2月28日 アンドレ・プレビン氏 、3月8日 ミヒャエル・ギーレン氏の逝去の訃報を知った。(以下敬称略)
アンドレ・プレビン(以下A.P)の音楽とのかかわりは、NHK交響楽団の名誉客演指揮者として、最晩年をすごしてから、かれの音楽を見直した。それまではレナード・バーンステインの2番煎じ的な思いを抱いていた。私の所持するメディアも、LD時代L・Bのウエストサイド物語、と彼のマイフェアーレディー、を対照的に楽しんでいた。L.Bの革新的な音楽に対してA.Pの万人に受け入れられる意図的な音楽に、まさに職人的な旨さは認めても、驚きはなかった。したがって、手持ちのメディアも少ない。
Ralph Vaughan Williams 交響曲No.7「南極」
このCDは、好きな指揮者、シャルル・ミュンシュのCD漁りをしていた時に、William、WaltonがG.Piatigorskyに捧げたチェロ協奏曲のCDのいわばおまけのB面的に抱き合わされたCDだ。曲自体が映画のバックミュージックをつなぎ合わせたもので正直、映画音楽そのものだ。
これはDVD13枚組のMozartのピアノ協奏曲を通しての伝記ドラマとその時期の協奏曲のコンサートのLIVE録画を収めたもので、プレビンの監修並びにナレーターとして解説をし,K.491の協奏曲では指揮とピアノを受け持っている。このシリーズではK.271では内田光子のザルツブルグでのLiveが見れるが正直映像はあまり良くない。
1980年代以降A.Pはウィーンフィルを定期的に振っていた。その当時の録音を2枚組にまとめたタワーレコードの廉価版を購入した。このCDに収められた演奏はどれもが楽しめる。演奏は至極真っ当な演奏で、古き良き懐かしさを感じる。極端に言えば平凡な演奏と言えなくもないが、そこには伝統に培われた古きよき懐かしのヨーロッパを感じる。
ミヒャエル・ギーレン(以下M.Gとする)氏については、親父がNHKのFM放送の試験放送が始まったときに、アンテナをたてて聴いた時の中学生の時代にNHKの海外の音楽祭の録音が流された時だと思う。たぶんダルムシュタットの現代音楽祭の録音だったと思う。高校に入学すると背伸びをするように結構、NHKのダルムシュタットの現代音楽祭の録音は聞いていた。しかしG。Mを意識して聴いてはいなかった。大学に入り、バルトークの音楽に興味を抱き、特に2台のPfと打楽器のソナタのレコードが欲しくなり、当時一番安く入手できた下記のLPを入手した。そのLPのA面がバルトークのピアノ協奏曲の2番でウィーン交響楽団を指揮していたのがM.GでこのLPが最初にM.Gを意識した最初だった。
このLPはステレオ表示となっているが、あまり音の広がりは豊かではないが、当時の私のバイトの稼ぎは貧しいもので、当時一番安く入手できたLPだったが、その後CD,DVDと購入したが、2台のピアノと打楽器のためのソナタに関してはこれが1番と、24bit96Khzにデジタル化していまでも一多く聴いている。(このLPはCD化されたのだろうか?)したがって当時はB面がメインでM.Gが指揮するバルトークPfConNo.2はおまけだった。したがって好きなバルトークだけにその後ピアノ協奏曲2番は6種類所持し、シフの奏でるロマンティックな演奏が聴く機会が多く、M.Gとジョルジュ・シャンドールの演奏の出番は少なくなったが、今回デジタル化した演奏を聴くと、現代曲としての切れ味の鋭い、ペシミズムの充満する雰囲気は、バルトークの作況当時の雰囲気が感じられ、シフのロマンティックな演奏よりは、この曲の作曲時代を反映しているものと「いいね」を押したくなる演奏だった。
アルバン・ベルクの「ルル組曲」と「抒情組曲」を1枚のCDに収めたある種アルバンベルクのにゅうもんCDだ。しかもルル役は、舞台でも、期待はしていたが、実現しなかった、カスリーン・バトルとありこのCDを見つけた時には、正直小躍りしたが、正直期待外れだった。その原因は、オケのシンシナティ―交響楽団にあると思う。録音のせいかもしれないが、響きに艶がない。M.Gあえてそうしたのかは不明だが、?
抒情交響曲とでも訳すのか?。この曲はマーラー同様に後期ロマン派を引きずりながらの、傑作と思うのだが、同じユダヤ系作曲家だったが、恋人も、名声もマーラーの取られ、不遇の生涯を、亡命先のニューヨークの片隅で人生をとじた作曲家だが、マーラー好きの私が言うのもおこがましいが、マーラーのド派手な響きは大衆受けはするが、ツェムリンスキーの精緻な響きは大衆受けしなかったのだろう。もっと日本でも取り上げてもよい曲だと思うのだが。そしてこのCDはM.Gの代表作でもあるだろう。
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