「ソラとカイ、ここへ来てちょっと話を聞きなさい。」
「なあに、お父さん?」
「あらあら、ウイロウさんのお説教がまた始まるのかしら・・・」
「ソラは飛べるようになった。カイも練習中だ。カゴの外の世界はいろんなおかしな物や動物が存在して確かに退屈はしないな。
でも、だ。その者たちと一緒に生活するためには、好きなように飛び回っているだけではダメなんだ。
いつも水や食べ物を運んでくる家来にも、愛情を注いでやらなくてはならないぞ。時には奴等の言葉で話しかけてやれるよう、ニンゲン語を勉強するように心がけるように。セキセイインコたるもの、二ヶ国語習得は当たり前なのだぞ・・・
それから、カゴの外で文鳥やコザクラインコたちとの良いトリ関係を築くためには・・・」
ウイロウ父さんの話はまだまだ続くようです。
ふんわりとした輪郭の夕日がおちて、春の一日がまた過ぎるのでした。