ここ北国の札幌でさえ、すっかり春めいてお庭のあちこちから
希望をもたらす新芽が顔を覗かせているというのに…。
その、母を脅かすメールはちょうど4月1日の夜に送られて来た。
「体中の骨が痛い。凄く気持ち悪い。」
えっ なにそれ?
エイプリールフールだよんって言ってよー 。・゜・(*ノД`*)・゜・。
「仕事が忙しかったから凄く疲れてるからかな?」と
具合の悪い中、1日の仕事を最後まで頑張った
帰宅途中の横浜の娘からのメールだった。
帰宅後、熱を測ると38度。
「風邪だね、風邪薬飲んで寝てなー」
幸いに次の日はお休み。
1日寝てたら治るかなぁ~なんて軽く考えていたら…。
次の日は嘔吐。
土曜日なので病院は午前中だし
次の日は仕事にはとても行ける状態ではなく、あえなく欠勤。
買い置きのポカリスエットも無くなってしまった
脱水症状を起こさないためには
ポカリが1番良いことは知っていた。
ヒロさんに電話してみた。
「ゆいにポカリスエットを届けて欲しいの」
ヒロさんは一瞬の間もあけずに「いいよ!」と言ってくれた
「ありがとう~」 涙が止まらない。
ヒロさんは電車を乗り継いで娘のマンションまで
飲み物やレトルトのお粥や吐き気の風邪に効く漢方薬や
ティッシュやトイレットレーパーまで運んでくれた。
そしてメールが
「飛んで行ってあげるのも母親の愛情だし
独りで苦しみを乗り越えさせるのも母親の愛情だね。」
「うん。」
とうとう下痢もはじまり
発熱、嘔吐、下痢の3拍子と脱水への道は揃ってしまった。
娘はだんだん電話にも出なくなる。
やっと聞けた娘の声はどんどんか細くなり
返事をするのもやっとの状態。
こっちの方が生きた心地ではない。
ブログの更新はしても
気持ちが飛んでいて何を書いたか覚えていなかった。
月曜の朝、「行ってあげよう」心が決まった。
思い出していた…。
私が最初の子を流産したとき
仕事で忙しい母が飛んで来てくれた。
主人の両親と同居中だったので、私の面倒をみに来た訳ではなくて
ただ、顔を見に来ただけ。
片道2時間かけて…私の顔を見て一緒に泣いてくれた。
ただそれだけのことが、どんなに励みになったことか。
あれは、娘と同じ23歳の時だった。
「行ってあげよう」
私も母の娘…飛んで行ってあげる方の愛情を選んだ。
そうと決断した途端
いつもは、のらりくらりの私の脳が突然活性化して
全ての段取りが一瞬で組み立てられた。
今、考えても不思議…。
月曜発送のご注文が溜まっていた。
花&空ちゃんママのyumiさんはお餞別のお返しに
ラベンダーバレーの石けんを選んでくれていて10日までに必要だった。
このお仕事は何があっても絶対に間に合わせてあげたい
yumiさんの優しさに応えたかった
スカイマークが16:15発で3便空いていた。
千歳までの連絡バスの時間は14:30。
「良し!大丈夫!!!」
自分に強く言い聞かせて、黙々と梱包した。
まだ、ご入金待ちのお客様の分も
ご注文が入っている全ての梱包を終えて、ヤマトへ電話。
主人へそれぞれのお客様への各種メールの送り方をざっと説明して
あとは横浜に着いてから電話での遠隔操作だ
yumiさんは代引きなので郵便局へ持ち込まなくては…
そんな時に限って窓口が珍しく込んでいたりする(´ヘ`)
バスの時間まで、あと5分!
心臓がバクバクいってるー(((;゜Д゜)))
ギリギリセーフでバスに乗り込んだヽ(´▽`)ノ
携帯に登録してある方へはひたすらメールする
ユキノさんまで巻き込んで
全てのお客様へ発送メール完了
ユキノさん、お世話になりました
6日にKSMさんご一家がご来店の予定だった。・゜・(*ノД`*)・゜・。
申し訳ない。・゜・(*ノД`*)・゜・。
ご主人様が手打ち蕎麦をお土産にと
張り切ってくれていたらしい。・゜・(*ノД`*)・゜・。
つ、次に!ぜひぜひ!お願いしまぁ~す
乗り物=寝る時間の私なのにこの日は飛行機の中でも寝られなかった。
ほとんど雲さえなく晴れ渡っていた。
この辺が東北…。
窓席の私はただただ窓から日本列島をぼんやり見下ろしていた。
かなり脱線しますが
日航機墜落事故の直後に
ひとりで札幌→東京に行かなくてはならなく
全日空は満席、日本航空はガラガラ。
しようがないのでドキドキしながら日航機へ乗り込んだ。
「あぁー嫌だなぁ~(´ヘ`)」 ドキドキ!
「あぁーやっぱ落ちるかなぁ~(´ヘ`)」 ドキドキ!
……………………………
……………………………
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……………………………
ガタガタガタガタァーーーーΣ( ̄▽ ̄;
ギャー
やっぱり、落ちたぁー(((;゜Д゜)))
あれ?
あれ??
あれれ???
こ、これって…着陸かい???
な、なんと!
私は離陸前に寝てしまっていたのでした ┐(´ー`)┌
なんだよーあんなにドキドキしながら寝るのかよぉー ┐(´ー`)┌
しかも!着陸まで1度も目覚めずに爆睡するなんて
なんて太ていヤローだいっ!
それからは、乗り物は爆睡する場所と決まっていた私だったのに
娘のマンションへ着いてからでは病院は間に合わない。
「救急車を呼ぶよ!!!」と脅して
「歩けない」という娘を無理矢理、病院へ行かせた。
病院へ電話して症状を説明し点滴をお願いしておく。
玄関までも歩けないと言っていたが
「これから行ってあげるから!」の母の言葉に励まされて
なんとか病院へ行っていた。
点滴を打って貰えたら一安心だ。
最初はほんの少しのお粥も30分くらいかけてやっと食べていたが
5日の昼くらいからはちょっとだけ回復してきた。
と思っていたら
夜には見る見る体調が戻ってきて食欲も出てきたヽ(´▽`)ノ
そして、喋ること喋ること!
何日人と話してなかったの?と思うくらいに(爆)
もう、大丈夫だね
母のミッション、無事完了かな?
娘から具合が悪いとメールがきた時から
ずっとずっと…それは今でも
私の脳裏にはある思いが消せないでいる。
病気になっただけでこんなにこんなに心配で
娘がたった独りで苦しんでいるのが可哀想で
このままじゃ、死んじゃうんじゃないかと
居ても立っても居られずにいた私…。
がれきの下に…
父が
母が
息子が
娘が
夫が
妻が
愛する家族が
この下に居ることが分かっているのに
助けてあげられないときの痛みってどんなだろう。
心も体も切り裂かれるくらいの
想像を絶するその痛みを
その深い苦しみを
どうしてあげることができるのだろうか。
神様!
神様は居ますか?
お願いです!
ひと言、言って下さい。
「もう、終ったよ。もう大丈夫だよ」と。
今朝、クロッカスが咲きました。