ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

舌の根も乾かぬうちに

2010-11-22 18:14:17 | イベント

こんにちは、イングリッシュ・ポインターのゼジです。
嘘です!もはや意味不明すぎ!

いやしかし、日本じゃてんで人気ないけど、ポインターってホントいい犬だと思うんだけどなあ。
店主はいつか周りになーんもない田舎の家に住めるようなことがあったら、その時こそ犬と一緒に暮らしたいですね。そして毎朝毎夕、季節の移り変わりを愛でながらのんびり散歩して過ごすのです。そんな風に頭の中で妄想に耽るとき、いつもそばにいるのはイングリッシュ・ポインターだったりするわけですよ何故か。

そんな隠れドギーマンみたいな店主のオタクぶりはどうでもいいとして、本日は昨日の辛辣な記事と打って変わってライヴ&イベント告知の話題です。しかもワタシの。

関西方面の皆さん、お待たせしました。
2011年1月(29日・30日)、大阪・CHOVE CHUVAさんで実に久しぶりの出張イベントをさせていただきます!ショビさんでは二度ほど出張販売をやらせていただいたのですが、最後の開催が2006年8月になりますから、実に4年半ぶりとなります!おおお、人に歴史あり、店に歴史ありってやつか?!

今回は弦楽器に昇天、じゃない、そっちイッてどないすんねん、焦点を合わせた内容。つまりはCHOVE CHUVA弦楽器見本市!
この日ばかりはショビさんが弦楽器で溢れ返ります。
展示物は店主が日頃懇意にし、全幅の信頼を寄せているMATER工房によるピッチピチの弦楽器群。
MATERだけで十数台。これだけで店内は楽器で埋まってしまいます。
既に決定している展示楽器は以下の通りです(非売品含む)。

【MATER】
・カヴァキーニョ Estudante(エストゥダンチ) インブイア
・カヴァキーニョ Clássico(クラシコ) インブイア
・カヴァキーニョ Clássico セドロ
・カヴァキーニョ Super Clássico(スーペルクラシコ) パウ・フェーホ
・カヴァキーニョ Profissional(プロフィシオナル) メイプル 表板:杉(非売品)
・バンドリン Estudante
・バンドリン Clássico インブイア 表板:杉
・バンドリン Profissional メイプル
・10弦バンドリン Clássico インブイア
・10弦バンドリン Profissional メイプル
・ヴィオラゥン・テノール Clássico インブイア
・7弦ヴィオラゥン Clássico インブイア ジャンボボディ仕様

【Di Giorgio】
・ヴィオラゥン Tarrega 2006年製(展示試奏用・難あり非売品)
・ヴィオラゥン Clássico38TM
・運が良ければ他モデルも入荷予定

【SAMBATOWNカスタムメイドパンデイロ】
・ラウンドフープタイプ(オールラウンド)
・平フープタイプ(ショーロ/サンバ向け)
※2006年当時とはワケが違いまっせ!いっぺん見に来て!
 またお手持ちの皮・木胴パンデイロの改造オーダーも承りますので当日是非ご相談下さい。


出品が確実なものだけでこのボリューム。
加えて、店主がこの9月にMATER親方から直々に伝授されたブラジル楽器木材解説も展示致します。
これまでベールに包まれてきたブラジルの素晴らしき上質な楽器材。しかしながらその実体は不勉強な一部の先達によって単なる思い込みのいい加減なガセネタばかりが吹聴され、正しい情報が伝えられずに現在に至っております。
サンバタウンは尽きることのない情熱と好奇心を胸にこの分野に踏み込み、ご来場いただいたお客様に自信と責任をもって解説させていただく所存であります。


(サンバタウン秘蔵・ブラジル楽器材サンプル。もちろん当日展示予定。これ全部正確に解説できるのって日本でワタシ以外にどなたかおられますか?)

ですから今回の趣としては、出張販売というよりはむしろ展示会。エキジビジュ(舌噛んだ)。
ご自身で今お使いの楽器もお持込みいただいて弾き比べてみるという方法もアリ。でも家宝級のあんまり良いやつ持って来ないで下さいね(笑)。
もちろん即売会も兼ねておりますので、その場で気に入った楽器はお買い上げいただけます。
ですから希望的観測に基づいて言うと、もし初日が予期せぬ商売繁盛で楽器がばんばん売れてしまった暁には、二日目の展示物がスッカラカンという、なんともトホホな状況にもなりかねないという・・・ないか。
まあ、そんなわけで、事前ご予約も全く受け付けず、その日ショビさんにお越しいただいた方のみひたすら優遇するわがまま放題のイベント、楽器フェチの皆さんは是非お立ち寄り下さいませ!


そしてそして、イベント一日目の夜はライヴも入っております。
それも店主の所属するBanda Sapato Novo(以下サパト)、悲願のショビライヴ!どんだけ手前味噌なイベントですか。
レパートリーを再確認してみたら、カリオカ系のスタンダードなやつが皆無に等しく、ほぼ全てがサンパウロ内部/ミナス/バイーア/ノルデスチ系、ときどきショーロ。気が付けば思いっきりマニアック路線。誤解を恐れずあえて申し上げますと、私たちはいわばややおとなしめなノボス・ナニワーノスのアクースチコ仕様です。
関西のコアなブラジル音楽ファン、牧歌的な祝祭ミュージックがたまらず好きな方、絶対損はさせません。なんせ開催地はワタシの第二のホームグラウンド、オザーカ(←オタク発音)。しかもハコはサンバタウンの(勝手に)姉妹店であるショビさん。気合いの入り方が違います。唯一心配なのは気合いが入りすぎて空回りすることだけですが、そうなってしまったらワタシはお詫びのしるしに打ち上げを辞退して飲まずにそのまま名古屋に帰ります!もしくは寒空の下で車中泊!すみません、ワタシは今いったい何を言っているんですか?

まあ我々サパトに関してはいろんな演奏の模様が近頃流出してきているようでございますが、少しでもご興味を持っていただけましたら幸いです。そして1/29(土)は大いにブラジル北東部の夜を皆で楽しもうではありませんか。先日の記事の伝でいきますと、必ずや良いライヴにすることをお約束します。

1/29(土) SAMBATOWN楽器見本市&即売会 em CHOVE CHUVA 初日
開催時間 12:00~16:00(短くてゴメンね)

1/29(土) Banda Sapato Novo ao vivo em CHOVE CHUVA
19:00開場 19:30開演
Charge 2,000yen(w/1dr)
 主任(Violão)
 レイコ(Sanfona)
 中川陽介(Percussão)
 ペー(Flauta)
 ゼジ(Voz, Cavaquinho)


1/30(日) SAMBATOWN楽器見本市&即売会 em CHOVE CHUVA 千秋楽
開催時間 12:00~20:00(予定)


みなさま是非!!

今夜すべてのライヴイベントに捧ぐ

2010-11-22 00:44:57 | 日記

こんにちは、プロモーターのドン・キングです。
嘘です!
サンバタウン店主はそこまで商魂たくましくありません!

さて。
今日はちょっと真面目な、ていうか場合によってはどっかにケンカ売るような内容のネタを取り扱ってみたいと思います。
ある意味「開かずの間」的な話題であります。

ブラジル音楽に限らず、最近はライヴハウスという、音楽を楽しむことを主体として作られたハコのみならず、音出しもできてそれなりの数のお客さんを収容できるカフェや飲食店でライヴをやるパターンが激増してまいりました。これは店主の知る限り、もはや全国的な流れになっていると申し上げられます。

こういった現象は、そのお店のなじみ客であればもちろん、いわゆる「ライヴハウス」とかと縁遠い一般のお客さんであっても、気軽にライヴを楽しめるということにもつながり、音楽を楽しむ場が増えていっているという意味では良いことではないかと思います。
地元から愛されている店であればあるほど、集客力はそんじょそこらのライヴハウスの比ではありませんし、実際そういう店でライヴがあった日に満員御礼でなかったのを見たことがないという例をワタシは名古屋において実際に知っております。どこかは言えませんが!
ミュージシャン側にとっても、ライヴハウス以外に自身の表現の場を数多く見つけられるという状況になっており、しかも親密な雰囲気の中で演奏できたりするシチュエーションも多いわけで、そーなるとパフォーマー側としてやりやすい部分もあり、そういうハコの選択肢が増えること自体はありがたいことなのでしょう。

しかしワタシはここで敢えてそんな環境に冷や水をぶっかけるような問題提起をここでさせていただきたいと思います。
果たしてこのままで良いと思っていらっしゃるのでしょうか?と。

ミュージシャンの方々に問います。あなたは良いパフォーマンスをすべく日夜努力に励んでおられますか?
企画者の方々に問います。あなたはハコを満杯にすべく八方手を尽くして奮闘しましたか?
ハコのオーナーや店長さんに問います。あなたは本当にそのミュージシャンにここで演奏してほしいと、
ウチのお客さんに是非見て聴いてもらいたいという判断で引き受けましたか?
地元の世話人さんに問います。あなたはゆかりあるミュージシャンからライヴブッキングの話を持ちかけられた時「あ~あ、また頼まれちゃったよ・・・」とか思いませんでしたか?

言わずと知れたことですが、こういうライヴ会場となっているハコの多くは、元来が飲食店であります。すなわち飲食による売上でもって店の経営が成り立っているわけです。
あるミュージシャンがそこでライヴをやらせてもらうとしましょう。
満員御礼の場合であれば特に申し上げることはありません。ライヴも大盛り上がり、チャージ収入もきちんと採算が取れ、ハコの飲食オーダーも沢山入って、みんなハッピーというパターンです。
しかしそうでなかった場合を想像してみて下さい。
フタを開けてみればお客さんの数もまばら。
ミュージシャンのモチベーションも下がりがち。人によってはパフォーマンスにも影響するでしょう。
(個人的にはどんな環境下でもベストを尽くすような姿勢の人をワタシは応援しますが)
閑古鳥の状況ではお客さんも恥ずかしくて率先してノッたり踊ったりとかはしにくいですよね。
招聘を企画した(ていうか頼まれた)地元の世話人さんなんかも、収支を考えると胃が痛くなる思いです。ああ、今日も自腹を切らなきゃ・・・とかね。

そして何よりハコの「機会損失」、これがなんとも切ない。
ライヴとかイベントとか入れずに通常営業してればそれなりに売上もあがったろうになあ・・・という店のご主人の嘆きが聞こえてくるようです。

更に言わせていただくならば、そんな中、店の外にはライヴがあることを知らずにご来店されたお客さんの姿が。
「ごめんなさい、今日ライヴなんです」
「ええ~、せっかくゴハン食べに来たのに~。こないだも友達何人か連れて来たんですけど、なんかのライヴで入れなかったんですよお。今日もですか?」
「申し訳ございません・・・」
こういうことが舞台裏では日常茶飯事で起こっております。

おわかりでしょうか?
ミュージシャンやライヴ企画者の皆さんは、ライヴ一本こなすにあたり、そういうリスクを背負っているわけなんですが、やるんならそれを自覚した上でライヴを入れていただきたい。
ただ単に「このへんのスケジュール空いたし、どっかでツアー組んで回りたいなあ、前にやらせてもらったあそこやあそこなんかどうかな、雰囲気いいし、打ち上げも楽しいし、食べもんも美味しいし、地元の○○さんにまたちょっと世話してもらおう・・・」
そういう軽ーいお気持ちで臨まれているようでしたら、ワタシはそういう方々に対し、おふざけでないよと申し上げたい。
あなた方がそういう感覚でいらっしゃると、受け皿となっている人々の迷惑になるばかりか、ヘタしたらライヴやらせてもらうハコの本業を圧迫するという罪深い行為にもつながりかねないのです。
一度やらせてもらったから次もまた、という虫のいい考えはやめましょう。頼まれる側はたまったもんではありません。「やらされ仕事」ほど苦痛なものはないことは、社会人ならば誰しもおわかりのことかと思います。
そしてあなた方はいつしか各地で「押し売りアーティスト」という印象を持たれることになっていくのです・・・。

ミュージシャンやプロモーターの皆さんに今一度問います。
あなた方はライヴのブッキングにあたり、
そのハコから「是非ウチで」と請われましたか?
「ええ、まあ、その日は空いてるには空いてますけど・・・」みたいな反応ではありませんでしたか?
地元の世話人から「またこっちでライヴしてくれませんか?」とリクエストされましたか?
そうでなければ、はっきり申し上げます。
あなたのパフォーマンス(もしくはあなた自身)は少なくともその地では求められていません。
お呼びがかかるよう、もしくは自分から打診したら一発快諾してもらえるよう、ご自身の芸と人間性に磨きをかけていて下さい。

店主の経験した限りでは、良いライヴとは
招聘者の熱い想いと、
ミュージシャンの感謝の気持ちに裏打ちされた底力と、
地元の世話人の損得抜きの情熱と、
ハコ側の理解に満ちた協力姿勢と、
お客さんの虚心坦懐なリアクション、

これらが総合的に積み重なって実現するものなのです。
そしてそういうライヴが終わったとき、関係者は感激に打ち震え、ある人は泣き崩れ、お客さんからは「よかったです」の声がやまず、ハコの主人からは「来年も是非ウチで!」とのラヴコールが・・・。
良いライヴとはしぜんそういう風になるものなのです。

音楽を表現させてもらえる人達には、このことを是非頭のどこかに入れておいていただきたいと願うばかりであります。

ワタシはおカネを払ってまで残念なライヴなんて見たくありません。
そしてそんな残念ライヴに協力なんてしたくありません。

ワタシは心の底から、本気で、自分の関わっていく音楽の現場に向き合っていたいのです。

人前で歌い演奏する機会も時折ある自らへの戒めも兼ねつつ。