古典医学では生理痛を
「気滞血瘀証」と称します。
生理痛の原因は
実に私たちの日常生活と
密接な関係がありますので、
第一の治療とは体を冷やす、
冷える様な生活習慣を見直し、
生理痛がある方は体質を改善すれば、
痛みを緩和できますし、さらに
これから出てくる女性の悩みにも
予防できると思います。
第二は鍼灸治療の効果を紹介します。
前回、体の中に「経絡」が存在し、
全身の器官、組織に「血」を届け、
その機能を維持させる役割があると
説明しました。
女性の体の機能は
殆ど「血」と関わりがあります。
「血」の流れが正常な状態になるには、
「経絡」の輸送機能を回復させるのが
重要な「ツボ」でもあります。
言わば、「気滞」と「血瘀」を改善し、
女性器官の機能が正常になり、
痛みを緩和し、周期も正しくなります。
「経絡」の輸送機能を回復させるには
「任脈」の「関元」穴と
「督脈」の「命門」穴を選びます。
「任脈」は上半身の胸腹面の正中線に
「督脈」は上半身の背腰面の正中線に
「任脈」上にある「関元」穴と
「督脈」上にある「命門」穴を確認します。
(任脈の図を参照)
* 关元=関元
* 神阙=神闕(おへそ)
(督脈の図を参照)
* 命门=命門
「関元」と「命門」両穴は、
「腎気」を補い、
(「腎気」とは、成長ホルモンや
性ホルモンに相当する)
全身「経絡」の流れを促進し、
「腎の陽気」を補充し、
基礎体温を上昇する事ができます。
昔から「延年益寿」(エンネンエキジュ)
という言い伝えがあり、健康を維持する
重要な「ツボ」であります。
私たちが治療に用いる場合、
「命門」と「関元」の両穴に
「灸頭鍼」という方法を使います。
「灸頭鍼」の具体的な方法とは
刺した鍼の上にモグサを載せ、
点火して鍼を温める。その熱が
鍼を通して身体に伝わる。
言わば、伝導熱と輻射熱を
利用している訳です。
正しく古典的な
「遠赤外線」効果だと思います。
日常生活の中でこの両穴を常に
冷さない様心掛けていれば、
健康を守る第一歩になります。
生理期間、生理痛があった場合、
ホカホカカイロで下着に貼り付け
両穴に常時「温灸」している
効果を得られるのです。
今回又長文になりましたが、
皆さんに読んで頂けるなら、
一番の幸せと思っています。
7日「立秋」になりましたが、
暑さはもう少し続くと聞いており、
暑さ対策
もうちょっと頑張って下さい!