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先祖を探して

Vol.9 チュラドゥールと呼ばれる美しいお墓

沖永良部島には大規模な琉球式のお墓が6つもあるそうですが、その中でも世之主に関係するのがウファと呼ばれる世之主のお墓と、世之主の子孫が眠るチュラドゥールと呼ばれるお墓です。

ウファ

昭和41年3月11日に県の史跡に指定されました。15世紀頃の琉球王朝時代、沖永良部島を治めていた島主である世之主、真松千代の墓です。石門で囲まれた奥に、サンゴ礁をくりぬいてつくった純琉球式の立派な納骨堂が残されています。 真松千代は、15世紀ごろ、中山王の和睦船が来襲してきたものと早合点し、妻と長男とともに自害したといわれます。墓の中には中央に世之主、正妻、嫡子の3つの骨壺と、四天王と呼ばれた家臣の骨壺4つが四隅に安置されています。

近年、泉川地区ににある3つの琉球式墓の調査(他のお墓の調査も調査されています)がなされ、2019年3月に和泊町教育委員会より報告書が発刊されました。それによると、7つのそれぞれの骨壺に1体ずつの人骨ではなく、性別や大人、子供が何体か混ざってそれぞれの骨壺に何体かずつ収められていたそうです。

7つの骨壺に1体ずつだと勝手に信じておりましたので、驚きの調査結果でした。私の勝手な推測ですが、別にある宗家の墓が作られる前に、親族の者を納骨していた可能性がありますね。今後DNA鑑定なんてお話もちらほらあるようですので、それが実施されればまた伝説が1つ真実になっていくかもしれないと期待しております。

残念ながら、お爺様の記録にはウファについての記述が今のところ見当たりませんが、引き続き資料を見ていこうと思います。

 

 

チュラドゥール

世之主の墓より50mほど下の方にある、宗家と豊山家の先祖が眠る琉球式のりっぱなお墓です。一説には、世之主の墓を作りにきた琉球の石工が、島に滞在中に宗家と豊山家に接待を受けて、両家が自分たちの墓も作って欲しいと希望したので、先にチュラドゥールを作ってしまい、琉球から工事の調査が来たので慌てて世之主の墓を作った。そのためチュラドゥールの方が綺麗なお墓になってしまい、石工は琉球に戻って首をはねられたといいます。しかし、お墓の調査では作られた年代が違う結果に現時点ではなっておりますので、この話は後世に作られた話だと思います。

チュラドゥールの正確な建造年は調査中でありますが、石積や遺物から17世紀後半以降とされています。それは当家にある霊位に記載されており、お爺様の資料にも記載されていました。

宗家(屋号:上花城)の池悦(喜美留与人:1698年-1779年没)という先祖が、1760年6月に墓石を建立。それは宗家の日本式の墓石を昭和初期にお爺様が調査した時に墓石に掘ってあったようです。この方は1744年(46歳)に喜美留与人になられていますので、島の権力者になって墓石を建てたのでしょう。この時代はもう薩摩藩の管理下で、墓石は日本式に切り替わっていっています。チュラドゥールそのものはその以前から存在していなければ、日本式墓石が現在地に配置されることは無いでしょう。

昨日新たな情報を入手しました。現在のチュラドゥールを管理されている豊山家からのお話しです。これまでに沢山の研究家の方の報告書や、ネット上の情報で宗家と豊山家のお墓であることは記載されていますが、両家は親族関係になります。もともと豊山家は首里王府から島に派遣された役人の家系です。その後、島で婚姻や養子縁組等で、両家は親族になっております。

その豊山家が280年ほど前(1740年頃)に、もともとあった宗家の墓を琉球より石工を呼んで拡張工事をしたようです。そこで出来上がったのが現存しているチュラドゥールです。その時に、東を豊山家、西を宗家が使うことになり、中央の入り口を挟んで東と西に両家の日本式墓石が立っています。

2つの話を合わせても、1740年頃にはチュラドゥールは現存していると思われますので、和泊町の調査報告にある17世紀後半以降の見解は正しく、17世紀後半~18世紀前半の建造となると思います。

   

1760年建立の日本式の墓石

何度見ても美しい宮殿の庭のようなお墓チュラドゥール

 

3号墓

ウファとチュラドゥールの間の森の中にあるお墓で、最近になって発見されたようです。墓の2つの墓と同様に、納骨堂があり中には沢山の骨壺が無造作に置かれているようです。まだ調査が進んでおらず、一説にはニングル墓(妾の墓)とも呼ばれているようです。チュラドゥールとの関連もあるようなので、いったい誰のお墓なのか今後の調査に期待したいですね。


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