とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

4980円のレコードプレイヤー

2006年08月14日 | LPレコード
その昔、オルトフォン、シェアー、いやデンオンがコストパフォーマンスが良いなど屁理屈並べ立て、厚手45回転LPが得点で付くことを目当てに秋葉駅前のラジオ会館第一家電のカートリッジ売り場に通い、集めたLPを転勤の度にかみさんのいやみを背に受け運び続け、いざ転勤の無い職場に転職した途端大事にしてたプレイヤーは二束三文で売り飛ばされてしまった。そんな時ウテ・テンパーの歌うクルトワイルがなじめず、LPでしかないカトリーヌ・ソバージュの声で聞きたいと思い、偶然某大手量販店の駅前開店セールのタイムバーゲンで「幻の名機」アイワのPX-E880を入手した。以前にも前の型番を所有し当時で8980円だったと思う。イコライザー付きのカートリッジで軽く、トレースも中々で捨てられたプレヤーよりいい音がすると一人で悦に入っていたが、悲しいかなオールプラスッチクボディーでちゃちな輪ゴム並みのベルトドライブなのですぐに壊れてしまった。そのときは結構弦楽四重奏はCDよりもこれでLPを聴いていた。したがって今回は大事に扱っている。
LPでしか聴けない曲を時々聴いている。昨日は久々にコンサートホールソサエティーのLPを取り出した。マゼールのMozartの25番と29番、ブーレーズの春祭と結婚、なぜこれらがCD化されないのだろうと思うぐらいすばらしい。小遣いがままならぬ高校時代、デビュー直後の二人を始めて知った。この3枚のLPは今聴いても色あせていない。特に結婚の打楽器群の音飛びを危惧したがきれいにトレースされなかなかのダイナミックな広がりが出ていた。よく聴いたLPだけに経年劣化したノイズが出るのはあきらめざる得ない。それにしても、ブーレーズの演奏は当時も、今も曲の分析力の鋭さは変わらない。またマゼールの自然な曲運びがこのMozartにはふさわしく今もってこの曲のベストと思っている。古楽器演奏の不自然なアクセント付けよりもこの自然なテンポが躍動感あふれるMozartを作り出している。
3桁の差は埋められないが1桁の差ならば十分勝っている音を出し、2桁の差を埋めつつある音を出すプレーヤーかもしれない。ところでカトリーヌ・ソバージュのCDはあるのかな。


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