ありふれた日常と非日常は紙一重のバランスで帳尻を合わせているのかも?
「いたちなく」 子供の頃だから50年くらい前の話、毎年のように倉庫に野良猫が子猫を生んでいた、それを見つけたら目も開いていない子猫を段ボール箱に入れて紐で結び川に流していた。流し灯籠のように緩やかな川の流れにのった段ボール箱から子猫の鳴く声が聞こえていた。川にはまだ堰が無かったので見えなくなるまで流れていって、やがて声も聞こえなくなる。何匹の子猫を流した事だろう。当時の段ボール箱は無駄に厚く丈夫に作られていたので川下の岸に流れ着いて、どこかの誰か豊かで優しい人に拾われていると子供心に信じていた。
「いたちなく」 子供の頃だから50年くらい前の話、毎年のように倉庫に野良猫が子猫を生んでいた、それを見つけたら目も開いていない子猫を段ボール箱に入れて紐で結び川に流していた。流し灯籠のように緩やかな川の流れにのった段ボール箱から子猫の鳴く声が聞こえていた。川にはまだ堰が無かったので見えなくなるまで流れていって、やがて声も聞こえなくなる。何匹の子猫を流した事だろう。当時の段ボール箱は無駄に厚く丈夫に作られていたので川下の岸に流れ着いて、どこかの誰か豊かで優しい人に拾われていると子供心に信じていた。