とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

年に1度のオペラ「椿姫」を観に、練馬文化センター

2015年10月16日 | オペラ

昨年は、ミューズでコンサート形式のカルメンを見た。その意味では、私の言うところの三大ヒロインオペラの「椿姫」が今回の演目だった。残るは「トスカ」だが来年どこぞの歌劇場の来日公演が観れるだろうか?この日は午前中トトロ財団の「クロスケの家」で田んぼの会の籾干し作業だった。好天に恵まれ作業ははかどり予定通りに終わった。オペラ前に夕食を取るため、3時半に早めに家をでた。

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練馬駅近辺はこれといった食事処がない。結局区役所の展望レストランに行った。5時前のメニューは限られ、どれも食欲をそそるものはなく、安全パイのカニクリームコロッケとエビフライ定食1550円を注文したが、正直味と値段がバランスしていない。1080円なら我慢だが500円分が20階からの眺望代と思ってもこれは暴利と思った。

練馬文化センターでのオペラは、一昨年に今回同様のプラハ国立歌劇場での「魔笛」で経験済みで,ここの劇場でのオペラはコスパが優れている。今回は最上階の一番後ろの真ん中の席だがここは最上席だ。舞台全体が見渡せ視界がさせぎられない。また舞台と程よい距離感が音響的にも許容できる。

しかし前回でも指摘した急傾斜座席のため「ご老体」には無理な席なのだが、今回も杖付きながらよろ付き登る人を見受けたし、開演直前に来て、照明が消えての席探しの危険極まりないご老体を見受け、また演奏中に杖が倒れる騒音を響かせるなど、高齢者優遇もよいが本人のマナーも問題に思った。

 肝心の演奏は、前回同様満足感を味わった。肝心の舞台は、幕開きで円形の白いドアーで囲み中央に白いソファーを半円状においた舞台が出現した。すぐに思ったのは2006年のザルツブルグ音楽祭の舞台だが、プラハは舞台のカラーを白と黒で統一し、ヒロインの心理を白と黒で巧みに舞台に影を作り出していたのが素敵だった。また登場人物も「白と黒」で表し劇の進行に合わせ死にゆくヒロインを黒で包んでいく演出は、ザルツブルクのヒロインを赤に仮面をかぶせ、バイロイト並みの悪ふざけの後味の悪さと違いすっきりした終幕を迎えた。

 歌手は誰一人としてこれまで聴いたことのない名の人だが、満足した。ただオケは小編成だが旋回同様指揮者は違うがやはり会場の響きを考慮せずにまい進した演奏で、音量調節ができていなかった。特に金管の音が大きすぎて全体のバランスが崩れた場面が多々あった。それでも満足はできた。

 このところ東欧の経済状況の悪化が伝えられる中、伝統に根差した質の高い歌劇場の訪日公演は、中国の爆買いツアー同様、私としては歓迎だ。

私の手持ちあれこれ

(アンジェラ・ゲオルギューの椿姫)

私の一押し:1994年のロイヤルオペラにふさわしい、舞台も音も役者も豪華絢爛、ショルティの音楽も推進力があり、主役ゲオルギューに花があり、レオ・ヌッチのジェルモン役が重石になり舞台も閉まっている。欠点はアルフレート役が存在感が薄いことだ。

  2007年のスカラ座では前者と13年の開きがあるが、この間DVDからBDの時代になり、画像・音響は格段の進化を遂げその点では前者を上回るが、反面ゲオルギューの眉間しわは深くなった。舞台を引き締めるジェルモン役が影が薄くなって、音も映像も豪華・絢爛の限りだが中身が前者よりは薄く感じた。

(ザルツブルグ音楽祭 vs プロバンス音楽祭)

 2005年ザルツブルグ音楽祭 当時人気沸騰のネトレプコ+ ヴィルソンのコンビニこれまた人気のバリトン、ハンプソンの人気に乗った演出家の悪いジョークの独りよがりの舞台。舞台が音楽を台無しにする例。

2011年プロバンス音楽祭。ナタリー・デッセイの一人舞台。野外舞台の制約を見事なまでに克服した舞台。これは個人的には一番気にいった「大女優デッセイ」の一人芝居。それで充分元が取れる。

(オペラ映画 vs オペラTV)

1982年のゼッフェルリの豪華絢爛の映画。映画だからできる演出の数々が舞台に作り替え、メトロポリタンでは今でも現役の演出だ。その意味では「椿姫」の原点だろう。ドミンゴはヒロインオペラの相手役を、高いレベルで全曲を演じたテナーだ。

2000年に世界同時放送されたものだが、日本は同時ではなかった。メータの指揮でアルフレートがホセ・クーラ、ジェルモンがロウランド・パネライだがヴィオレッタは当時(いまでも名は聞かないが)無名のロシアの歌手エチェリ・クヴァザーラ。ロケをふんだんに盛り込んだものだがあまり感銘は受けず、観光映画のバックミュージックになっていた。






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