とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

今夜も夜更かしオペラ クルト・ワイルの「マハゴニー市の興亡」を観る

2017年05月01日 | オペラ

 このところ、カルロス・パドリッサの演出のオペラを観ていたが、HMVのNetを開くと、2010年にTEATRO REAL MADRIDで上演された「マハゴニー市の興亡」のDVDがバーゲンで売り出されていた。

 演出がバドリッサとあって無意識的に購入ボタンをクリックしてしまった。すでに購入ボタンを押した商品がまだ未着のがあり、すぐにカミさんの怒鳴り声を想像し背筋が寒くなった。しかも先に注文した商品が未着にもかかわらず、注文三日後に商品が届いた。以前私はこのBlogで、Mozart=フランス大革命、Berlioz=フランス7月革命 Wagner=ベルリン3月革命 の音楽史上3大革命家と呼び、私の好きな作曲家だが、その流れでクルト・ワイルを見ると、激動の20世紀をまさに前半を生き抜いて、「反権力」の立場で、ドイツにあっては 反ナチス。アメリカにあっては、反資本主義を貫いた作曲家だが、私にとっては前三者ほどの彼の音楽は理解し得ていない。

 今回の購入も、パドリッサ演出にひかれて購入したので、この曲全曲を通して聴くのも、見るのも初めてだった。

 

 結論から言えば、「パドリッサ演出」に肩透かしを食らった感じだ。ある意味では、至極真っ当な演出で、ブレヒトの物語を忠実に再現したものだ。特に売春宿の場面では、あまりにもリアルすぎるくらいで、パドリッサの飛躍した発想からは、あまりにも平凡な発想でどぎつさが強調されていた。半面、初めて全曲通して体験した「マハゴニー市の興亡」と言うオペラを理解できた。指揮者も出演者の主役も、初めて名を知った人たちだが、世界には才能のある人たちが、大勢いることを思い知らされた。20世紀の世は大手のレコード会社が、それこそ音楽マーケットを支配していたが、21世紀の世の中、Netの進展は、世界各地でのコンサート情報を知りうることができ、なおかつそれらを、個人の判断で入手できる時代になった。話はそれるが、先日、WGBHのネットラジオで、内田光子+ネルソンス+ボストンSymでのMozartのPf Con No.20を聴いた。それこそ超がいくつついてもよい程のすごい名演だった。Liveのすごさ、カデンツアのそれこそ即興の名技、どれをとっても今までの、録音では味わえないLIVEのすごさが聴きとれた。

 その意味では、おそらくこの「マハゴニー市の興亡」も日本のマスコミでは論じることもなく、レコードXXXなる雑誌でも扱いはおそらく片隅記事で終わったのだろう。その意味では、私の入手したオペラはリアル・マドリッド、テアトル・バレンシアとスペインでの上演に素晴らしいものを見つけた。ヤナーチェックのいくつかのオペラやデュカスのアリアーヌと青髭など機会があれば紹介したいと思います。

私の手持ち 

 ベルリン・プロジェクトと題された2枚組のCD.「マホガニー市の興亡」は抜粋といっても23分のそれこそさわり程度。評価の対処外ただこの中にはワイルのヴァイオリン協奏曲が聴ける。

ワイルの妻であったロッテ・レーニャがハバナ・ソング、アラバマ・ソング、身から出た錆(as you make your bed)の3曲が含まれる歴史的録音=1929年録音、初演者の録音は貴重だがそれだけ。音は聴ける程度のもの

ウテ・テンパーのドイツ語で歌った、クルトワイル、ヒットパレード集 ワイルを知るには良い。

ストラータス・シングズ・ワイルと題された3枚組CD。マハゴニーの中ではハバナ・ソングだけだが、タワーレコードオリジナルで、日本語訳もあり、「7つの大罪」の全曲とケント・ナガノ指揮リオン歌劇場管弦楽団の交響曲第2番が聴き物。私の推薦盤

 

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