Net上では世界各国の報道機関が、彼の死を悼み、彼をたたえる記事を配信している。
いま私は、彼の指揮するモーツァルトのレクイエムを聞きながら(横目で見ながら)机に向かっている。
この演奏は彼のマーラー同様にルツェルンオーケストラとの「とにかく美しい」演奏だ。昨年病状の悪化で来日が中止となりこのコンビでの演奏が日本で響かなかった。
私には今もって悔しい忘れらない思い出がある。彼がまだ売り出し初めのときにウィーンフィルとの初来日公演が札幌で予定された。当時札幌で生活していた私はもちろんチケットの売り出しに求め、彼の演奏会を楽しみにしていたが、転勤の辞令が出て、聞くことなく札幌を離れ東京に戻った。それにしてもウィーンフィルのメンバーの耳の確かさがこの時ほどすごいと思ったことはなかった。
日本の「音楽評論家」といわれる人たちは、過半がウィーンフィルをたたえ、この時のアバドの評価は決して正しくは評価されていなかった。彼こそ持って生まれた「音楽家」だろう。彼の環境がなせる業か、彼の音楽は、いつも美しい響きがただよっている。ベルクのボツェックですら、猥雑な響きが聞き取れない。だから駄目だという評論屋さんが日本では幅を利かせているが、私は美しい音が好きだ。
私の手持ちには彼の音楽がたくさんある。おいおい彼の良さを思い起こしながらブログで紹介していきたいとおもいます。
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