とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

「トリスタンとイゾルデ」の思い出

2006年11月28日 | Weblog
高校入学時に英会話のためにと、当時一番安かったソニーのテレコを買ってもらった。もちろんモノラル。それを使って、まだ実験放送だった、東海FM,NHKFMを聞くためアンテナを張りエアーチェックをした。ただオープンリールは高く録音しては消す繰り返しの使用で楽しんでいた。そんな中でカール・ベームのトリスタンとイゾルデに魅了されたが前奏曲だけが3インチのテープに収まり、何度も聴いていた。その後ワグナーの音楽にのめりこみNHK-FMのバイロイト音楽祭の実況を毎年欠かさず聞くようになってしまった。
大学の入試に失敗し打ちのめされた4月にバイロイト音楽祭の引越し公演、しかもトリスタンが大阪で行われた。浪人の身には高値の花だった。NHKでTV放送された時は14インチのテレビ画像に釘付けで見入った。ヴィントガッセン、、ニルソン、ホッターの映像が暗いモノクロ画面に現れた。青春と呼べる時期、ワグナーは大きなウエイトを占めていた。


この時の記録と呼べるVTRを10年前に安価で手に入れた。差ほど期待はしてなかったが、前奏曲が始まるや遥かかなたの青春が浮かんできた。ブーレーズの作る音楽は当時は意識してなかったがベームよりすごいと感じた。N響の音もすごいと思う。記録に残されたわずかな情報だが豊かな満足をもたらしてくれた。
最近フルトヴェングラーのトリスタンを手に入れた。当時欲しくてたまらなかったLPだったが、いつしかベーム、クライバーを追いかけ視界から消えた。今2000円でおつりがきた。しかしこのCDは現代音楽の始まりではなく、ロマン主義の絶頂を証明するものだ。


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