白い背景に白い遺灰箱なので、少し見えにくくて申し訳ないが、西洋の「遺灰箱」である。
私が葬儀装飾を学んだロンドンの大手葬儀社にいた頃、ロンドンの火葬場や墓地、骨壷屋さんなどによく出入りしたものである。
イギリスは日本と同じく島国で、土地に限りが在るため、人の約70%が火葬となる為、遺灰箱なる日本で言う「骨壷」がとても多くあり、その種類やデザインもとても美しい事は、何度かこのブログでもご紹介している。
日本では「遺骨」となるが、イギリスでは、灰になるまで焼却し、サラサラのパウダー状態の「遺灰」が普通である。その遺灰を土に返し、その上に薔薇の苗などを墓標の代わりに植えたりするのが、一般的な埋葬である。勿論墓石を立てる遺族もいるし、金属のプレートを墓標代わりにする遺族もいて、その表し方は様々である。
遺灰をこのようなエレガントな遺灰箱に保存し、自宅のリビングなどに、「故人の思い出」として飾っている遺族もいる。
こんなエレガントな遺灰箱なら現代のモダンなリビングにもぴったりだろうし、遺族である若いジェネレーション(世代)の人達が、故人の思い出とともに美しく部屋にかざり、故人を偲びやすいのではないだろうか?
少なくとも私のジェネレーションには、無宗教の概念が浸透しているし、最愛の家族が、故人となっても美しくしてあげたいと思うのではないだろうか?
エレガントな人生を生きた故人には死して尚、エレガントに美しく飾ってあげたいと思うのである。