弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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代表弁護士藤田進太郎からのご挨拶

2015-02-10 | 日記

代表弁護士藤田進太郎 の経歴・所属等

東京大学法学部卒業
日本弁護士連合会労働法制委員会委員・事務局メンバー・
労働審判PTメンバー
東京三会労働訴訟等協議会委員
第一東京弁護士会労働法制委員会労働契約法部会副部会長
経営法曹会議会員
全国倒産処理弁護士ネットワーク会員
千代田トーストマスターズクラブメンバー


 

代表弁護士藤田進太郎からのご挨拶

 あなたは労使紛争の当事者になったことがありますか?労使紛争の当事者になったことがある会社経営者であれば,それがいかに大きな苦痛となり得るかを実感を持って理解できることと思います。

 会社の売上が低迷する中,会社経営者が一生懸命頑張って社員の給料を支払うためのお金を確保しても,その大変さを理解できる社員は多くありません。会社はお金を持っていて,働きさえしていれば,給料日には給料が自分の預金口座に振り込まれて預金が増えるのが当然という感覚の社員が多いのではないでしょうか。私自身,勤務弁護士の時は給料日には必ず給料が私の預金口座に振り込まれて預金残高が増えていたものが,自分で事務所を開業してみると,給料日には社員に給料を支払わなければならず,預金口座の残高が減るのを見て,経営者にとって給料日はお金が減る日なのだということを,初めて実感を持って理解することができました。

 また,中小企業の会社経営者は,事業にかかる経費と比較して売上が不足すれば,何百時間働いても,事実上,1円の収入にもならないということになりかねず,それどころか,会社経営者の個人財産からお金を持ち出して,不足する金額を穴埋めしなければならないこともあるのですから,会社の業績が悪化した結果,収入が減ることはあっても,個人資産を事業継続のために持ち出すことのない一般社員とでは,随分,負担の重さが違うのだということも,よく理解できました。

 実は,私も,勤務弁護士のときは,理屈では雇う側の大変さを理解していても,その理解には共感が伴っていませんでした。所長は実際に仕事をこなしている自分よりたくさんの収入があってうらやましいというくらいの感覚だったというのが正直なところで,雇われている人たちのために頑張ってくれてありがとうございます,などと本気で思ったことがあるかというと,一度もありませんでした。自分が経営者の立場になってみて初めて,経営者の大変さを,実感を持って理解することができるようになったのです。

 立場が違えば,感じ方・考え方も違ってきます。労使紛争でお互いが感情的になりがちなのは,自分の大変さを相手が理解してくれないことに対する苛立ちのようなものが根底にあるからではないでしょうか。労使とも,自分ばかりが不当に我慢させられている,譲歩させられていると感じているわけです。

 このような苛立ちを緩和し,冷静に話し合うことができるようにするためには,労使双方,相手のことを思いやる想像力が必要だと思います。社員の置かれた状況を鮮明に想像することができ,社員を思いやることのできる優れた会社経営者であれば,会社を思いやる想像力を持った優れた社員との間で労使紛争が生じるリスクは極めて低くなることでしょう。仮に,一部の問題社員との間で労使紛争が生じたとしても,大部分の優れた社員は会社経営者の味方になってくれるでしょうし,裁判に勝てる可能性も高くなります。

 私は,あなたの会社に,労使双方が相手の立場に対して思いやりの気持ちを持ち,強い信頼関係で結ばれている会社になって欲しいと考えています。そのためのお手伝いをさせていただけるのであれば,あなたの会社のために全力を尽くすことをお約束します。

 

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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退職届(合意退職の申込み)の撤回は認められますか?

2015-02-10 | 日記

退職届(合意退職の申込み)の撤回は認められますか?


 退職勧奨 を受けた労働者が退職届を提出して合意退職を申し込んだとしても,社員の退職に関する決裁権限のある人事部長や経営者が退職を承諾するまでの間は退職の合意が成立していません。
 したがって,社員の退職に関する決裁権限のある人事部長や経営者が退職を承諾するまでの間は,信義則に反するような特段の事情がない限り,合意退職の申込みの撤回が認められます。


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退職勧奨に応じない社員を配置転換することができますか。

2015-02-10 | 日記

退職勧奨に応じない社員を配置転換することができますか。


 配置転換の要件を満たせば退職勧奨 に応じない社員を配置転換することができますが,配置転換の有効性は配置転換の有効要件を満たすかどうかにより決まるものであり,退職勧奨に応じないことのみを理由として配置転換することができるわけではありません。


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退職勧奨に応じない社員を解雇することができますか。

2015-02-10 | 日記

退職勧奨に応じない社員を解雇することができますか。


 解雇 の要件を満たせば退職勧奨 に応じない社員を解雇することができますが,解雇の有効性は解雇の有効要件を満たすかどうかにより決まるものであり,退職勧奨に応じないことのみを理由として解雇することができるわけではありません


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失業手当の受給条件を良くするために解雇して欲しいと言われたら

2015-02-10 | 日記

退職勧奨したところ,失業手当の受給条件を良くするために解雇して欲しいと言われたのですが,解雇しないといけないでしょうか?


 「事業主から退職するよう勧奨を受けたこと。」(雇用保険法施行規則36条9号)を理由として離職した者は,「特定受給資格者」(雇用保険法23条1項)に該当するため(雇用保険法23条2項2号),退職勧奨 による退職は会社都合の解雇 等の場合と同様の扱いとなり,労働者が失業手当を受給する上で不利益を受けることにはなりませんので,失業手当の受給条件を良くするために解雇する必要はありません。
 退職届を出してしまうと失業手当受給との関係で自己都合退職として取り扱われ,失業手当の受給条件が不利になると誤解されていることがありますので,丁寧に説明し,誤解を解くよう努力して下さい。
 ただし,退職勧奨による退職は,助成金との関係でも,会社都合の解雇をしたのと同様の取り扱いとなることには注意が必要です。


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退職勧奨に応じた労働者の年次有給休暇(労基法39条)を買い上げることはできますか?

2015-02-10 | 日記

退職勧奨に応じた労働者の年次有給休暇(労基法39条)を買い上げることはできますか?


 年次有給休暇(労基法39条)は労基法上の権利ですので,使用者が強制的に買い上げることはできませんし,労働者との買い上げ合意があったとしても,労基法39条の趣旨に反するようなものについては無効となり,使用者は労働者の年休取得を拒むことができなくなると考えられます(労基法13条)。
 合意による年休買い上げが認められるかどうかは,労基法39条の趣旨に反しないかを個別に検討して判断するほかありません。
 退職勧奨 に応じた労働者が退職するに際し,消化し切れなかった年休を買い上げるような場合は,通常は労働者に不利益が生じませんので,労基法39条の趣旨に反せず,年休の買い上げが認められるものと考えられます。
 なお,労基法39条により付与された年休ではなく,就業規則等により上乗せで付与された部分の有給休暇については,労基法39条の規制が及びませんから,一般的には合意による買い上げが認められることになります。


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退職勧奨して辞めてもらう場合に,解雇予告手当(労基法20条)を支払う必要がありますか?

2015-02-10 | 日記

退職勧奨して辞めてもらう場合に,解雇予告手当(労基法20条)を支払う必要がありますか?
 

 退職勧奨 は合意退職を目指すものであり,解雇 ではありませんので,解雇予告手当(労基法20条)を支払う必要はありません。
 合意退職に向けた退職条件の話し合いの中で,一定額の金銭給付の交渉がなされることは珍しくありませんが,解雇予告手当とは性質の異なるものです。


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退職勧奨に応じた社員が印鑑を持ち合わせていないと言っている場合は,どうすればよろしいでしょうか?

2015-02-10 | 日記

退職勧奨に応じた社員が退職届に押印する印鑑を持ち合わせていないと言っている場合は,どうすればよろしいでしょうか?


 退職勧奨 に応じた社員が印鑑を持ち合わせていないと言っている場合は,差し当たり,退職届に署名させて下さい。
 押印は,後から印鑑を持参させて面前でさせれば足ります。


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労働者が退職勧奨に応じた場合,どの時点で退職の効力が生じますか。

2015-02-10 | 日記

労働者が退職勧奨に応じた場合,どの時点で退職の効力が生じますか。


 退職勧奨 の法的性質は,裁判実務上,使用者が労働者に対し合意退職の申込みを促す行為(申込みの誘引)をいうと評価されるのが一般的です。

 退職勧奨を申込みの誘因と評価した場合,労働者が退職勧奨に応じて退職届を提出した段階では合意退職は成立しておらず,退職届の提出等の労働者からの合意退職の申込みに対し使用者が承諾した時点で合意退職が成立することになります。
 学説では,退職勧奨を,辞職を勧める使用者の行為,あるいは,使用者による合意解約の申込みに対する承諾を勧める行為と定義する見解(荒木)もあります。
 この見解によれば,労働者が退職届を提出した時点で辞職の意思表示がなされ,あるいは合意退職が成立するため,使用者の承諾がなくても退職の効果が発生することになります。荒木先生の見解に全く異論はありませんが,裁判所は,労働者が退職の撤回を主張した場合には,労働者に有利に退職の効果が発生する時期を遅らせて判断する傾向があります。
 したがって,訴訟では荒木先生の見解に基づいて主張立証するとしても,事前の労務管理の段階では,速やかに退職を承諾する旨の通知をするなどして,退職の合意を成立させておくべきことになります。
 本サイトでは,退職勧奨が「使用者が労働者に対し合意退職の申込みを促す行為(申込みの誘引)」であることを前提として解説しています。


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労働者は退職勧奨に応じる義務がありますか。

2015-02-10 | 日記

労働者は退職勧奨に応じる義務がありますか。


 労働者は退職勧奨 に応じる義務はなく,退職するか退職しないかを自由に決めることができます。


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退職勧奨を社員に行わせる場合の注意点を教えて下さい。

2015-02-10 | 日記

退職勧奨を社員に行わせる場合の注意点を教えて下さい。


 退職勧奨 は労使紛争の契機となることが多いですので,相手の気持ちを理解する能力を持っている,コミュニケーション能力の高い社員が退職勧奨を担当することが望ましいところです。
 同じようなケースであっても,退職勧奨の担当者が誰かにより,紛争が全く起きなかったり,紛争が多発したりします。
 適性のある担当者が必要な人数集められない場合は,マニュアルを作成して遵守させるなどして対処せざるを得ませんが,マニュアルだけでは十分な対応ができないかもしれません。
 直属の上司は,日常的に部下とともに業務を遂行すべき立場にありますので,退職勧奨を行わせるのは酷なケースが多く,原則として退職勧奨の担当者にはしない方が無難だと思います。
 退職勧奨を受ける社員と仲の悪い上司が退職勧奨を行うようなケースは非常にトラブルが多いので,できるだけ避けたいところです。
 退職勧奨を担当する社員に対しては,どうして退職勧奨しなければならないのか,その理由についてよく理解してもらう必要があります。
 退職勧奨される側に大きなストレスがかかるのは当然ですが,退職勧奨する側にも相当大きなストレスがかかります。
 退職勧奨を行う必要性について十分に納得してもらわないと,退職勧奨する側が嫌になって会社を辞めてしまうということにすらなりかねません。


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プロフィールとご挨拶

2015-02-10 | 日記

代表弁護士藤田進太郎 の経歴・所属等

 東京大学法学部卒業
 日本弁護士連合会労働法制委員会委員・事務局メンバー・労働審判PTメンバー
 東京三会労働訴訟等協議会委員
 第一東京弁護士会労働法制委員会労働契約法部会副部会長 
 経営法曹会議会員
 全国倒産処理弁護士ネットワーク会員
 千代田トーストマスターズクラブメンバー

 


弁護士として活動する目的

 健全な労使関係を構築して労働問題のストレスから会社経営者を解放するために弁護士として活動しています。

 


代表弁護士ご挨拶

 あなたは労使紛争の当事者になったことがありますか?労使紛争の当事者になったことがあるとすれば,それがいかに大きな苦痛となり得るかが実感を持って理解できることと思います。  
 会社の売上が低迷する中,社長が一生懸命頑張って社員の給料を支払うためのお金を確保しても,その大変さを理解できる社員は多くありません。会社はお金を持っていて,働きさえしていれば,給料日には給料が自分の預金口座に振り込まれて預金が増えるのが当然という感覚の社員が多いのではないでしょうか。
 私自身,勤務弁護士の時は給料日には必ず給料が私の預金口座に振り込まれて預金残高が増えていたものが,自分で事務所を開業してみると,給料日には社員に給料を支払わなければならず,私の事業用預金口座の残高が減るのを見て,経営者にとって給料日はお金が減る日なのだということを,初めて実感を持って理解することができました。また,個人事業主や中小企業のオーナー社長は,事業にかかる経費と比較して売上が不足すれば,何百時間働いても,事実上,1円の収入にもならないということになりかねず,それどころか,経営者の個人財産からお金を出して,不足する金額を穴埋めしなければならないこともあるのですから,会社の業績が悪化した結果,収入が減ることはあっても,個人資産を事業継続のために持ち出すことのない一般社員とでは,随分,負担の重さが違うのだということも,よく理解できました。
 このような話は,理屈は簡単で,当たり前のことなのですが,誰でも実感を持って理解できるかというと,なかなか難しいものがあります。会社勤めをしている友達に,給料日には会社の預金残高が減るという話をしてみたところ,「そのとおりかもしれないけど,その分,会社はお客さんからお金が入ってきて儲かっているんだから。」という答えが返ってきたことがあります。
 確かに,「お金が入ってきて儲かっている」のであればいいのですが,経営者にとっては,実際にお金が入ってくるかどうかが問題なわけです。今,売上が上がっていても,将来,どうなるかは誰にも分かりませんし,下手をすると個人資産を事業につぎ込まなければならなくなることもあるのですから,経営者はいつまで経っても気を緩めることはできません。
 実は,私も,勤務弁護士のときは,理屈では雇う側の大変さを理解していても,その理解には共感が伴っていませんでした。所長は実際に仕事をこなしている自分よりたくさんの収入があってうらやましいというくらいの感覚だったというのが正直なところで,雇われている人たちのために頑張ってくれてありがとうございます,などと本気で思ったことがあるかというと,一度もありませんでした。自分が経営者の立場になってみて初めて,経営者の大変さを,実感を持って理解することができるようになったのです。
 立場が違えば,感じ方・考え方も違ってきます。労使紛争でお互いが感情的になりがちなのは,自分の大変さを相手が理解してくれないことに対する苛立ちのようなものが根底にあるからではないでしょうか。労使とも,自分ばかりが不当に我慢させられている,譲歩させられていると感じているわけです。このような苛立ちを緩和し,冷静に話し合うことができるようにするためには,労使双方,相手のことを思いやる想像力が必要だと思います。
 社員の置かれた状況を鮮明に想像することができ,社員を思いやることのできる優れた会社であれば,会社を思いやる想像力を持った優れた社員との間で労使紛争が生じるリスクは極めて低くなることでしょう。仮に,一部の問題社員との間で労使紛争が生じたとしても,大部分の優れた社員は会社の味方になってくれるでしょうし,裁判に勝てる可能性も高くなります。
 私は,あなたの会社に,労使双方が相手の立場に対して思いやりの気持ちを持ち,強い信頼関係で結ばれている会社になって欲しいと考えています。そのためのお手伝いをさせていただけるのであれば,あなたの会社のために全力を尽くすことをお約束します。

 

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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