7年前の8月下旬に訪問した鰊御殿の「旧花田家番屋」です。
この施設は国指定重要文化財で最北端に位置する建造物だそうです。
http://www.adnet.jp/nikkei/kindai/42/
留萌からオロロンラインを北へ車で約30分に位置する道の駅「おっぴら鰊番屋」の隣に建っています。
道の駅「おっぴら鰊番屋」は2015年4月オープンですから、この時はまだ工事中だったようですね。
ニシンの番屋や御殿といえばNHK連続テレビ小説「マッサン」で放送された余市町が有名ですが、
こちら旧花田家番屋はその規模からいうと道内では最大規模。
道内にあるニシンの番屋の中で、国の重要文化財に指定されているのはこの旧花田家番屋のみです。
名称:旧花田家番屋
重文指定年月日:1971年(昭和46年)12月28日(文部省告示第220号)
年代:1905年(明治38年)
構造形式:木造平屋(一部二階)建 正面西向 二階建玄関突出
本屋東側南隅より第5間~第14間まで下屋付、屋根こけら葺
寄棟造(玄関のみ入母屋造)、外部下見板張、基礎自然石、土台敷
規 模:桁行(間口)39.390m 梁間(奥行)22.722m
面積 1階部分 801.167m2 2階部分 105.310m2 合計906.477m2
解説文:北海道に残る大型鰊漁場建築の数少ない遺構で、ヤン衆(雇漁夫)の宿泊設備がよく残っている。
巨材を豊富に用い梁組は豪壮である。
北海道の風土色にあふれる建築で盛時の鰊漁を知る好資料である。
漁期には200人は寝泊りしたと言われる木造建築物です。
俳句の春の季語に「鰊群来(にしんくき)」があります。
春告魚(ニシンの別名)が海藻に産卵するため海岸に押し寄せ、雄の精液で海面が乳白色に染まる現象のこと。
明治、大正から昭和20年代までは北海道の日本海側で彼岸ころから八十八夜ころまで見られたそうです。
昭和30年代以降は鰊群来が見られなくなったことより、
「石狩挽歌:北原ミレイ(歌)、なかにし礼(作詞)」では、「あれからニシンはどこへ行ったやら」と歌われています。