先日NHKでグレン・グールドのロシア演奏会の顛末のドキュメンタリーが放映された。深夜のため録画しておいたのを観た。たまたまだがロシアのベネチアレーベルでこの1957年のLIVE盤の2枚組みCDをバーゲンセールで入手して、演奏会の模様はすでに聞いていた。今聞いてみれば、衝撃でも無ければ火星人の演奏とも思われないが、当時の旧ソ連の芸術家にしてみればまさに鉄のカーテンを破って飛び込んだ演奏なのだろう。アシュケナージのインタビューは非常に面白かった。私自身はリアルタイムでグールドを聞いていたわけではないので、アシュケナージの言う天才が天才を見つめた感想は非常に興味深かった。またロストロさんが伝言的にこの演奏会を聞いたリヒテルが、グールドのようにバッハを弾くことは不可能だと聞いたとの証言も面白かった。私自身がグールドを聞いたのは70年代にはいってからだ。現在ではVTR、LD、DVDの映像メディアを含め彼の残された録音はコレクションとなっている。その中ではロシアでのLIVEは今からみれば衝撃とは言えない。私にとっての衝撃のLIVEは1959年のザルツブルグ音楽祭のゴールドベルグ変奏曲、1962年のブラームスのPC No1にアンチェルとの皇帝だろう。いずれホームページでこれらについては述べたいと思う。
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