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シリーズ「大学生のための自己分析のススメ」その3

2017-07-01 | 仕事

就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。

「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。

【1-3】自己分析の3つの型

今回は、自己分析にも様々な”型”があることを説明します。
それは、1.自己完結型 2.共通目的型 3.社会適応型の3つになります。
就職活動における自己分析は、これら全てを使って行うのが良いのですが、この段階では面倒くさいというイメージを持つ方が多いと思います。しかし、中途半端では肝心の採用担当者に何も届かなくなってしいますので、手を抜かずにしっかり行いましょう。

① 自己完結型の自己分析とは

これは、誰しも無意識の内に行っている自己分析を敢えて「型」として表現したものです。
冒頭に記したとおり、実は私たちは皆、普段から無意識に自己分析を行いながら生活しています。
例えば、洋服を買う時です。
殆どの人は、様々な洋服の中から、自分に合うサイズや色、デザインを自由に選びますが、その時に無意識の内に自己分析するのです。そして、ある品物を買うと決めるまでに、実に様々な条件設定をしているのです。
例えば「使える金額」「値段は妥当か」「自分に似合うか」「今必要なのか」などです。
時には、さんざん悩んだ末にやっぱり買わないと判断する場合もあれば、通りすがりに立ち寄ったお店でつい衝動買いする場合もあるでしょう。
これらの行為は、無意識であっても、自己分析が出来ているからこそ行える行為と言えるのです。
他にも、食事のメニューを選ぶ時や、休み時間の過ごし方、さらには勉強の方法を考える時など、私たちは実に様々な場面で自己分析をしているのです。
人は何か行動を起こそうと考える時、自分に最も適した方法を、最も効率の良い順番で導き出そうとして、瞬時に自己分析をするのです。
しかし、自己完結型の自己分析は、その経過や結果を、いちいち周囲に話さなくても済むという点が特徴で、自分の中だけで分かっていればそれで良いこととなるので、その答えが途中で変わろうが、忘れようが、一切お構いなしとなり、少し使い方を間違えると、自己中心的な思い込みの分析になってしまう恐れもあります。
だからこそ、次に説明する共通目的型が重要となるのです。

②共通目的型の自己分析とは

これは、前述の自己完結型に表現力(情報発信)を追加したものと考えます。
「自己完結型+表現力=共通目的型」
先程の買い物を例に、友人と二人で貴方のコートを買いに行くとします。
当然、貴方の頭の中では、自己完結型の自己分析がグルグル廻っている事でしょう。しかし同時に、友人も貴方の事を思い、貴方に似合うであろう、デザインや色を考えています。
ここまでの状態では、貴方も友人も互いに自己完結型の分析をしているのです。友人は、頭の中であくまでも自分から見た一方的な「貴方に合うかも知れない。」という観点で考えているからです。
しかし、貴方が友人にアドバイスを求めたり、友人が貴方に提案したりと、何らかの言葉を交わした時点から、共通目的型の分析に変わります。
すると今度は、貴方のコートを一緒に選ぶという共通の目的に向かって、貴方は条件や好みなど、より詳細な情報を友人に伝え、友人は客観的な立場で、より具体的なアドバイスをする様になります。
結果的には、自分一人で選ぶよりも、友人の意見を取り入れた方が、より客観的に納得の行く物を選ぶことが出来ます。
この様に、共通目的型の特徴は、言葉にして自分の考え(分析結果)を他者に表現する点にあります。
例に挙げた関係は、友人に限らず、知人や家族の方でも同じですが、特に物事を決める時には、自分の考えだけでなく、周囲の人に相談することが多いと思います。
まさにそれが、共通目的型の自己分析です。
互いに言葉を交わし、態度や表情でより深く伝え合うなど、ある共通の目的に向かって意志の疎通を図る事で、それまで気付かなかった新しい発見につながるというケースはよくありますが、この点が、他者に発信しない自己完結型との大きな違いです。
共通目的型の自己分析は、自分の世界を広げ、深めるための自己分析と言えるのです。
貴方も、周囲の人に協力を得て、自分について一緒に分析してもうことで、自分だけでは気づかない新しい自分の側面を発見できるかも知れません。
実は、私たちは普段の生活の中で、何気なく交わしている会話の裏で、自己完結型から、共通目的型への変換を繰り返しているのです。勿論、それを意識的に行っている人は殆どいないでしょう。
しかし就職活動中は、それを意識的に行うことが大変重要なのです。

③社会適応型の自己分析とは

社会適応型とは、初対面の人や、あまり親しくない人に、自分の考えや状況を説明する時や、他者からの情報を受け取る場面に生じる自己分析という意味です。
前述の共通目的型にさらに「伝達力」を必要とした自己分析とも言えます。
「共通目的型+伝達力=社会適応型」
分かり易い例としては、就職相談窓口で、最初に相談をする場面を思い浮かべて下さい。
限られた時間で、しかも初対面の人に相談をする場合、ほとんどの人が自分の状況や考えなどを丁寧な言葉使いで具体的に伝えようとします。
勿論、相談を受ける側も、貴方をより早く理解しようと、様々な質問を投げかけますが、その返答は瞬時に自己完結型で処理され、返すべき情報を整理し言葉に変換しているのです。
全く自分のことを知らない相手に自分を理解してもらうためには、正確で具体的な言葉情報や、それに相応しい表情などが必要です。
まさに、その状態が社会適応型の自己分析です。
ここで肝心なのが、共通目的型との違いですが、それは「言葉選びと気遣い」に集約されます。
人は誰しも、初対面の人とある程度の仲になるまでは、緊張感もあり、言葉も態度も一定の敬意や配慮を心がけるものですが、仲がよくなるに連れ、交わす挨拶は簡略化され、会話も略語や流行語などを多く使うようになります。
そのため、具体的な言葉情報による伝達手段よりも、互いにその場の状況や経緯、態度と言った、非言語中心の伝達手段が増えて行き、やがて‟察し合う仲‟となって行くものです。
しかしそれは、あくまでも特定の人にしか通用しない伝達法になってしまうので、初対面の人には当然、標準語を基本とした敬語を使い、然るべき態度で話す事になるはずです。
自己分析の目的の中でも触れましたが、就職活動における自己分析は、採用担当者にとっての判断材料にならなくてはいけません。
その点で欠かせないのが、社会適応型の自己分析なのです。
やがて面接などの緊張する場面でも、自分の伝えたい内容が、適切な言葉情報で発信できるようにするため、または面接官の質問の意図を的確に理解するための準備だと思えば良いのです。

次回は伝達力につてです。