毎年この時期は、未内定者の集中支援になります。
「親が早く就職しろって言うので、気が焦って・・・」とか「もうどこでもいいから、とにかく決めたい・・・」など、焦らない人などいない時期です。
見るからに焦っている学生に「落着いて、着実に・・・」などと言っても上の空です。
かと言って、「もっと早くからきっちりしていないからよ!」なんて言うと、家庭の延長になったりして、二度と会えなくなります。
こんな時私は、或る約束をした上で、本人のしたい様にしてもらいます。
何か指示が欲しいと言えば出すし、とにかく沢山応募したいと思っていれば、どんどんあっせんするし、希望があれば面接の練習も何度も繰り返しする。再度応募書類の見直しを希望すれば添削するし、ただただ気持ちを聞いて欲しいなら、ひたすら聴きます。
ただし、約束も守ってもらいます。
学生に限らず、焦って訪れ、このパターンに入った人の殆どは、ほどなくすると自分の方から勝手に冷静になります。
自分の考えや行動がどの方向に向いているのかを自問自答し始めるようで、「こういう方向でやってみます」などと落ち着きを取り戻す人が多く、最初の焦りが軽減し、優先順位を自分で考えるようになるのです。
最初は「何からすればいいですか?」と言っていた人が、ほどなくすると「まずはここからやってみます」などと言い始めます。
では、約束とは何かと言うと、「感情を逐一報告する」という約束です。
一つ一つの行動に対し、自分がどの様に感じたかを、相談の度に話してもらいます。
前回応募した会社の履歴書を書いてみてどうだった? 求人情報を閲覧してどう思った? 面接はどう感じた? 家で笑顔の練習してどうだった? 説明会に参加した感想は? 家族と相談してどう思った? などなど、あらゆる質問を投げかけますが、私は、その答えに対してただひたすら聴くだけです。何のジャッジもしません。それも約束です。
勿論、共感はします。おもしろい話なら当然笑うし、悲しい感情なら受け止めて慰めもします。(泣く子も多いです)
ただそれを繰り返しているだけです。
その方が、あれこれ論理的に説明するより、自分から落ち着きを取り戻します。
おそらくそれは、安心感ではないか?と私は思っています。
安心感があると、人は自分の感情を話し始めます。出来事の説明だけでなく、そこでどう思ったのかまで話すようになります。
話すことで、自分自身の中が整い始め、だんだん落ち着きを取り戻してゆくのだと、私は考えています。
安心して落着いていると、考え方にも余裕が出来て、視野も広くなります。
つまり、冷静な判断が出来る様になるので、その時にやっと具体的な作戦が立てられる体制になるのです。
後は、本人の立てたプランに私が参謀役として協力するというチームプレーを遂行するという流れです。
周囲に焦っている人がいたら・・・
焦るなと言う程、人は焦るもの。かと言って放っておくと、不安が倍増して暴走やフリーズになります。
なので、安心感というサプリをもらいに、ハローワークに行くよう勧めて下さい。