タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

嘘つきジェンガ

2023年05月25日 | 読みました!見ました!

図書館から借りていた辻村深月(つじむらみづき)の「嘘つきジェンガ(文藝春秋)」を読了しました。

「嘘つきジェンガ」は詐欺をテーマにした3つの短編集です。詐欺に巻き込まれたり、嘘をつくつもりがなかったのに後に引けなくなって嘘を上塗りしてしまったり。嘘に嘘を重ねていく様子が、まるで危うい状況の中でジェンガを積み上げていくよう…ってイメージで、この題名を付けたのだろうなと思いました。そして、もちろん最後にはジェンガの塔は崩れ落ちるのです。

『2020年のロマンス詐欺』:大学進学のため山形から上京した大学生の主人公は、コロナ禍で仕送りも減額となり友人から紹介されたアルバイトを始めるが、それは「ロマンス詐欺」の片棒を担ぐことだった。

『五年目の受験詐欺』:頑張っても頑張ってもなかなか成績が上がらず苦しむ小学生の次男の姿に心引き裂かれていた主人公の専業主婦は、息子を信じようと決意しながらも、つい100万円で受けられる「特別紹介の事前受験」という甘い誘いにのってしまう。息子は無事に中高一貫校に合格したが、五年後にそれが詐欺だったことが判明する。

『あの人のサロン詐欺』:主人公はアニメオタクの30代独身女性のフリーター。オンラインサロン「谷嵜レオ創作オンラインサロン オフ会」を主宰している。彼女は漫画原作者・谷嵜レオになりきり、谷嵜が覆面作家なのをいいことに、創作サロンの参加者にも、自分の家族にもそう偽っていた。しかし、ホンモノの谷嵜が逮捕された。

決して良い話ではないのだけれど、登場人物たちに何となく共感できる部分もあって、どの話も不思議と前向きになれるストーリーでした。うん、ヨカッタ。面白かった。

辻村深月さんという作家の小説は初めて読んだのですが、なかなかいいですね。また「読んでみたい作家」が増えました。

コメント
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