とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

所沢でオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を見る

2009年09月24日 | Weblog
ウィーンの森・バーデン劇場の「ドン・ジョヴァンニ」を所沢ミューズに観にいった。パイプオルガンを備えたコンサートホールでの一応舞台装置を施したオペラ公演の限界を2006年のプラハ室内歌劇団の「フィガロの結婚」で経験したことで今回の公演には期待はしていなかった。
(下記フィガロの結婚評)
http://www.rivo.mediatti.net/~yyamamot/zakugaku060723html.html
そんなことから今回はC席5000円の3階席で聞いた。
とにかくオケ付のオペラ、5000円は他のオペラに比べれば安いの一言。
開場とともに100ページにわたる著書 杉本長史なるプログラム、解説書兼まんがあらすじ書なるものが配られた。以前にも似たようなプログラムを見たことがあった。表紙裏にこれまでのバーデン劇場の公演履歴の掲載の中に2001年セビリア理髪師があった。この公演を行ったことを思い出した。



客の入りは演奏者に申し訳ないほど空席だらけだ。5割を超えたのだろうか?。
とにかく序曲は始まった。意図的かどうかは定かでないが、小編成のオケは力任せに荒々しい曲運びで幕ならぬ引き戸がゴロゴロと音を立て開いた。
そして有名なレポレロのアリア、これがいいのだ。3階の奥まで明瞭に響く、そしてうまい。フーベルト・クレッセンスに期待が持てた。主役ドン・ジョヴァンニのセバスティアン・ホロツェクもなかなかの声量がある。3時間の長丁場二人は終始舞台を作っていた。3人のソプラノもそれぞれに役柄を演じ良かった。惜しかな騎士長が舞台を決めるべく「歌舞伎」で言うところ「大見栄」が切れなかった。
好きなオペラだけに手持ちのDVD,CDの数は多いが少なくとも、鳴り物入りで登場した 2002年、エクサンプロヴァンス音楽祭のLIVE版よりは素直に楽しめた。
舞台演出も狭い空間を引き戸を使った舞台転換でしのぎ、オーソドックスに仕上げたのが成功だと思う。
ひとつ疑問に思った。プログラムの裏表紙に今回のプロダクションの日本での公演日程が記されいた。そして主催者名がいずれもが ○○市文化振興財団となっていた。所沢の公演はいつも空席だけらけ。それは演奏に魅力がないのか、値段が高いのか、主催者が怠慢なのかだ。それなのに財団が公演を継続していける理由はどこにあるのだろうか。他の文化財団との比較を知りたいものだ。
そもそも文化振興財団なるものの目的、予算、運営実態はなんなのだろうか。
民間運営ならば採算を考えての料金設定、プロモーションをするだろう。売れ残ればチケット・ポンテに流れるだろう。そもそも振興財団なるものの存在理由はどこにあるのだろうか、20年所沢に住んでいながらいまだに理解できない。





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