前回紹介した「環境経済学」によると、地球温暖化の原因は産業別でおおむね「発電」「輸送」「農業」の三つに等分される様です。
電気と車はなくても19世紀の暮らしに戻るだけですが、食糧がなくては経済が崩壊してしまうので、この三つの中では「農業」が最も重要と言えます。
もちろんこの三つは密接な相互関係にあり、電気による情報や技術、車による動力や輸送がなければ農業は成立しません。
なので全ての産業は農業に関わっていると言え、もちろん誰もが食べなければ生きて行けません。
ここで「漁業」にも言及しますと、以前「海洋酸性化」について触れたおりに、大気中の二酸化炭素を海が吸収し過ぎて生態系が危機に瀕しているコトを紹介しました。(マイクロプラスチックよりも深刻です)
海は既に、19世紀以降に人類が排出して来た二酸化炭素の半分程を吸収しており、相当な酸性化が進んでいて吸収力も落ちています。
これと同じ現象は陸地にも及んでおり、大気中の二酸化炭素による酸性雨と化学肥料により、農地の酸性化も進んでいます。
殆どの作物は土壌酸性化によって生産性が落ちるので、これは人口が増加する未来を脅かしています。
また、「化石燃料産業」と密接な関りを持つ「大規模農業」は土壌を裸にするので、土中の炭素が酸化して二酸化炭素として放出されてしまいます。
これとメタンや亜酸化窒素(窒素肥料の過剰で発生)の放出が相まり、農業は地球温暖化の1/3の原因になっています。
この誰もが依存している「大規模農業」を変革しない限り、「地球に住めなくなる日」は避けられないと言え、国連もそれを直視していて革新的な「カーボンファーミング」(二酸化炭素を土壌に固定する農業)に投資するように成りました。
上のコラムで農聖テルヒガがこの流れを「当然」としているのは、古い小規模の有機農業ではとうてい100億に成ろうとする人口を養えないからです。
一方、土壌微生物群の力を最大限に引き出す「EM農法」ではそれが可能だとテルヒガは豪語しており、それは40年近い現場の実積によって証明されています。
これについては「ブラジル EM」のキーワードで出て来るページを前に紹介しましたが、ブラジルに渡った日系人は大変な努力を重ねられて、今では向こうの大規模農業を牽引する存在に成っております。
もちろん日本でも「EM農法」は普及しており、下の流通サイトから全都道府県の生産現場にリンクしています。