文字だけでデザインする事をタイポグラフィーデザインと言います
しかし タイポグラフィーの場合日本語には
漢字・平仮名・カタカナ・漢数字などがあります
こんなに変化にとんだ文字を持つ国はほかにあるのでしょうか
逆に言えばこんなに豊富な文字をデザインするのは大変です
最初はとにかく文字を書く練習からでした
明朝体とゴジック体を基本練習として行い
文字のバランスを捉えられるように四角い升目に描きます
文字を描いて行くといつの間にか文字ではなく
絵を描いている感覚になって行き
そのためか間違った文字を描いてしまうことも良くありました
文字を手描きで勉強すると実際に自分が思っていた
角度や長さ等を間違って認識している事にも気づきます
目で見た物を形に置き換える作業は
頭でイメージしていた形とのギャップを修正する大切な練習です
学校の課題で漢字ひと一文字を使いデザイン構成する課題があり
しかも鉛筆だけでデザイン表現するものでした
もはやその時は文字ではなく完全なモチーフとして
色々な角度を頭の中で創造してデッサンして描いた記憶があります
この時から日本語の文字の素晴らしさと
表現方法の可能性に気づかされました
欧文には一文字で意味を伝えるのはあまりありませんが
日本語にはまさに漢字があります
武将の兜に漢字一文字のデザインは
まさにタイポグラフィーそのものですね
相撲の番付表等も独特の世界を見事に表現した
タイポグラフィーデザインだと思います
欧文の国にも当然タイポグラフィーデザインはありますが
日本ほどの豊富な表現方法を可能にする文字は無いのではないでしょうか
日本語には非常に繊細な違いを表現する言葉も沢山あります
従って微妙な違いを表現する言葉も多く
日本人は非常に繊細な感性を育むことになったのではないでしょうか
特に着物の裏地等に文字のデザインがされていたり
日本人の繊細さと大胆さの感性はまさに世界に誇れるものではないでしょうか