演劇知

劇的考察譚

lab~すむ~後記とは

2018-03-25 10:12:16 | Weblog


長かった振り返りもいよいよ最後。

アクトオケの基本姿勢は前回のlab~六識~と変わらず。宜しければこちらから。

lab~六識~後記とは


で、ここからはこの二年間で考えたことや現場で思ったこと。


○今回特に芝居面では尾崎、制作面では剣持に大変お世話になった。二人には感謝してもしきれない。act orchはソロワークであるが、二人はそんなわたしに何も言わず、そっと、的確に、最大限の効果をもって力添えをしてくれる。女房役なんてとんでもない、かかあ天下です。本当にありがとう。


○若い子と表現をしていると、その子の「自信の無さ」が見えてくる。自信満々で偉ぶっている輩より圧倒的に良いのだが、なんというか演技への不安というか見せ方への自信の無さとかそういったものではなく、自分自身に対する自信の無さが見えてきてしまうのだ。

わたしとしては「あなたがそこに居て、そこで表現していることだけでそれは凄いことなのだ」と思う。声を大にして言いたいし、表現をする彼、彼女たちに掛け値なしの賞賛を与えたい。

勇気を持って飛び込んだact orchという表現の場、そこで演技に向き合う君たちは本当に素敵なんだと。その個性は誰にも揶揄されないのだと。

もっと自分自身に自信をもってほしい。


○大先輩であり師匠でもある竹田氏と飲んでいての一コマ。作風について、年を取ると創る作品のテーマが実生活に根ざしたものになってくる。それは自分の関心がそこに向かっていくということでもあるが、それ以上に次の世代に何を残せるかということでもあるのだ。厚かましいしお節介でもあるが、それでも下の世代よりも数十年先に生きてきた人間として何か残しておきたいという親父の小言なのである。

竹田氏のSNS上での言葉。

でも君が大人になる頃、この世界が良くない方へ向かってませんようにとの願いを込めた作品です。おじさん達とおばさん達は物語を面白くするために最後まで必死こいてました。
人を笑わせるって死にものぐるいなんだよ。

これが今公演中常に頭の中を巡っていた。わたしは子どもはいないが気持ちはなんとなく分かる。心血注いだ現場で培われた繋がりの中で、この思いは子のそれと同じだ。

そして終わってからの竹田氏のSNS上での言葉。

乃木坂46時間TVまだやってるから寝るに寝れない。

これが終演後常に頭の中を巡っている。





これにて振り返り終了。次の場でまた。

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