弁護士法人四谷麹町法律事務所のブログ

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精神疾患を発症したものの,通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合の対応

2015-02-16 | 日記

精神疾患を発症したものの,所定労働時間内の通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合は,どのように対応すればいいですか?


 所定労働時間内の通常業務であれば問題なく行える程度の症状である場合は,時間外労働や出張等,負担の重い業務を免除する等して対処します。


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精神疾患発症が疑われる社員本人からの申告がなくても,何らかの配慮が必要ですか。

2015-02-16 | 日記

精神疾患発症が疑われる社員本人からの申告がなくても,何らかの配慮が必要ですか。


 使用者は,必ずしも社員からの申告がなくても,その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っていますので,社員にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には,メンタルヘルスに関する情報については社員本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で,必要に応じてその業務を軽減するなど社員の心身の健康への配慮に努める必要があります(東芝(うつ病・解雇)事件最高裁平成26年3月24日第二小法廷判決参照)。


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精神疾患発症が疑われる社員がいる場合,どのように対応すればよろしいでしょうか?

2015-02-16 | 日記

遅刻や欠勤が急に増えたり,集中力や判断力が低下して単純ミスが増えたりするなど,精神疾患発症が疑われる社員がいる場合,どのように対応すればよろしいでしょうか。


 使用者は,社員の健康に対して安全配慮義務を負っていますので(労契法5条),遅刻や欠勤が急に増えたり,集中力や判断力が低下して単純ミスが増えたりするなど,精神疾患 発症が疑われる社員については,上司から具体的問題点を指摘した上で,医療機関での受診や産業医への面談を勧めるなどする必要があります。


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退職勧奨のやり取りを無断録音された場合,その録音記録は訴訟で証拠として認められますか?

2015-02-16 | 日記

退職勧奨のやり取りを無断録音された場合,その録音記録は訴訟で証拠として認められますか?


 退職勧奨 のやり取りは,無断録音されていることが多く,録音記録が訴訟で証拠として提出された場合は,証拠として認められてしまうのが通常です。
 退職勧奨を行う場合は,感情的にならないよう普段以上に心掛け,無断録音されていても不都合がないようにして下さい。


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退職勧奨が違法とならないための心構えを教えて下さい。

2015-02-16 | 日記

退職勧奨が違法とならないための心構えを教えて下さい。


 退職勧奨 は,自分の行っている退職勧奨のやり取りは全て無断録音されていて,訴訟になった場合は全てのやり取りが裁判官にも会社関係者にも明らかになってしまうことを覚悟して行って下さい。
 それだけの自覚があれば,よほど退職勧奨に向いていない方でない限り,違法となるような退職勧奨を行うことはないのではないかと思います。


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退職勧奨をしたところ退職する意思がない旨回答された場合,退職勧奨を打ち切らなければなりませんか。

2015-02-16 | 日記

退職勧奨をしたところ退職する意思がない旨回答された場合,退職勧奨を打ち切らなければなりませんか。

 

 退職勧奨 をしたところ退職する意思がない旨回答された場合は,退職勧奨をいったん打ち切るのが原則です。従前の説明を繰り返し,退職を要求し続けるだけの退職勧奨は社会通念上相当とは認められず,違法と評価される可能性が高いものと思われます。
 退職勧奨をしたところ退職する意思がない旨回答された場合であっても行うことが許されるのは,退職条件等について必要な説明を行って再検討を促すといった社会通念上相当と認められる言動に限られるものと思われます。


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退職勧奨が違法になることはありますか?

2015-02-16 | 日記

退職勧奨が違法になることはありますか?


 退職勧奨 を行うことは,不当労働行為に該当する場合や,不当な差別に該当する場合などを除き,労働者の任意の意思を尊重し,社会通念上相当と認められる範囲内で行われる限りにおいて違法性を有するものではありません。
 しかし,その説得のための手段,方法がその範囲を逸脱するような場合には違法性を有し,使用者は当該労働者に対し,不法行為等に基づく損害賠償義務を負うことがあります。


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労働委員会で和解したが解決金の支払ができなかった場合,強制執行がなされることはありますか?

2015-02-16 | 日記

労働委員会に係属している事件に関し和解が成立した場合で,支払期限までに解決金の支払ができなかった場合に,強制執行がなされることがありますか。

 労働委員会において和解の認定がなされた場合で,和解に金銭の一定額の支払等の給付を内容とする合意が含まれる場合は,当事者双方の申立てにより,労働委員会は,当該合意について和解調書を作成することができます(労組法27条の14第4項・3項)。
 この和解調書は,強制執行に関しては,民事執行法22条5号に掲げる債務名義とみなされ(労組法27条の14第5項),執行文の付与等は,労働委員会の会長が行うこととされています(労組法27条の14第6項)。
 したがって,労働委員会において和解の認定がなされた場合で,和解調書が作成されている場合に,支払期限までに解決金の支払ができなければ,強制執行がなされるリスクがあります。


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中労委における「和解の認定」により審査の手続が終了した場合,初審命令の効力はどうなりますか。

2015-02-16 | 日記

中労委における「和解の認定」により審査の手続が終了した場合,初審命令の効力はどうなりますか。

 中労委における「和解の認定」により審査の手続が終了した場合,初審命令は効力を失います(労組法27条の14第3項)。


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中労委で「和解の認定」がなされることになりました。「和解の認定」とはどういったものですか。

2015-02-16 | 日記

中労委で「和解の認定」がなされることになりました。「和解の認定」とはどういったものですか。

 救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し,当事者双方の申立てがあった場合において,労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ,又は確立させるため適当と認めるときは,審査の手続は終了します(労組法27条の14第2項)。
 労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ,又は確立させるため適当と認め,審査の手続を終了させることを,「和解の認定」といいます。


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合意退職の錯誤無効や強迫取消はどのような場合に認められてしまうのでしょうか?

2015-02-16 | 日記

合意退職の錯誤無効や強迫取消はどのような場合に認められてしまうのでしょうか?


 退職届を提出して退職した元社員から,錯誤無効(民法95条),強迫取消(民法96条)等を理由として合意退職の効力が争われたとしても,退職届が提出されていれば合意退職の効力が否定されるリスクはそれほど高くはありませんが,一定の場合には合意退職の効力が否定されることがあります。
 その典型的事例は,「このままだと懲戒解雇 は避けられず,懲戒解雇だと退職金は出ない。ただ,退職届を提出するのであれば,温情で受理し,退職金も支給する。」等と社員に告知して退職届を提出させたところ,退職時の会話が無断録音されていて,懲戒解雇できる事案であることを訴訟で立証できなかったケースです。
 有効に解雇できるような事案であれば,退職勧奨 するにあたり退職届を提出しなければ解雇する旨告知しても構いませんが,有効に解雇することができるような事案ではない場合は,退職勧奨にあたり「解雇」という言葉は使うべきではありません。
 退職勧奨のやり取りは無断録音されていることが多いということにも留意するようにして下さい。


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退職届(合意退職の申込み)の撤回を防止するための方法を教えて下さい。

2015-02-16 | 日記

退職届(合意退職の申込み)の撤回を防止するための方法を教えて下さい。


 退職勧奨 に応じた労働者から退職届の提出があったら,退職を承認する権限のある上司が速やかに退職承認通知書を作成し,事前に写しを取った上で,当該労働者に交付して下さい。
 退職届を提出した労働者に対し,退職承認通知書を交付すれば,その時点で合意退職が成立しますから,退職届(合意退職の申込み)の撤回は認められなくなります。


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代表弁護士藤田進太郎からのご挨拶

2015-02-10 | 日記

代表弁護士藤田進太郎 の経歴・所属等

東京大学法学部卒業
日本弁護士連合会労働法制委員会委員・事務局メンバー・
労働審判PTメンバー
東京三会労働訴訟等協議会委員
第一東京弁護士会労働法制委員会労働契約法部会副部会長
経営法曹会議会員
全国倒産処理弁護士ネットワーク会員
千代田トーストマスターズクラブメンバー


 

代表弁護士藤田進太郎からのご挨拶

 あなたは労使紛争の当事者になったことがありますか?労使紛争の当事者になったことがある会社経営者であれば,それがいかに大きな苦痛となり得るかを実感を持って理解できることと思います。

 会社の売上が低迷する中,会社経営者が一生懸命頑張って社員の給料を支払うためのお金を確保しても,その大変さを理解できる社員は多くありません。会社はお金を持っていて,働きさえしていれば,給料日には給料が自分の預金口座に振り込まれて預金が増えるのが当然という感覚の社員が多いのではないでしょうか。私自身,勤務弁護士の時は給料日には必ず給料が私の預金口座に振り込まれて預金残高が増えていたものが,自分で事務所を開業してみると,給料日には社員に給料を支払わなければならず,預金口座の残高が減るのを見て,経営者にとって給料日はお金が減る日なのだということを,初めて実感を持って理解することができました。

 また,中小企業の会社経営者は,事業にかかる経費と比較して売上が不足すれば,何百時間働いても,事実上,1円の収入にもならないということになりかねず,それどころか,会社経営者の個人財産からお金を持ち出して,不足する金額を穴埋めしなければならないこともあるのですから,会社の業績が悪化した結果,収入が減ることはあっても,個人資産を事業継続のために持ち出すことのない一般社員とでは,随分,負担の重さが違うのだということも,よく理解できました。

 実は,私も,勤務弁護士のときは,理屈では雇う側の大変さを理解していても,その理解には共感が伴っていませんでした。所長は実際に仕事をこなしている自分よりたくさんの収入があってうらやましいというくらいの感覚だったというのが正直なところで,雇われている人たちのために頑張ってくれてありがとうございます,などと本気で思ったことがあるかというと,一度もありませんでした。自分が経営者の立場になってみて初めて,経営者の大変さを,実感を持って理解することができるようになったのです。

 立場が違えば,感じ方・考え方も違ってきます。労使紛争でお互いが感情的になりがちなのは,自分の大変さを相手が理解してくれないことに対する苛立ちのようなものが根底にあるからではないでしょうか。労使とも,自分ばかりが不当に我慢させられている,譲歩させられていると感じているわけです。

 このような苛立ちを緩和し,冷静に話し合うことができるようにするためには,労使双方,相手のことを思いやる想像力が必要だと思います。社員の置かれた状況を鮮明に想像することができ,社員を思いやることのできる優れた会社経営者であれば,会社を思いやる想像力を持った優れた社員との間で労使紛争が生じるリスクは極めて低くなることでしょう。仮に,一部の問題社員との間で労使紛争が生じたとしても,大部分の優れた社員は会社経営者の味方になってくれるでしょうし,裁判に勝てる可能性も高くなります。

 私は,あなたの会社に,労使双方が相手の立場に対して思いやりの気持ちを持ち,強い信頼関係で結ばれている会社になって欲しいと考えています。そのためのお手伝いをさせていただけるのであれば,あなたの会社のために全力を尽くすことをお約束します。

 

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎


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退職届(合意退職の申込み)の撤回は認められますか?

2015-02-10 | 日記

退職届(合意退職の申込み)の撤回は認められますか?


 退職勧奨 を受けた労働者が退職届を提出して合意退職を申し込んだとしても,社員の退職に関する決裁権限のある人事部長や経営者が退職を承諾するまでの間は退職の合意が成立していません。
 したがって,社員の退職に関する決裁権限のある人事部長や経営者が退職を承諾するまでの間は,信義則に反するような特段の事情がない限り,合意退職の申込みの撤回が認められます。


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退職勧奨に応じない社員を配置転換することができますか。

2015-02-10 | 日記

退職勧奨に応じない社員を配置転換することができますか。


 配置転換の要件を満たせば退職勧奨 に応じない社員を配置転換することができますが,配置転換の有効性は配置転換の有効要件を満たすかどうかにより決まるものであり,退職勧奨に応じないことのみを理由として配置転換することができるわけではありません。


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