演劇知

劇的考察譚

有象無造の芝居とは

2010-12-19 23:50:42 | Weblog
明治大学演劇研究部企画ユニット有象無造
#01「優しい他人がそこにいるから」






明大の後輩、そしてact orch芝居でもお馴染みの尾崎健太郎、波野平遼、曽我明希、森美咲が出演する舞台。劇作演出は尾崎さん。

「学生芝居を作る」という作者の思いのこもった作品。感想を書いても「えぇ、学生芝居ですから。」と全てを見透かされたような、そんな答えも返ってきそうな気もします。


タイトルが人間、フライヤーがリアルな川岸での女性ショットだったので、そんな感じの芝居かなと思いきや抽象舞台に主役が男子。おー



ぶれてしまいましたが、良い舞台でした。劇場空間の広さを活かし、且つ上手柱を途中で切ることで、空間の想像性を出し、さらに客席から若干斜めの角度で舞台を配置することで奥行きも出す。その道専門の波野平君が考えたであろうよい舞台。この本気をラム&トキで見たかった。


作品は「物語を書き続けなればならない」をテーマに男が世界の有り様、人間関係の有り様をめぐるストーリー。7分毎のショートオムニバス的に物語が進む数珠的作品でプロローグとエピローグが繋がる。

劇作家、演出家のこれまで見てきた、学んできた、獲得してきた全ての知識、技術をつぎ込んだ芝居。観客への提示もそうだが、それ以上に自身への提示、仲間への提示の方が強いのかなと。けじめをつける作品、それが「学生演劇」という彼の考えなのか。強い直球で物語が進行してきました。

好きなシーンは「ちょきちょきちょきちょきちょきりーな」というまるで飲み屋で生まれたような楽しいシーン。動きの匠さと台詞のファニーさが噛み合ったシーン。




なお、ハウスステップを織り込んでいましたが、森美咲が一番上手だったな。どうした尾崎!





受付にいた山村君。次の保育園芝居でパパを演じていただきます。







帰り際、錦糸町オリナスにて




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