そこでは福建省出身(台湾は福建語圏)の蔡恩諧が、大躍進時代に政策に反対した知識人達を、餓死させる目的で送られた砂漠地帯の労働改造所に於いて、塩害を克服して彼等の命を救った伝説です。
蔡恩はそこで自ら土に僊化しますが、その功績は「サイオン賞」として後世の有機農業の発展に経がります。
この「賞(シャン)」は中国本土から台湾へ逃れた知識人達が立ち上げたとし、台湾では実際に有効微生物群(EM)は「サイオンEM」と呼ばれています。
「ラクシュミーの家」でも当然「サイオン1号」を用い、これは世界的に流通している「EM1号」の原形です。
EM1号が全世界で容易に培養できる27種の微生物群であるのに対して、オリジナルのサイオン1号は81種で、沖縄と台湾でのみ培養されています。
果たしてオリジナルのサイオンと、シェイプアップされた普及版とではどちらがより「有効」なのか? それは培地(土壌やタンクや腸内)と基質(培養のエサ)とに依るので、一概には言えません。
いずれにしろ一番有効な培地は動物の腸内と言え、100Lタンクに相当する牛のルーメンが特に優れています。
そこは理想的な温度で微生物培養に特化しており、牛に消化された後の微生物群は更にフンとして土壌を発酵させます。
そうした「発酵合成土」は微生物由来の酵素で溢れ、その酵素は野菜の遺伝子を特別盛大に発現させます。
すると大根はマグロ大に育ち、いつまで経っても酸化せずに食べる人もサビにくくさせます。
「農聖サイオンの伝説②」は、そんな大根をずっと食べ続けて来たプノン族が、概ねみんな100歳まで病気にならずに、最期まで元気に生きるという伝説です。