とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

ヒルデガルト・ベーレンス 追悼

2009年08月30日 | Weblog
HMVのNetニュースでヒルデガルト・ベーレンスが東京で亡くなられたことを知った。ここ1週間彼女の舞台を見てきた。

2009年8月19日 (水)

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルに講師として参加し、さらにシューベルト歌曲などのリサイタルも開くために来日中だったドイツのソプラノ歌手、ヒルデガルト・ベーレンスさんが亡くなられました。72歳でした。

彼女のすばらしさを知ったのはNHKのBS放送でワグナーのリングが放映されたときだった。彼女のうわさはカラヤンのサロメ、バーンステインのトリスタンとイゾルデで知ってはいたが、音だけではオペラ歌手の評価はできない。
その意味ではこのときの放映された彼女のすばらしさは驚きだった。これまで音だけで作られた(ニルソン、ヴァルナイ)ブルンヒルデのイメージとは違った「女らしさ」の生かされた人間らしさの表現のある表現で、ブーレーズのバイロイトでの
ギネス・ジョーンズの延長にあった。
リングについては、いつかまた書きたいと思うが、世間ではあまり評判とならなかったサヴァリッシュのリングだが映像も音楽もまとまっていて演出も中庸を得て見飽きないよさを持っていると思う。

• 演奏者 : Behrens, Hildegard (Soprano), Lipovsek, Marjana (Mezzo Soprano)
• 指揮者 : Sawallisch, Wolfgang, Sawallisch, Wolfgang
• 楽団 : Bavarian State Opera Chorus, Bavarian State Orchestra
  1989/11-12月

彼女の強烈なオーラを感じたのはヴォツェックだった。ヴォツェックは以前にまとめてブログにかいたがここでの彼女は役者のすばらしさを見せてくれる。前にも書いたがなぜこれがDVD化されないのだろう。まだLDで楽しんでいる。


• 演奏者 : Grundheber, Franz (Bass), Behrens, Hildegard (Soprano), Raffeiner, Walter (Tenor), Langridge, Philip (Tenor), Zednik, Heinz (Tenor), Haugland, Aage (Bass), Sramek, Alfred (Bass)
• 指揮者 : Abbado, Claudio, Abbado, Claudio
• 楽団 : Vienna Boys' Choir, Vienna State Opera Orchestra
1987年

以外なのは彼女のモーツァルトだ。もっともイドメネオだから出演したのだろうが
ここでの彼女のすばらしさは、役者姿だ、コトルバシュ、フォンシュターデとの対比が見栄えするのだ。


イドメネオ…ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール)
イダマンテ…フレデリカ・フォン・シュターデ(メッゾ・ソプラノ)
イリア…イレアナ・コトルバス(ソプラノ)
エレットラ…ヒルデガルト・ベーレンス(ソプラノ)
アルバーチェ…ジョン・アレグザンダー(テノール)
大祭司…ティモシー・ジェンキンズ(バス)、他

メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
指揮: ジェイムズ・レヴァイン

演出・装置・衣装:ジャン=ピエール・ポネル
映像監督:ブライアン・ラージ

制作:1982年 ニューヨーク

手元にあるのは映像だけだ。彼女の魅力は知性を感じる演技があってこそだった。
ご冥福を祈ります。合掌


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