Q97 事業場外みなしの適用がある営業社員について,「当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合」(労基法38条の2第1項但書)には,どのように対処するのがお勧めですか?
事業場外みなしの適用がある営業社員について,「当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合」(労基法38条の2第1項但書),当該業務に関しては,「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」労働したものとみなされます。
「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」とは,通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間のことであり,平均的にみれば当該業務の遂行にどの程度の時間が必要かにより,当該時間を判断することになります。
「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が何時間かは,事前に決めておかないと後から争いになりますので,労使協定(労基法38条の2第2項)により,その時間を定めておくべきでしょう。
その結果,例えば,所定労働時間が1日8時間の事業場において,「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が1日11時間と定められた場合は,1日3時間分の残業代(割増賃金)を支払う必要があることになります。
1日3時間分の残業代は,残業代以外の基本給等の賃金とは金額を明確に分けて,それが残業代だと客観的に分かる形で支給するようにして下さい。
残業代が残業代以外の基本給等の賃金とは金額を明確に分けて支給するようにさえしておけば,万が一,事業場外みなしの適用が否定されたとしても,残業代の支払自体はなされていることに変わりはないのですから,残業代に不足が生じる場合に不足額についてのみ追加で支払えば足りることになります。
例えば,事業場外みなしの適用が否定された場合で,1日4時間残業していたと認定されたとしても,3時間分の残業代は基本給等の賃金とは金額を明確に分けて支給済みですから,1時間分の残業代を追加で支払えば足りることになりますので,会社のダメージはそれ程大きくはありません。
残業代請求に対するリスク管理としては,事業場外みなしの適用があるかどうかよりも,実態に適合した金額の残業代が残業代以外の基本給等の賃金とは金額を明確に分けて支給されているかどうかの方が,重要とさえいえると思います。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
弁護士 藤田 進太郎
事業場外みなしの適用がある営業社員について,「当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合」(労基法38条の2第1項但書),当該業務に関しては,「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」労働したものとみなされます。
「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」とは,通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間のことであり,平均的にみれば当該業務の遂行にどの程度の時間が必要かにより,当該時間を判断することになります。
「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が何時間かは,事前に決めておかないと後から争いになりますので,労使協定(労基法38条の2第2項)により,その時間を定めておくべきでしょう。
その結果,例えば,所定労働時間が1日8時間の事業場において,「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が1日11時間と定められた場合は,1日3時間分の残業代(割増賃金)を支払う必要があることになります。
1日3時間分の残業代は,残業代以外の基本給等の賃金とは金額を明確に分けて,それが残業代だと客観的に分かる形で支給するようにして下さい。
残業代が残業代以外の基本給等の賃金とは金額を明確に分けて支給するようにさえしておけば,万が一,事業場外みなしの適用が否定されたとしても,残業代の支払自体はなされていることに変わりはないのですから,残業代に不足が生じる場合に不足額についてのみ追加で支払えば足りることになります。
例えば,事業場外みなしの適用が否定された場合で,1日4時間残業していたと認定されたとしても,3時間分の残業代は基本給等の賃金とは金額を明確に分けて支給済みですから,1時間分の残業代を追加で支払えば足りることになりますので,会社のダメージはそれ程大きくはありません。
残業代請求に対するリスク管理としては,事業場外みなしの適用があるかどうかよりも,実態に適合した金額の残業代が残業代以外の基本給等の賃金とは金額を明確に分けて支給されているかどうかの方が,重要とさえいえると思います。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
弁護士 藤田 進太郎