第二次世界大戦前後当時の沖縄では、そのころの風土病であるマラリアが猛威を振るい、昭和二〇年、八重山地方では死者が三六七四人を数え、戦闘被害による死者数を上まわり、「戦争マラリア」と呼ばれた。
戦争作戦上必要なこととして、当時の日本軍からの命令により、マラリア流行地である西表島の山地へ移住させられた住民の大多数が被害にあった。
しかし、沖縄のマラリアはその後一五年で撲滅に成功している。
これは、当時の琉球政府が中心となり、地域の保健所が、マラリア媒介蚊に対する圧倒的な防圧活動を行った成果。
同様に、もう一つの風土病であるフィラリア症についても、昭和四〇年に全島をあげての防圧活動が行われ、スタートして一〇年で完全撲滅に成功している。
これらは地域公衆衛生活動の代表的な成功例といえる。
このような活動の中心的な役割を果たしたのは、人口の少ない離島も含め全県隅々まで出向滞在した、駐在保健師さん(public health nurse)たち。
大規模保健活動が感染症対策に重要であることを証明した例だ。
沖縄本島南部、南城市の風景です。
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