ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

1997年8月 (4歳)

2001年01月17日 | ゆきちゃんの日記
これは1997年の日記です。
月に一回しか通えなかった
療育センターに持っていくために
書いた日記です。


1日(金)

天気が悪くてプールはお休みのようなので

保育園に連れて行く。

やはり体調がわるいのか

門の所で泣いてしまう。

でも、

O上先生が声をかけてくださると

「おはようございます」と中へ……。


2日(土)

久し振りに
「若竹の会」の訓練に出かけた。

10月26日のコンサートに向けての
音楽の練習だった。

人が少なかったから落ち着いて参加しできた。

太い竹を太鼓に見立てて叩いたり、

鈴を鳴らしたり自由にさせてもらって

楽しそうだった。


3日(日)

日曜日は由紀子にとって退屈な1日だと思う。

絵本を読むかテレビを見るしか無い。

おもちゃで誘うがなかなかのってこない。

雨が降ると外にも連れ出せないし、

お友達を呼んでも遊ばないし、

どうしたものかと悩んでしまう。


4日(月)

昨日の夜中はすごく暑くて

由紀子も4時に目を覚まして

しばらくごろごろして眠れないようだった。

起きるとすぐにわたしの腕をさわりに来るので

一緒に生きていなければならないので辛い。

わたしが眠ると横でしくしく泣き始める。

アー本当に辛い。


5日(火)

最近トイレに一人で行けるようになって

ずいぶん楽になった。

今日は「ウンコ」といって走ってきたので

トイレに入れて外で待っていたら
素っ裸になって出てきた。

びっくりして中を覗いてみたら
パンツの中に出ていた。

お尻をふいて欲しくて走ってきた事に
後になって気がついた。

ごめんね!


6日(水)

台風が接近してきて天気が心配。

療育センターに行く日が近づくと
必ず天気が悪くなる。

由紀子はお船にいこうねと楽しみにしているのに。

今回はプールだもんね。


7日(木)

保育園で水遊びの後、
泥遊びをしようとしたら

由紀子の姿が見えず、
驚いて教室に行ってみると

一人で着替えてみんなを待っていたそうだ。

「驚きましたが一人できちんと
着換えができて偉いです。」

とS野先生のお手紙があった。


8日(金)

台風の接近で保育園はお休み。

でも、天気はそれほど悪く無くて
退屈な1日だった。

まーまーの背中に乗って
お馬をしてもらうのだが、

最近は曲芸のように
背中に立ってしまうので
まーまーの方が恐がっている。


9日(土)

なんとなく元気がなので

保育園をお休みしたのだが、

昼過ぎから由紀子が発熱してしまった。

家族がみんな風邪気味だったけれど

でもこれは由紀子からうつされたものなので

もう由紀子にはうつらないと思っていた。

食欲もあるので少し様子を見てみよう。


10日(日)

まーまーまで発熱。

休日当番医をたずねて受診する。

運良く今日の当番医は「U医院」だった。

Uさんは「若竹の会」の会長さんの家。

自閉症の子どもさんを持っていらっしゃるので

この先もかかりつけにしたいと思う。


11日(月)

夜中に39.8度まで熱が上がってしまう。

座薬を使おうと何度も思ったが、

なるべく自力で下がって欲しくて

頭を冷やしたり

氷で水分を取らせたりして

一夜を過ごした。

午前4時に汗をかいて熱が下がった。

その後はもう熱はない。


12日(火)

保育園に連れて行く。

1日中ご機嫌でパジャマに着替えた後、

おなかを出して

「こんにゃく畑はおなかにピース。」

とダンスをしていたらしい。

よほど保育園が楽しいのだろう。

家では遊び相手もいないし、

退屈だと思う。


13日(水)

お盆でお墓に行って花火をした。

去年は音を怖がって

私に抱かれたままで

下に降りる事もできなかったが、

今年は自分で花火を持って

火を付けてもらう事ができた。

「花火きれいね」

と回りの花火にも興味しんしん。


14日(木)

昨日までの花火がよほど印象的だったが、

夜中に

「花火、花火、おしまいおしまい」

といって夜泣きをする。

パニックを起こすのかと心配したが
2,3分で治まって眠ってしまった。


15日(金)

今日で墓参りもおしまい。

親戚の人たちにも随分慣れて
話し掛けられても逃げなくなった。

お決まりのセリフで返事をしたり

「おしまい」

と質問を拒否しながら
平静に過ごす事ができた。

由紀子が慣れたのか、

親戚が慣れたのか?


16日(土)

トイレに一人で行って
ドアを閉めるようになった。

私が入ろうとしたり、
ドアを少しでも開けたりすると拒否する。

終わると身繕いをして出てくる。

その時の得意そうな顔。

自我の目覚めかな?と
期待してしまう。


17日(日)

近所のスーパーに連れて行く。

いつものお気に入りの洗剤売り場に立ったので

「お母さんお買い物をしてくるからね。」

と別の売り場に行ったら

「お母さん!」と探す声が聞こえた。

「お肉屋さんよ」と答えると
走ってやってきた。

由紀子が私を探すのは初めての事だった。


22日(金)

療育センタ-へ行くために
大波止まで行ったのだが、

ゆきが熱を出していることに気がついて

家へ引き返した。

37.7℃!

せっかく変更をお願いしたのに
また行けなかった。

船に乗るつもりでいた由紀子は

帰ってからも「おふね・おふね」と言い続ける


23日(土)

熱は下がったが、
鼻水と咳が続くので病院へ連れていく。

鼻詰まりが続くと必ず鼻血が出る。

小児科の先生は大丈夫とおしゃるが、

貧血になるのではと心配になってしまう。

一日中ぐずぐず言って機嫌が悪い。


24日(日)

やっと元気になっていつもの生活になる。

しかし、最近おもちゃを使って遊ぶことが多くなったせいか、

部屋を散らかして困る。

そう言えば、

本を散らかすことが減ったような気がする。

以前は本棚の本をすべて引っ張りだしていたのに・・・・・。


25日(月)

用事があって私一人で長崎へ出かけた。

由紀子が生まれてから初めてのことだ。


26日(火)

今日は保育園でマジックショ-があった。

帰り道おもしろかったか、聞いたら

「おじいちゃん・フ-セン・イヌ」

と答えた。

偶然言ったのか、

それともマジックショーの話をしてくれたのか

何だか気になって仕方がない。

明日先生に聞いてみよう。


27日(水)

大正解!!!!

「確かにおじいちゃんが
フーセンでキリンを作ってくれましたが、
あれはどう見てもイヌでした。」

とお返事。

うれしい!!

由紀子と初めて会話をしたようなそんな気がする。

こんなことの積み重ねで
いつかちゃんと話せる日が来るかも・・


28日(木)

保育園では運動会の練習が始まっているが、

今年は由紀子もリレー出してもらうみたい。

先生のお話では

バトンを望遠鏡のように覗き込んだりして

楽しそうにしているとのこと。

だいじょうぶかな心配!

家でも一人で

「よ~い、ドン」とがんばって練習している



29日(金)

心配ですとお手紙を書いたら、

今年はみんなと一緒に
行動ができるようになってきたと
返事をいただいた。

ただ、新しいものを使うと
嫌がって逃げ出すけれど、

気になるのか
時々寄って来ているので

好きにさせてくださっているようだ。


30日(土)

若竹の会の練習に行く。

手をつないでステージへ出ていく練習のとき

嫌がってだっこをせがんで動かなくなる。

当日あの大きなステージに
立てるかどうか心配だけど

だめな時はさのときさ、
と開き直ることにした。


31日(日)

朝からおもちゃをいっぱいだして
散らかしているなと思っていたら、

一人でブロックを積んで遊んでいた。

2歳のお誕生日に買ってやったが
今まで全く使えなかった。

創作という遊びをしない子だったのに
上手に積み上げている

「すごい!!!」


=END=
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