〈08冬、北海道・果ての岬〉鳥と風と流氷と

汽車を車に乗り換えて、車は知床に向かって走り出した。
吹雪、吹雪、吹雪。
東京が３センチの積雪で大騒ぎしてたのがバカみたいに思える。
朝の天気予報通り、空の色は暗い。
オホーツク海も波が高く、遠くに見える流氷がもりあがったり沈んだりを繰り返していた。
元気なのはウミネコだけらしい。

北浜駅に寄り道。
流氷の見える駅として、観光客に大変人気のある駅である。
駅とはいえ列車アクセスがあまりよくないので、車でやってくる人も多いとか。
展望台に昇ってみると、強烈なオホーツクの風が吹き込んできた。
「さむ！！」
流氷は海の色にまぎれてまだ見えない。
確かにやってきてはいるのだが、風の影響を強く受けて沖へ流されたりもする。
冬の使者は気まぐれだ。

釧網本線を追い抜いたり追い越されたりしているうちに、斜里町に到着した。