パキスタンの軍部は、国内ではイスラム主義勢力にあまり寛容ではないかもしれないが、アフガニスタンではいまだに「戦略的縦深性」に固執している。

 パキスタン軍がアフガニスタンのタリバンへの支援をやめたと考える人は誰もいない。オバマ氏には、パキスタン情勢を変える計画がない。そんな計画は誰も持っていない。その間にも、パキスタンは核兵器の生産を増強している。これが1面のニュースになっていないということ自体、気がかりなことだ。

 第3に、ホルブルック氏の歴史的な対比は筋が通っている。ベトナム戦争の教訓は今日的な意味を持っている。2001年以降のアフガニスタンから得られる教訓も同様だ。「どんなことも可能に思えた、タリバンが去った後の黄金期に、米国は我々がここで何をしているのか説明しなかった」。ホルブルック氏は映画の中でこう語る。

 米政府はまだこれをはっきり説明していない。米軍が引き続き、決断を主導している。タリバンは勢力圏を拡大している。そして米国の指導者たちは依然、自分たちがコントロールする力をほとんど持たない出来事に翻弄されているのだ。

By Edward Luce
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45034

◆米国が、友好国へのスパイを止めるはずがなかった!?

2015-10-25 世界のメディア・ニュース

AFPは2015年10月25日に、ドイツのニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は2015年10月24日に、NSA(National Security Agency/米国家安全保障局)が関与した新たなスパイ活動が行われていた疑いがあるとして、ドイツ連邦検察庁が捜査を開始したと伝えた。

http://time-az.com/main/detail/52868

シュピーゲルによると、捜査対象は「諜報活動」に関してこれまで知られていなかった複数の人物で、「レジン(Regin)」と呼ばれるスパイ・ウイルスに感染していたとされ、ドイツ首相府高官の個人用ノートパソコンが捜査の焦点になっていると報告している。

気の小さな米国が、むやみやたらに盗聴し、スパイをすることを止めるなどと考えていなかった。
とくに、スパイで経済復興していた米国が、スパイを止めたら、第2の平成経済大恐慌が起こる。

レジンは「トロイの木馬(Trojan Horse)」タイプのマルウエア(悪意のあるソフトウエア)で、昨年高官のノートパソコンで発見された。
これを使用すると、コンピュータに入力された全てのデータを監視し、感染させた当事者にデータを転送できるようになるという。

http://blog.goo.ne.jp/jiten4u/e/da22d21dcea865d5fdd5f48b6532c5db

◆TPP、大筋合意でも実効されない可能性大 大国・米国の自己都合

2015.10.27   小倉正行  Business Journal

 10月5日まで会期を延長したTPP閣僚会合(米国アトランタ)は、難題のバイオ医薬品のデータ保護期間や乳製品、自動車の原産地規則について合意が得られたとして、大筋合意の記者会見を行って終了した。
 今回の大筋合意によりTPP交渉は基本的には終了し、舞台は米国政府による米国議会への通告3カ月後の、早くても1月20日以降に予定される加盟12カ国による正式調印と、各国の議会承認手続きに移ることになる。
 TPPは条約なので、基本的には、加盟国のすべての議会で承認されて初めて発効することになる。ただし、議会承認国の合計GDPが加盟国全体の85%を上回った場合は、その時点で発効するとの規定が盛り込まれており、日米含めて6カ国で承認されれば成立するという異例の条約となっている。逆にいえば、GDPが1国のみで15%を超えている米国と日本のどちらかで承認がなされなければ、TPPは発効しないことになる。

米国議会

 なかでももっとも注視されているのが、米国議会で承認されるかどうかという点である。

 10月20日現在、米国政府から米国議会に対してTPP合意の通知はなく、TPP協定調印は前述のとおり来年1月20日以降となる。そのため、米国議会での審議開始は、協定調印から2カ月後の3月20日以降になる。

 米国議会は来年1月から始まるが、2月1日からは大統領選挙の予備選挙(アイオワ州党員集会)が始まり、3月1日がスーパーチューズデー、3月15日がオハイオ州、フロリダ州予備選挙と大統領予備選挙が最高潮に達し、その後も予備選挙は6月まで続き、7月18日〜21日の共和党全国党大会、7月25日からの民主党全国党大会での正副大統領候補決定と続くのである。

 また、大統領選挙と同時に、米国議会下院議員選挙(全員)と米国議会上院議員選挙(定数の3分の1改選)も同時に行われる。米国議会では、選挙期間中は休会となり、それは「レームダック会期」(Lame Duck Sessions of Congress)と呼ばれ、1980年代から現在に至るまで続いている。そのため、2月から始まる予備選挙から11月までの大統領選出まで、議会は開会されていても事実上の休会状態になるのが通例である。

 つまり、TPPは調印をしても米国議会での承認手続きが進行しない可能性が高い。仮に大統領選挙を無視して無理やり議会承認手続きに入ったとしても、今回のバイオ医薬品のデータ保護期間の問題については、米国医薬品多国籍企業は当初から保護期間12年を要求しており、今回の「実質8年」という合意内容に不満を持っている。これらの企業は議会に対して強い影響力を持っているだけに、議会の承認手続きが難航することが予想されている。

カナダでは早くも批准難航

 また、米国議会は今回のTPP交渉について、議会の一括承認手続きを定めているTPA法案を6月の上下両院で可決したが、それも賛否ギリギリで可決しただけでなく、議会が内容上問題があると判断したときは否認することができるという規定が盛り込まれたのである。それだけに、議会で否認されたならば、TPPは最大の推進国である米国が条約承認できないことになる。TPP承認が大統領選挙後になるか、否認されるか、いずれにせよTPPは発効できないまま推移する可能性があるのである。

 民主党の大統領候補を争っているクリントン元国務長官は、TPP反対を表明した。また、対する共和党も自由貿易推進政党であり、いずれの政党の大統領が選出されても、大筋合意のTPPをそのまま受け入れるかどうかも疑問である。
 
 10月19日投票のカナダ総選挙も、その結果はTPP大筋合意を受け入れたハーパー首相率いる与党保守党が敗北し、自由党との政権交代という事態になった。これで、カナダにおけるTPP批准も難航することが想定されている。
 TPPの前途には、暗雲が垂れ込めているのである。
(文=小倉正行/ライター)

http://biz-journal.jp/2015/10/post_12114.html

◆ISの最重要スポンサーは麻薬マフィア、しかし「金づる」は他にも

2015年11月01日  Sputnik 日本

テロ組織「イスラム国(IS)」による石油の密売を米国は阻止できていない。リア・ノーヴォスチの取材に応え、テロ組織の資金調達法に詳しいノートルダム大(インディアナ州)の法学教授ジミー・ギュルレ氏が述べた。

「先週、米国務省は、ISがいかにして闇市場に石油を販売しているかについての情報に対し、500万ドルの懸賞金をかけた。これすなわち、米国はISによるグローバル規模の石油売却・輸送がどうやって行われているのか、よく分かっていないということだ。仲介者の存在や、犯罪組織の暗躍が示唆されているが、具体的に誰が仲介役を担っているのかについては依然よく分かっていない」とギュルレ氏。

ISの「ドル箱」原油取引、米らの空爆でも被害なし

イラン紙「イラン・プレス」編集長エマド・アブシェナス氏は500万ドルの懸賞金を受け取るチャンスがあるかも知れない。スプートニクのインタビューに応えた中で、氏はISの石油売却先を明確に名指ししてみせた。

「ISの活動は世界的石油安の主因の一つである。テロ組織はトルコ、ヨルダンの闇ブローカーに国際標準の半額という安値で石油を販売している。トルコにはそうした石油を今度はイスラエルに転売する業者がいる。この3カ国の石油密売人らが石油を第3国に不法に売却する。しかし、ISによる石油密売が最も盛んに行なわれているのは、やはりトルコである」。

ISの石油密売ルートはトルコ領内、元CIA職員の判断

米国の専門家らによれば、ISは毎日5万バレルの石油を売却し、年間5億ドルの利益を上げている。
ISはさらに大きな、年間10億ドルという利益を、自らの支配領域における麻薬輸送の通行料という形で上げている。麻薬マフィアこそがISの最重要スポンサーなのだ。これはロシア麻薬流通監督庁長官ヴィクトル・イワノフ氏が、28日開かれた中央アジア麻薬取締4者会議で語ったことだ。支配領域における麻薬輸送の規模について、イラン紙「イラン・プレス」編集長エマド・アブシェナス氏は次のように述べた。

「ISの支配領域では、麻薬販売は日常茶飯事だ。またIS戦闘員は強い向精神薬を常用している。つい最近も嘆かわしい事件があった。レバノンでサウジアラビアの王子たちが逮捕された。IS戦闘員らに売却し、拡散させるために、カプトゴンと呼ばれる麻薬を密輸しようとしたのだ。ISが得られた資金で新たな犯罪を行っただろうことは疑いない」。

アブシェナス氏も指摘する通り、ISは国際法に違反する様々な手段で収入を得ようとしている。文化財の不法売却もそのひとつだ。

ユネスコによれば、シリアでは文化財の組織的強奪が行われている。博物館から文化財が持ち出され、闇市場に売却されているという。

ロシアによるシリアでの対「IS」空爆開始後 アフガンに戦闘員押し寄せる

「シリアの文化財の売却から得られる莫大な利益がイスラム過激派に流入している。彼らはその金で、武器や装備を買い、戦闘員に給料を支払っている」。「ロシア新聞」の取材に応え、ユネスコのイリーナ・ボコワ事務局長が述べた。ユネスコは今後もISによるシリア文化財の密売という問題に取り組む、とボコワ氏。
エマド・アブシェナス氏はスプートニクの取材に応え、組織の結成にあたってISがどこから資金を得ていたのかについて、次のように述べた。

「ISという組織はアルカイダの一部が分離独立するという形で形成された。また、イラク戦争の経験者や、フセイン時代のバース党支持者、さらにはフセイン政権陥落後に形成されたイラク反体制派内のスンニ派アラブ人もそこに加わっていた。従って、フセイン時代から蓄えられた一定の活動資金が、当初からこのグループにはあったのだ。ほかにも、アルカイダからの資金援助もあったし、さらには、ペルシャ湾岸の一部アラブ国家からの資金援助もあった」。

もっとも、ペルシャ湾岸諸国が今もISを直接的に支援しているかどうかは断言できない。湾岸諸国は国内不一致を来しており、指導者層も一枚岩ではないからだ。

IS誕生については米国も一定の役割を果たしていた、と言われる。一年前のことだが、トルコ誌「ラジカル」の取材に応じ、CIAの上級分析官グラム・フラー氏は、「何も米国がIS創設を企んだわけではないが、中東への介入とイラク戦争による不安定化がIS誕生の要因になった」と述べている。

パキスタンにもISを間接的に米国が支援しているとする声がある。今年のはじめ、パキスタンにおけるISの幹部とされるユザフ・アル・サラフィなる人物がラホールで逮捕された。「尋問でサラフィ氏は、米国経由の資金で青年のリクルートを行い、またシリアにおける軍事行動を行っていた、と述べた」と当時、パキスタン紙「ザ・エクスプレス・トリビューン」が匿名情報として報じた。その消息筋は、さらに、「米国はいつもISの活動を非難するが、自国から同組織へ資金が流れることを止めようとしない」と語った。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20151101/1106167.html#ixzz3qHDJdeXt

誰が考えてもISISに石油の生産や精製が出来るわけがない。

中東の石油産業を支配してきたアメリカがその気になれば、ISISが石油を生産、精製、輸送、販売することは不可能に近い。ISISの販売を請け負っている会社はARAMCO、つまりSOCAL(スタンダード石油カリフォルニア)、テキサコ、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー、ソコニー・バキューム(後のモービル)が出資している巨大企業だと言われ、トルコやイスラエルも輸送や販売に協力していると伝えられている。


窮地のアンゲラ・メルケル首相 

2015-10-29 11:25:32 | 資料

ドイツ:難民危機が揺さぶるメルケル首相のイス
シリア難民への門戸開放が生んだ軋轢、欧州最強の指導者に正念場

2015.10.29  Financial Times  JB PRESS
(2015年10月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

欧州最強の指導者の座を固めたドイツのアンゲラ・メルケル首相(右)。難民危機への対応が命取りになる可能性が出てきた〔AFPBB News〕

 支持者から深く慕われるのが普通であるだけに、ドイツ東部の町シュクロイディッツで先日開かれた地方党大会はアンゲラ・メルケル首相にとってまさに衝撃的だった。

 メルケル氏の率いる保守政党・キリスト教民主同盟(CDU)の党員たちが、難民に「門戸を開く」同氏の政策をこれ以上ない厳しい言葉で非難したのだ。

 「どんな人が来るのか分からない」。集まった忠実な支持者1000人の前である代議員が発言した。「何人来るのかも分からない。すでに何人来ているのかも分からない」

 メルケル氏のリーダーシップを批判する参加者もいた。ある代議員は次のように言い切った。「『あんな首相はもう支持できない』と私に言ってくる市民がますます増えている」

 一方、メルケル氏が「これは私が首相として直面する最も大きな課題である。状況が厳しいことは承知しているが、私はあきらめない」と語り、「難民歓迎」の方針を貫くと誓うのを耳にして喝采を送る人もいた。

 しかし、シュクロイディッツで見た風景のうち脳裏にこびりついて離れなかったのは、次のような文句が書かれたプラカードだった。「難民による混乱を止めよ、メルケルは退陣せよ」

欧州最強の指導者に前例のない逆風

 欧州最強の指導者にそんな侮蔑の言葉が投げかけられたという話は、これまで聞いたことがない。だが同時に、この難民危機自体も過去に例のない規模になっている。

 問題を小さく切り分けることで知られるメルケル氏は、自身にとって最大の難問に真正面から取り組んでいるが、事態を収拾できるかどうかは誰にも分からない。何しろ、押し寄せてくる亡命申請者の数は1日当たりで最大1万人に達しており、その合計は昨年の実績の5倍超に当たる100万人の大台をも突破しそうなのだ。流入は2016年になっても続くだろう。

 メルケル氏から見れば、最近行われたほかの地方党大会はシュクロイディッツのそれよりもはるかに順調に進んでいた。しかし、難民の流入ペースを遅くしたり、党内で強まる反対論を抑え込んだり、加速する支持率の低下を食い止めて反転上昇させたりする時間はあまりない。

 「今がメルケルの正念場だ」。マインツ大学のユルゲン・ファルター教授(政治学)はこう指摘する。「彼女には国民から信頼されているという大きなバッファー(緩衝材)があるが、それも縮小しつつある」

 懸念はほかの欧州連合(EU)加盟国にも広がっており、メルケル氏の難民政策を批判する向きは、ドイツ国内でのメルケル批判を見聞きして意を強くしている。ベルリン選出のある国会議員は、EUにはメルケル氏の苦境を見て喜ぶ人もいると話している。

 メルケルの退陣後はどうなるのかという話も、今となってはばかげているとは言えないようだ。高級紙「フランクフルター・アルゲマイネ」の政治担当エディター、ギュンター・バナース氏は言う。「政策に対する疑問から、首相としての能力についての疑問へと話が発展している。それ以上のところにはまだ進んでいないが、絶対に進まないとは言えない」

 61歳のメルケル氏はもう10年近く首相の座にあり、その間にかなりの量の政治資本を蓄積している。ユーロ圏への脅威を乗り越え、経済成長を維持し、かつ外国から忍び寄る危険を回避してきた実績は国民から評価されている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナを侵攻して欧州の安定を揺さぶった時には、EUにおけるメルケル氏の中心的な役割が強化された。前回のギリシャ救済にあたって見せた非情なスタンスは国外で批判を招いたものの、ドイツ国内では受け入れられている。

 しかし、CDUとその姉妹政党でバイエルン州を本拠地とするキリスト教社会同盟(CSU)の支持率は下がっている。調査会社INSAの最新の調べによると、保守のCDU・CSUの支持率はこの夏以来7ポイント低下し、2012年以来の低さになっている。とはいえ、下がる前の支持率は42%と高かった。国会議員の任期半ばの与党の支持率としては、なかなか見られない高水準だ。

ドイツ南部ミュンヘンにある列車の駅に到着した、アンゲラ・メルケル独首相の写真を持つ難民〔AFPBB News〕

道義的信念に駆り立てられて

 難民危機は想定外の出来事だった。その勢いに圧倒された現地当局の職員らが助けを求め始めた8月の終わりごろには、首相の通常の対応――慎重さ――ではもう間に合わなくなっていた。

 メルケル氏は、ドイツはすべてのシリア難民を受け入れると表明し、シリアからやってきた亡命申請者を最初に入ったEU加盟国(普通はギリシャ)に送還する権利の行使も一時見合わせると発表して欧州諸国を驚かせた。

 メルケル氏はこれと同時に、申請を認められなかった亡命希望者の送還手続きを厳格にする計画も打ち出した。しかし、メディアが大きく取り上げたのは「シリア人歓迎」の約束であり、さらに多くの難民がドイツに押し寄せることになった。

 政界の盟友たちによれば、メルケル氏は道義的信念に駆り立てられ、難民を助けようという大勢のドイツ人ボランティアの姿にも心を打たれ、教会の指導者からドイツ最大の販売部数を誇る大衆紙「ビルト」に至るいろいろな人や組織に励まされたという。

 また評論家たちは、ドイツがユーロ圏危機で見せた厳格な現場監督のような顔ではなく優しい顔を見せるチャンスを、そしてナチスの過去からさらに遠ざかるチャンスをメルケル氏は恐らく見いだしたのだろうとの見方を示した。

背後には現実的な計算も

 しかし、メルケル氏の対応は現実を見据えたものでもあった。同氏はほかの対策――国境で難民の流入を制限する――のは実際的なやり方ではないと素早く結論づけていた。警備隊が武力を使うことは、最後の手段としても認めるわけにはいかなかった。だが、武力を使えないとしたら、どうすれば人々の流入を止めることができるのだろうか。「あれは計算だった」。ある政府高官はそう打ち明ける。

 メルケル氏の対応は、集中的な外交努力を中心に行われている。まずシリアでの和平を要求し、トルコには人々の流出を制限するよう圧力をかけている。EUと非EU加盟国との国境管理強化を望み、難民の影響を比較的受けていないEU加盟国には難民受け入れの拡大と、ドイツやオーストリア、スウェーデンなどが多めに被っている負担の共有を促している。

 メルケル氏はこうした施策の助けになるように、亡命申請者に支給する現金の額を制限するという緊急策も講じている。手続きの速度向上と亡命を認められなかった人々の送還の迅速化にも努めている。しかし、まだ人数を減らすには至っていない。新しい国内ルールが適用できるか否かは、記録的な数に達している難民を急かされながらさばく職員の能力に決定的に依存している。

 国外に目を向ければ、シリアはまだ戦争状態にあり、トルコはわざとぐずぐずしている。欧州に突きつけた経済支援要求にドイツとEUがなかなかイエスと言わないからだ。一方、東欧諸国は、難民を再配分する計画に反対の声を上げている。

 そんなことをしている間にも、亡命を希望する人々は次々にやって来る。支援提供の最前線に当たる地方の議会は困窮している。リベラル派さえ反対の声を上げる始末だ。

欧州を目指して海を渡る難民、移民は後を絶たない(写真は10月27日、ギリシャのレスボス島に到着した少年たち)〔AFPBB News〕

 バーデン・ビュルテンベルク州テュービンゲン市のボリス・パルマー市長(緑の党所属)は、フェイスブックにこう記している。

 「もしこの状況が続けば、ドイツの人口は今後12カ月の間に365万人増えることになる。申し訳ないが、それを認めることはできない。政府は行動を起こさなければならない・・・さもなければ、社会の秩序が崩れてしまうだろう」

 多くのドイツ国民は、自分たちのアイデンティティーが脅かされると懸念している。この国は1980年代から、つまりドイツは移民に門戸を閉ざしていると国民が思っていた時代から大変な変化を遂げてきた。

 この国では労働力人口の高齢化が進んでおり、これを若返らせるために若い人々を必要としていたし、ベルリンの壁が崩れた後には東欧からの移民も入ってきたことから、国は大きく変わった。

 今日では国民の5分の1が、移民の第1世代か第2世代で占められている。

アイデンティティーの危機

 この多様性を称賛する人たちでさえ、その規模には耐えられないと感じている。CDUに所属し、ドイツ議会外交委員会の委員長を務めるノルベルト・レトゲン氏は言う。「これは基盤に影響を与える。国家と我々のアイデンティティーの問題だ。多くの人は、両方が脅かされていると思っている」

 それと同時に、政治的な右派が勢力を伸ばしている。党内の分裂にもかかわらず、超保守派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は世論調査で全国的な支持率が8.5%と過去最高をつけ、2013年の選挙当時の4.7%から大きく伸長している。

 ドイツ西部より反移民感情がずっと強い元共産圏のドイツ東部では、同党の支持率は12%に上っている。

10月19日、ドレスデンでデモ集会を開く、移民受け入れに反対する団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA)」の支持者ら〔AFPBB News〕

 東部の街ドレスデンのポピュリズム運動で、定期集会に何千人もの参加者を引き寄せる「ペギーダ(PEGIDA)」は今月、強制収容所がもう機能していないのが残念だと述べた講演者を集会に招いた。

 さらに悪いことに、外国人嫌いの暴力が広がっている。今年に入ってから難民収容施設に対する襲撃事件が500件あり、2014年に通年で記録された170件の2倍以上に上っている。メルケル氏の盟友のトマス・デメジエール内相は「危ない急進化」について警鐘を鳴らした。

 こうした出来事を打ち消しているのが、ボランティアのネットワークに支えられ、難民を支援するために時間外労働をこなす何千人もの公務員たちだ。多くのドイツ人は、危機がドイツの一番いいところを引き出していると考えている。だが、そう思っている人でさえ、この状況がどれほど続き得るのか自問している。

 1991年に反移民暴動が起きたが、今では難民を受け入れているドイツ東部の街ホイエルスヴェルダのトマス・デリン副市長は「短期的にもっと大勢の人を受け入れるのは難しい」と言う。

 政府はことの緊急性を理解しており、年末までに難民の流入を減らしたいと考えている。CDU・CSU連合の議員らは、首相はこの約束を果たすのに「数カ月ではなく、数週間」の時間しかないと話している。

 左に目を向けると、メルケル氏が直面する困難は少ない。連立相手の社会民主党(SPD)と、議会の野党勢力である緑の党と極左の左派党はそろって、首相の開放的アプローチを支持している。問題は右側だ。

 保守派の有権者からの圧力とAfDの台頭の圧力にさらされ、CDUとCSUの議員の間では、政策変更、さらには180度の方針転換さえ求める人が増えている。

 批判が最も明白なのがCSUだ。ホルスト・ゼーホーファー党首の下で新しい国境管理を求める圧力が奏功しており、メルケル氏は国境中継施設を設置するというCSU主導の提案を支持している。難民手続きを現在のようにドイツ国内ではなく、国境で行えるようにする仕組みだ。

 もっと攻撃的に首相を批判する向きは、首相はさらに踏み込み、移住者が中継地帯を迂回するのを食い止めるためにフェンスを設置しなければならないと主張している。

 だが、そうした人でさえ、国境警備隊が武力を使ってはならないのだとしたら、どうやってフェンスを守るのか説明するのをためらっている。

 政治調査会社テネオ・インテリジェンスは、批判派にある程度譲歩するメルケル氏の戦略と中東外交が「やがて首相の支持率を安定させる助けになる可能性は十分ある」と言う。しかし、配下の議員たちは待てるだろうか。最近の世論調査での支持率低下が2017年の次回選挙で繰り返されたら、CDU・CSU連合の311人の議員のうち60人前後が議席を失うことになる。

我慢の限界

 久々にメルケル氏の指導者の地位に疑問符がついている。来年3月の地方選挙は簡単に、メルケル氏の難民政策――そして同氏の首相の座――を巡る国民投票と化してしまう恐れがある。

 ファルター教授はまだ、メルケル氏が首相の座にとどまり、2017年にCDU・CSU連合を率いていると見ている。だが、その確率は75対25程度だとしている。不人気なEUの指導者なら、そのような確率を喜ぶかもしれない。だが、欧州の女帝は違う。

 メルケル氏にとって幸いなことに、自然と後を継ぐ人はいない。最も有力な候補はタカ派の財務相、ヴォルフガング・ショイブレ氏だろう。同氏は難民政策を批判することは避けたが、急激に膨れ上がるコストに言及し、自分が抱く懸念を示唆した。だが、73歳という年齢からすると、同氏は多くの議員にとって一時しのぎの候補でしかない。

 国内の圧力はEU内でもメルケル氏を傷つけている。東欧諸国の指導者はメルケル氏の難民政策に抵抗しただけではない。ハンガリーのビクトル・オルバン首相はドイツに介入までしてみせた。

 ゼーホーファー氏を訪ねた注目の会合で、ハンガリーの反移民フェンスを築いたオルバン首相は自身のことを「バイエルンの国境警備隊長」と呼んだ。

 難民の受け入れを渋る態度は、多くを物語っている。問題は東欧の人たちだけではない。英国はEU全域での難民再分配計画に参加するのを拒んだ。フランスはささやかな貢献しかしていない。

反対勢力には慣れているが・・・

 前出のレトゲン氏にとって、この協調の欠如はEU全体にとっての挫折だ。「難民に関して連帯を示せないことは、これまでで最大の欧州の敗北であり、将来の欧州の安定に影響する」と同氏は言う。

 メルケル氏にとって、反対は何ら目新しいことではない。何しろ彼女は、自身の属する党の重鎮たちの敵意にもかかわらず、権力の座に就いた控えめな東ドイツの牧師の娘だ。新しいのは、彼女が直面するリスクだ。すぐにでも事態を掌握できなければ、メルケル氏の地位が危うくなりかねないのだ。

By Stefan Wagstyl
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45122

アンゲラ・ドロテア・メルケル(ドイツ語: Angela Dorothea Merkel)

1954年7月17日ハンブルク生まれ
ポーランド系ドイツ人
エカチェリーナ2世を尊敬しており、オフィスに彼女の絵が飾られている
2000年よりキリスト教民主同盟 (CDU) 党首
第8代ドイツ連邦共和国首相(女性としては初)
1977年ウルリッヒ・メルケルと結婚4年後離婚
東ベルリンにある科学アカデミーに就職し、理論物理学を研究
1986年博士号取得(物理学者)
1989年ベルリンの壁崩壊
・現在の夫ヨアヒム・ザウアー(フンボルト大学ベルリン教授で量子化学者)と1998年結婚
・1990年12月2日の連邦議会選挙で故郷メクレンブルク=フォアポンメルン州から出馬して初当選
初当選議員ながら、第4次コール政権の女性・青少年問題相に抜擢され、1991年1月18日に就任
・1994年10月の連邦議会選挙により成立した第5次コール政権では環境・自然保護・原発保安担当大臣に就任
・2000年4月の党大会で承認されCDU党首に就任
・2005年11月22日、第8代連邦首相に51歳で就任

2014年3月、習近平国家主席と会談した際、古地図を贈った。この地図は、宣教師がもたらした情報を元に描かれたもので、1735年時点での清朝の領域を示している。新疆、チベット、内モンゴル、尖閣諸島は、清朝の領域外となっている。しかし、一部の中国メディアは、地図をすげ替え、贈呈されたものとは違う古地図を掲載し、報じた。

かなりのサッカー好きであり、「ドイツ代表12番目の選手」を自認している。

【語録】

・「私は体育の授業の間ずっと飛び込み台の板の上に立っていて、45分経ってようやく飛び込むタイプの人間です」(2000年)
・「多文化主義は見事に失敗した」(2004年)
・「窓ですね! こんなに頑丈で美しい窓を作れる国はないですから」(2004年、「ドイツと聞いて連想するものは?」と聞かれ)
・「赤緑連立(SPD+同盟90/緑の党)が治めていない一日一日が、ドイツにとってのいい日です」(2005年)
・「ドイツに仕えます」(首相候補に指名されての第一声)
・「女子代表はもう世界一になりました。女性に出来て男性に出来ない理由などないと思います」(翌年のワールドカップを控えて、2005年末の国民向け挨拶で)
・「ミュンヘンの人が『ベルリンへ行こう!』と叫ぶのは、何か素晴らしいことだと思う」(ワールドカップ中の2006年6月、ミュンヘンでドイツ代表がスウェーデン代表を下し、歓喜するファンが「決勝戦の行われるベルリンへ行こう!」と叫んでいるのを受けて。聞きようによっては、この前年メルケル内閣への入閣を拒否したシュトイバーへの嫌味とも取れる)
・「ヨーロッパがキリスト教クラブでないというのは正しい。しかしヨーロッパが人権と市民権を基本とするというのもまた事実です。そしてここドイツでは、人権と市民権をキリスト教的人間像に重ねているのです」(2006年のCDU党大会で)
・「中華人民共和国は、我々の様に知的財産権を尊重することを学ばねばならない。なぜなら、それを簡単にコピーすることは窃盗だからです」(2006年)
・「私の愛車はフォルクスワーゲンです」(2007年2月12日付の『フィナンシャル・タイムズ』紙ドイツ語版で、ドイツの野党議員の発言が切っかけに巻き起こった『日本車賛美論争』で発言)
・「私は時にリベラル、時に保守、時にキリスト教社会主義です。それこそがCDUをなしているのです」(2009年9月、ARDの番組にての発言)
・「国家は破綻する筈が無いという噂があります。この噂は正しくありません」(銀行家との会合での発言。『デア・シュピーゲル』誌、2009年第5号)
・「あなた方ハンガリー人は、ドイツ人の自由への意志に翼を与えました。あなた方の勇気が、ベルリンの壁を崩壊させる決定的な一撃となったのです」(2009年8月19日、汎ヨーロッパ・ピクニック20周年記念演説の一節)
・「『さあ、多文化社会を推進し、共存、共栄しよう』と唱えるやり方は、完全に失敗した」(2010年10月16日、自党の青年部会議における発言。)
・「シュタージの様だ」(2013年、アメリカ合衆国のNSAに、PRISMで携帯電話を盗聴されていた事に関して)。

公式サイト
http://www.angela-merkel.de/

(Wikipedia)

◆独情報機関、秘密裏に米やEU諸国の情報収集か 米国の諜報活動批判のメルケル政権 窮地に

2015.10.15 産経ニュース

 【ベルリン=宮下日出男】独誌シュピーゲル(電子版)は14日、ドイツの対外情報機関の連邦情報局(BND)が2013年まで長年に渡って、米国のほか、フランスなど欧州連合(EU)加盟国の大使館や関係当局から秘密裏に情報を収集していたと報じた。

 ドイツはこれまで米当局による情報収集活動に反発してきたが、報道が事実であれば、自国機関も同盟国の情報を集めていたことになり、苦しい立場に立たされる可能性がある。

 報道によると、収集された具体的な情報の内容は不明だが、BNDは13年秋まで監視システムを通じて、膨大な情報を傍受していたという。

 情報収集問題をめぐっては、独連邦議会(下院)の特別委員会が調査してきており、BNDの今回の活動については政府側が14日、特別委に報告したという。特別委は今後、情報収集を誰が指示していたかなどについて、関係者から事情を聴いて調査する方針だ。

 独メディアは今年4月、BNDがフランスの政府関係者や防衛企業の情報を収集して米側に提供していたとも伝えていた。

http://www.sankei.com/world/news/151015/wor1510150030-n1.html

◆独当局、情報機関機密資料暴露のジャーナリストを国家反逆容疑で捜査 メディアは「報道の自由への攻撃」と反発

2015.8.2  産経ニュース

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツ情報機関の機密資料をインターネット上のサイトで暴露したとして、独当局が国家反逆容疑でジャーナリスト2人の捜査を始め、波紋が広がっている。独メディアは、政界とメディアを揺さぶった50数年前の「シュピーゲル事件」と重ね、報道の自由への圧力であるとして批判を強めている。

 捜査の対象となっているのは、ネット上の人権などに関する報道で知られるサイト「ネッツポリティク」の主宰者ら2人。7月30日に自らのサイトで、連邦検察庁から捜査の通知を受けたことを明らかにした。

 問題とされたのは、今年2月と4月の記事2本。情報機関の連邦憲法擁護庁が国内の過激派対策のため、ネット上の監視強化を図っているとの情報を内部文書の抜粋とともに報じ、擁護庁が検察庁に告訴した。

 ドイツでは近年、米当局などの情報収集活動が問題化し、当局側は機密漏えいに神経をとがらせている。だが、メディアは「報道の自由への攻撃」(独ジャーナリスト協会)と一斉に反発。検察は31日、容疑に該当するか、専門家の鑑定を待つ考えも明らかにした。

 最大で終身刑が科される国家反逆罪をジャーナリストに適用するのは異例。1962年、軍事機密を報じた独有力誌シュピーゲルをめぐる事件では、同容疑で拘束された編集者らは証拠不十分で釈放されたが、報道の自由への介入との批判が高まり、当時の国防相が事実上、引責辞任した。

 シュピーゲル(電子版)は捜査について「62年を想起させる」とした上で、「再び記者が標的にされた」と懸念を示した。南ドイツ新聞も62年の事件に言及し、当局は情報提供者やメディアへの警告のため「小さなサイトを狙った」と批判した。

http://www.sankei.com/world/news/150802/wor1508020025-n1.html

◆メルケル、トルコを悪魔的に抱擁

2015年10月27日  マスコミに載らない海外記事

Finian Cunningham
公開日時: 22 Oct、2015 16:18
"RT"

ドイツのアンゲラ・メルケル首相と、トルコのタイィップ・エルドアン大統領 Tobias Schwarz / Reuters

EU難民危機を緩和する“代償”として、シリア国内に“安全地帯”を作るよう、トルコはドイツに圧力をかけている。これは、NATO軍が結局、ロシア軍と対立することになり、シリア紛争をエスカレートさせかねない悪魔的契約だ。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、先週末大急ぎでイスタンブールにでかけ、トルコが強く望んできた欧州連合加盟に関する大転換で締めくくった。僅か数週間前、トルコ加盟反対を繰り返したのに、驚くべき動きで、トルコのEU加盟推進を支持するとメルケルは発表した。

“トルコが切り札を全部持っている”とドイツ・マスコミのドイチェ・ヴェレは述べた。第二次世界大戦以来、最大の人々の大規模移動である、ヨーロッパの移民危機におけるトルコの極めて重要な役割を考えれば、これには同意せざるを得ない。国際移住機構によれば、今年だけで、約600,000人の難民がEU国境に到来した。

大半の大移動は、現在250万人の難民を擁するトルコからのものだ。その大半は、トルコの南国境、シリアの約5年間にわたる紛争から生じている。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とアフメト・ダウトオール首相は、この危機がもたらした好機を、EUに、難民の流れを止めるには“トルコが必要”だということを認めさせるに利用しようとしている。これこそ、メルケルや他のEU高官が、先週、アンカラ政権に、一体なぜ新たに芽生えた気遣いを示したかという理由だ。

先週日曜、エルドアンとダウトオールと会うため出発する前、ドイツ首相は“あらゆる選択肢が議題だ”と述べた。後に、指導者たちは“行動計画”を作り上げたと語り、計画は、ベルリンとアンカラで計画されている、よりハイ・レベルの会合で、今後数週間でまとめられる予定だ。

分かっていることは、今やメルケルが、28か国のEUへのトルコ加盟を巡る交渉復活を支持していることだ。2005年以来 トルコの人権問題実績と、少数派クルド住民に対するアンカラの弾圧を巡るEUの懸念から、交渉は棚上げになっていた。

メルケルが確認したもう一つの明らかなEUの譲歩は、トルコが現在世界で最大と言われる大量難民を受け入れていることに対する支援として、30億ユーロ(34億ドル)の支払いだ。アンカラは国内にいる難民の面倒を見るため、既に80億ドル費やしたと主張している。

アンカラがEU要求にしている三つ目の妥協は、北シリアに“安全地帯”を設定するという以前からの要求の受け入れだ。メルケルは、ダウトオールと記者会見を行った際、その話題については留保したが、トルコ首相はこの問題について抑えようとはしなかった。

“シリア国内での安全地帯設置は、トルコの絶対要求だ”とダウトオールは述べた。“シリアに安全地帯を設置し、難民をシリア国内に止めておく必要性を、私が繰り返す理由だ”と彼は補足した。

ドイツ、ベルリンの保健社会局(LaGeSo)前の敷地で、登録のために並ぶ移民 Fabrizio Bensch / Reuters

戦争が2011年3月に勃発して以来、トルコは、北シリアに、いわゆる安全地帯を設置することを強硬に主張している。しかしワシントンもヨーロッパ同盟諸国も、この考え方にはしり込みしている。本質的にシリア政府軍の排除を意味する、シリア国内のそのような緩衝地帯を維持するには、欧米諸大国による大規模軍事介入が必要になるからだ。実際、それを実施するには、アメリカとNATO戦闘機と地上軍を必要とする飛行禁止空域なのだ。

しかし、悪化する移民危機が情況を変え、トルコに決定的影響力をもたらしているようだ。特にメルケルは、難民の奔流を止めるよう圧力を受けている。彼女のこれまでの亡命希望者に対する“門戸開放政策”は、他のEU加盟国が更なる負担を分け合うことを拒否して、まずい結果を招いている。

今週ドイツでは、右翼のペギダ運動が開催した反移民抗議集会があった。しかも、それが動員しているのは、極右だけではない。多くがメルケルのキリスト民主党の中核的支持者である中道派ドイツ人すら、難民流入をめぐる懸念で増えている。ある最近の世論調査では、メルケルの受け入れ姿勢を支持するドイツ人は、わずか三分の一しかない。

ハンガリー、クロアチアとスロベニアが国境検問所を閉鎖したため、冬が近づく中、何万人もの難民が地獄のような状態に直面しており、多くがオーストリアとドイツへ向かう必死の旅に向かっている。ぬかるむ野原で凍えている移民家族が機動隊と争っている、マスコミ映像で、EUのイメージは国際世論の非難の的になっている。危機がどうしようもなくなり、メルケルは明らかに、それに関して何かするよう強いられたのだ。

トルコは好機に更につけこもうとしているようだ。メルケル出国後、ダウトオールは、トルコは決して“強制収容所”にはならないと警告した。

首相はトルコ・マスコミにこう語った。“‘お金をくれれば、彼らをトルコに留まらせる’というような考え方は受け入れられない。”ダウトオールは、挑戦的に、こう補足した。“メルケル首相にも言った。トルコがあらゆる難民が暮らす強制収容所のような国になるのを受け入れる人などいない。”

国連難民機関UNHCRは、トルコを出て、ギリシャに行き、更にヨーロッパへと向かう移民の数は、ここ数週間で増えていると報じている。これは、トルコ当局が、結果として生じる移民の流れで、EUに対するアンカラの交渉力が強化できることを知って、難民のヨーロッパ移動を開放するという暗黙の政策を活用している可能性を示唆している。

もしEUが、メルケルの指揮のもと、北シリアに安全地帯を設定するというトルコの要求に応じれば、それは良からぬ影響をもたらすだろう。トルコはかつて、こうした地域を、戦略的に重要な北部の都市アレッポ近くまで侵入させることを要求していた。安全地帯は“反政府戦士”の避難所としても利用されよう。トルコや欧米の同盟諸国は、こうした反政府派を“自由シリア軍”“穏健派”戦士と呼んでいる。しかし自由シリア軍は、様々なアルカイダ集団や「イスラム国」過激派聖戦士に対する虚構の偽装であるのは公然の秘密だ。

エルドアンとダウトオールのトルコ政府は、欧米のシリア政権転覆秘密作戦における過激派傭兵の主要支援者と見なされている。トルコの野党やシリア政府によれば、トルコは、外人聖戦士と武器の主要輸送路として機能している。

アンカラが“安全地帯”の設置を主張するのは、紛争で難民になった一般市民を支援するのが主な動機だというが、政権転覆用の傭兵に、シリア政府軍による軍事攻撃からの援護を与えることが本当の狙いであるのは明らかに思える。

ロシア戦闘機が シリア政府を支援し、様々な過激派軍団を現在激しく攻撃しているので、トルコ国境沿いに設置される飛行禁止空域は、NATO軍をロシア軍と直接紛争させることになる。

シリアのバッシャール・アル・アサド大統領に対するあからさまな計画を遂行するというトルコの狙いを、ドイツ政府が感じている可能性はある。しかし、ヨーロッパ移民危機が激化するにつれ、メルケルは、言いなりになっているかのように見える。特に自国民の間で不満が増大しているため、彼女は早急に難民危機を食い止める必要に迫られている。

しかしながら、もし彼女がアンカラの“安全地帯”要求に譲歩すれば、今度はNATOがロシアと対抗することになり、シリア紛争は計り知れないレベルにエスカレートされる。

ずっと単刀直入で効果的な代案がある。シリアのアサド大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が打ち出したものだ。つまり、ワシントンと、トルコを含む同盟諸国が、犯罪的な政権転覆策謀をやめて、シリア政府の主権を尊重することだ。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。アイルランドのベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、Sputnik、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/319416-merkel-turkey-migrants-syria/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-ccd7.html

◆【速報】ドイツ・メルケル首相 フォルクスワーゲンの不正を知っていながら隠蔽していた

アンゲラ・メルケルは昨日フォルクスワーゲン騒動に巻き込まれました。 
>ドイツの野党政治家が彼女の政府が放出結果を浪費している会社を前もって知っていたと発言。 
ドイツの緑の党は、排出検査で不正を行っているフォルクスワーゲンについて大臣がすでに夏に知っていた。 
しかし、『不正操作と詐欺』が『ウィンクで受け入れられた』と言いました。 
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3246844/Did-Merkel-cover-Volkswagen-scandal-car-maker-s-boss-quits-German-leader-accused-accepting-trickery-wink.html 

引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1443223074


 世界最大の華僑 「李嘉誠」とは何者か?

2015-10-25 14:39:55 | 資料

中国の対英国投資はどれほどのものか

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月23日(金曜日)弐
         通算第4696号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 習近平訪英で総額7兆円の投資を約束したが
  李嘉誠たったひとりの対英投資だけでも、かるく中国を凌駕していた
**********************************

 訪英はしたものの、英国王室と政界は騒いだが、庶民はさっぱり。産業界は疑いの目でみている。とくに鉄鋼業界は反中国感情が露骨であり、原子力業界は、中国の原子炉技術を疑う。
英マスコミの対中論調も冷たい。

 投資額に目がくらんでいるのではないかとする声もあるが、たいした金額ではない。香港財閥第一の李嘉誠は、たった一人での英国投資は、かるく中国一国の投資額を超えていた。

 2010年以来、李嘉誠が率いる長江実業と和記グループは総額250億ポンド。それまでの中国の対英国投資は総額で141億ポンドである。
 欧州全体に対する中国の投資額は過去十年間に1550億ポンド、フランス、ドイツ、英国の順だった。

 英国は李嘉誠に爵位を授与してもてなし、その破天荒な投資を歓迎してきた。

ちなみに李嘉誠がなした英国投資を一覧すると、
 2000年 36億ポンドを投じて3G(電信送信企業)を買収
 2010年 90億ポンドを投資し英国電網を買収
 2011年 39億ポンドを投じて水力供給企業を買収
 2012年 30億ポンドを投じてガス供給企業を買収
 2014年 15億ポンドを投じて、商業地区施設を買収
 2015年 10億ポンドで鉄道企業を買収し、同年103億ポンドで「02UK」社買収を提案。
 これらは主としてユテリティ分野だが、ほかに高級住宅地開発、マンション群の建設を販売を手がけている。

http://melma.com/backnumber_45206_6276688/

◆李嘉誠系、英水道大手を買収:総額48億ポンド、投資が急拡大[建設]

2011/08/04   NNA.ASIA

インフラ事業を手掛ける長江基建(CKI)は2日、親会社の長江実業グループ、同グループ会長で大富豪の李嘉誠氏による慈善財団「李嘉誠基金会」と共同で、英国の水道サービス大手、ノーサンブリアン・ウォーター(NW)を買収すると正式発表した。買収額は24億英ポンド(約3,000億円)。NWが抱える同額の負債も引き継ぐため、実質的な投資総額は48億英ポンドに達する。

2010年に買収した発電所のシーバンク・パワー、送電を手掛けるUKパワー・ネットワークスに続き、この1年半でCKIによる英国でのインフラ事業買収は3件目。投資総額は1,300億HKドル(約1兆2,900億円)に達し、ここへきて英国における投資が急拡大している。

05年に買収したガス供給を手掛けるノーザン・ガス・ネットワークス、07年に獲得した水道サービスのサザン・ウォーターを含めると5件目となる。NWの買収は10月に完了する見込みだ。

3日付信報によると、CKIの甘慶林社長は英国でのインフラ事業を強化する狙いについて、「まず利回りが高く、次に安定性があるため」と説明。英国のように制度が整備された国ではインフラ事業における規制の透明性が高く、利益が確保しやすいとして投資を強化しており、同国を含めた海外で、現在も20項目以上の投資案件を物色中という。

■株価は2カ月で3割急騰

CKI、長実グループ、李嘉誠基金会が、それぞれ40%、40%、20%出資し、設立した合弁会社UKウォーター(2011)がNW買収の実務を担う。ロンドン市場に上場するNW株1株当たりでは4.65英ポンドの買収提案額となり、プレミアムは同社株の1日終値に比べ3.3%。2日の買収発表後には、同社株が寄り付きで前日比4%超も上昇した。買収報道が出た6月に比べると、同社株はこの2カ月近くで約3割も急騰した計算になる。

李嘉誠氏はこれまで、投資物件を長期間保有するスタイルで大きな利回りを実現しており、市場の期待も高いようだ。

NWはイングランド北東部、南東部でサービスを提供しており、顧客数は450万人に及ぶ。前年度の純利益は1億8,000万英ポンド。同社株式の27%を保有するカナダのオンタリオ州教職員年金基金も既に買収提案に賛同しているという。

また、NW買収に伴い、英競争委員会の審査を避けるために売却を検討していた同業のケンブリッジ・ウォーターについては、HSBCグループに4,590万英ポンドで売却することに合意したとしている。<香港>

http://news.nna.jp.edgesuite.net/free/news/20110804hkd002A.html

◆李嘉誠氏の長男、英ガス会社を買収、英紙「イギリスをほぼ買い取った」

2012年12月5日  朝日新聞デジタル

 写真左は李沢鉅氏

【中国証券網】 香港の大富豪、李嘉誠氏の長男である李沢鉅(ビクター・リー)氏は英国の天然ガス会社ウェールズ&スウェストユーティリティーズ(WWU)を買収した。これに先立ち、英国の電力会社と水道会社を買収している。英紙は「李沢鉅氏がイギリスをほぼ買い取った」と報じている。

世界の株式市場が低迷する中で、李沢鉅氏は7月25日、WWU社を77億5300万香港ドルで買収した。これは李沢鉅氏が父の後を継ぎ、中国一の富豪になって以降、初の大型取引となる。

WWUは英国の8大ガス管運営会社の1つ、ウェールズとイングランド西南部を主な市場とし、天然ガス運輸資産の管理や天然ガスの運輸、天然ガスメーターサービスを手掛ける。英国の土地面積の6分の1の740万の顧客を持つ。

WWUを買収後、李沢鉅氏は3割近くの英天然ガス市場を制覇し、4分の1の英国人に天然ガスを供給することになる。また、同氏傘下の長江基建は、2010年と2011年に英国の電力会社と水道会社を買収しており、同国の約4分の1つの電力市場と約5%の水道市場が李ファミリーの資産となった。

李沢鉅氏は1985年に米スタンフォード大学を卒業し、21歳に父が創設した長江集団に入社した。長江基建の分割上場を担当したことがあり、長江基建の主席を務めた。2003年に米情報誌「タイムズ」に「世界の商業界で最も影響力のある人物」の1人に選ばれた。

李嘉誠氏は今年7月に財産分与を行い、李沢鉅氏は時価総額8500億香港ドルに上る22社の上場企業を持つ長江集団を引き継いだ。李沢鉅氏の総資産は2900億香港ドル以上となり、李嘉誠氏の昨年の1708億香港ドルを抜けて中国一の富豪となった。

(翻訳 王秋/編集翻訳 伊藤亜美)

http://www.asahi.com/business/news/xinhuajapan/AUT201212050126.html

 ◆李嘉誠が英国通信最大手を買収へ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)2月2日(月曜日)
    通巻第4452号  
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 李嘉誠の「脱香入欧」(香港を捨てて欧州へ投資)が本格化
  今度は英国通信大手「02」社買収へ動く
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 香港最大財閥(世界富豪ランキングでも十四位)の李嘉誠は旗艦の長江実業と和記を統合し、本社をケイマンへ移籍することは既報の通りだが、とりわけ英国ロンドンへの投資が勢いを増し、中核の不動産開発ビジネスから、つぎは移動通信事業への本格進出を果たそうとしている。

 150億米ドル(邦貨換算1兆8000億円)を投下して、通信王手の「02」に買収をかけた。
 「02」社は英国最大の通信網を誇り、2006年にスペイン企業が買収した。その後、現金フローが悪く、有利子負債がかさんで経営状態が思わしくなくなり、身売り話が持ち上がっていた。現在ロンドンの当該管轄機構(日本で言う公正取引委員会)が審査を開始し、この買収が適当かどうかの判断を下す。

 李嘉誠グループはすでに英国で「英国電力網洛」(英国で30%の電力供給)、「THREE電信」(顧客800万台)、「ノースアンブライン」(下水処理企業)などを買収しており、今回の「02」は移動通信企業として2400万台を抱える大手だ。

 このように李嘉誠は、江沢民と親しかった政治的条件を利用して香港ばかりか、中国大陸で幅広くビジネスを展開してきたが、新しい梁震英・香港行政長官と折り合いが悪く、同時に江沢民の影響力低下にともなって大陸でのビジネスに見切りをつけた。

大陸内に保有してきた物件をほぼ売りはらい、もてあますキャッシュをカナダと英国の企業買収ならびにロンドンでの不動産開発プロジェクトに投資してきた。

http://melma.com/backnumber_45206_6159573/

◆李嘉誠氏が800億元の投資を撤収 上場会社の登録地も移転

2015年09月22日  新華ニュース

2013年から、華人富豪の李嘉誠氏が中国本土部の不動産と資産を投売りするといった情報が流れた。不完全な統計ではあるが、2014年1月から2015年4月までに李嘉誠氏は資産譲渡又は他の方式で738億余元の現金を獲得したことになる。販売中の陸家嘴プロジェクトを加えれば、李嘉誠氏が販売した人民元建ての資産総額は1000億元を超える見通しだ。

2015年初め、李嘉誠氏は「長江実業と和記黄埔(ハチソン・ワンポア)の合併後に成立した長和グループは長江実業及び和記黄埔の全ての非不動産類の資産を持っている。また長江実業地産も6月に香港に上場した」と発表した。関係メディアは「分割と再編により、李嘉誠氏は傘下の関係会社の登録地を香港からケイマン諸島やバミューダ諸島などの知名なオフショア金融センターに移転した」と報じた。

李嘉誠氏は財務弾力性を高めるため、登録地を移転したとの見方を否認したが、周囲は李嘉誠氏が中国本土部への投資を撤収しているとしている。新華社傘下のシンクタンク瞭望智庫が「李嘉誠を逃がすな」という羅天昊と署名した文章を発表し、話題を呼んだ。その後、李嘉誠氏が率いた長和グループは投資撤収説を否認し、「売買は正常な商業行為だ」と強調した。

一部の人がこれを李嘉誠氏が中国経済の成長性を悲観視している信号と見なしたことに対し、中国国家発展改革委員会の連維良副主任は、「より多くの海外投資家は中国に投資することに自信を持っている。改革における重要な目標は開放型経済の新体制を構築することだ」と述べた。

(翻訳 劉英)

http://www.xinhuaxia.jp/social/80810

李嘉誠(り かしん、広東語:Li Ka Shing)

1928年に中華民国の広東省潮州市に生まれ
日中戦争の戦火から逃れ1940年家族とともにイギリスの植民地の香港に逃れた。しかし、太平洋戦争の勃発により、香港も日本軍の占領下に入り、父も間もなく亡くなったため、学業を断念してセールスマンとなった。
最終学歴は中卒(高校中退)。
1949年香港にプラスティックの工場を作り、造花を売り出したところ、「ホンコンフラワー」として大当たりとなった。
1958年に不動産業に転身し、長江実業有限公司を設立して香港最大の不動産ディベロッパーとなった。
1979年に和記黄埔(ハチソン・ワンポア)、
1985年に香港島の電力供給を独占する香港電灯を買収し規模を拡大した。
1989年に天安門事件が発生して外国企業が中華人民共和国から避難したとき、逆に中華人民共和国への投資を拡大して香港最大の企業集団として台頭した。
主に中華人民共和国の発電所建設に当る長江基建などを所有し、中華人民共和国の指導者とも深いつながりがある。
左派資本家の霍英東や、マカオのカジノ王(香港でもグループ企業を持つ)スタンレー・ホーとも親しい。
ただし、北米などへも投資していることから、全国政治協商副主席への就任を断ったとも言われている。

2013年度世界長者番付によれば、その資産は310億米ドルとされ、世界8位の富豪である。
李の日常生活は質素で、李嘉誠基金会を通じて多額の献金を行っている。
1981年には20億香港ドルを投じて故郷の潮州の近くに汕頭大学を創設。
2004年のスマトラ沖地震では300万米ドルを寄付した。

・長男のヴィクター・リー(李沢鉅)は長江実業の副会長兼社長として後継者の地位にある。
1996年誘拐され、身代金10億香港ドルを払ったとされる。犯人は後に中国で逮捕・処刑された。
・次男のリチャード・リー(李沢楷)は香港最大の通信会社であるPCCW(パシフィック・センチュリー・サイバー・ワークス)を率い、東京の丸の内にパシフィックセンチュリープレイス丸の内を建設したことで日本でも知られる。
・妻の荘月明は既に亡くなっているが、自殺ではないかとも噂されている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E5%98%89%E8%AA%A0

◆長江実業

現会長の李嘉誠が1950年代に長江工業有限公司として創業し、その後香港の発展と共に主導的地位を築きあげた。
長江実業として1972年に香港証券取引所に上場。香港で最大の不動産開発企業のひとつであり、商工業などその他の産業でも重要な地位を占める。
現社長兼副会長は、現会長李嘉誠の長男、李澤鉅(Victor Li)。

現会長の李嘉誠が1950年代に長江工業有限公司として創業し、その後香港の発展と共に主導的地位を築きあげた。長江実業として1972年に香港証券取引所に上場。香港で最大の不動産開発企業のひとつであり、商工業などその他の産業でも重要な地位を占める。現社長兼副会長は、現会長李嘉誠の長男、李澤鉅(Victor Li)。

資本金 11億58百万香港ドル
売上高 423億59百万香港ドル
総資産 3,731億86百万香港ドル(2011年12月期)
決算期 12月末日
主要株主 Li Ka-Shing Unity Trustee Company Limited 40.43%

公式サイト
http://www.ckh.com.hk/en/global/home.php

 支那共産党が大陸本土を支配したが、香港では李嘉誠と包玉剛の香港財閥が「HSCB」と深く結びついていた。李嘉誠の財閥は「長江実業」を創立し海運業に進出した。包玉剛は「恒生銀行」を中心に金融財閥を拡大していった。香港が支那に返還された現在でも、李と包の2大財閥はいずれも、「HSBC」の最高幹部である。

 1992年、支那空前の企業買収劇となり世界を瞠目させたCITIC・中信 による企業・恒昌の買収も、実は李嘉誠が実働部隊であった。

 この中信の「花形」であるハイテク部門・中信技術公司の総技師長(技術部長)が小平の次男・質方であり、現在では出世し、中信グループ全体を仕切る中信興行公司総経理の地位に就いている。

 また中信の軍需部門、つまり支那の軍事産業の中核企業・保利公司の総経理には小平の娘婿・賀龍(支那軍の元帥)の息子・賀平が就任している。

 文字通り「株式会社・支那」である。

それが李一族の手によって経営されている。

 この支那の軍需産業の中核をも担う中信は、米国のウォルマートの支那支部、ウォルマート華東を共同経営している。このウォルマートは、米軍の下部組織である。

 「株式会社・支那」は李一族である。

麻薬ディーラーとしてアジアの地下経済に通じたイスラエルは、アジアの「統一支配者」李一族と既に提携している。

 台湾の李登輝元首相一族、中国の李鵬元首相一族と李先念国家主席一族、中国・香港の支配者李嘉誠(リカシン)一族、シンガポールの元首相李光耀(リークアンユー)一族。
これら李一族は全て同一血族であり、アジアの表経済、地下経済は李一族とパーミンデックスが既に固めている。黒社会しかり。

◆中国1の大富豪・李嘉誠氏 週刊紙にプライベート語り話題に

2014.01.03  zakzak

 香港の大富豪で、世界の中国系実業家のなかでもトップの資産を有する李嘉誠10+ 件(り・かしん)長江実業会長がこのほど、広東省の人気週刊紙「南方週末」による単独インタビューに応じ、話題を呼んでいる。

 めったに明かされない李氏の毎日のプライベートな習慣などが語られているほか、1996年に長男で後継者の李澤鋸(ビクター・リー)氏が誘拐された際に誘拐犯の香港マフィアのボスとのやりとりを明かすなど、興味深い内容になっている。

 李氏は1928年生まれの85歳。故郷は福建省潮州市だが、日中戦争により日本軍が潮州市に侵攻してきたため、李氏一家は1940年、香港に逃れる。ところが、その翌年には香港も日本軍の統治下に置かれるなか、1942年には父親が肺結核で死亡。14歳の李氏は母親や幼い弟や妹を養うため、学業を断念してセールスマンになり生活費を稼ぐことになった。

 ところが、李氏自身も肺結核を患っていることが分かり、死の恐怖にさらさられる。「このときが私の人生で最大の危機だった」と李氏は振り返る。

 肺結核を克服した李氏はセールスマンをしてためたわずかな資金をもとに、1949年にプラスティック工場を立ち上げ、造花を生産、これが「香港フラワー」として大評判となり、世界中で売れ、一財産を形成し、現在の大実業家の基礎を築いた。

 さらに、不動産開発などさまざまな業種にわたり幅広くビジネスを展開し、今年で「中国の長者番付」で15年連続トップの座を維持している。

 これについて、李氏は「わたしは他の企業にも関心を向け、それらの年報を読み込むなど数字はほとんど記憶してきた。また、現時点の儲けばかりでなく、さまざまなニュースやデータを分析して、1年後、2年後など近い将来の経済情勢を思い浮かべるようにしてきた。だから、2008年のリーマン・ショックなどの経済危機も予測できたのだ」と述懐する。

 この鋭い分析力の基本が毎日の習慣だ。李氏は毎朝6時前に起床し、テレビニュースを見る。朝食後、1時間半ゴルフをする。これで、身も心をすっきりして、香港中心部にあるオフィスに入る。

 オフィスのデスクには毎朝、ウォールストリート・ジャーナルやフィナンシャルタイムズ、エコノミストなど英語の経済紙誌が置かれており、李氏は関心のある記事をチェックすると、会社のスタッフがすぐに中国語に翻訳し、李氏の元に届けられる。

 ビジネスばかりでなく、教養を身につけるため、毎日寝る前に一定の時間、国際情勢や外交、政治、社会問題などの専門書を読むことにしているほか、夕食後は毎日、20分間程度、英語のニュース番組をみているという。

 李氏の人生で最もドラマチックなことといえば、長男のビクター・リー氏の誘拐だ。リー氏は1996年のある朝、自動車で通勤途中に、マフィアのボス、張子強らの一団に誘拐される。張は電話で李氏に「20億香港ドル(約300億円)」の身代金を要求する。

 李氏は張に「私の手元には現金で10億香港ドルちょっとがある。これは、すぐに渡すことができる。だが、絶対に20億香港ドルが必要というのならば、銀行に連絡しなければならないので、時間がかかる。君はどちらを選ぶかね」と尋ねたという。

 張は「あなたは、なぜそのように冷静なのか」と質問すると、李氏は「私ほどの有名人が長男のビクターの身辺警護についてもっと真剣に考えなかったことが私の誤りだった。私の過失だから、いくらでも金は出さなければならない」と答えたという。

 李氏はゴルフに行くとみせかけて、午前5時に自身で現金の受け渡し場所に出かけ、張に現金を渡したが、その際、「あなたはこの金を子分らに分けて、好きなように使うだろうが、それは君のためにならない。しっかりと将来のために使うように考えるべきだ」と説いた。これを一笑に付していた張だが、その後も李氏に電話をかけて、「どのように使えば良いのか」と質問。李氏は「保険への投資がよいのでは」と答えたという。

 結局、張はバンコクに高飛びしたが、行方を追っていた中国当局に逮捕され、死刑に処せられた。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140103/frn1401031658002-n1.htm

◆李嘉誠氏、長江実業を2社に再編、中国投資を整理、欧州インフラ投資を拡大

2015年09月07日  THINKING LIVE 

*李嘉誠氏は90年代?に英国でsirの称号を授与されている、その面でも、英国は李氏にとって、権力闘争最中の、中国よりもリスクは小さい国である?もっとも、英労働党は急進左派が急上昇、鉄道を再び国営化しよう、と言い始めている、

WSJ、【香港】李嘉誠氏(87)は、対中国で、パニックボタンを押さねばならない理由はない。この数年、中国への依存度を減らす動きをひそかに加速させてきたからだ。というよりも一国依存を最大にしない、と言う鉄則がある、

 李氏は11年以降、中国における不動産ポートフォリオを圧縮している。また中国の国際貿易・金融の窓口である香港にある港湾・小売業の持ち株を売却した。

 代わりに李氏は、自ら保有する2つの主要コングロマリットである和記黄埔(ハチソン・ワンポア)と 長江実業の一部事業を欧州にシフトさせ、過去18カ月間で200億ドル(約2兆4000億円)以上を各種の企業買収に投入した。例えば英国第2位の携帯電話会社、オランダの薬局チェーン、そして英国の鉄道車両メーカーの買収だ。また自ら保有するイタリアの通信会社をより大手のライバル会社と合併させた。これらの取引案件の価値は、これに先立つ過去10年間で李氏が手掛けた欧州買収案件の総額を上回った。

 これらの一連の買収以前でさえ、12年のハチソンの営業利益に占める欧州の比率は大中華圏のそれをわずかに上回っていた。昨年、欧州は全体の利益の42%で、大中華圏(香港含む中国)は30%に縮小した。

 

 李氏の事業に近い3人の関係者は、中国よりも欧州でもっと稼げるとの李氏の考え方も一因だと述べた。会社関係者は、欧州における投資機会の規模とスケールは、李氏が資金を注ぎ込む分野がほとんど残されていない香港のそれを凌駕していると述べた。

 今や中国の経済鈍化、株価急落、そして人民元の突然の切り下げをめぐる懸念で世界市場が揺らいでいる中で、李氏の動きは先見の明があったと言えるようだ。しかし会社内部関係者や、李氏の動きを研究している学者は、李氏はまたユーロ安にも動機付けられて買収を活発化している面もあると述べている。ユーロ安を受けて、安定したリターンを提供する欧州の資産が中国の資産と比較して割安になっているためだ。

 香港の中文大学のウッディ・ウー教授(会計学)は「李氏が真に傑出しているのは、彼の売りのタイミングだ」と述べ、「彼は価格が正しい限りにおいて、売りを出す。彼はファイナンスの面では天才だ」と語った。

 李氏は、米誌フォーブスによって9月5日時点で248億ドルの資産を持つとされており、一大企業帝国を築いている。それは大きく分けて4つに分かれる。不動産、電気通信、港湾・インフラ、そして小売・エネルギーだ。今年、李氏は2つの旗艦会社をCKハチソン・ホールディングスに統合し、その不動産事業をスピンオフ(分離)して別会社チョンコン・プロパティー・ホールディングスを設立した。これらの会社の合計市場価値は約770億ドルだ。

両社の株価はいずれも、香港の指標であるハンセン指数をアウトパフォームしている。同指数は6月12日以降24%近く下落した。CKハチソンはこの期間中に10%下落し、不動産部門のチョンコン・プロパティーは21%下落した。つまり李氏は中国の成長鈍化に対して決して無傷ではなかった。

*記事は一部削除や加筆があります、

http://blog.goo.ne.jp/thinklive/e/57cb5dc2342ac41fa3c35d225543bf99

◆アジア最高の経営者が、中国から逃げ出すワケ
「超人」李嘉誠が試みる「脱亜入欧」

2013年10月31日 野嶋 剛 :ジャーナリスト 東洋経済 

アジアトップの大富豪である李嘉誠。彼の「脱亜入欧」の動きが物議を醸している(写真:ロイター/アフロ)

資産を拡大し続けるスーパーマン企業家

アジアで最も成功した企業家とされる香港の李嘉誠が率いる長江・和記黄埔グループが、中国・香港の資産を次々と売却し、欧州に移転させる「脱亜入欧」を進めている――そんな観測が、ここ数カ月、関心を集め続けている。

現在、80歳を超える李嘉誠は、香港では「李超人(スーパーマン・李)」と呼ばれている。常人離れした洞察力で、アジア経済危機、中国SARS問題、リーマンショックなどの危機でも巧みに資産を守っただけでなく、逆のその危機を生かして李一族の企業グループを雪だるまのように大きくしてきた。

通常、代表的な企業家としてもてはやされる期間は長くて10年だ。企業には栄枯盛衰があり、どうしても全勝ではいられない。

しかし、李嘉誠は半世紀近く、つねに香港の企業家のトップに君臨し続けている。そのすごさに敬意を込め、香港人は「超人」と呼んでいるのである。

そんな李嘉誠の「脱亜入欧」の動きに、皆が注目している。誰も無視できない。「中国や香港から逃げ出す気はない」「あくまでもビジネス上の決定にすぎない」と対外的にコメントしているが、その言葉を額面どおり受け取る人は少ない。いったい「超人」は何を狙っているのか、投資家や経営者たちを疑心暗鬼にさせている。

李嘉誠は総資産310億米ドル、世界トップ10人にランクされる資産家で、アジア人としては最も成功したビジネスマンとして世界に認知されている。その人生そのものが、華人の成功物語の一代記だと言える。

李嘉誠は潮州人だ。潮州人は日本では知名度は高くないが、東南アジアでは福建人、広東人に並ぶ一代勢力で、独自の金融・物流ネットワークを張り巡らしていることで知られる。李嘉誠は広東省と福建省の境界にある潮州で1928年に生まれ、日中戦争のさなかに家族とともに香港に逃げた。

家は非常に貧しく、高校も卒業できずに働くことになった。戦後の香港で造花を売って稼いだ資金で、不動産会社「長江実業」を設立。現在に至るまで長江実業の社名は李嘉誠の成功の象徴となっている。

小平、江沢民の信頼を獲得

李嘉誠のビジネスの特徴は「逆張り」の一言に尽きる。

1967年の香港暴動で暴落した香港の土地を買いあさって、その巨大ビジネスの基礎を築いた。1989年の天安門事件では、皆が中国から逃げ出すところを逆に中国進出を加速させて、小平、江沢民の信頼を獲得し、中国の発電インフラなどの大型案件を次々と引き当てた。

なにしろ、長江実業など傘下のグループ企業は、香港の株式時価総額の3分の1をコントロールしている。李嘉誠の名前をもじって香港を「李家城」と呼ぶぐらいだから、その行動の影響力は香港経済、そして、中国経済をも直撃するインパクトを持ちうる。

香港では、英国統治時代から中国返還後の現在に至るまで、真の意味で香港人の政治権力が存在したことはない。徹頭徹尾の経済都市であり、香港経済のトップ、すなわち香港のトップはいつも李嘉誠であった。

そんな李嘉誠氏のグループは、この数カ月で、香港のビジネスセンター、電力企業、香港のスーパーマーケットチェーン「百佳超級市場」、上海の東方匯 經センター、広州ショッピングセンターなどを売却するか、売却する方針を明らかにした。その総価格は400億香港ドルを超える見通しだ。

一方、今、李嘉誠がチャンスととらえているのが金融危機後のヨーロッパ市場だ。英国など各国のエネルギー関連への投資を急速に増やしており、この3年間での欧州への投資額は、李ファミリーが営む事業の3分の1に達するとも言われている。

問題は、普段から「愛香港」「愛中国」を口癖のように語ってきた李嘉誠が、今の時点で中国と香港に「売り」を仕掛ける理由が、どこにあるのかである。 中国では、人件費が10年で数倍にも上がり、製造業には以前のようなうまみがなくなってきている。薄地価や株価も一部では頭打ちになってきているし、シャドーバンキングの問題など、金融システムの不安もささやかれて久しい。

思わしくない政治状況

李嘉誠が最も懸念していると言われているのが、中国での政治リスクの問題だ。共産党一党統治による法制度の恣意的運用の問題は相変わらず深刻で、自己本位的な理由で中央や地方の政府の政策変更も頻繁に行われる。こうした「人治」の問題が、企業にとって政治リスクであることは間違いない。

李嘉誠はもともと江沢民をバックにつけてきたので、政治リスクという点でも十分に安全圏にいることができた。しかし、江沢民もすでに高齢に達して健康不安がささやかれるうえ、習近平指導部が発足したことで、相対的に江沢民系の力が弱まったとされる。李嘉誠が将来に不安感を抱いても不思議ではない。

盤石に見える李一族のビジネスだが、それは基本的に法治が保証された世界でのことであって、中国共産党式の人治社会では、ビジネスマンの繁栄など一瞬にして無に帰する。

一方、香港でも、李嘉誠にとっては思わしくない政治状況が生まれている。2012年の香港特別政府のトップを決める長官選挙で、李嘉誠など香港財界が推したヘンリー・タン(唐英年)氏が、当初、本命と見られていたにもかかわらず、親中色の濃いC・Y・リョン(梁振英)氏に予想外の敗北を喫した。その背後に、中国政府の意向が働いたと見る向きは少なくない。

いつでも逃げられる態勢づくり

香港返還からすでに20年近くが経過した。「港人治港」や「一国家二制度」は、十分に定着したとは言いがたく、むしろ中国との関係においては矛盾点のほうが目立つようになっている。

もともとリベラルな思想の持ち主が多い香港財界が政治的リアリズムに基づいて、中国政府と適度な距離を保ちながらうまく付き合ってきたのが、 1997年の香港返還後の香港財界のあり方だった。しかし現在の香港では、共産党の意向で物事が一気に変わりかねないとみる向きもある。

その反動もあって、最近の香港では市民の間に反中国感情が強まり、中国との一体化を批判するデモが多発している。また、李ファミリーの香港支配を批判するデモやメディアの記事も増えている。

筆者は李嘉誠の行動が、共産党による一党支配の下で資本主義経済を維持している中国・香港の政治・経済システムの「不確実性」に対するリスク分散である可能性が高いとみている。同時に、中国・香港の成長局面は近いうちに限界に達するという予測もあるだろう。李嘉誠が中国や香港を完全に捨て去るとは考えられないが、両足とも中国にはまり込んでいたところから、片足を抜いて、いつでも逃げられる態勢に変えようとしているとは言えそうだ。

「超人」李嘉誠の行動は、ほかの企業家や市民に対する心理的影響は大きい。北京はしばらく李嘉誠の動向に頭を悩ませそうである。

http://toyokeizai.net/articles/-/23002?display=b 

事の本質が見えない(見ようとしない)日本のジャーナリスト達

2015-10-23 00:06:39 | 資料

原発、不毛な活断層議論の代償 電気料金の高止まりを国民に強いる政府の無策

2015.10.21 Business Journal
文=町田徹/経済ジャーナリスト

 東通防潮堤

まるで城壁のようだ――。
 先週、本州最北端の下北半島にある東北電力の東通原発を3年半ぶりに取材して、筆者はこう感じずにいられなかった。東通は、東日本大震災に遇いながら、深刻な事故を起こした福島第一原発と違って、無傷で地震と津波を乗り越えた原発だ。あの震災を上回るような津波が押し寄せても重要な設備が水没しないよう、新たに高さ3m、周囲の長さ2kmに及ぶ防潮堤が原発を取り囲むように建設され、外観が一変した。この防潮堤は、幾重にも安全対策を張り巡らせた東通原発を象徴する構造物といえる。
 しかし、安全対策に万全を期す企業努力は報われるのだろうか。東通原発の再稼働は遅れる一方だ。震災後に降って沸いた活断層議論に振り回されているからである。
 確かに、震災直後と違い、東通原発の運転停止が直ちに東北地方の電力供給不足を引き起こす懸念はほとんどなくなった。東北電力が非常用電源の確保、買電、火力発電所の復旧・刷新などの手を打ってきたからだ。しかし、原発の運転停止が、この地方の利用者に高負担を、供給事業者の東北電力に高コストを、そして地元の経済に需要不足を強いている現実はなんら変わらない。
 不毛な活断層議論を続ける政府の姿勢は、政権が交代しても肝心なことを決められない政治の無責任さの象徴としかいいようがない。

村の雇用の4分の1が原発関連

 戊辰戦争で新政府に敗れ、福島県の会津地方からこの地に移封された斗南藩が餓死者を出したことでも知られるように、下北半島は気候の厳しい地方だ。年間の平均気温は10℃に満たず、稲作などの農業がほとんど根付かない。古くから産業といえば漁業で、集落も点在する程度だった。
 今回の取材では、羽田空港からの航空便がある三沢空港で前泊。10月13日の朝早く東通原発に着いた時は快晴で、ヤマセに吹かれた3年半前とは違うと内心喜んだ。ところが、事務棟で挨拶を済ませ、原発敷地内の取材を始めた途端、にわかに辺りが暗くなり、まだ10月と思えない冷たい雨に降られた。
 そんな土地柄だから、地元経済は厳しい。内閣府の統計で、青森県の1人当たり県民所得(2012年)は242万2000円と、全国平均(297万2000円)を下回っている。
 村は、1889年(明治22年)に村として発足したものの、財政は困窮し、役場の庁舎を隣接する田名部町(現むつ市)に置くような状況だった。現在の立派な庁舎に移転したのは、発足から100年を経た88年(昭和63年)のことである。今年8月末の村の人口は6910人。東通原発では、東北電力の社員が270人(今年7月末)、協力会社の従業員が583人(同)、合計で815人(同)が働いているというから、村の雇用の4分の1程度を占めている計算だ。

 それでも、原発の運転期間中やその前後の定期点検時に比べて、発電所の従業員は少なめだ。宿泊客や飲食客が減り、地元の政治家や商工業主から「早く運転を再開してほしいとの要望が絶えない」と、東北電力執行役員で東通原子力発電所長の金澤定男氏は話す。
 敷地内の取材で最も印象的だったのは、前述の防潮堤だ。中世の城郭のように、原発を取り囲んで建設され、巨大津波への万全の備えができたようだった。この防潮堤は、東北電力が自主的な安全対策強化の一環として建設方針を打ち出したものだ。前回(12年5月)の取材の際に、当時の津幡俊所長が「雪解けが待ち遠しかった。ようやく着工できた」と話しており、13年5月に完成したと聞いていたので、確認したいと考えたのである。
 土にセメントを加えた壁面には雑草がびっしりと生い茂り、すでに完成から2年以上が経っていることを物語っていた。また、津波の内部への侵入に備えて設置された排水用のフラップゲート(開閉扉)も目を引いた。

 だが、この防潮堤は、あくまでも万が一の事態に備えたものだ。というのは、東通原発の主要設備は海抜13mの高台に設置されているからだ。東日本大震災の際に押し寄せた津波も、この辺りでは高さ2.6m以下。地震の揺れにも津波にも、当時定期点検中だった東通原発はなんら被害を受けていない。そもそも原子力史上に残る大事故を引き起こした福島第一や、全電源喪失に至った福島第二、東海第二と、周辺住民の避難所となった女川やまったく無傷の東通では被害の程度に大きな差があった。
 それでも、東北電力は慢心は禁物と、防潮堤や緊急用電源の確保、原子炉建屋などの扉の水密扉(水を通さない扉)への付け替えなどを自主的に打ち出した。その後、政府の緊急対策の指導に従って講じたものを合わせると、その対策は30以上の項目にわたる。
 さらに、新規制基準に適合するため、原子力規制庁のお墨付きを得られる基準地震動を決め、その性能を満たす免震重要棟を新たに建設するという。

神学論争

 今回の取材では、原子炉の中に入るだけでなく、燃料棒を差し込む受け皿の下部に入り込んで、さまざまなセンサーが取り付けられている様子を見ることもできた。構造の違う加圧水(PWR)型の原子炉の内部を取材した経験はあるが、報道関係者が東通原発のような沸騰水(BWR)型原発の原子炉内へ立ち入るのは異例のことだろう。

 広大な東通原発の敷地内では、南南東の地域を中心に、あちこちで穴があいていた。これは、東日本大震災から1年半後の12年秋、それまで一部の学者が主張していた東通原発の敷地内の断層が「活断層」であるとの疑いを払しょくするために、調査を始めたことでできたものだ。

 同地は原発立地に決まる以前の74年から96年にかけて、369カ所のボーリングと58カ所のトレンチを行い、国の安全審査にパスしていた。だが、原子力規制委員会の専門家調査団が活断層の疑いが強いとしたことから、新規制基準の適合審査が長引くと予想されている。

 これに対して、東北電力は震災前年の10年からこれまでの間に、109カ所のボーリングと12カ所のトレンチを追加し、反論してきたため、穴だらけになってしまったのだ。

 だが、この活断層議論は、重要な原子力設備の真下に活断層が存在する可能性が指摘されながら、旧原子力安全・保安院の要求を拒んで十分な調査・反論をしてこなかった敦賀原発の活断層議論と違って、あまりに唐突だった。しかも、地震学は他の多くの自然科学の学問と違い、実証実験ができるものではない。勢い、神学論争にならざるを得ないのだ。

 東通原発の敷地内の断層は、国も歴史的に活断層でないとの立場を採ってきたもので、敦賀原発と違い、重要な施設の下を通っているわけでもない。また、「福島第一とは原子炉の形が違うPWRは安全なので、再稼働を優先すべきだ」という根拠薄弱な議論が罷り通っているのが実情だ。

 東通原発は、東日本大震災を無事に乗り切り、早期に再稼働できた。それにもかかわらず、供給不足を補うために早期再稼働が切望されながら、運転を再開ができなかった。それどころか、活断層という名の神学論争に無為に時間を費やし、今なお、再稼働に向けた新規制基準の適合性審査で後回しにされる憂き目を見ている。

 繰り返すが、こうした政府の姿勢は、電気料金や供給コストの高止まりを招き、国民や事業者を圧迫するだけでなく、地元経済の成長を阻害するものである。そろそろ無責任な姿勢を改める時期に、政府は直面しているのではないだろうか。
(文=町田徹/経済ジャーナリスト)

http://biz-journal.jp/2015/10/post_12025.html

ジャーナリストは政治の仕組みも知らずにふたこと目には政府の無策と言うが、三条委員会の規制委員会は内閣総理大臣の指揮命令が及ばない組織で民主党政権の管直人政権で設置された。
菅直人は反原発を推進する左翼にとって実にいい仕組みを残したと言える。
だから三条委員会の規制委員会なんてろくなことにならなかったんだ。
そこに左翼のメンバーを送り込む。内閣から独立した組織とすることで、政権交代が起こっても自分たちの日本破壊のための政策を継続して実施することができるからだ。
もしこれで人権委員会が出来ていれば、在日や左翼の悪口や批判などすれば、幾らでも逮捕されることになっていた。
お前らは法の支配の確立とかよく言うけど、日本は韓国みたいな独裁国家じゃないんだぞ。
三条委員会の怖さが良く分っただろう。

◆日本がじれったい米国~南シナ海の中国人工島がどれだけ日本を脅かすか分かっているのか?

2015.10.22   北村 淳  JB PRESS

軍用機から撮影した南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島)のミスチーフ礁(2015年3月11日撮影、資料写真)。(c)AFP/RITCHIE B. TONGO〔AFPBB News〕

 南沙諸島(スプラトリー諸島)に中国が建設している人工島をめぐって、アメリカと中国の間で応酬が激しくなっている。ところが、日本では南沙諸島や南シナ海の問題はさしたる関心が持たれていないようである。

 南沙諸島問題の渦中にあるアメリカ海軍関係者の中には、「国際社会に向かって積極的平和主義を標榜し、国内でも新安保法制を成立させた安倍政権は、国際平和秩序を揺るがしつつある南シナ海問題に積極的に関与してくるものと思っていた。だが、その動きが見られない。相変わらず南沙諸島紛争は“対岸の火事”と考えているのであろうか?」と疑問の声を上げる者もいる。

激しさを増す米中間の応酬

 アメリカでは、中国の人工島建設に関して、太平洋軍の主導のもとに国防当局が強硬スタンスに舵を切り始め、オバマ政権としても口先だけの強硬姿勢では済まなくなってきている。

 もちろんアメリカ海軍が強硬姿勢を取り始めたといっても、南シナ海に空母打撃群を派遣して威嚇しようというわけではなく、中国人工島の12カイリ内水域や上空に軍艦や航空機を派遣しようというだけである。

 アメリカ海軍は、このような作戦の公式の目的として「中国が国際海洋法的に認められている自由航行の原則を尊重しているのか?」を確認することを挙げている。「中国人工島が中国の領土であることをアメリカは認めない」という姿勢を示すためではない。

 しかしながら現実には、中国の人工島建設、そして人工島への軍事施設の設置に対するアメリカ海軍による警告という意味合いの作戦であることは見え見えである。そのため、ことここに至ってもオバマ政権内には躊躇する雰囲気も少なくない。

 また、連邦議会などの対中強硬派やメディアなどは、アメリカ海軍の強硬姿勢を中国人工島の領有権問題と結びつけてしまっているため、中国当局はそのようなアメリカでの論調を逆手に取って、米海軍の12カイリ内接近パトロールは中国の主権に対する軍事的威嚇であると騒ぎ立てて、オバマ政権に対して警告を発している。

 いずれにしても、アメリカ軍、アメリカ政府、中国当局のあいだで、南沙諸島をめぐる三つ巴の駆け引きは激しさを増している。そして、フィリピンをはじめとする南シナ海沿岸諸国や、人工島軍事基地によって脅威を受けかねないオーストラリアなどでは、この問題について高い関心が持たれている。

遮断される南シナ海のシーレーン

 ところが、南沙諸島や南シナ海での中国の動きにきわめて密接な影響を受けることになる日本政府からは、何ら真剣な反応が聞こえてこない。

 そのため、アメリカ海軍やシンクタンクの戦略家たちから、「積極的平和主義を喧伝し、平和安保法制を誕生させても、日本の防衛姿勢は何ら変わる兆候を見せないではないか」との声が聞こえてきている。

 南沙諸島の中国人工島には、3000メートル級滑走路を有する3カ所の航空基地をはじめとする海洋基地群が設置されている。それらが稼働し出すと、日本と中国が決定的な対立状態に陥った場合、南シナ海のシーレーンとフィリピン海を迂回するシーレーンが共に人民解放軍によって遮断されてしまう(この問題は本コラムでも繰り返し指摘している)。

 これらのシーレーンはアメリカ海軍にとっても重要なルートである。アメリカ海軍関係者の多くは、「人工島の3カ所の航空基地は、ある意味では空母10隻分に相当する。それだけではない。人工島に強力なセンサー類が設置されるのは言うまでもなく、地対艦ミサイルや地対空ミサイルも持ち込まれるであろう。我々にとってはまことに厄介な軍事拠点が誕生しつつあり、早急に対抗策を打ち出さなければならない」と危機感を強めている。

 そして彼らは「日本政府は、南シナ海のシーレーン確保について、なぜ深刻に受け止めていないのだろうか?」と不思議に思っているようだ。

 同時に、「南シナ海に限らず世界中の日本のシーレーンは我々(アメリカ海軍)が守ってきている。しかし、いつまでもこれまでの状況が続く保障はない」と同盟国日本のシーレーン防衛意識を危惧している。

国際海洋法秩序に挑戦する「海洋国土」という概念

 シーレーン問題以上に、今後アメリカ側から疑義が呈されると思われるのが、大戦略レベルでの安倍政権の消極的な姿勢である。

 南沙諸島での7つの人工島建設、そしてそれら人工島への軍事施設の設置によって、中国政府による「海洋国土」の主張が具体的施策として表れてきた。しかし、安倍政権はなんの反論も行おうとしない。

 中国共産党政府によると、中国大陸に接している東シナ海と南シナ海の多くの部分は中国の海洋国土であるとされている。そして「東シナ海や南シナ海への海洋権益拡張ではなく、もともと中国の領域である海洋国土における主権的権益を守っているのだ」というスタンスになっている。

 この海洋国土という主張を具体的に示しているのが南シナ海の「九段線」である。具体的に示しているといっても、大雑把な短い9本の点線によって海洋国土の限界を定義しているため、かなり曖昧なボーダーラインとみなさざるをえない。

中国「海洋国土」を示す九段線

 地理的な曖昧さ以上に曖昧なのが海洋国土の意味合いである。中国の主張からは海洋国土と、国際海洋法で言う領海、接続水域、排他的経済水域がどのような関係になるのかは明確ではない(もともと曖昧な概念だから当然なのであろうが)。

 しかし、海洋国土の概念の出発点である九段線」の概念はすでに1930年代(共産党はまだ国家を樹立しておらず中国国民党政府であったが)に誕生しており、「国連海洋法条約などよりはるか以前から存在していたもので、中国の既得権である」ということになるであろう。

 そもそも、アメリカが振りかざしている国際海洋法秩序に対しても、中国共産党政府によれば「暴力によって世界を支配した欧米の都合によってつくり出されたものであり、そのような欧米の横暴にいつまでも付き従わねばならなう道理はない」ということになる。

 したがって、中国政府は「中国に歴史的に存在する中国固有の権利である海洋国土と抵触しない範囲で、国連海洋法条約は有効となる」と解釈する。そのことを我々は認識しておかねばならない。

国際法秩序に味方するのか? 中国に味方するのか?

 現在は南シナ海で「九段線」という海洋国土を主張して周辺諸国と紛争中の中国は、やがて東シナ海でも海洋国土の概念を持ち出して日本に対して攻勢をかけてくることは間違いない。

 しかしながら、海洋国土は、国際海洋法秩序とは一線を画する中国独特の立場である。日本が既存の国際社会のルールに則って中国の海洋国土獲得の動きに対処していくのであるならば、中国共産党政府と妥協する余地はない。

 つまり、中国との東シナ海での領域確定問題は外交的な手段だけによって解決することは不可能に近いと肝に銘じておかねばならない。したがって、外交の延長である軍事的手段も用いて、尖閣諸島を含めて東シナ海での日中境界線確定を決着させるという覚悟が必要である。

 このような状況であるにもかかわらず、積極的平和主義を国際社会に向かって喧伝しまくっている安倍政権が、国際海洋法秩序への真っ向切っての挑戦である海洋国土を振りかざす中国政府に対して何ら積極的な対抗措置を打ち出さないとなると、近いうちにアメリカをはじめ国際社会から「日本政府は国際海洋法秩序の味方なのか? それとも、中国の主張に妥協するつもりなのか?」といった疑念を抱かれることは必至である。

 もちろん、その選択は日本自身にあり、アメリカなどにとやかく言われる筋合いのものではない。当然のことであるが、日本が国際海洋法秩序陣営から離れるときは、同時に日米同盟は終結する。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45040

この記事を読んで思うことは、如何にジャーナリストというものが自己中かと言うことに尽きる。
何でも最終的に政府に責任を押しつければ、自己の論理が正当化されると思っているところにある。
政府の抗議や非難宣言が何度出されても、国連でいくら論戦が戦われても、日本のマスゴミが流さなければ、日本政府はなんら発言せず放置していると結論付ける。

むしろ非難すべきは、こういった現在進行中の侵略行為やチベットやウイグルで行われている民族虐殺に全く触れず、日本政府が支那の暴虐に対処する行為を、戦争になるとか徴兵制になるとか国会やデモ行為で騒ぐ野党やプロ市民活動家に対し向けられる言葉だろう。

日本は法治国家であり、支那や半島のような独裁政治国家では無い。憲法解釈にしろ憲法の改正や現代憲法の作成にしろ、国会や法律に従い進行される民主主義国家である。巷で騒ぐ独裁政権ではない。

前回の衆議院選挙では、自民党は安保法制と集団的自衛権の解釈変更を掲げて勝利している。選挙で勝ったから突然言い出した分けではない。高々2万や3万のデモ参加者が居て、「これだけの圧倒的多数が反対と言っているのに」と言ったところで有権者は数千万人以上居る。しかもデモ参加者の多くは日本人ですらない。

味噌も糞も一緒にしたような論理で語られるような簡単なものでは無いと言うことだ。なぜ野党や支那や半島に抗議の声をジャーナリストというものは声を上げない。常に、「政府は何とかしろ」「政府は無策」あげくに何か対策を採ろうとすると、「政府の横暴はゆるされない」「国民を戦場に送る気か」と全てを政府の所為にして自分たちは被害者面をする。

現状を招いているのは日本では無く、全て近隣の反日国家である。その行為の責任は、反日国家にこそ起因して日本も日本国民も被害者側である。事の本質そのものを日本政府への転嫁で済まそうとする。
つまり反日国家の行為を結果的に容認し認めていることに繋がるのではないか?常に悪いのは日本政府なのか?

◆米国は日本に戦争に加わってほしいとは思っていない~元米国防総省高官が語る「日本に期待すること」

2015.10.21  古森 義久   JB PRESS

2015年9月19日、参議院本会議場で安全保障関連法案が可決された。(資料写真)。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA〔AFPBB News〕

平和安保法制関連法は国会での長い審議の末、成立し、日本の集団的自衛権も一部を行使することが可能になった。

 だが、反対派はこの法律が日本を自国の安全保障とは関係のない米国の戦争に巻き込むことになると主張する。

 実際のところ、日米同盟の運用にはどんな影響を与えるのか? 米国政府で長年、同盟諸国との集団防衛や多国間の安全保障を担当してきた元国防総省高官に尋ねてみた。

 同高官は、日本の安全とは直接的な関係がない米国の軍事行動に、日本が意思に反して参加させられる可能性は現実にはないという。そして、今回の安保関連法が日米同盟の強化に大きく役立つと明言した。

 元米国防総省高官ブルース・ワインロッド氏はレーガン政権でNATO政策担当の国防次官補代理前を務め、前ブッシュ政権では国防総省北大西洋条約機構(NATO)駐在首席代表を務めた。その間、多国間同盟のNATOの機能、特に集団的自衛権の発動に関する戦略を扱った。同氏は民間の「ジャパン・ソサエティー」の特別研究員として半年ほど日本に滞在し、日米同盟について研究したこともある。

以下はワインロッド氏との一問一答である。

米国は超党派で歓迎している

――日本の平和安保法制関連法案が国会で可決され、実際の法律となったことを、米国の立場からどう見ますか。

ブルース・ワインロッド氏(以下、敬称略) この法律は、米国と共同防衛することに関する日本のより大きな責任と意欲を示しており、米国では超党派で歓迎されています。

 ブルース・ワインロッド氏

 米国は本来、日本が武力攻撃された際に日本の防衛努力を支援することを誓約しています。今回の新法の大きな目的は日本が防衛で米国との協力を広げるわけですから、米国側の『日本防衛への堅固な誓約』を強める効果を持つでしょう。さらに国際安全保障への寄与という意味もあります。

――この法律が国際安全保障に寄与するということですか。

ワインロッド はい。近年、東アジアの地域的安全保障への脅威が深刻となっています。最も直接的なチャレンジは中国から発せられています。中国は南シナ海、東シナ海の広大な海域を制圧する権利を主張し、軍事費を大幅に増やして軍事能力を強化しています。

 北朝鮮の脅威も重大です。多数の弾道ミサイル、そして核兵器も事実上すでに保有しています。新法の有無にかかわらず、北朝鮮は日本にとって現実の脅威であるわけです。

 新法は日本にとって、この種の脅威に対処するうえで立場を同じくするアジア、太平洋の他の民主主義国家、例えばインドやオーストラリア、さらには韓国、フィリピンなどとの地域的な安保協力を可能にするでしょう。

 有志連合での地域的な安保協力ができる。多国間的な地域安全保障協力への参加も可能になる。もちろん日本自身がそういう選択肢を選べば、ということですが。

 歴史的に見ても、拡張主義をとったり、あるいは好戦的な国家というのは、利害がぶつかる相手が弱いとき、あるいは孤立しているときに軍事行動をとりがちです。日本が他の民主主義諸国と安保協力を強めれば、潜在敵国の軍事行動をそれだけ抑止することになります。

集団的自衛権の行使容認は自国の防衛にも役立つ

――今回の安保法制関連法は、日本の集団的自衛権の行使を容認することで、国連や多国籍の平和維持活動への参加も容易にするはずです。しかし、日本国内の議論ではあまり話題になりませんでした。

ワインロッド 日本は1990年代前半の第1次湾岸戦争の際、多国籍軍を支援して機雷除去の掃海活動を行いました。アフガニスタンでテロ勢力と戦う多国籍軍の艦艇に対しては、インド洋で給油支援をしました。さらにアフリカ沖では、米国、インド、オーストラリアなどとともに海賊を防ぐ活動にも加わりました。

 日本はすでに長年にわたり、カンボジア、イラク、ハイチ、南スーダン、ゴラン高原などでも国際平和維持活動に参加しています。

 その際は集団的自衛権の行使禁止のために現地で他国軍と協力することが難しかったのですが、今後はその種の国際的協力が円滑に行えるようになるでしょう。この点は日本側でも認識しておくべきです。

――集団的自衛権の行使容認は、日本の自国防衛のために具体的にどう役立つのでしょうか。

ワインロッド まず、米国との共同ミサイル防衛を大幅に強化することができるでしょう。米国以外の民主主義国家と安保協力を深めることも日本の安全に寄与します。民主主義国家同士があまり戦争をしないことは歴史的に証明されています。

 現在、アジア・太平洋地域では、日本を含む民主主義諸国への軍事的脅威が高まっています。その状況のなかで、今こそ日本が安保面での国際的な貢献を増やす時期であり、その貢献が日本自体の防衛にもつながります。

日本は米国の戦争に巻き込まれるのか?

――日本国内では、今回の法律で日本の防衛政策ががらりと変わり、対外的にも打って出るようになると予測する向きもありますが。

ワインロッド 今回の法律が施行されても、日本の従来の安保政策が過激に変わることを示す要素は見出すことができません。新法によって拡大できる防衛努力も、基本的には専守防衛の範囲でしょう。

 集団的自衛権というのは国連憲章の第51条で明確に認められた、どの国も保持して行使のできる権利です。日本は成熟した民主主義国家として、その権利を慎重に自国の防衛のために使うということであって、他の国への軍事侵略を始めるようになるとは考えられません。

――それでも日本国内には、安保法制法の成立によって「日本が自国の安全に関係のない米国の戦争に巻き込まれる」という主張が一部に根強く存在します。その種の主張をどう考えますか。

ワインロッド 米国の軍事行動は全世界的です。軍事行動の対象地域を主眼に、米軍主体の態勢を組むため、その地域に直接関わりのない国の軍事支援を求める必要はありません。例えばバルカン半島での紛争で日本に軍事支援を要請する理由はないのです。

 もし米国が日本に軍事的支援を要請しても、今回の日本の新法では、日本の安全保障利害を左右する、あるいは日本自体の存立に関わる事例でなければ、日本は何もできないことが規定されています。

 日本は日本独自の判断で米国からの要請を拒むことができるはずです。実際に米国のその種の要請を同盟国が断ることは頻繁にあります。

米国が日本に期待すること

――米国が、日本に直接関わりのない紛争や戦争に日本の支援を求める可能性はあるのでしょうか。

ワインロッド 米国には、遠隔地の紛争で日本に米軍への支援をしてほしいというような期待はまったくありません。

 ただしこれまで、日本の防衛に直接的に寄与する米国側の安保努力、防衛努力に対しては、日本の領土や領海を少し離れた範囲までは日本に支援してほしいという期待はずっとありました。しかし、日本の国家安全保障が影響を受ける状況下でも、日本は集団的自衛権の禁止を理由に米国の防衛努力に協力をしませんでした。

 その状態がこのまま続けば、米国の国民や議会から、米国がなぜ日本防衛のためにこれほどの軍事関連資産を投入し続けるのか、米国の青年男女がなぜ日本のために生命を犠牲にする危険を冒すのか、という疑問が必ずや投げつけられることになったでしょう。

――日本が集団的自衛権の行使をいつまでも禁止していると、米国からの日米同盟への支援を減らしてしまう危険がある、ということでしょうか。

ワインロッド そのとおりです。もし日本がいつまでも集団的自衛権の行使容認を拒むならば、日米同盟の基盤はやがて確実に深刻な浸食の危機に瀕することになったでしょう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45039

日本駐留の第七艦隊が他国に出動するには、日本の許可と集団的自衛権行使の燃料や物資の供給が必要になる。南シナ海出動が遅れたのは国会で野党が時間を遅らせ停滞したことと無縁ではない。

◆【日本の解き方】再増税阻止チャンスは一度! 針の穴に糸を通すような困難

2015.09.11 zakzak

 国内外の経済環境に不透明感が増しているが、2017年4月の10%への消費再増税はどのようにすれば止められるのだろうか。

 まず、現状をきちんと理解しておくと、民主党時代に制定された消費増税法はまだ生きている。その中で、17年4月からの消費増税は既に法定化されている。

 昨年12月の衆院選で、安倍晋三政権は今年10月から予定されていた10%への消費再増税の実施時期を17年4月に延期した。これがなければ、今頃は日本経済が奈落の底に沈む寸前にいたかと思うと、衆院を解散してまでも延期したのは正解だった。

 延期の際、景気情勢によって増税を停止できる「景気条項」を削除した。その解釈として、「景気がどうなっても消費再増税する」という話が流れたが、まったくの事実誤認である。

 これまでに本コラムでも指摘したが、そもそも消費増税法の付則であった景気条項は、消費増税を止めるためにはまったく役立たないものだった。

 政権運営に不慣れな民主党議員に対して、「景気条項があれば、増税を止められる」との説明も一部にあったようだが、それは事実ではない。景気条項を使っても、新たに法案を出す必要があり、それが政治的に困難だからだ。

 昨年12月の衆院選がなければ、消費再増税は延期できなかったというのが事実だ。あの段階で、もし安倍首相が「増税を止めるための法案を作ろう」と言ったら、政局になって首相の座から引きずり下ろされただろう。そうした政局の動きを封じるために、衆院議員は全員クビというのが解散・総選挙であった。景気条項の有無は、消費再増税をスキップするための政治的な意味はまったくない。

 重要なのは、国政選挙で、どのような公約を掲げて、選挙に勝つかという点だ。昨年の衆院選では、消費増税スキップを公約として自民党が勝ったので、それが実現された。17年4月からの消費再増税を止めるには、遅くとも16年9月までに、意思を固めて国民の審判を受ける必要がある。その審判とは16年7月の参院選である。

 ただし、通常のように悠長に公約作りをしながらであると、財務省がつぶすだろう。それを封じるには、その時、衆院を解散してダブル選挙にした方が、成功する確率は高くなる。そこが唯一のチャンスである。

 一方、消費税が争点にならなければ、今の法律通りに17年4月から消費再増税になる。もし、その時の経済状況からみて延期がふさわしく、選挙の争点にして勝利すれば、消費再増税は延期される。逆にいえば、この一点しか延期される可能性はないだろう。この意味で、消費再増税を止めるのは、針の穴に糸を通すようなものだ。

 このタイミング以外で政治的に仕掛けても、政治巧者の財務省が各方面へ根回しすることで、もくろみは不発となるだろう。財務省はマスコミ、財界、学会、海外などへ大きな影響力もあるので、侮ってはいけない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150911/dms1509110830009-n1.htm

◆財務省発表の1053兆円の政府債務の中身

まず政府短期証券117兆円を国の借金に加えているが、これは為替介入をいつでもできるようにする準備金に過ぎません。

日本は為替介入をしていないので使っていないのですが、法律上3ヶ月ほどで借りては返す行為を繰り返している。

借金として存在していないので、これを政府の借金に計算するのは間違いです。

財政投融資残高163兆円は特殊法人への赤字補填や予算配分に使われました。

特殊法人の中には福祉や復興事業など公的な仕事もあるが、天下りに金をばら撒くだけの機関も多い。

大半は「国の事業」ではないので、これを全額政府債務にするのも間違いです。

建設国債残高250兆円は道路建設などで使われました。

ところがこの建設国債は高速道路料金や、ガソリン、自動車税などで支払う事になっており、一般税収から支払っているわけではない。

外国では高速道路を建設して料金で返済するような借金を、政府債務に含めては居ません。

例えばアメリカは道路建設費などを、政府債務に含めていません。

利用者が高速料金やガソリン代から支払って建設するのは「政府の借金」ではないからです。

これらを引いて残った日本の「本当の政府の借金」は多く見て500兆円という所で、発表の半分しかありません。

さらにこれだけではなく、日銀が国債のうち300兆円を買い取りました。

日銀が買い取った国債は、返済も利払いもしなくて良いので実質的に消滅します。

国債の償還日から10年間経過すると、支払い請求権が消滅し、正式に無効になります。

すると日本の現在の「政府の借金」は

200兆円しかないのです。

財務省はもういい加減、オオカミ少年を演じて注目されようとするのを、辞めた方が良いです。

中国、韓国、アメリカは存在する借金を無いように見せて、借金を小さく発表しているが、

日本の財務省はありもしない借金をでっち上げて国民の足を引っ張っています。

http://blog.livedoor.jp/abechan_matome/archives/45325398.html

               目覚めよ日本!


現代最大のテロ国家は米国である。その最大の黒幕は・・・

2015-10-21 00:03:31 | 資料

衝動的なアメリカの軍事力

2015年10月12日 マスコミに載らない海外記事

Paul Craig Roberts
2015年10月8日

ワシントンの衝動的な武力行使は、アメリカと世界にとって危険だ。アメリカがシリア政府を打倒しようという取り組みで供給して、死と破壊をシリアにもたらし、何百万人もの難民をヨーロッパに解き放った勢力に対して作戦行動をしているロシア航空機を、アメリカは撃墜しなければならないと、傲慢なワシントン政治家や狂ったネオコン連中が叫んでいる。

時には見当違いになるが、通常は分別のある人物、CSISでの私の元同僚ズビグニュー・ブレジンスキーが、フィナンシャル・タイムズに、ワシントンは、ロシアに“直接アメリカの資産に影響する軍事行動をやめるよう”最後通告を送るべきだと書いた。“アメリカの資産”という言葉で、ブレジンスキーは、ワシントンがシリアでけしかけている聖戦士集団を意味している。http://www.informationclearinghouse.info/article43059.htm

ブレジンスキーの“シリアで、ロシアは、アメリカに対抗するのでなく、協力すべきだ”という主張は間違っている。実際にはロシアが情況を掌握し、国際法に従っており、正しいことをしているのだから“シリアで、アメリカは、ロシアに対抗するのでなく、協力すべきだ”。

アメリカ国防長官アシュトン・カーターは、ブレジンスキーの要求を繰り返した。ワシントンは、シリア政府を軍事力で打倒しようというワシントンの違法な企みを妨げるロシアの“悲劇的に欠陥がある”“間違った戦略”に協力する用意はできていないと彼は宣言した。http://www.theguardian.com/world/video/2015/oct/07/ash-carter-russia-us-syria-airstrikes-video

ワシントンの姿勢は、ワシントンだけが決定をするというもので、ワシントンは、更なる混乱を、何とかロシアにまで及ぼそうとして、世界にもたらそうとしているのだ。

プーチンが9月28日の国連演説で“我々は、世界の現状にはもはや我慢できない”と述べた際、尊大で傲慢なワシントンの誰一人、聞いていなかったのだろうと私は思う。

耐えがたい状況というのは、ワシントンが中東にもたらした混乱、イスラム教徒のいるあらゆる国々へと広がるおそれのある混乱、そこから何百万人もの難民がヨーロッパに殺到している混乱だ。

ワシントンは、ロシアを戦争で威嚇するだけでは満足せず、中国の埋め立てプロジェクトで作られた島の12海里の領海内にアメリカ海軍艦船を送る準備をしている。ネイヴィー・タイムズは、ペンタゴン高官三人が内々に“任務は、すぐにも承認される”と述べたと報じている。

つまりアメリカ政府は、理由もなく、挑発的に、二つの核大国を威嚇しているのだ。ワシントンの戦争挑発者連中は、埋め立ては“地域的侵略行為”であり、ワシントンは“航行の自由”を保護して、国際法を守っているだけだというふりをしようとしている。

“航行の自由”という言葉で、ワシントンは、あらゆる海上交通路を支配するワシントンの能力を意味しているのだ。
過去14年間、あらゆる国際法違反と戦争犯罪をしておいて、ワシントンは国際法を守ると主張するのは、お笑いだ。

ペンタゴンの諜報機関、アメリカ国防情報局の元長官マイケル・フリン中将が、ワシントンは“ロシアにも外交政策がある。ロシアにも国家安全保障戦略がある”ことを理解し、ロシアの“越えてはならない一線”を越えるのを止める必要があると述べた。 https://www.rt.com/news/317710-russia-red-lines-flynn/ 

フリン中将は、こうして、ワシントンにおける、二つの良識の意見と感性として、パトリック・J・ブキャナンに加わった。二人はともに、我々を破壊する傲慢とうぬぼれに立ち向かっている。http://www.informationclearinghouse.info/article43055.htm

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/10/08/impulsiveness-us-power-paul-craig-roberts/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-e8b4.html

◆オバマ政権を操る男 ~ズビグニュー・ブレジンスキー~ への警鐘
http://cybervisionz.jugem.jp/?eid=122

◆ブレジンスキーは逆張りの天才戦略家。G2から一転、中国大包囲網。

November 21 [Thu], 2013  kenchicjunreiのブログ

カーター、クリントン時代の大統領補佐官であったズビグニュー・ブレジンスキーは、オバマの外交顧問格であり、今日でもオバマ大統領に強い影響力を持っている。

というより、オバマをピックアップし外交戦略を教育し、デビッド・ロックフェラーに「いいのがいますよ」と具申もうし上げ、大統領に引き上げた。

ブレジンスキーは、米政界唯一の戦略家と言われ、どんな思想へでも平気で移動する。

カーター時代にソ連にアフガン侵攻をやらせる罠を仕掛け、ソ連を疲弊させ冷戦構造を終わらせたのは、俺だと、ベルリンの壁崩壊後に、そう言っていた。

この対ソ連のアフガン戦争のとき、ブレジンスキーは、CIA、モサドと共同しアルカイダの原型とビン・ラディンを育成した。

対ソ連のアフガン戦争でのビン・ラディンとブレジンスキー
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今年の2月のオバマ安倍初会談(2013年2月23日)を前にして、ブレジンスキーは、2月13日ニューヨーク・タイムズ紙に、

「大国、しかし覇権国でない(Giants, but Not Hegemons)」

というタイトルで次のような寄稿をしていた。 

『今日、多くの人が、米中という2大大国化は紛争に進むのを避けられないのでないかと懸念している。しかし、ポスト・覇権国時代(米国)で、世界の支配をめぐり戦争が 起こるとは信じていない。 

・危険は(米中)両国関係ではなく、アジア諸国が20世紀の欧州諸国の紛争のような状況に引き込まれることである。アジアには、韓国・北朝鮮、日中、中印、印パ等で、資源、領土、権力をめぐり潜在的発火点がある。これらの地がナショナリスチックな熱情を刺激したりしつづければ、制御が不可能な事態になりかねない。 

・アジアにおける米国の建設的、戦略的介入は既存の日本、米国の同盟だけに依存するのでなく、米中協力を制度化する必要がある。』

このようにこの時点で、 ブレジンスキーは、覇権国を退く米国の観点から、中国との関係を重視し、日中の紛争に巻き込まれる危険を警告し、さらには日米同盟を過剰に重視することへの警告を行っている。 

安倍首相は、CSISのナイ、アーミテージという日本管理班が望んでいた「集団的自衛権」を、オバマへのお土産にしようとしたが、安倍からの献上金以外は、オバマに冷たくあしらわれた。

オバマの最近までのアジア外交は、このブレジンスキーの、米中が協力し世界を主導するG2体制というものに、まったく合致するものだった。

CSISのナイ、アーミテージ組が影で動かす尖閣などの日中対立は、オバマ側が軌道修正をかけ、ナイ、アーミテージの言動を日中の紛争を煽らないものにした。

ところが、である。ブレジンスキーは80年代以降では、世界の政治で、最高度のくせものなのだ。現代最高の戦略家と言われ、どんな思想へでも平気で移動する。

彼は、白人種ユダヤ金融資本のやり方そのままを、実行する。

つまり、逆張り、なのだ。

自らが望む事態のまったく逆を、流布し、在る段階に達すると、突然逆の、望んでいた事態を引き起こす。作用反作用の原理を徹底して用いるのである。
10の結果を得るには、5を逆方向に引っ張っておき、手を離せば、10ないしそれ以上の結果を得ることができる。

これが、欧米の支配階級の、いうなれば、たったひとつの、やりかたなのである。

単純といえば、単純だ。もうそれだけ。ただ、世界のひとびとが、もっと悲惨に単純だから、それがうまくいってしまう。

ということで、米中G2はまやかしで、米露日欧による、中国大包囲網が始まった。

最近の第二次天安門事件は何だか、うさんくさかったが。今度は、スペインがチベットでの「集団殺害」容疑で江沢民元国家主席、李鵬元首相ら元政権幹部5人に逮捕状。

お仲間だった江沢民勢は、切り捨てですか。

欧米の支配階級が現在も保持する計画に、中国4分割と、東北満州あたりへのユダヤ人大移住再開というのがある。

東北満州あたりへのユダヤ人移住の始まりは不明だが、このユダヤ人と日本軍諜報機関生き残りが共同して、大戦後すぐに北朝鮮の金王朝を作った、ということになっている。

http://yaplog.jp/kenchicjunrei/archive/64

◆「悪玉」対策に本腰を入れ始めるロシア

2015年10月17日 Sputnik 日本

欧米諸国がシリアのテロ対策で見せたロシアの決然たる行動から受けたショックからいまだ回復できていないなか、ロシア軍は既に新たな戦線を開いている。

今度の相手はアジア太平洋地域の海上交易路における大敵、海賊だ。

中国で開かれた第6回象山セキュリティフォーラムでロシア国防省のアナトーリイ・アントーノフ次官は、海賊対策を共同して行う必要性を訴えた。

「ロシア海軍は海賊対策と航行の安全保障について膨大な経験を有している。ロシアは2008年以降、インド洋の海賊取り締まり作戦に参加している。この間ロシアは各国の商船700隻あまりを保護した。ロシアは外国船との協力に関する経験を豊富に有している。そうした経験をアジア太平洋諸国と分ちあう用意がロシアにはある」と次官は述べた。
加えてロシアは東アフリカのソマリア周辺海域での海賊取り締まりについても豊富な経験をもつ。ロシアはたびたび船舶やヘリコプターによって各国商船拿捕の企てを阻止した。
国防次官は語る。ロシアは海洋航行の安全保障、海賊取り締まり、遭難船救助、海上救助活動についてアジア太平洋地域諸国との協力を活発化させる考えだ。既にロシアは地域諸国の多くとそうした趣旨の条約を結んでおり、近々マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシア、ミャンマー、韓国、タイ、フィリピンとも協定を結ぶところだ。

アジア太平洋地域諸国は海賊対策に関する2国間および多国間の協力を発展させている。それも当然のこと。正義の海賊などというものは伝説や冒険小説の中にしか存在せず、現実には彼ら(海賊)のほとんどが、無慈悲で、残酷だった。少なくとも政府や商人たち、そして市井の人々は、そう見なしていた。健康や財産を脅かされるとなれば当然のことだ。ましてや、今の時代に海賊を理想化する人など誰もいない。その点、悪玉と「穏健野党」とに分類される、テロリストとは異なるわけだ。ちなみに言えば、どういう理屈でそのような分類がなされるのかは明らかだ。米国とその同盟国の市民を殺害するテロリストは悪玉、米国の敵だけを殺害するテロリストは善玉。善玉テロリストは資金や武器で支援し、訓練し、「自由の闘士」または「穏健野党」と呼ぶことになっている。

幸い海賊についてはそれら呼称は用いられていない。もっとも、将来のことはわからない。アジア太平洋地域では米国と中国の対立が深まっている。中国は海軍力を増大させている。この点米国は忠実な同盟国・日本を頼みにしている。地域において日本の海軍力にまさるパワーは米国しかない。米国はしかもそれに飽き足らず、南シナ海で中国と紛争をかかえるベトナムやフィリピンをも味方につけようとしている。しかしながら、実際のところ、おそらくは誰も、島嶼や海域の所有権を守るために海軍力を行使する用意までは持っていない。深刻極まりない戦争が起こりかねないからだ。その点、海賊を利用するというのは、悪くない考えかもしれない。一部の海賊を航海の自由の闘士と呼び、穏健野党と規定することは。しかしそうした「独立の闘士」や「穏健野党」の背後に経済的・地政学的野心をもった大国の影があることは、今やだれもが知るところだ。ジョリー・ロジャー(海賊旗)を掲げた「穏健野党」を支援でもすれば、たいへんな紛争が持ち上がりかねない。そうさせないためには、幅広い国際協力のもとで海賊を、たとえ「航海の自由の闘士」と呼ばれようともあくまでも海賊にほかならぬものとして、取り締まることが必要だ。テロリストも同じこと。たとえ「穏健野党」と呼ばれようとも、飽くまでテロリストとして取り締まることだ。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20151017/1045811.html#ixzz3osGhmpzU

◆アメリカの壊滅的代理戦争: シリアはその最新のもの

2015年10月18日  マスコミに載らない海外記事

Wayne MADSEN
2015年10月17日 | 00:00

第二次世界大戦における、枢軸国に対する連合国の決定的な軍事的勝利以来、アメリカ合州国は、交互に行う全面的軍事作戦や代理戦争を戦ってきた。朝鮮戦争は、北朝鮮と、こう着状態で終わり、そこでアメリカ合州国は、キューバ、旧ベルギー領コンゴ、チベット、ラオスやインドネシアで、傀儡国家と傭兵部隊を利用した、一連の低レベル代理戦争を行うことを決定した。

1960年代中期、アメリカ軍“顧問”と現地軍に頼って、南ベトナムで戦っている低レベル代理戦争に満足せず、東南アジアで“共産主義と戦う”ため、アメリカ合州国は、50万人以上の軍隊を投入した。決定は、アメリカのほとんど忘れ去られた軍事侵略行為の一つ、1965年のアメリカの全面的なドミニカ共和国侵略の直後に行われた。インドシナ戦争は、アメリカ合州国にとって、1975年、サイゴンのアメリカ大使館屋上から大慌てで、アメリカ軍ヘリコプターで外交・軍事要員を撤退させた光景で記憶されている大失敗だった。

ベトナムでの大失敗後、アメリカは、ソ連の拡張主義と見なすものに対し、代理戦争を戦うという構想に立ち返った。アメリカは、アフガニスタン、アンゴラとニカラグアで、ゲリラ勢力にてこ入れした。ありもしない脅威まで発明するアメリカの強迫観念の結果、アメリカ合州国は、対ベトナム代理戦争の間、共産主義者で、親中国派だったが、ハノイの不倶戴天の敵であるカンボジアの冷酷なポルポト独裁体制を支持した。アメリカによるポルポト支援は、最少150万人のカンボジア人虐殺という結果を招いた。サンディニスタが支配するニカラグアに対する、コントラ傭兵を利用したアメリカの代理戦争には、ニカラグアの港への違法な機雷敷設や、ニカラグア高官の標的暗殺が含まれていた。

CIAの様々な代理傭兵軍は、アメリカ合州国にとって、諜報の世界で“ブローバック”として知られる過程という、別の結果をもたらすこととなった。キューバ人傭兵は、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺やウォーターゲート・スキャンダルと直接つながっている。ニカラグア・コントラ傭兵は、ロナルド・レーガンが大統領の座からすんでのところで追い落とされるところだったイラン-コントラ・スキャンダルでの主な要素だった。

CIAが、アフガニスタンのイスラム主義ムジャヒディンに武器を与え、採用したことが、タリバンとアルカイダを生み出すのを促進し、裕福なサウジアラビア-イエメン建設業の大立者の、ほとんど無名の息子オサマ・ビン・ラディンを、カルロス・ザ・ジャッカル以来、世界でも偉大なテロリストに変えた。イギリスのMI-6秘密情報局の極秘ファイルに対する全責任を負い、自由に利用することができた元イギリス外務大臣ロビン・クックは、2005年に早世する前に、“アルカイダ”とは、アフガニスタンのムジャヒディン兵卒への補給を維持するために設計された、アラブ聖戦士新兵、訓練生、傭兵、財政援助者や兵器供給業者に関するCIAのコンピューター・データーベースにすぎないと書いていた。

アフガニスタンと中米での代理戦争の後、アメリカ合州国は、全面的軍事侵略の構想に回帰した。1983年、カリブ海の小国グレナダへのアメリカ侵略成功が、迅速な軍事行動を唱導したペンタゴンの計画立案者に大きな弾みをつけた。この新たな政策は、1989年のパナマ侵略と、1991年のイラク侵略に終わったが、後者はイラク指導者サダム・フセインのクウェート侵略に由来している。パナマ侵略は、パナマの絶対的指導者マヌエル・ノリエガ打倒という結果になったが、CIAとつながる麻薬密輸のかどで、彼をアメリカ刑務所幽閉にしたことが、中南米全体で反米感情を強める結果となった。アメリカ合州国は、サダム・フセインがバグダッドで権力の座に残ることを許し、2001年の9/11攻撃では、アメリカがかつてのアフガニスタンで、支援したビン・ラディンに罪をなすりつけ、イラクの“衝撃と畏怖”侵略と占領を正当化するのに利用した。

アメリカが、アフガニスタンで、タリバンとその同盟者の聖戦士を打ち破るのに失敗し、イラクが、イランとつながるシーア派が率いるバグダッド政権の支配下に落ちた後、アメリカ合州国は、またしても代理戦争という構想に立ち戻ることに決定した。リビア指導者のムアマル・カダフィや、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領に対する“アラブの春”反乱の場合、この再復活した代理戦争政策で、アメリカ合州国は、1980年代以来の、アフガニスタンでの旧友、アルカイダや、傭兵の一部がシリアとイラクで、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)を名乗り、連中の自称カリフ領を、インドネシアから、中東、中央アジアや、アフリカから、スペインやバルカン半島にまで拡張するという連中の意図を隠そうとしていないアルカイダ分派と同盟している。

ISILは、実は、2006年、バグダッドのシーア派主導のアメリカ傀儡政権に反対している、西イラクのスンナ派部族に武器と資金を与えるために作られたネオコンの計略、アメリカが率いる“スンナ派覚醒評議会”に根源を持っている。ところが、単にこれら部族がシーア派とイランに反対しているからといって、必ずしも彼らが連中の内部にいる、サウジアラビアが資金提供しているサラフィー主義者/ワッハーブ派工作員に反対であることを意味するわけではない。スンナ派覚醒評議会の唯一の成功は、イラクで聖戦運動の覚醒で、これがISILの営巣地を生み出した。イラクのスンナ派覚醒評議会とアルカイダは、唯一ネオコンのお気に入りで、セックス・スキャンダル不祥事を起こしたデービッド・ペトレイアス元陸軍大将に、スンナ派覚醒評議会の育ての親として、ISIL立ち上げ支援に感謝すべきだろう。

“穏健”シリア反政府派軍に訓練、機器、兵器を与えていると主張しながら、アメリカ合州国は、実際は中核の大半が、チェチェン、アフガニスタン、ウイグル人、イラク人、リビア人、イエメン人や、アルジェリア人から徴募された外国人と、アフガニスタン、イラク、イエメンや、リビアの戦争で歴戦のつわもので構成されている最も過激なイスラム主義ゲリラ、ISILに軍事援助を注ぎ込んでいる。シリアの“穏健”反政府派向けCIA兵器の80パーセントがISILやその系列の手中に落ちているという、情報に基づいた推定がある。

ソ連・アフガニスタン戦争中の、アフガニスタンや“アラブのアフガニスタン”ムジャヒディン兵士へのアメリカ支援と同様、シリアのアメリカ聖戦士軍への財政支援は、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、バーレーンとクウェートといった石油豊富なワッハーブ派支配者によるものだ。まさにこの同じ石油豊富なワッハブ派国家が、イエメンの残虐な内戦で、シーア派のフーシ反政府派と戦うための軍隊や兵器や傭兵も提供している。アメリカ合州国は、いずれもイランに支援されている、シリアとイエメンで、最も過激な聖戦士軍団が、アサドとフーシ派に対して戦うのに満足していた。基本的に、中東全体で、アメリカ合州国は、イランや、その代理人と戦う代理戦争で、サラフィー主義者や、ワッハーブ派や、聖戦スンナ派を利用している。

アメリカ合州国をアフガニスタンとイラクへの悲惨な直接軍事介入に追い込むのを促進した正に同じ連中であるアメリカ・ネオコン幹部は、アメリカが、アルカイダを含む聖戦士を代理として、組むよう主張した。元CIA長官のペトレイアスがアメリカ-アルカイダ同盟を推進したのだ。元NATO司令官のウェスリー・クラーク元陸軍大将は、アメリカ合州国に、地域におけるロシア軍用機を標的にした“飛行禁止空域”を設定し、北シリアの聖戦士集団を支援するよう強く促した。アメリカのアシュトン・カーター国防長官は、新たなシリア反政府派新兵“訓練し、武器を与える”というアメリカの計画を廃止し、代わりに、彼らの多くが本質的に聖戦士である、既存のシリア人反政府戦線へのアメリカ軍による支援に集中すると発表した際、クラークの助言を取り入れたもののようだ。

聖戦士分子とつながるシリア反政府集団は、しっかり根付いており、既にアメリカ合州国から、TOW対戦車ミサイルや、飛行機から投下される何トンもの兵器を受け取っている。アメリカ・ネオコンは、肩に担いで発射できる対空ミサイルを、反政府派に供給するようにとまで主張している。

シリアでの無意味な代理戦争で、途方もない代償を強いられる可能性があることに、アメリカ合州国はまだ気づかないのかも知れない。シリア国民は、アメリカが支援する、ISIL、アルカイダ、アル・ヌスラ戦線、ムハジリン・ワ・アンサール同盟、アハラール・アル・シャーム、アンサール・アッ・ディーン、ヤルムーク殉教者旅団、ジェイシ・アル・ジハドやホラサン集団の白黒聖戦士旗の下で戦っている暴力的イスラム教過激派によって、自宅から追い出されているのだ。

この最新のアメリカ代理戦争に対して、アメリカが支援する聖戦士反政府派のために、家族の一員や住宅を失ったシリア国民に補償するため、恐らく一つの解決策がある。1986年、ハーグ国際司法裁判所が、ニカラグアの港湾への違法な機雷敷設や、ニカラグア反政府派コントラへの兵器提供を含むアメリカの対ニカラグア代理戦争に対処した。裁判所は、アメリカ合州国が、主権国家ニカラグア共和国に対する代理戦争で、国際法に違反したことを認めた。アメリカ合州国は、アメリカに対する、裁判所の裁判権と裁定を敵対的に拒否し、ワシントンに、裁判所の裁定に従うよう要求する国連安全保障理事会決議に拒否権まで行使したが、裁判所の裁定は、代理戦争に関わった国々に対する画期的な裁判となった。シリア・アラブ共和国政府も、アメリカ合州国に対して、1986年に、ニカラグアが行ったと同様な訴訟を起こすことが可能だ。

もしアメリカ合州国が、国際法の軽視と、国際司法裁判所による再三の裁定の無視を続けるのであれば、他の対策がある。アメリカ合州国が、シリア国民に対する自らの罪を、そして、その延長として、アメリカ代理戦争で被害を受けた人々への認めるまで、対アメリカ合州国経済制裁、アメリカ高官用のビザ発給禁止、アメリカ人幹部が保有する在外資産の凍結や、在外のアメリカ航空機、船舶や、他の資産の差し押さえだ。虐げられた他の人々には、イラク、リビア、イエメン、東ウクライナや、アメリカ代理戦争の権力者連中によって標的にされた他の国々や地域の人々が含まれる。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/10/17/america-disastrous-proxy-wars-syria-latest.html

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-0d3a.html

◆IS戦士はロシア空軍の空爆を避け、ひげを剃り、トルコに逃げている

2015年10月17日    Sputnik 日本

ロシア国防省の発表によれば、「イスラム国(IS)」はシリアからトルコに逃げ出している。逃亡の前に戦士らはひげを剃っているとの情報もある。

ネットに出回っている写真には、剃り落とされたひげとかみそりの刃が写されている。

国防省によれば、シリアからトルコへ一日で最大100人、戦士が逃げ出している。アル・ヌスラの戦士らはレイハンルを横断し、IS戦士はジャラブルス経由で逃亡しているという。
ISおよびアル・ヌスラによるイスラム教解釈によれば、男性はひげを剃ることが禁じられる。そのためこれら団体の戦士はひげを生やしているイメージが広まっている。月曜、スウェーデン警察は、黒い旗をもって撮影会に臨んでいたひげ愛好家クラブのメンバーらを逮捕しそうになった。目撃者がテロをたくらむIS戦士と勘違いし、警察に通報したのだ。

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151017/1046202.html#ixzz3oszEhVB7

◆米主導有志連合がシリア火力発電所を破壊、アレッポは停電

2015年10月17日 Sputnik 日本

米国主導の有志連合がシリアでアレッポの火力発電所および変電所を空爆。16日、ロシア国防省機動総局の責任者アンドレイ・カルタポロフ大将は声明を表し、米軍らの空爆でアレッポでの送電が途絶えたことを明らかにした。

諸外国の武官及びジャーナリストを対象にしたブリーフィングでカルタポフ上級大将は、「誰かが居住区のインフラを計画的に破壊したという印象を受ける」と述べ、こんなことでは欧州へ押し寄せる難民の数は増える一方だと指摘した。

「同僚に向かって、どの施設に空爆を行なうべきかを説くのは我々の規則ではない。だが10月11日に居住区テル・アラムに有志連合が行なった空爆は火力発電所と変電所を破壊した。」

これによりアレッポの病院、学校、住居の全てが停電状態となり、給水ステーション、下水施設も稼動していない。現地の気温は30度で、発電所破壊による影響は深刻なものが予想されている。

「我々のパートナーらは火力発電所が一昼夜8時間しか稼動していなかった事実を知らなかったわけはない。それでも空爆は数日間にわたって行なわれ、10月11日、同火力発電所はとうとう完全に稼動できなくなってしまった。」

「誰かが居住区のインフラを計画的に破壊し、一般市民が住めない状況を作り出そうとしたという印象を受ける。このために生存のための条件を奪われた市民は居住区を捨て、こうして欧州への難民が膨れ上がっていくのだ。」
カルタポロフ大将はさらに、シリアとヨルダンの国境で空爆で破壊され、廃墟となった居住区の残骸が見つかったことを明らかにした。

ロシア軍の空爆については、カルタポロフ大将は、空爆はこれ以上ないほど正確に行なわれていると語っている。
カルタポロフ大将はブリーフィングに集まった外国の武官、記者団に対し、米軍主導の有志連合が使用している地図を公開した。地図にはイスラム教寺院、文化施設、エネルギー関連施設、給水施設など、民間人の生活に欠かせない施設が全て記載されている。

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151017/1043365.html#ixzz3om1BU5VC

◆ロシア軍機 一週間でISの管理ポイント46、工場6ヶ所を破壊

2015年10月16日 Sputnik 日本

この一週間でロシア軍機は、シリア領内で「IS(イスラム国)」のコントロールポイント46ヶ所、工場6つを破壊した。金曜日、ロシア国防省機動総局の責任者アンドレイ・カルタポロフ大将が、諸外国の武官及びジャーナリストを対象にしたブリーフィングで伝えた。

カルタポロフ大将によれば、この一週間で、ロシア軍機は394回出撃し、その結果、コントロールポイントや通信施設46ヶ所、爆発物製造のための工房や工場6ヶ所を殲滅、各種倉庫22ヶ所、戦闘員の集結地、拠点、野戦施設272を破壊した。

カルタポロフ大将は、又次のように強調したー
「9月30日からの空爆期間中に、ロシア軍のデータでは、456の施設が殲滅された。ロシア連邦軍参謀本部は、空爆の結果、テロ集団の戦闘員らのインフラを本質的に台無しにし、補給・管理システムを妨害することに成功したとみなしている。」

http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151016/1042898.html#ixzz3om2UxMMR

◆ヒラリー版イランコントラ事件の真相

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)10月17日(土曜日)
        通算第4688号   <前日発行> 
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 ベンガジ米領事館襲撃事件の真相を隠蔽したオバマ政権
  ヒラリー最悪のピンチ。「ベンガジからシリア反政府軍への武器横流し」
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 ヒラリー・クリントン前国務長官が、次期米大統領選挙で、いまのことろ、民主党レースのトップを走っている、と考えられている。
左翼マスコミの意図的なミスリードである。

 ヒラリーが現職国務長官のとき、私的メールをふんだんに利用して機密情報のやりとりをしていたことは本人も認め謝罪し、事件の打ち消しに躍起となった。
 民主党候補のテレビ討論会では、みなが桜だから、あえてこの事件を蒸し返すことは無かった。

 ベンガジで何があったか?
 この裏には重大な機密が隠されており、オバマ政権の屋台骨を根底から揺さぶりかねないスキャンダルなのである。

 2013年9月11日、リビア東部ベンガジにある米国領事館がテロリストに襲撃され、ステーブン大使ほか大使館員、警備のCIA要員らが殺害されした。
 当時はリビアにおける「アラブの春運動はカダフィ大佐の除去により、民主化が実現し、米国の戦略であるアラブ全域の民主化は成功するだろう」などと信じられないほどの楽観論が世を覆っていた。

 筆者がニュースを聞いて最初に疑問視したのは、なぜ米国大使はトリポリではなく、ベンガジにいたのか? しかも9月11日とは、NYテロ事件の記念日ではないか。
 それらは初歩的な疑問であり、しかも現在にいたるまで満足な回答がでていない。 

 現実にはチュニジアが混乱にいたり、リビアは無政府状態となり、エジプトは軍事政権が復活した。
そしてシリアは破壊と混乱と大脱走と、そしてISISの跳梁跋扈、ロシア軍の参戦により、中東の主役はロシア、イランに移行した。米国の中東政策はことごとくが失敗に終わった。
 
 時計の針を12年3月11日にもどす。
 ベンガジの米国領事館というのは「領事館」と呼べるシロモノではなく、「駐在員事務所」のようなお粗末な建築で、しかも警備が手薄だった。CIAオフィスは、そこから離れた場所にあった。

 米国大使は、いったいぜんたい、大使館のトリポリを離れて、なぜベンガジにいたのか。
作戦司令をヒラリーは国務省を通さないで直接、私的なメールでおこなっていたのは何故か。

 ずばり、大使の任務はリビアに拡散した米国の最新鋭兵器の回収にあり、しかも、それらの武器をシリアへ輸送し、反アサド政権の武装集団へ引き渡すという危険な任務を帯びていたのだ。

 ▲オバマの中東政策はすべてが裏目にでて失敗した

 そして。
 米国の秘密通信を傍受したらしい、あるいは米国よりのポーズをとって親米派を偽装したイスラム過激派が、これらの武器の横取りを画策したからではないのか。
 武器はISISにも流れ、イラク、ヨルダンの過激派にも流れ、反アサド勢力に渡ったのは半数にも及ばなかったという情報がある。

 ベンガジの米国領事館をおそったのはISISではなくシリアの謀略機関、あるいはロシアの代理人ではなかったのか、という声もあがっている。

 レーガン政権下、イランコントラ事件では、政府高官の多くが辞任に追い込まれた。ニクソン政権弐期目の折は民主党本部のウォーターゲートに盗聴器をしかけたという「ささいな事件」を左翼ジャーナリズムが大げさに報じ、ついにはニクソン辞任へと追い込んでいった。そのときヒラリーは学生活動家としてニクソン弾劾の隊列にいた。

 ところが、このリビアゲートとも言われる最悪のスキャンダルと、ヒラリーの偽証に関して左翼ジャーナリズムは何ほども報道しない。
あたかも安部打倒を社是として、僅かな反対運動のデモ隊を十万以上と書いて作為的報道を操作した、日本の左翼ジャーナリズムと同質であり、ヒラリーに不都合なことは知っていても知らぬ半兵衛と決め込むのである。

 だが米国共和党の保守派の怒りは納まらず、来週10月22日に開催予定のヒラリーへの聴聞会に注目が集まる。ここでもし、彼女が失言したり、別の証拠を見せられたりすれば、大統領選挙に致命傷となるだろう。

http://melma.com/backnumber_45206_6273524/

 


日本に深く浸透する共産主義

2015-10-19 00:30:19 | 資料

【月刊正論】
憲法学者と教科書-共産党の長期戦略は背筋が凍るほど怖ろしい… 八木秀次(麗澤大教授)

2015.10.18  産経ニュース

※この記事は月刊正論11月号から転載しました。



 ■修士課程に入学して驚いたこと

 私は早稲田大学の法学部を卒業して大学院法学研究科修士課程(法哲学専修)に入学した。修士課程修了とともに指導教授が退職されたので、当時としては異例のことだったが、博士後期課程は政治学研究科(憲法専修)に進んだ。これが私の学歴だが、修士課程に入学して驚いたことがある。

 早稲田の法学部には学生自治会があり、その執行部は日本共産党の青年組織、日本民主青年同盟(民青)が支配していた。授業の合間の休憩時間には自治会の幹部、すなわち民青の活動家たちがアジ演説をしているのが日常の光景だった。大学院に入って驚いたというのは、教室に入ってみると、つい最近までアジ演説をしていたか、数年前まで自治会の幹部だった連中がずらりとそこに座っていたことだった。彼らは大学院生になっていたのだ。

 ■学生時代から共産党系の政治運動

自治会の元幹部は憲法の研究室に多かった。早稲田の法学研究科には憲法の研究室が2つあり、2人の指導教授は共産党系と言われていた。安保法制関連法案について憲法学者の多くが反対しているとして、ある新聞がその名簿を公開していたが、その中にあのころ同じ大学院の教室で学んだ民青の活動家の名前を多く見出した。名前と所属大学を見て彼らの現況がわかって懐かしかったが、みんなそれなりの大学に就職している。国立大学や中には旧帝大の法学部教授に納まっているのもいる。

憲法学者はなぜこんなに安保法制関連法案に反対なのかとよく聞かれるが、彼らの思想的背景を知れば納得がいくかと思う。学者が学問的信念をもって反対しているというよりは、学生時代から共産党系の政治運動をしていた活動家が数十年後に学者の肩書で反対していると考えた方が正確だ。しかし、多くの人はそんなことは知らない。だから憲法の専門家が反対していると理解する。もちろん彼らもそれを狙って学者になっている。組織もそんな思いで彼らを育てている。大学で毎年何百人という学生に自分たちの考えを吹き込めば、中には感化される学生も出てくる。世間でも学者・大学教授として特別視される。左翼の長期戦略は敵ながら見事なものだ。

 ■教科書採択結果で憂慮すべきこと

今年は4年に1度の中学校教科書の採択の年に当たり、各地の教育委員会や学校は8月末までに来年4月から4年間使用する教科書を決定した。私も執筆に関わった育鵬社の歴史・公民教科書はお陰様で4年前の実績を大きく上回ることができた。大阪市、金沢市、松山市など大都市でも新規に採択され、歴史が7万2千~7万3千冊(シェア6・2~6・3%)、公民が6万6千~6万7千冊(シェア5・7%前後)という結果になった。歴史と公民の一方だけを採択したところもあるので、都合8万人の中学生がこの教科書で学ぶことになる。これらの生徒が日本の歴史に連なっているとの思いや健全な公民意識を持って将来の日本を背負っていって欲しいと思う。

今回の採択結果で憂慮すべきことがある。今回、歴史教科書では新規参入があった。学び舎の教科書だ。この教科書は日本共産党の関係団体、歴史教育者協議会のメンバーである現役やOBの教員が執筆している。唯一、慰安婦の記述をしたことでも知られる。共産党の機関紙『しんぶん赤旗』もこの点について「資料として慰安婦問題での『河野談話』の要点を掲載。韓国人の元『慰安婦』、金学順(キムハクスン)さんの名前も。1997年度版の中学歴史教科書で7社全てに記述された『慰安婦』の用語が、皆無になっていた事実を思えば感慨深い」(7月24日付)と持ち上げている。

 ■学び舎を使うエリート養成校

その学び舎の歴史教科書がなんと、筑波大付属駒場中、東京学芸大付属世田谷中、東大付属中等教育学校、東京学芸大付属国際中等教育学校、奈良教育大付属中という国立の中学5校で、私立も麻布中、慶應義塾普通部、灘中など30以上の中学で採択されている。問題はここに名前を挙げた学校がエリート養成校であることだ。他にも進学校が多い。この教科書で学んだ生徒がやがて官僚や政治家、学者、法曹などになっていく。それを思うと背筋が寒くなる。

(麗澤大教授 八木秀次)

http://www.sankei.com/politics/news/151016/plt1510160046-n1.html

◆【 NHKは、共産党の支配下にある 】

NHKには内部に22の共産党支部があり、昭和63年の調査では東京都下だけでも、98名以上のキャスター、アナウンサー、ディレクター等が共産党員であることが確認されている。

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日本のメディアと共産党員の数。

わたしはある情報機関筋から平成11年の統計を入手しているが、主要全国紙社内でも共産党員数として判明した人数は、第一位が朝日で212名、二位が毎日で151名、三位が日経で131名、四位が読売で11名、最下位が産経で2名であった。

この順位を見ると一目瞭然なのだが、反米プロパガンダや中朝賛美、防衛アレルギーや自虐史観を喧伝する左翼傾向の度合いと、共産党員数の多さの順位はピッタリと重なっている。

なおこの統計人数は明らかに判明した分だけであり、朝日と毎日については実数はその何倍にもなるとのことであるが、要するに朝日や毎日なんかは共産党員がつくっている新聞であり、「赤旗」と何ら変わりないというのが実状である。

従ってマルクス主義者でない普通の日本人が読む新聞としては、この共産党員数の下位の二紙、つまり読売か産経を読まない限り、偏向したイデオロギーを毎日毎日頭にインプリンティングされることになってしまうのだ。

NHKには内部に22の共産党支部があり、昭和63年の調査では東京都下だけでも、98名以上のキャスター、アナウンサー、ディレクター等が共産党員であることが確認されている。この共産党員数は、テレビ朝日やTBSと並んでテレビ業界の上位3位に入るものである。

つまりNHKが反日左翼史観プロパガンダ番組を放送し続けるのも、共産党の指示に沿ってのことなのだ。

自由主義国で公共放送を共産主義勢力に支配されているのは、日本と韓国、この2カ国だけである。

「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」より抜粋
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/

この、共産党員数に、在日と韓中の工作員が入る。

じゃ、日本人は、ほとんどいないということだ。日本人以外が放送し日本人に見せる放送局。

■細野豪志・民主党政調会長 

「韓国や中国をあざけることは、絶対にしてはならない。 日本がおかしい方向に行かないよう、我々がしっかり正して、まっすぐに進む国にする。」 

—民主党 「韓国人の生活が第一。韓国をあざけることは、絶対にしてはならない」 : 2ろぐちゃんねる 
なるほど。中国や韓国におもねるのが正しい国のあり方ですか。売国すぎて清々しいね。

それが、日本がおかしい方向だよ。

"共産党は、生保受給者の賭博参加は「ささやかな楽しみであって管理されることがあってはならない」としながら、一方でその他大勢の国民が「自分の稼ぎ」で賭博に参加する行為を「依存症を招くので禁ずべき」と主張している。もはや主張として完全に論理破綻している。"

綱領をいくら改定しても、党の歴史が変わるものではない。GHQが命令し途中で追究を中止した 宮本顕治 のリンチ殺人事件や数々の暴力事件が、綱領を変えたからと言って消える分けでもない。党名もそのままなら、やってる集会もデモも全く同じである。派生し分かれたとはいえ過激派は昔の共産党そのものだ。綱領ではテロを非難しテロは起こさないはずが、比例当選とはいえ現役の 国会議員という「組織人」である以上 テロを擁護し、テロに断固立ち向かうという安倍首相を「言語同断」とネットで拡散するに至っては、テロ側の党と言われても仕方がないだろう。



共産党の池内沙織衆院議員が安倍首相こそ言語道断とテロのISISを擁護する発言をツイッターで発信した。
志位和夫委員長は同日朝のNHKテレビ「日曜討論」で「今回彼ら(犯行グループ)がやっていることは残虐非道な蛮行だ。絶対に許すわけにはいかないと強く非難する。と言ったばかりである。
テロ3法や外患罪、特定秘密保護法などが今一斉に施行される状況の中、場合によっては真っ先に告発される。志位委員長が慌ててもしっかりとネットに残っている。

◆戦争なるなる詐欺

サヨクが騒いで戦争になった事なんかただの一度もない!
嘘吐きはどっちだ?

60年安保←戦争する国になるぞ!

70年安保←戦争する国になるぞ!

旧日米ガイドライン←戦争する国になるぞ!

防衛費制限撤廃←戦争する国になるぞ!

浮沈空母発言←戦争する国になるぞ!

PKO法←戦争する国になるぞ!

おおすみ型輸送艦進水←戦争する国になるぞ!

周辺事態法←戦争する国になるぞ!

有事法制←戦争する国になるぞ!

インド洋給油←戦争する国になるぞ!

イラク派遣←戦争する国になるぞ!

防衛省昇格←戦争する国になるぞ!

海賊対処法←戦争する国になるぞ!

特定秘密法←戦争する国になるぞ!

集団的自衛権行使容認←戦争する国になるぞ!

安保法制←戦争する国になるぞ!←いまココ!

http://carpenter.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1437358881/

◆有田芳生

1952年、京都府生まれ。父は共産党京都府委員会副委員長で、参院選に出馬したこともある。
学生時代から、共産党の学生組織・民主青年同盟(民青)に所属。
共産党系・新日本出版社を経て、フリージャーナリストとして
『朝日ジャーナル』『週刊文春』で、統一教会報道に携わる。
地下鉄サリン事件以後は、オウム真理教問題のコメンテーターとして名を売った。
2007年参院選比例、2009年衆院選で共に落選、2010年の参院選選挙比例で初当選した。
権力に擦り寄る一方、共産主義者(左翼論者)として
日本解体へと舵をとらんとする言行に危惧する声が後をたたない。

名前「ヨシフ」は、政敵や知識人、反対論者を片っ端から強制収容所に叩き込み、
虐殺したヨセフ・スターリンにちなんで命名されている。
自分に都合の良い人は徹底的に利用し、
都合が悪い人は手段を選ばず社会的抹殺を策略する嗜好は、まさに共産主義者そのもの。

【有田ヨシフスターリンの呆れたFBコメント】

「人種差別撤廃施策推進法」が参議院法務委員会で審議入りしました。野党が提出した法案が審議されるのは珍しいそうです。これも大幅な会期延長と衆議院で刑訴法改正案が審議が続いているため、参議院に閣法(政府が提出した法案)が回ってこないことで生じたことです(刑訴法は8月5日に衆議院法務委員会で採決、参議院にはお盆開けに付託される予定です)。目的は可決成立です。おそらく9月が山場となるでしょう。今朝の朝日新聞、2日前の毎日新聞(1面トップ記事)が大きく報じてくれました。しかしこの法案がヘイトスピーチや言論を「規制」するという報道は完璧な誤りです。規制法ではなく理念法です。日本が加入している人種差別撤廃条約を日本で具体化していくためのはじめての法案で、ヘイトスピーチについては「違法である」ことを明らかにしつつも、具体的な罰則はありません。国がヘイトスピーチを違法だと宣言することの意義には大きなものがあります。「表現の自由」との関わりを議論するのはいいのですが、具体的な法案を基本としなければなりません。ここに趣旨説明を紹介しておきます。赤字部分は直前に加筆した部分です。質疑は明日6日に各党30分づつ行われます。(2015/8/5)

http://www.tomocci.com/arita_yosifu.html

◆SEALDsは共産党傘下の若者集団

・SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)
・ぼくしゅけ~僕らが主権者って知らなくて委員会~
・SADL(サドル=民主主義と生活を守る有志)
・VIP(ビィップ)(Voices Into the Peace.=平和への声)
・戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委員会
・安倍政権NO!☆実行委員会
共産党のホームページに行動予定が堂々と載せてあるじゃないか(苦笑)


・若者憲法デモ@福岡実行委員会
・デモでもやろう青年DEMO実行委員会
これらは特にそうですが、「若者であることや若さ」を前面に出しています。
一般層への波及や影響を狙ってのことだと思います。
「SEALDs」「ぼくしゅけ」も明確に若者層をターゲットにしていますし
「VIP」なんかは、もしかして某大型掲示板にアプローチするための名称選定な気もしますね。
流石にその効果はないと思いますが。

日本共産党は政党です。
母体が同一かは断定できませんが、「関連性を示す」ものとしては充分でしょう。
少なくとも、政党要件を満たした公党・日本共産党は、これらの活動を周知し協賛していることは間違いない。
政党からの支援を受けている事実は重い。
少なくとも告知・広報支援を受けていることは、上記の画像より明らかだ。
恐らくは動員協力も受けており、参加者へのオルグも行われているのでないだろうか。

翻って、保守陣営で考えて欲しい。
自民党や次世代の党が、各地の保守イベントの告知を行い、動員協力を行っていたらどうなるか。
「政権与党のマッチポンプだぁ!」とはならないのだろうか。

政党要件を満たした公党、こことのリンクは、メリットもデメリットもある。
野党ゆえということだろうか、ここまで堂々と掲載されていることには驚いた。
例えば、「政党色」がついた場合、その活動は「一般人によるデモ」ではなく「政党活動」「もしくは類するもの」になってしまう。

市民の声の自然な発露ではなく
政治目的を達成するための、政党主導の世論工作になるからだ。

まぁ、実は元から全員共産党員であるなららば、堂々と掲載している理由もわからなくはないが。
それについては、私にはわからない。

私としては「共産党≒SEALDs」ではなく
「共産党=SEALDs」であっても責めるつもりはございません。
情報の周知はするかも知れませんが。

政党が、政治活動を支援し、団体の広報を行うことは「問題はない」と思っています。
ゆえに「共産党≒SEALDs」の証明を終えましたが、そのことに文句を言うつもりはございません。
しかし問題は別の部分で出てくるのです。

天声人語
 日が落ちれば少しは涼しくなるだろうという目算は外れた。国会正門前の熱気はただごとではなく、汗が噴き出す。一昨日の午後7時半。安保関連法案に反対する大規模な抗議行動が始まった▼催したのは都内の大学生らによる「SEALDs(シールズ)」だ。日本語では「自由と民主主義のための学生緊急行動」。会場の歩道を埋め尽くす顔には高齢者も子連れの家族も。「若者がんばれじゃなくて、全世代で集まれよ!」。彼らの呼びかけ通りの壮観である▼「勝手に決めるな。憲法守れ」。激しいコールが国権の最高機関の堅牢な建築にこだまする。法案は憲法違反と多くの専門家が指摘しても、政権与党は耳を貸さず、近く採決の構えを見せる。抗議行動への参加者は増え続ける▼勝手に決めるな。それは、決めるのは私たち、主権者は私たちだという叫びである。投票だけが国民の仕事ではない。時の政権に常に目を光らせ、必要なら声を上げる。その声を軽んじる現政権に対し、「国民なめんな」のコールが起こるのは当然だろう▼哲学者の柄谷行人(からたにこうじん)さんは以前、3・11後の反原発デモに触れ、「人がデモをする社会」という文章を書いた。人々が主権者である社会は、選挙によってではなく、デモによってもたらされる、と。その流れは枯れることなく今に続く▼国会前に立ちながら、目配せという言葉をふと思い浮かべた。「危ないね」という思いを伝え合う、それぞれの目配せ。このさりげない連帯は強まりこそすれ、と感じる。

http://www.asahi.com/paper/column.html [魚拓]


天声人語には好きなことを書く自由があります。
とは言え、凄いですな。

①政党が支援するSELDsを紙面に。
②「決めるのは私たち、主権者は私たち。」このくだりは、同じく政党が支援する「ぼくしゅけ(僕らが主権者って知らなくて委員会)の主張のままでは?
③しれっと「社会は選挙ではなくデモによってもたらされる」と民主主義の根本を否定。

天声人語には、好きなことを書く自由はございます。
どうなんだろう、何かに抵触してやいないかと少し心配してしまいますが。
とは言え、私にも「自由に書く権利」がございます。

しかし、こと新聞となりますと「政党色のある動き」に肩入れしすぎた格好は、あまりよろしくないのではないでしょうか。
いいですか?これは政治家が報道に圧力をかけているのではなく
私なりの優しさであって、「何かに抵触していないか心配してしまう」という善意からの心配でございますので念のため。


おやおや、以下は6月17日の朝日の記事ですが、SEALDsのサイト紹介も含め「デモの告知」も朝日新聞は支援しているようですね。
これは「行われたデモ」ではなく、予定を報じて動員協力をしているようにも・・・。
少なくとも私にはそう読めます。
大丈夫でしょうか?

安保法案「立憲主義に反する」 学生ら21日、反対デモ
 歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権の行使を認める新たな安全保障法制の関連法案をめぐり、関西圏の大学生らでつくる団体が17日、記者会見を京都市内で開いた。「立憲主義に反している」とし、21日に同市内で「戦争立法に反対する学生デモ」に取り組むと発表した。

 団体は「SEALDs KANSAI」(自由と民主主義のための関西学生緊急行動)。数十人で活動しており、新たな安保法制の関連法案について「戦後70年間貫いてきた平和主義を突き崩し、戦争への道を開く」と訴える。神戸大大学院生の塩田潤さん(24)は「何かおかしいと思っている人は多いはず。それを目に見えるようにする場を作りたい」と話す。

 デモは21日午後2時半に東山区の円山公園を出発。四条河原町を経て市役所まで歩く。詳しくは団体のウェブサイト(http://sealdskansai.strikingly.com/別ウインドウで開きます)へ。

ソース:朝日新聞デジタル 2015年6月17日13時36分
http://www.asahi.com/articles/ASH6J7SZNH6JPLZB02D.html [魚拓]

以上をもって、
【SEALDs≒朝日】という証明が成り立つと思うのですが
それ以前に【共産党≒SEALDs】でありますゆえ
【共産党≒朝日】となってしまいます。

おや、これはおかしい。
政党と、報道が一体化してしまった!

先ほど述べたようにSELDsは、「政党が肩入れした動き」であります。
そこに報道が肩入れすることは許されるのでしょうか。

◆SEALDs奥田愛基

首相に「バカか、お前は」「安倍首相がクーデターを起こしている」「中学生の公民の教科書に立憲主義と書いてある。憲法とは権力者を縛るものだと書いてある」
「病院に行って辞めた方がいい」
安保関連法案のどの部分が反対かは一切語らなかった。

国会前でデモをする人たちに正義に陶酔する政治的イデオローグたちの危うさを見る。
最後には正義が人を殺すのではないか。「殺すより殺されるほうが良い」「すべて話し合いで解決出来る」と平和を叫びながら、反対する者を平気で「潰せ」「殺せ」「たたっ斬る」と言い捨てる「平和主義者」など聞いたことがない。

自分たちだけが正義を体現しているのであって、自分たちに逆らうのは、「正義」に対する拒絶、すなわち、「不正義」に他ならないという論法だ。反対者の意見は聞くが賛成者の意見など聞く耳を持たない。
賛成者も同じ人間であるとは考えていない。


◆安全保障関連法案に反対する学者の会
呼びかけ人(*は発起人 五十音順)

青井 未帆 (学習院大学教授 法学)
*浅倉 むつ子 (早稲田大学教授 法学)
淡路 剛久 (立教大学名誉教授・弁護士 民法・環境法)
池内 了 (名古屋大学名誉教授 宇宙物理学)
石田 英敬 (東京大学教授 記号学・メディア論)
市野川容孝 (東京大学教授 社会学)
伊藤 誠 (東京大学名誉教授 経済学)
上田 誠也 (東京大学名誉教授 地球物理学/日本学士院会員)
上野 健爾 (京都大学名誉教授 数学)
*上野 千鶴子 (東京大学名誉教授 社会学)
鵜飼 哲 (一橋大学教授 フランス文学・フランス思想)
*内田 樹 (神戸女学院大学名誉教授 哲学)
内海 愛子 (恵泉女学園大学名誉教授 日本-アジア関係論)
宇野 重規 (東京大学教授 政治思想史)
大澤 眞理 (東京大学教授 社会政策)
岡野 八代 (同志社大学教授 西洋政治思想史・フェミニズム理論)
小熊 英二 (慶應大学教授 歴史社会学)
戒能 通厚 (早稲田大学名誉教授 法学)
海部 宣男 (国立天文台名誉教授 天文学)
加藤 節 (成蹊大学名誉教授 政治哲学)
金子 勝 (慶応義塾大学教授 財政学)
川本 隆史 (国際基督教大学教授 社会倫理学)
君島 東彦 (立命館大学教授 憲法学・平和学)
久保 亨 (信州大学教授 歴史学)
栗原 彬 (立教大学名誉教授 政治社会学)
小林 節 (慶應義塾大学名誉教授 憲法学)
小森 陽一 (東京大学教授 日本近代文学)
齊藤 純一 (早稲田大学教授 政治学)
酒井 啓子 (千葉大学教授 イラク政治研究)
*佐藤 学 (学習院大学教授 教育学)
島薗 進 (上智大学教授 宗教学)
杉田 敦 (法政大学教授 政治学)
高橋 哲哉 (東京大学教授 哲学)
高山 佳奈子 (京都大学教授 法学)
千葉 眞 (国際基督教大学特任教授 政治思想)
中塚 明 (奈良女子大学名誉教授 日本近代史)
永田 和宏 (京都大学名誉教授・京都産業大学教授 細胞生物学)
西川 潤 (早稲田大学名誉教授 国際経済学・開発経済学)
西崎 文子 (東京大学教授 歴史学)
西谷 修 (立教大学特任教授 哲学・思想史)
野田 正彰 (精神病理学者 精神病理学)
浜 矩子 (同志社大学教授 国際経済)
樋口 陽一 (憲法学者 法学/日本学士院会員)
広田 照幸 (日本大学教授 教育学)
*廣渡 清吾 (専修大学教授 法学/日本学術会議前会長)
堀尾 輝久 (東京大学名誉教授 教育学)
*益川 敏英 (京都大学名誉教授 物理学/ノーベル賞受賞者)
*間宮 陽介 (青山学院大学特任教授 経済学)
三島 憲一 (大阪大学名誉教授 哲学・思想史)
水島 朝穂 (早稲田大学教授 憲法学)デモこそが民主主義
水野 和夫 (日本大学教授 経済学)
宮本 憲一 (大阪市立大学名誉教授 経済学)
宮本 久雄 (東京大学名誉教授・純心大学教授 哲学)
山口 二郎 (法政大学教授 政治学)
山室 信一 (京都大学教授 政治学)
横湯 園子 (前中央大学教授・元北海道大学教授 臨床心理学)
吉岡 斉 (九州大学教授 科学史)
吉田 裕 (一橋大学教授 日本史)
鷲谷 いづみ (中央大学教授 保全生態学)
渡辺 治 (一橋大学名誉教授 政治学・憲法学)
和田 春樹 (東京大学名誉教授 歴史学)

安全保障法案に反対する「学者1万人」 と言うのだが、大学教授も含まれてはいるが安保問題に関わっている可能性がある人はごくわずかで、多くは専門外の人たちである。彼らの特徴として国際政治学者は非常に少ない 。

発想が、現日本国憲法を絶対的不可分のものとし、その枠内でしか日本は許されないと考えているように見える。改憲など飛んでもないと言うのだ。

日本国憲法は自国防衛の権利を否定していない。国連憲章や国際法では集団的自衛権は当然どの国にも権利があるとされる。日本国憲法は国際法を上回るものなのだろうか?

国際社会における貢献や役割として、現在の日本には、どのような憲法が必要なのかという視点が全く聞こえない。議論は終始、日本国憲法という井戸の中で議論される。

私は些か疑念があります。
不偏不党の精神はどこに行ったのでしょうか。
ここに「政党とタッグを組む」ことのデメリットがあります。

もとい、【本来ならば】あるのですが、報道しない自由によりデメリットはないようですね。
かつてであれば、そこで終わりであったのですが、いまはネットがございます。
情報の周知を行うと、少しは正常化されるとは思います。

https://samurai20.jp/2015/07/sealds/


日本のテロ組織はなぜ野放しにされて来たのか?

2015-10-15 13:20:38 | 資料

皆さん、JR連合のサイトをご覧になったことがありますか?

 旧国鉄の労働組合は過激派革マルに支配されているJR総連、中核派に操られている動労千葉・水戸、その他はほぼJR連合に属しています。革マル副議長・松崎明の運転手兼ボディガードをしていた田城郁は、民主党の参議院議員になりましたが、JR連合の組織内議員も民主党に何人かいますね。

 このJR連合のサイトは、JR総連から献金を貰い続けた枝野を徹底的に叩いています、国会で追及された枝野は、「今後は献金を貰わない」と答弁しましたが、菅直人も献金を貰っていました。この件については、警察庁出身の自民党議員が繰り返し叩いていますけど、質問趣意書さえまともに回答していません。

 社民党の福島、民主党の仙谷、千葉、枝野、左翼弁護士など、こいつらみんな革マルなどの過激派とズブズブですね、こういう「周知の事実」を有権者に明らかにしていくのが二階堂ドットコムの役割だと思っています。

 幸い国民の殆どは、原発対応でホラを吹きまくった枝野の言うことなんて信用していません。仮にマスターが告訴されることになっても、過激派革マルの「言論弾圧」ということで、話題を提供することだけになるでしょう。立花隆が書いた「中核VS革マル」をマスターが紹介していましたが、奴らは内ゲバ相手を尖ったバールで滅多打ちにして殺す殺人集団です。

 労働組合に潜んでいた団塊世代の殺人集団は、退職後、NPOやNGOを設立して自治体から金を奪おうとしていますね、身の回りにいるそういう連中にだまされないようにしましょう。

by二階堂ドットコム

◆革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書

平成二十二年四月二十七日提出
質問第四三〇号

革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書

 警察庁は、本年二月、広報誌『焦点 第二百七十八号 平成二十一年の警備情勢を顧みて~回顧と展望~』を発行し、「現在の社会経済情勢を好機ととらえ、労働運動等への介入を強めた過激派」の動向に警鐘を鳴らしている。
 とりわけ、革マル派に関しては、「非正規労働者等の組織化に取り組むなど、労働運動に介入」しており、「革マル派が相当浸透しているとみられるJR総連及びJR東労組は、組合員を大量動員し、JR東労組の組合員らによる組合脱退及び退職強要事件に対する支援活動に取り組みました。(平成二十一年)六月五日、一審有罪判決に対する被告人の控訴は棄却されましたが、これらの組合は、それ以降も『不当判決』などと訴える集会に取り組み、組織の引締めを図りました」としている。警察庁は、革マル派の労働組合に対する介入工作、とりわけJR総連への浸透について、平成十一年以降の『焦点』において、繰り返し指摘しているところである。
 政府においては、JRという公共交通機関の労働組合に、過激派・革マル派が浸透している事態を看過することなく、国の治安維持のために取り組みを強化すべきであると考える。
 以上の認識に立ち、以下質問する。
一 平成十一年版警察庁出版の広報誌『焦点』という冊子に、革マル派は、「平和で自由な民主主義社会を暴力で破壊、転覆しようと企てている反社会的な集団であり、治安を脅かす要因となっている」と記されている。革マル派の社会的な危険性と、JR総連・JR東労組をはじめとするJRの労働組合への浸透と影響力行使の実態及びその目的について具体的に明らかにされたい。
二 JR総連・JR東労組には、現在も革マル派が相当浸透し、同派幹部が多数存在しているとみてよいか。また、JR東労組の委員長や会長を歴任した松嵜明氏は、現在も革マル派最高幹部であるとみてよいか。
三 革マル派については、平成十八年十二月十九日の伴野豊議員の質問主意書に対する政府の答弁書(内閣衆質一六五第二二八号)によれば「全日本鉄道労働組合総連合会及びJR東労組という公共交通機関の労働組合における革マル派の動向について、公共の安全と秩序の維持の観点から重大な関心を払うこととしている」と回答しているが、今後想定される革マル派の活動及び危険性についての警察の認識を明らかにされたい。
四 警察庁出版の『平成二十一年の警備情勢を顧みて』によれば、「革マル派が相当浸透しているとみられるJR総連及びJR東労組」と書かれているが、その見解は今でも変わらないか。
五 警視庁が平成二十年三月十八日に東京地方検察庁に送致した、JR総連の関連団体である日本鉄道福祉事業協会の元理事長にかかわる業務上横領被疑事件の内容を明らかにされたい。
 また、前述の業務上横領被疑事件に関し平成十九年二月に警察が行った捜索や差し押さえについて、前記松嵜明氏らは東京都と国を被告として賠償等請求訴訟を提起しているのか。また、当該事件にかかわる捜索及び差し押さえの実態を具体的に明らかにされたい。
六 革マル派組織が将来的に国政の場への浸透を企図する動きや懸念はあるのか、見解を明らかにされたい。
 右質問する。

答弁本文情報

平成二十二年五月十一日受領
答弁第四三〇号

  内閣衆質一七四第四三〇号
  平成二十二年五月十一日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫

       衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員佐藤勉君提出革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員佐藤勉君提出革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問に対する答弁書

 一から四まで及び六について

 日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、これまでにも、火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)違反事件や対立するセクトとの間での殺人事件等、多数の刑事事件を引き起こしている。革マル派は、将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している。今後も、革マル派は、組織拡大に重点を置き、党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っていくものと見られる。
 なお、二の後段のお尋ねについては、今後の警察活動に支障を及ぼすおそれがあることから、答弁は差し控えたい。
五について
 お尋ねの件については、財団法人日本鉄道福祉事業協会の元理事長が、同協会のため業務上預かり保管中の金員を、自己の用途に充てる目的で横領した嫌疑で、警視庁が、平成十九年二月十五日及び同月十九日に、関係箇所に対する捜索を実施し、証拠物を差し押さえたものと承知している。また、この警視庁が行った捜索及び差押えについて、JR総連等が、東京都及び国を被告とする国家賠償請求訴訟を提起しているものと承知している。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a174430.htm

ようやくテロ3法、特定秘密保護法、外患罪が揃いました。執行には集団テロの恐れが非常に高いために慎重にならざるを得ないでしょう。しかし、ようやく動き出します。国連決議により指定された組織暴力団4団体に、公安警察が指定する暴力組織、テロ集団などが対象となります。これに合わせるように不法滞在外国人や、無登録在日の検挙も行われています。

韓国政府による日本に帰化したものの、韓国に無届けであったり、偽造国離脱証明による帰化などのチェックが判明し次第日本の帰化取り消しも行われます。最初は朝鮮総連の会員は在日の7~8割を占めていました。拉致を北朝鮮が認めてから大挙して民団に鞍替えし今に至ります。すなわち帰化している朝鮮系の日本人の7割以上が北朝鮮籍でありながら韓国の離脱証明で帰化したと言うことになります。

先日総連系朝鮮人が、韓国政府にパスポート更新を断られたように、現在韓国政府が在日朝鮮人を管轄しています。

徴兵制度も国籍法も韓国の法律改正で、在日に対する圧力を強めています。日本に住む在日朝鮮人は、南北に関わらず韓国の徴兵と納税義務が課されています。帰化した時点で男女を問わず徴兵義務と納税義務を果たしていない場合、罰金と追徴課税がさかのぼって課されるという法律です。在日には男女を問わず徴兵義務があるという法律改正です。請求に対し無視や拒否した場合、日本国内にある資産を差し押さえられる協定が日韓で成立しています。最悪の場合は強制送還が可能です。徴兵逃れの身柄引き渡し要請が来れば、やはり強制送還されます。

◆法律は既に成立、関連法も整備後に施行
http://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/13e98dffa9b95f856cdaf246ed802077

 ◆「戦前の日本共産党」

戦前の代表的な左翼組織のひとつに日本共産党がある。時折、共産党は戦前、戦争に反対したのでエライと信じる人がいますが、これは大変な誤解である。当時の共産党は、革命の原動力としての戦争については肯定していた。日本の軍事力弱体化と、それによるソ連コミンテルンによる「資本主義支配からの解放」(すなわちソ連からの侵略)を円滑にするために、反対していただけである。

この時代の共産党は、共産主義国による資本主義国に対する戦争は、党規及び実質両面において肯定しいていた。戦争一般を否定していたわけではないのである。

■共産党の略歴を記す。

日本共産党はソ連コミンテルン日本支部として生まれた。世界共産主義革命を成すための日本支部とでもいうべき組織だ。現在の日本共産党は旧ソ連政府や支那政府との対立を偽装するが、かつては完全にソ連コミンテルンの支配下にあった。その活動を見ると、現在の中核派や革マル派以上のテロ組織と言っていい。日本共産党は査問と称するリンチ殺人を繰り返した。こういった殺人は現在の宮本顕治名誉議長も行っている。

また、拐帯や更に強盗、詐欺、恐喝などを行う犯罪組織でもあった。(例えば共産党は、昭和七年十月六日、川崎第百銀行大森支店を襲撃している)。それゆえ、当局は共産党員を次々摘発した。これを現在、共産党は「弾圧」と呼称している。これらの事実は現在、全て隠蔽されている。前の選挙により、社民党の国会議員が激減した分、共産党の議員がかなり増えた。

共産党が国政への影響力を着々と不気味に蓄えているにもかかわらず、マスコミがこれらの事実をあまり取り上げない理由は何か。それは共産党へのシンパシーを感じる人間がマスコミ関係者にいることと、そもそも共産党の実態に無知であることが考えられる。しかし何より、共産党からの告訴などによる嫌がらせを恐れてのことだろう。嫌がらせのために告訴を行うのは、サヨクの常套手段なのだ。

現在、共産党の戦前における真実を語ることはタブーになっている。恐ろしいことだ。終戦後、殺人罪で服役していた宮本は、終戦のどさくさにより思想犯と混同され出所する。なお、戦前における共産党が行った犯罪というタブーを真っ向から記述した研究書があるので、興味のある人は参考にして頂きたい。かなり綿密で具体的な研究書である。

書名 :日本共産党の研究 一から三巻。
著者 :立花隆
出版社:講談社


■「戦争の誘発原因のひとつになった左翼」

当局の弾圧により転向した沢山の左翼が、近衛新内閣のイデオローグである昭和研究会に参加した。昭和研究会の主張は、「反自由主義経済」、「反資本主義」、「統制経済と挙国一致による高度国防国家の建設」、「英米本位の世界秩序を打破し、大東亜共栄圏を建設する」などである。

つまり、ナチスばりの完全な国家社会主義なのだ。近衛新内閣に入り込んだ左翼は、左翼の言う英米など帝国主義国同士の戦争へと巧みに誘導する。当時の朝日新聞などは、国連脱退を称賛しきっている。こういった左翼の誘導もあり、やがて日本は戦争へと突入する。

【武闘の系譜】

●大正11年

日本共産党がスターリン率いる国際共産党(コミンテルン)の日本支部として発足。昭和6年8.22『赤旗』には「『赤旗』はコミンテルンの『7月テーゼ』の理論的実践的遂行をその最重要任務とした。

『赤旗』は最初からコミンテルンの指導を日本に具体化するという意義を有していた」とその傀儡である立場を明確に記述している。革命に成功したソ連はブルジョアの千万人単位の虐殺、政敵の強制収容所での思想改造、やがては対外侵略を開始し、世界革命というソ連の大植民地帝国主義の傀儡、「第五列」の役割を日本共産党に負わせたのである。

当時の日本の国民、政府が日本共産党を恐れ、警戒したのもむべなる哉である。昭和初期には左翼分子の武器使用による警察官傷害事件多発。立花隆 日本共産党の研究 講談社文庫-1 p358 第8章 ”武装共産党”の時代のp394に詳しい。

●昭和7年10.6(木)大森・赤色ギャング事件

午後四時ごろ、バーバリのコート、眼鏡をそろって着用した日本共産党
家屋資金局の3人組の男が川崎第百銀行大森支店へ押し入り、現金三万一千七百円を強奪。

●昭和9年1月15日(月)赤色リンチ事件

宮本顕治による共産党内部でのスパイ疑惑から殺害に至った事件の発覚。民家の床下より遺体発見。

●昭和20年12月26日 富坂署襲撃事件

十二月二十六日とニ十九日の両日、同じ場所の小石川区、現文京区内駕籠町の路上で、けん銃強盗事件が連続して発生。警視庁捜査一課と富坂署が合同捜査をし、都下三鷹町の朝鮮人三名を容疑者として逮捕、富坂署に留置した。明けて、翌年一月三日、トラック三台に分乗した朝辞人約80名が同署に乗りつけ「朝群人を留置するとはけしからん、即時釈放しろ」と要求、署内に乱入し、電話室を占拠して外部との通信連絡を断ったうえ、いす、こん棒などをふるって署員に襲いかかり、ついに留置中の朝鮮人を奪取して逃走した。

警視庁は直ちに犯人捜査に当たったが、第三国人に対する捜査権の不明確さから不徹底なものになり、捜査員を歯軋りさせただけで終わった。講和条約発効までの限られた期間ではあったが、これら第三国人に対しては、日本の裁判権行使もあいまいだったところから、彼らのー部には、治外法権があるかのような優越感を抱かせ、社会の混乱に乗じて徒党を組み、統制物資のヤミ売買、強・窃盗、土地建物の不法占拠などの不法行為をほしいままにし、戦後の混乱を拡大した。

この事件富坂署襲撃事件は、第三国人にさらに不当な自信を持たせる結果となり、「警察何するものぞ」とする不正行為を続発させることになったのである。

●昭和21年12月20日首相官邸乱入事件

昭和21年になると、在日朝洋人らが「生活権擁護委員会」を結成し、生活物資の”優先”配給を要求して、全国各地で関係機関に対する波状的集団筋争をはじめた。そして12月20日には、全国からー万人を東京に集め、皇居前広場で全国大会を開催した。名目は在日朝鮮人の生活権擁護だが、「吉田内閣は日本の敵だ」といったプラカ-ドでも明らかなように、倒閣運動にも鉾先を向けて気勢をあげた。

大会は午後一時ごろ閉会したが、一行のうち約二千人は朝鮮民主青年同盟荒川支部を先頭に、デモ行進に移り、首相官邸付近で突然、警戒線を突破し、邸内に乱入した。彼らはプラカードをふるって警戒員に襲いかかり、投石し、手のつけられない状態となった。米軍憲兵隊の協力でようやく邸外に押し出したが、この騒ぎで警官二十三人が負傷、けん銃二丁が奪われた。

この事件で警視庁は十名を逮捕し、米軍東京憲兵司令部に身柄を引き渡した。同米軍憲兵司令部は「右の十名は約一万人の群集とともに暴動を起こし、暴力と武器を持って、非合法または暴動的行動をした。そして狂暴かつ激烈な方法によって混乱を起こし、日本政府の財産たる首相官邸に侵入して警視庁警察官を襲撃して、麹町区民を恐怖と混乱の中に陥れたことは占領目的の違反行為である」として起訴し、第8軍の軍事裁判に付し、同年12月26日、朝鮮人生活権擁護委員会李委員長ら全員に、重労働五年などの刑を言い渡した。

●昭和24年6月30日(水)福島県平警察署占拠事件。

米飯不正受配で温情処置を取った熊谷巡査を「不正を行った」と日共が逆宣伝し、自殺に追い込む。父親の自殺後にも、残された小学2年生の子供がいる自宅に日共党員が押し掛けた。

●昭和26年10月16日(火)第五回全国協議会で新綱領採択。

革命を達するには暴力しかない、とする武闘闘争の正当化。原文はスターリンが執筆といわれた。27年2月に蒲田にて火炎瓶が投げられたのがこの綱領を受けての最初の火炎瓶武力闘争の模様。

●昭和26年12月26日(水)練馬署旭町駐在所勤務伊(印)藤巡査(当時32歳)殺害事件。

O製紙労組員を暴行傷害事件で逮捕後、ビラ貼り、駐在所押し掛けなどの嫌がらせが続いていた。ビラには「伊藤今に引導を渡すぞ O労組」など書かれていた。26日深夜「O製紙先の路上に人が倒れている」との通報で出かけたまま行方不明。翌朝撲殺死体で発見さる。拳銃も奪われる。あとには夫人と3歳と1歳の幼児が残された。

●昭和26年12月末~昭和27年1月27日(火)小河内山村工作隊事件

日共が中共にならい「農村解放区」を設定しようとしたものが「山村工作隊」である。都内では小河内山村工作隊が最も活発であった。約30人が通称「金城飯場」等に無断で侵入し、此処を拠点とし機関紙活動等で村民の不平不満をあおり日共の浸透工作を行うと共に村長、警官等にたいして執拗な嫌がらせを繰り返しながら立木の盗伐、不法占拠、つるし上げの不法行為の限りを尽くした。

●昭和27年1月21日(月)白鳥事件

札幌市南6条の通りで、日共党員が、中央署の白鳥警備課長を射殺。それまでに、自宅に数百通の脅迫状が来ていた。日共札幌委員名の「みよ、ついに天ちゅう下さる。(ママ)」のビラが市内に撒かれた。

●昭和27年1月24日(木)韓、日本の固有領土である竹島への侵略

韓国大統領 李 による「李承晩ライン」宣言。

●昭和27年2月3日(日)長野県南佐久郡田口村で、無灯火自転車に乗った日共の一団が5人の警官に暴行を加えピストルを強奪。

逃げ遅れた日共地区委員をその場で逮捕。

●昭和27年2月20日(水)東大ポポロ事件

劇団ポポロ主催の「多喜二祭」のさなか、学生が本富士署の3巡査を暴行、警察手帳を強奪。これを契機に、大学自治とその限界について大論争。

●昭和27年2月21日(木)蒲田署警官襲撃事件

日共が「反植民地闘争デー」を期して軍事方針に基づき行動した集団暴行事件。午後5時すぎ、大田区糀谷の電業社付近に約70人が集まり、不穏な状況に対し蒲田署K巡査が職質したところ、「この野郎、人民の敵だ、殺してしまえ」と襲いかかり暴行、手錠をかけ拳銃を強奪した。その後250人位に増えた暴徒は、2隊に分かれ無届けデモを行った。目つぶし、投石、派出所を襲撃破壊した。

●昭和27年2月23日(土)京都税務署を日本共産党員が襲撃。

●昭和27年2月28日(土)荒川署を日本共産党員が襲撃。

●昭和27年3月16日(月)鶴見、川崎税務署火炎瓶襲撃事件。

●昭和27年3月20日(木)京都の派出所を日本共産党員が襲撃。

●昭和27年3月28日(金)一連の日本共産党が引き起こした暴力革命闘争に対応するため「破壊活動防止法」案の綱領を発表。

同年、7月21日公布、即日施行 彼らがオームに対しての破防法適用に反対する理由は未だに、自分達自身の暴力闘争ポテンシャルを否定していないところに存する。

●昭和27年5月13日(火)広島地裁で傍聴席の朝鮮人150人が被告を奪取し逃亡させる。

●昭和27年5月17日(土)栃木県那須郡金田村村役場事件

日共党員らにより三月以来、人糞の投げ込み、集団脅迫、傷害が続いていたが村役場での会議中20名あまりの日共党員が乱入、「山林解放を妨害しているのはキサマか!」「この野郎ふてえ野郎だ、ぶん殴れ!」「ひきずりだせ」など罵声、鎌や鉈をもって迫った。駐在所の警察官にはさらに執拗に、妻や子にまでも行われた。妻の「私が家を離れ(実家に帰っては)共産党に負けたことになるから、死んでも家からは出ていきません」との一言がこの駐在警察官を支えたそうである。

●昭和27年6月2日(月)大分県菅生で交番が爆破される。4日襲撃首謀者逮捕。

●昭和27年6月9日(月)長野地裁松本支部公廷で朝鮮人被告らが暴れ、検事に椅子を投げる。

●昭和27年6月10日(火)京都で朝鮮人50人が警官隊と衝突、パトロール車に火炎瓶投入、警官ら火傷。

●昭和27年6月25日(水)朝鮮動乱2周年記念集会、前夜祭のデモ隊”人民電車”を動かし吹田で警官隊と大乱闘 <吹田事件>

阪神国道で乗用車の米軍将官火負傷。新宿歌舞伎町国際平和記念大会後、デモ隊2500新宿前で警官隊4000と乱闘衝突。東口広場は”火炎瓶広場”と化した。<新宿事件>竹槍、石、火炎瓶が飛び交うデモ対策として大阪警視庁は東京での木製盾から一歩進んだジュラルミン盾を作成。

●昭和27年6月28日(土)東芝府中工場火炎瓶事件

●昭和27年7月4日(金)破防法案は衆院本会議で可決成立

●昭和27年7月7日(月)名古屋大須球場で訪ソ・中視察報告大会後デモ隊火炎瓶で警官隊と衝突、路上車放火 121人検挙。<大須事件>

●昭和27年7月12日(土)警視庁が日共の不穏行動に備え、夜から一斉に非常警戒態勢に入る。

●昭和27年7月16日(水)都下恩方村山村事件

前村長宅に数名の”山村工作隊”の男が表門のくぐり戸をぶちこわして侵入、風呂場のガラス戸15枚、玄関脇十畳間の雨戸五枚を破壊しこぶし大の石を投石。付近の電柱塀には「山はおれたちのものだ。○○から山林を取り上げてみんなのものにしよう」と書いたビラ二十枚ぐらいが貼られていた。(○○は前村長の本名)

●昭和27年7月21日(月)破防法公布施行。公安調査庁発足。

●昭和27年7月30日(水)山梨県曙村山村地主襲撃事件。就寝中の小中学生3人を含む家族を竹槍で突き刺す。

3人は血の海の中に息も絶え絶えになって横たわっているところを駆けつけた警官に救われた。

●昭和27年8月6日(水)都下町田町の朝鮮人集落とマーケットより、時限爆弾製造法等が書かれた日共秘密文書「料理献立表」など押収、金森駐在所投石事件などの有力証拠を得た。日共党員の容疑者8人(7/31、8/4合計)を逮捕

●昭和27年8月7日(木)横川元商工大臣が埼玉県河村で襲撃され重傷。日共党員の容疑者3人を逮捕

●昭和27年10月19日(金)東京地裁のメーデー事件公判で傍聴者らが騒乱し開廷不能。

●昭和28年2月4日(金)漁船第1大邦丸韓国警備艇により捕獲、機関長射殺さる。当時の大統領李は「李ライン内の出漁は敵対行動と見る。」と声明

●昭和28年2月16日(月)小岩派出所侵入事件

●昭和28年2月16日(月)ソ連機2機北海道領空侵犯。米軍機により撃墜。

●昭和28年2月19日(木)バス車掌自殺

日共党員I子は恋仲の運転手を党活動に引き込んだが後悔、党活動にも情熱を失い批判を受けたことなどから睡眠薬自殺。

●昭和28年3月3日(火)警察爆破の陰謀発覚 日共党員3人を検挙。岡谷市署川岸村の旧防空壕に隠してあったダイナマイト50本、導火線10mなどを押収した。

●昭和28年3月5日 スターリン死亡

●昭和28年5月17日 舞鶴引き揚げ援護局不法監禁事件

第三次中共帰還の際、舞鶴で援護局女子職員をスパイだとして吊し上げ、軟禁した。後に日共党員国民救援会事務局長小松勝子と都立大教授在華同胞帰国協力会総務局長阿部行蔵を検挙。

●昭和28年7月6日 前年7月火炎瓶を持って通行中の男子学生が爆発物取締罰則違反現行犯で逮捕されたが東京地裁にて火炎瓶は爆発物ではないとして無罪。

広島、名古屋に続いて。広島の事件は前年4月29日安佐郡古市町巡査派出所に火炎瓶4本を投げ込んだ4人の朝鮮人が爆発物取締罰則に問われていたもの。

●昭和28年8月9日 ソ連スパイ船捕らう

安庁巡視船宗谷沖で。4人のソ連人を不法入国の疑いで慎重取り調べ。去る8月2日為替管理令違反での逮捕者関某は樺太のスパイ訓練所で訓練され密航してきた。今回の船は関を迎えに来たもの。6部の暗号解読書所持。

●昭和28年8月23日 大阪日本出版販売会社労組員、自称日共党員リンチ事件

手入れで警視庁150人の機動隊と労組員大乱闘、28人検挙。

●昭和28年11月5日 高萩炭鉱所長宅爆破事件

●昭和28年11月8日 夜東シナ海に20隻以上の中共怪船団、日本漁船に猛烈な機関銃撃水産庁生産部長談

「従来もしばしばあったことだが我々にはそうした危険を防ぐだけの力を持たないのでどうしようもない。」

●昭和28年11月11日 京都荒神橋事件

学生を含む800人が不法デモ。中立売署県警本部等に投石、窓ガラス破壊の乱暴狼藉。警官隊により鎮圧。警官7人学生4人が負傷。

●昭和28年11月12日 新潟県で講演内容が気にくわないと県教組(日教組)が文部常任専門員を吊し上げる事件発生。

●昭和28年11月12日 日鋼・赤羽争議事件

中立労組員第2組合員とピケを張って就業を阻む第1組合員との間で乱闘。就業希望者側の女性(21)ら7人に重軽傷。

●昭和28年11月12日 研究室占領して暴行。元東大助教授捕まる。

日共千葉県委員、日本平和擁護県委員常任理事。研究室をアジトとして活発な活動をしていたがレッドパージとなったが居座り。生産技術研究所の職員に殴打暴行を加えた。

●昭和28年11月21日(土)日共本部(アカハタ編集局)など19カ所全国一斉手入れ

出入国管理令違反。ルーマニアのブカレストで開かれた「第4回世界青年学生平和友好祭」への不法出国容疑で16人の逮捕状を取った。容疑者が遁走したため、このとき1人も逮捕できなかった。

●昭和29年1月24日 ラストボロフ亡命事件

(以降、砂川事件、トラック部隊事件などあいつぐ)

●昭和29年1月20日 朝鮮戦争での共産軍捕虜中北朝鮮に送還されることを望まぬ「反共捕虜」約二万人が国連軍に引き渡された。

一方、1月28日「親共捕虜」347人(米兵21、英兵1、韓兵325人が共産側に引き取られた。

●昭和29年4月3日 東京地検は全学連中執1人東大学生自治会元中執委員長らを不法監禁罪で起訴。

短大生をスパイの疑いで監禁したとの内容。縷々述べてきたこれら日本共産党の凶暴残忍性には当時の国民も不安と反感を覚え、昭和24年の総選挙で300万票34席の当選を出したものの、27年10月の総選挙ではわずか89万票で全員落選という当然のざまとなった。しかし、欺瞞的策術と言葉のすり替えに長けた日共は30年1月1日の「アカハタ」には「党の統一とすべての民主勢力と団結」という人騙しの文書をでっちあげ、これまでの自己の行ってきた「極左冒険主義」に対する厚顔無恥そのものの「自己批判」と、取り繕いだけの党組織の再統一の方向を打ち出すような偽善的振る舞いを取るようになった。

畢竟、今日取られているような平和革命路線、ソフトスマイル戦術も暴力革命のための単なる表層的、打算功利的戦術にすぎず、決してその本質ではない。昭和30年六全協決議「党活動の総括と当面の任務」にあるように、合法活動と非合法活動とのいずれに重点を置くかは「情勢と階級の力関係」によってきまると見ているのである。

革命情勢が来たと日共が判断すれば暴力革命を行うのである。日共は国会を「国会を反動支配の機関」(日本共産党綱領1994年7月23日 一部改定より)と規定し、昭和37年3月号「議会と自治体」にあるとおり、”ブルジョア選挙、ブルジョア議会。これを活用し運用して、われわれはこれを終局的に破壊しようとしている。”とか同4月号”我が党は、革命の党であるから国会に議席を得ることを目的の全てとしているのではない”というように「衣の下の鎧、刀、鉄砲」を見せているのである。これらは現在も取り消されては居ない。

●昭和27年4月6日(日)武蔵野署火炎瓶事件

●昭和27年4月17日(木)池上署矢口交番襲撃事件

●昭和27年4月20日(日)東大構内巡査暴行事件

●昭和27年5月1日(木)第23回メーデー(血のメーデー)

東京で暴動化。デモ隊が警察隊と乱闘。「実力を持って皇居前広場に入ろう」と叫ぶ都学連主力の約2000人が日比谷交差点で警官隊と衝突した後、皇居前になだれ込む。更に旧朝連系朝鮮人や労務者の極左分子を加え約5000名となる。投石、棍棒、竹槍にて警官隊と乱闘。自動車13台などに放火29台が大小破、暴徒側に死者1名。

●昭和27年5月8日(木)早大構内巡査暴行事件

●昭和27年5月30日(金)5.30記念日 各地で集団暴行、全国で44件。

板橋署岩之坂上派出所に労働歌を歌いながら棍棒、硫酸瓶、投石などで、なだれ込んだ朝鮮人、労働者、学生風の暴徒約300人。現場より短刀、カーバイト入りラムネ瓶2本棍棒など50数本などを押収。警官発砲他により3名暴徒側死亡。新宿駅前広場、交番、で警官100人負傷 火炎瓶使用さる。

http://81.xmbs.jp/piroshigogo-222215-ch.php

★日本共産党綱領・規約・宣言
http://space.geocities.jp/sazanami_tusin/platform/platform.htm

★日本共産党行動綱領 〔第4回党大会1945年12月1日〕
http://space.geocities.jp/sazanami_tusin/platform/platform/p04th.htm

◆志位和夫 日本共産党委員長の家系

志位和夫

1954年 千葉県四街道市に生まれる 
1973年 日本共産党に入党 
1979年 東京大学工学部物理工学科卒業 
1980年 日本共産党東京都委員会に勤務 
1982年 日本共産党中央委員会に勤務 
1990年 第19回党大会で書記局長に選出される
一度も社会生活の経験無し。

★志位和夫・日本共産党委員長の家系

父・志位明義(1929年―2005年)
母・志位茂野
両親とも、教員で日本共産党員であった。
父・志位明義は、日本共産党の船橋市議会議員であったこともある。

祖父は大日本帝国の陸軍中将志位正人(1889年10月22日 - 1945年5月6日)。

伯父に終戦時の第3方面軍参謀志位正二(陸軍少佐)がいる。
1954年2月5日に「自分はソ連のスパイでした」と警視庁に出頭した。
ソ連の在日代表部書記官だったユーリー・ラストボロフが米国に亡命、日本におけるソ連のエージェントとして志位ら36人の存在が明らかになったからである。
旧ソ連に抑留され強制労働を強いられた日本人は約60万人で、志位正二はスパイとなって早く帰国できた内の一人。

まさしく志位の家庭とはソ連のスパイ一族だった。
戦前の軍国主義は野蛮で非人間的であったとの見解を共産党は取っている。また、新たな反省と謝罪に伴う個人補償を言うなら、先ずは自ら率先して志位家の全財産を寄付すべきであろう。
そしてあなたの親達は祖父に与えられていた軍人恩給などは一円たりとも受け取ってはいなかったのだろうね。是非そのことも訊いてみたいものだ。

志位和夫ホームページ
http://www.shii.gr.jp/

日本共産党ホームページ
http://www.jcp.or.jp/web_tokusyu/2015/07/post-21.html

◆日本共産党国会議員の経歴一覧 
http://www.jcp.or.jp/web_member/ 

<衆議院>
赤嶺政賢  東京教育大卒。高校教師
池内沙織  中央大学法学部卒。日本民主青年同盟東京都副委員長
梅村さえ子 立命館大学Ⅰ部文学部卒。民青同盟地区委員長、同中央副委員長。
大平喜信  広島大学学校教育学部小学校教員養成課程。日本民主青年同盟広島県委員長
笠井亮   東京大学経済学部卒。日本民主青年同盟国際部長。
こくた恵二  立命館大学文学部卒。立命館大学職員。
斉藤和子  日本大学農獣医学部食品経済学科卒。県立清水高校(食品化学科)講師。
志位和夫  東京大学工学部物理工学科卒。日本共産党東京都委員会。
塩川哲也  東京都立大学人文学部卒。埼玉県日高市役所。
島津幸広  静岡県立浜松工業高校建築科卒。建設会社勤務後、静岡民報記者。
清水ただし 大阪経済大学経営学部Ⅱ部中退。松竹芸能。大阪市議会議員。
高橋千鶴子 弘前大学人文学部卒。私立東奥女子高校の英語教師。
田村 貴昭  北九州市立大学法学部卒。北九州市議会議員。
畑野君枝  横浜国立大学卒。中学校教諭、日本民主青年同盟神奈川県委員長。
畠山 和也  宮城教育大学卒。教員(3年)。その後日本共産党職員。
藤野保史  京都大学法学部卒。議員秘書。日本共産党中央委員会。
堀内照文  神戸大学文学部卒。日本共産党兵庫県委員会。
真島省三  九州工業大学中退。民青戸畑地区委員長。日本共産党八幡遠賀地区委員会。
宮本岳志  和歌山大学教育学部(除籍)。日本民主青年同盟中央委員。
宮本 徹  東京大学教育学部卒。日本共産党武蔵野三鷹地区委員長。
本村伸子  龍谷大学国史学専攻修士課程修了。新日本婦人の会愛知県本部。議員秘書。

<参議院>
井上哲士  京都大学法学部卒。日本共産党京都府委員会。
市田忠義  立命館大学法学部二部法律学科卒。龍谷大学職員。同教職員組合書記長。
紙 智子   北海道女子短期大学工芸美術科。日本民主青年同盟中央委員会副委員長。
吉良佳子  早稲田大学第一文学部卒。宝印刷(4年間)。議員秘書。
倉林明子  京都市立看護短期大学卒。右京病院(京都民医連中央病院)。
小池 晃   東北大学医学部医学科卒。小豆沢病院→北病院→代々木病院。
大門実紀史 神戸大学経済学部中退。東京土建一般労働組合。
辰巳孝太郎 エマーソン大学映画学科卒。「此花生活と健康を守る会」生活相談所長。
田村智子  早稲田大学第一文学部卒。日本民主青年同盟東京都委員会。議員秘書。
仁比聡平  京都大学法学部卒。北九州第一法律事務所所属。
山下芳生  鳥取大学農業工学科卒。大阪かわち市民生協。民青大阪府副委員長。