アメリカの大手メディア、ウオールストリートジャーナルが、福島の原発あたりで再度、大きな地震が起こる可能性が高い、、と検証しています。
3,11の巨大地震によって眠っていた福島の活断層が目覚めたため、再度大きな地震が起こりやすくなっているそうです。
ウオールストリート・ジャーナルの記事→http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/02/15/could-fukushima-daiichi-be-ground-zero-for-the-next-big-one/
この日本語訳の転載はこれです。
*****昨年の東日本大地震による衝撃で、福島第1原子力発電所近くの眠っていた断層が目を覚ました。東北大学の趙大鵬教授らは、同原発が再び大地震に見舞われる恐れがあると警鐘を鳴らしている。
欧州地球科学連合のジャーナルに14日掲載された同教授らの論文は、マグニチュード9の地震で一帯のプレートが揺さぶられ、より不安定な状態となったため、同原発の地震リスクが高まったとしている。ただ、それだけではない。本当の問題は、太平洋プレートが隣接するオホーツクプレートの下に沈み込んでできた流体(水)かもしれないという。東北地方はオホーツクプレートの上にある。
研究を行った研究者らによると、流体は断層に向かって移動し、そこで断層線にそって脆性地殻に溶け込み、抵抗を減らし、断層をずらし、大型の地震を引き起こす可能性があるという。
同研究者らは、3月11日の大地震は福島第1原発から約160キロ離れた場所で発生したが、次の地震の震源地はずっと近い可能性があると指摘。そのため、原発のインフラを適宜強化するのが賢明だと結論づけている。時期については予想していないが、「近い将来」としている。
今回の研究では、2002年6月~11年10月に東北で起こった6000回以上の地震を分析し、このデータを基に、断層撮影法を使って地下活動の状況を示した一帯の詳細なポートレートを作成した。この撮影法は、CTやCATスキャンに似ているという。
研究チームは、大地震の余震の震源が内陸だったことに注目した。マグニチュード7のこの余震は3月11日のちょうど1カ月後、同原発からわずか60キロのいわき市を襲った。
趙教授が14日発表した文書は「原発の地区にいくつか活断層がある。わたしたちの研究結果で、いわきと福島第1原発の両地区の地下に同じような構造上の異常があることが示された。それほど遠くない昔にいわきで大きな地震があったことから、福島で同じくらい大きな地震が起こる可能性があると考えている」としている。
研究チームはいわきの余震について、太平洋プレートから上部の地殻に上昇した流体が引き起こしたとしている。この流体は、太平洋プレートが東北地方の下に移動したためにできたものだ。同プレートの動きで温度と圧力が高まった内部の鉱物は脱水状態になる。放出された流体はその後、上部地殻に向かって厚い岩の周囲を動けるようになる。趙教授らは、こうした流体が十分にたまれば、断層がずれる恐れもあるため、深刻な地震のリスクが高まるとみている。1995年の阪神・淡路大震災が起きた場所の下にある岩も、同様のプロセスをたどったという。
論文によると、いわきにはそうした断層帯があり、3月11日の地震で目覚めるまでほぼ休眠状態だった。しかし、3月11日後の7カ月半には2万4000回を超える地震が記録されたという。それ以前の9年に同地で検知された地震は1300回だった。
さらに、福島第1原発はいわきの地下の地殻と同じ特徴を示す地殻の上にある。原発付近の地震活動はいわき付近に比べると少ないが、それでも上昇する流体は脅威だという。原発地殻を走る断層はこうした流体でもろくなる可能性がある。
同論文は「そのため、近い将来に福島第1原発で地震が起こる可能性について、多大な注意を払うべきだ」としている。