弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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代表弁護士藤田進太郎からのご挨拶

2014-08-26 | 日記

代表弁護士藤田進太郎からのご挨拶

 あなたは労使紛争の当事者になったことがありますか?労使紛争の当事者になったことがある会社経営者であれば,それがいかに大きな苦痛となり得るかを実感を持って理解できることと思います。

 会社の売上が低迷する中,会社経営者が一生懸命頑張って社員の給料を支払うためのお金を確保しても,その大変さを理解できる社員は多くありません。会社はお金を持っていて,働きさえしていれば,給料日には給料が自分の預金口座に振り込まれて預金が増えるのが当然という感覚の社員が多いのではないでしょうか。私自身,勤務弁護士の時は給料日には必ず給料が私の預金口座に振り込まれて預金残高が増えていたものが,自分で事務所を開業してみると,給料日には社員に給料を支払わなければならず,預金口座の残高が減るのを見て,経営者にとって給料日はお金が減る日なのだということを,初めて実感を持って理解することができました。

 また,中小企業の会社経営者は,事業にかかる経費と比較して売上が不足すれば,何百時間働いても,事実上,1円の収入にもならないということになりかねず,それどころか,会社経営者の個人財産からお金を持ち出して,不足する金額を穴埋めしなければならないこともあるのですから,会社の業績が悪化した結果,収入が減ることはあっても,個人資産を事業継続のために持ち出すことのない一般社員とでは,随分,負担の重さが違うのだということも,よく理解できました。

 実は,私も,勤務弁護士のときは,理屈では雇う側の大変さを理解していても,その理解には共感が伴っていませんでした。所長は実際に仕事をこなしている自分よりたくさんの収入があってうらやましいというくらいの感覚だったというのが正直なところで,雇われている人たちのために頑張ってくれてありがとうございます,などと本気で思ったことがあるかというと,一度もありませんでした。自分が経営者の立場になってみて初めて,経営者の大変さを,実感を持って理解することができるようになったのです。

 立場が違えば,感じ方・考え方も違ってきます。労使紛争でお互いが感情的になりがちなのは,自分の大変さを相手が理解してくれないことに対する苛立ちのようなものが根底にあるからではないでしょうか。労使とも,自分ばかりが不当に我慢させられている,譲歩させられていると感じているわけです。

 このような苛立ちを緩和し,冷静に話し合うことができるようにするためには,労使双方,相手のことを思いやる想像力が必要だと思います。社員の置かれた状況を鮮明に想像することができ,社員を思いやることのできる優れた会社経営者であれば,会社を思いやる想像力を持った優れた社員との間で労使紛争が生じるリスクは極めて低くなることでしょう。仮に,一部の問題社員との間で労使紛争が生じたとしても,大部分の優れた社員は会社経営者の味方になってくれるでしょうし,裁判に勝てる可能性も高くなります。

 私は,あなたの会社に,労使双方が相手の立場に対して思いやりの気持ちを持ち,強い信頼関係で結ばれている会社になって欲しいと考えています。そのためのお手伝いをさせていただけるのであれば,あなたの会社のために全力を尽くすことをお約束します。


弁護士法人四谷麹町法律事務所


代表弁護士 藤田 進太郎


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会社経営者のための講演・労働問題セミナーのご案内

2014-08-26 | 日記

会社経営者のための講演・労働問題セミナーのご案内


 弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士藤田進太郎は,健全な労使関係を構築して労働問題のストレスから会社経営者を解放したいという強い想いを持っており,会社経営者のために,解雇  退職勧奨 残業代 試用期間 精神疾患 団体交渉 労働審判 問題社員 パワハラ 等の講演・労働問題セミナーを多数行っています。
 商工会議所,経営者協会等の経営者団体,会社経営者の勉強会・親睦団体等において,会社経営者のための講演・労働問題セミナーのための弁護士をお探しでしたら,弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京) (電話番号:03-3221-7137)にご連絡下さい。
 会社経営者のための講演・労働問題セミナーのお問合せ,打合せに費用はかかりません。


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公益通報・セクハラ・パワハラ等の外部弁護士相談窓口

2014-08-26 | 日記

公益通報・セクハラ・パワハラ等の外部弁護士相談窓口

会社経営者が顧問弁護士とは別に外部弁護士相談窓口を設置すべき3つの理由

 会社経営者が顧問弁護士とは別に会社に公益通報・セクハラ・パワハラ 等の外部弁護士相談窓口を設置すべき主な理由は,以下の3つです。
 ① 会社組織外の弁護士が相談窓口を務めることにより,社内の問題が会社経営者に伝えられないままもみ消されるなどして,会社経営者が社内の情報を把握できないまま問題が悪化してしまう事態を防止しやすくなります。会社経営者が「裸の王様」にされないようにするための一つの方法といえるでしょう。
 ② 会社組織外の弁護士が担当する相談窓口に通報,相談がなされれば,違法行為を社内でもみ消すことは困難となりますから,弁護士窓口を設置することは,それ自体,コンプライアンス意識の高い会社であることを示すものといえ,会社のブランド価値向上に資するものと考えられます。公的機関,大学,大企業といった一般に社会的信頼の高い組織の多くが弁護士窓口を設置しています。あなたも,あなたの会社の社会的信頼性・ブランド価値を高める努力をしてみませんか?
 ③ 組織内の法的問題については顧問弁護士に相談し,紛争が表面化すれば顧問弁護士に対応を依頼することになるのが通常と思われます。顧問弁護士は立場上,顧問先の利益のために行動すべき立場にあるのです。しかし,顧問弁護士が外部窓口を併任すると,通報・相談してきた者との関係では利益相反の恐れが出てきます。場合によっては,通報・相談してきた者との間の紛争については,会社のご依頼をお断りしなければならなくなる可能性があります。顧問弁護士と連携して事件の対応に当たりたいのであれば,外部弁護士相談窓口は,顧問弁護士の所属する法律事務所とは別の法律事務所に所属する弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士法人四谷麹町法律事務所の外部弁護士相談窓口

 弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)は,大学や企業の公益通報・セクハラ・パワハラ等の外部弁護士相談窓口を務めています。公益通報・セクハラ・パワハラ等の外部弁護士相談窓口は,弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)にお任せ下さい。


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健全な労使関係を構築して労働問題のストレスから会社経営者を解放したいという強い想いを持っています

2014-08-26 | 日記

 近年,競争の激化等により企業に余裕がなくなっていることや労働者の権利意識が高まっていること等を背景として,解雇 退職勧奨 残業代 試用期間 精神疾患 団体交渉 労働審判 問題社員 パワハラ 等に関する労使紛争が急増し,会社経営者が労働問題の強いストレスにさらされることが多くなっています。しかし,健全な労使関係の構築を望んではいるもののその具体的方法について十分に検討・実施していない会社経営者がまだまだ多く,無防備な状態のまま労働問題の大きなリスクにさらされています。
 採用すべきでない問題社員にチャンスを与えるつもりで安易に採用し,あまり管理せずに本人の自主性に任せた方がうまく行くと考えて十分な注意指導をせずに放置したところ問題社員が職場環境を悪化させてしまい,多数の退職者が出たり顧客からのクレームが多発したりして追い詰められてやっと問題社員の対応を検討し始めるものの,適切な対処方法が分からず,必要な手順を踏まずに問題社員をいきなり解雇した結果,解雇された問題社員から内容証明郵便が届いたり,労働審判を申し立てられたり,合同労組から団体交渉を申し入れられたりして,不当に非難されて強いストレスにさらされるだけでなく,解雇が無効と判断されて多額の解決金の支払を余儀なくされるケースは,決して珍しいものではありません。
また,残業代込みの月給という約束で採用し,残業の対価としての意味も込めて多額の手当や賞与を支払っていたところ,トラブルを起こして退職した問題社員から突然,残業代が支払われていないから払えと請求され,想定外の多額の残業代の支払を余儀なくされることも多発しています。
 弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京) に相談にお越しになった多数の善良な会社経営者が,良かれと思ってやったことが裏目に出たことに関し,本当につらそうな様子で,社員に裏切られたとか,詐欺にあったようなものだとか,社員にも裁判官にも経営者の苦労を分かってもらえないだとか,法律が社会の実情に合っていないだとか,こんな問題社員に解決金を支払うくらいなら会社のために頑張ってくれている社員にこそ支払ってやりたいとか嘆いてがっかりしている姿を見ていると,本当に残念な気持ちになります。せっかく世の中に貢献するために一生懸命育ててきた会社なのですから,労働問題で大きなダメージを被って取り返しがつかない結果になる前に,対処していかなければなりません。健全な労使関係を構築できて初めて,企業が持続的に発展し,会社経営者の夢も実現し,働く者のキャリア形成も図ることができるのです。
 弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)は,健全な労使関係を構築して労働問題のストレスから会社経営者を解放したいという強い想いを持っており,会社経営者側専門の法律事務所として,解雇 退職勧奨 残業代 試用期間 精神疾患 団体交渉 労働審判 問題社員 パワハラ 等の労働問題の予防解決に力を入れています。健全な労使関係を構築して労働問題のストレスから会社経営者を解放したいという強い想いを持っている弁護士をお探しでしたら,弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京) にご相談下さい。


弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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違法なパワハラと評価されないための心構えを教えて下さい。

2014-08-25 | 日記

違法なパワハラと評価されないための心構えを教えて下さい。

 自分の言動が録音,録画されていて,他の社員,取引先,家族,裁判官,弁護士等に聞かれたり,見られたりしても問題ないような言動を心がけて下さい。
 このような心構えができていれば,通常は違法なパワハラ と判断されるようなことを言ったりしたりはしないものです。
 もちろん,必要な業務指導等は臆せずにしっかり行って下さい。
 パワハラと言われるのが怖くて必要な業務指導から逃げてしまうようでは,会社経営者は務まりません。


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パワハラとされる言動の存在はどのような証拠により立証されるのですか?

2014-08-25 | 日記

パワハラとされる言動の存在はどのような証拠により立証されるのですか?

 パワハラ とされる言動の存在自体は,無断録音や電子メール等の客観的証拠がある場合には争いがなくなります。
 当事者間の会話は無断録音されていることが多く,訴訟で反訳文が証拠として提出されれば,証拠として認められてしまいますので,言った言わないの水掛け論で済む問題ではありません。
 客観的な証拠がない場合は,陳述書や証言で立証していくことになりますが,客観的な証拠がない場合であっても,言動自体にはあまり争いがなく,主にその評価が問題になることも珍しくはありません。


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パワハラ紛争を予防する上で,何が一番大事だと思いますか?

2014-08-25 | 日記

パワハラ紛争を予防する上で,何が一番大事だと思いますか?

 パワハラ 紛争の原因には様々なものがありますが,コミュニケーション不足が主な原因となっているものが多い印象です。
 コミュニケーションが不足しているとお互いに誤解が生じやすくなり,相手の真意が分かってさえいればパワハラだとは受け取られないはずの言動までが,パワハラだと受け止められてしまう傾向にあります。
 したがって,パワハラ紛争を予防する上では,十分なコミュニケーションを取る努力をすることが一番大事だと思います。


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パワハラ問題の対応が難しいのは,何が原因だと思いますか?

2014-08-25 | 日記

 

パワハラ問題の対応が難しいのは,何が原因だと思いますか?

 

 注意指導,業務命令等は業務を遂行する上で必要不可欠なものであるため,必要な業務指導等を「パワハラ 」だと言う従業員が現れた場合であっても,業務指導等を止めるわけにはいきません。
 その結果,どこまでの業務指導等なら許されて,どこからは許されないのかといった微妙な判断が要求されるため,対応が難しくなっているのだと思います。

 


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大勢の前で叱責したり,他の社員も大勢宛先に加えてメールで叱責する方法について意見を聞かせて下さい

2014-08-25 | 日記

他の社員が大勢いる前で叱責したり,他の社員も大勢宛先に加えた電子メールで叱責する指導教育方法についての意見を聞かせて下さい。

 他の社員が大勢いる前で叱責することや,他の社員も大勢宛先に加えた電子メールで叱責することは,「見せしめ」の効果はあっても,教育効果は低いことが多く,他の考慮要素が同じであれば違法と評価されやすいやり方ですので,お勧めできません。


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部下に問題があるなら指導教育目的の言動が違法なパワハラと評価される余地はないのではないですか?

2014-08-25 | 日記

部下に問題があるのであれば,指導教育目的の言動が違法なパワハラと評価される余地はないのではないですか?

 部下に問題がある場合であっても,やり過ぎると指導教育目的の言動が違法なパワハラ と判断されることがありますし,違法なパワハラとまでは評価されなくても教育効果が低くなりがちです。
 目指すべきところは,適法か違法かという話ではなく,適法であることを前提として,指導教育効果が高い適切な指導教育方法はどのようなものかといった話のはずです。
 指導教育目的を達成するために合理的な指導教育方法となるよう,研鑽を積んでいくべきと考えます。


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違法なパワハラに該当するかどうかの判断基準を教えて下さい。

2014-08-25 | 日記

違法なパワハラに該当するかどうかの判断基準を教えて下さい。

 違法なパワハラ に該当するかどうかは,「行為のなされた状況,行為者の意図・目的,行為の態様,侵害された権利・利益の内容,程度,行為者の職務上の地位,権限,両者のそれまでの関係,反復・継続性の有無,程度等の要素を総合考慮し,社会通念上,許容される範囲を超えているかどうか」といった基準で違法性の有無が判断されるのが一般的です。
 指導教育目的であれば違法なパワハラとはなりにくいですが,指導教育を行う上で合理性のない言動の場合は,違法なパワハラと判断されやすくなります。
 また,指導教育目的であっても,反復継続して行われるなど,程度が甚だしい場合には,違法なパワハラと判断されることがあります。
 例えば,大勢の前で,あるいは大勢の人を宛先に加えた電子メールを用いて,「見せしめ」目的ではないかと疑われるようなやり方で,特定の社員を激しく叱責しているような場合は,指導教育を行う上で合理性のない言動と評価されたり,やり過ぎと評価されたりして,違法なパワハラと判断されてしまうリスクが高いものと思われます。
 参考裁判例としては,以下のようなものがあります。


 ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル(自然退職)事件東京地裁平成24年3月9日判決(労判1050号68頁)
 「この点,世上一般にいわれるパワーハラスメントは極めて抽象的な概念で,内包外延とも明確ではない。そうだとするとパワーハラスメントといわれるものが不法行為を構成するためには,質的にも量的にも一定の違法性を具備していることが必要である。したがって,パワーハラスメントを行った者とされた者の人間関係,当該行為の動機・目的,時間・場所,態様等を総合考慮の上,『企業組織もしくは職務上の指揮命令関係にある上司等が,職務を遂行する過程において,部下に対して,職務上の地位・権限を逸脱・濫用し,社会通念に照らし客観的な見地からみて,通常人が許容し得る範囲を著しく超えるような有形・無形の圧力を加える行為』をしたと評価される場合に限り,被害者の人格権を侵害するものとして民法709条所定の不法行為を構成するものと解するのが相当である。」

 

 海上自衛隊事件福岡高裁平成20年8月25日判決(労経速2017号3頁)
 「一般に,人に疲労や心理的負荷等が過度に蓄積した場合には,心身の健康を損なう危険があると考えられるから,他人に心理的負荷を過度に蓄積させるような行為は,原則として違法であるというべきであり,国家公務員が,職務上,そのような行為を行った場合には,原則として国家賠償法上違法であり,例外的に,その行為が合理的理由に基づいて,一般的に妥当な方法と程度で行われた場合には,正当な職務行為として,違法性が阻却される場合があるものというべきである。」


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パワハラが関係する労災認定の問題の概要を教えて下さい。

2014-08-25 | 日記

パワハラが関係する労災認定の問題の概要を教えて下さい。

 パワハラ との関係では,以下のようなものについて,客観的に対象疾病を発病させるおそれのある強い心理的負荷であるとされています。
① 部下に対する上司の言動が,業務指導の範囲を逸脱しており,その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ,かつ,これが執拗に行われた
② 同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた
③ 治療を要する程度の暴行を受けた
④ 業務をめぐる方針等において,周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が上司との間に生じ,その後の業務に大きな支障を来した
⑤ 業務をめぐる方針等において,周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が多数の同僚との間に生じ,その後の業務に大きな支障を来した
⑥ 業務をめぐる方針等において,周囲からも客観的に認識されるような大きな対立が多数の部下との間に生じ,その後の業務に大きな支障を来した
⑦ 業務に関連し,重大な違法行為(人の生命に関わる違法行為,発覚した場合に会社の信用を著しく傷つける違法行為)を命じられた
⑧ 業務に関連し,反対したにもかかわらず,違法行為を執拗に命じられ,やむなくそれに従った
⑨ 業務に関連し,重大な違法行為を命じられ,何度もそれに従った
⑩ 業務に関連し,強要された違法行為が発覚し,事後対応に多大な労力を費やした(重いペナルティを課された等を含む)
⑪ 客観的に,相当な努力があっても達成困難なノルマが課され,達成できない場合には重いペナルティがあると予告された
⑫ 退職の意思のないことを表明しているにもかかわらず,執拗に退職を求められた
⑬ 恐怖感を抱かせる方法を用いて退職勧奨された
⑭ 突然解雇 の通告を受け,何ら理由が説明されることなく,説明を求めても応じられず,撤回されることもなかった
⑮ 非正規社員であるとの理由等により仕事上の差別,不利益取扱いを受け,仕事上の差別,不利益取扱いの程度が著しく大きく,人格を否定するようなものであって,かつこれが継続した

 ①~⑮のような事実が認定された場合,パワハラ単独で労災認定がなされる可能性が高いですが,①~⑮の程度にまで至らない程度の言動であっても,パワハラの前後に恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)を行っている場合は,「合わせ技」により,強い心理的負荷があったと評価されて労災認定がなされることがあります。
 恒常的な長時間労働の抑制がポイントです。

 労災認定の場面において業務起因性が肯定された場合,民事損害賠償請求の場面においても,精神疾患 発症との間の相当因果関係が肯定されやすい傾向にあります。


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③合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求の概要を教えて下さい。

2014-08-25 | 日記

③合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求の概要を教えて下さい。

 「懲戒解雇相当だが,退職届を提出すれば温情で受理し,退職金も支給する。」等と言って退職届を提出させたものの,懲戒解雇 できるような事案ではなかった場合,合意退職申込みの意思表示が錯誤により無効であるとか,強迫によりなされたものであるから取り消す等と主張されることがあります。


(錯誤)
民法95条 意思表示は,法律行為の要素に錯誤があったときは,無効とする。ただし,表意者に重大な過失があったときは,表意者は,自らその無効を主張することができない。

 

(詐欺又は強迫)
民法96条 詐欺又は強迫による意思表示は,取り消すことができる。


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②解雇,休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求の概要を教えて下さい。

2014-08-25 | 日記

②解雇,休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求の概要を教えて下さい。

 労災の場合は,労基法19条(の類推適用)により解雇 ,休職期間満了退職が制限され,解雇事由に該当する場合や,休職期間が満了した場合であっても,療養のため休業する期間及びその後30日間は原則として退職させられなくなるため,パワハラ により精神疾患 を発症したとの主張がなされた場合は,それが労災なのか,私傷病に過ぎないのかの区別が問題となります。


(解雇制限)
労基法19条 使用者は,労働者が業務上負傷し,又は疾病にかかり療養のため休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は,解雇してはならない。ただし,使用者が,第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては,この限りでない。
2 前項但書後段の場合においては,その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 また,事業場の閉鎖などに伴い退職勧奨 したところ退職勧奨に応じなかったため,別の事業場への転勤を命じたところ転勤に応じないため解雇したような事案で,嫌がらせして辞めさせる目的の転勤命令だから,転勤命令権限の濫用で無効であり,転勤命令拒否を理由とする解雇も無効であるといった主張がなされることもあります。


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①安全配慮義務違反や不法行為(使用者)責任を理由とした損害賠償請求の概要を教えて下さい。

2014-08-25 | 日記

①安全配慮義務違反や不法行為(使用者)責任を理由とした損害賠償請求の概要を教えて下さい。

 使用者は,
① 労働者の身体の安全等を確保しつつ働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)
② 従業員が第三者に加えた損害を賠償する責任(使用者責任)
を負っています。
 パワハラ をした者とされた者との間だけの問題ではなく,会社も紛争の当事者(被告)となるリスクを負っていることを理解する必要があります。


 関連条文は,以下のとおりです。
 民法715条1項ただし書きでは,「ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。」と規定されていますが,裁判実務上,この定めは空文化されており,この定めによる免責の余地はなくなっていますので,あてにすることはできません。


(労働者の安全への配慮)
労契法5条 使用者は,労働契約に伴い,労働者がその生命,身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう,必要な配慮をするものとする。


(債務不履行による損害賠償)
民法415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは,債権者は,これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも,同様とする。


(使用者等の責任)
民法715条 ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も,前項の責任を負う。
3 前2項の規定は,使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。


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